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国務大臣(
安倍晋太郎君) 確かにいま
志苫さんがおっしゃいますように、
農業というのは相当やっぱり天候が支配をするわけですから、ただ数字だけであらかじめ規定をする、見通しを立てるということは非常にむずかしいわけです。今回のいまの五十万トン過剰米が出そうだという点についても、われわれとしても、まだ最終的な段階にならないとまだ最終的に決まり得ないというふうな点もやっぱりそういう
農業の特性だと私は思うわけですが、米はその中において、特に
わが国における米につきましては、これはやっぱり全体的には私は過剰
生産が基調にあるということはもう明らかでございまして、これは私が申し上げるまでもないわけです。まあ、先ほどから
青刈りの
質問も出ておりましたが、私は
青刈りというようなことで社会的にいろいろと社会を騒がした、これは
農民に不信感、
農政に対する不信感、これによって起こったということもこれは率直に認めなきゃならぬと思うんです。ですから、こうした
青刈りというふうな
事態にいくやっぱり
指導の問題等については問題があるんじゃないかということを私は率直に反省をしなきゃならぬと思います。
青刈りにいかない前にやっぱりこれはそれこそ対話と協調、話し合いで処理できるし、またそれを処理していかなきゃならぬと思いますが、しかし
事態は
青刈りをやっていただかなきゃならぬように、まあとにかく米が過剰基調になり、そうして
政府としては
開田抑制政策を今日までとってきておるわけでございますし、今後もとらざるを得ない。これは先ほどお話がありましたように緊急避難的なものでありますし、将来はやっぱり需給の均衡がとれて、そして
青刈りを行う必要のないようなことになるということが望ましいわけであります。それには私はまず第一にやっぱり
消費というものが拡大していかなきゃならぬと。大体百三十キロ、年間百三十キロの国民の一人当たりの
消費が、大体平均であったのが、最近では九十キロを切っておるというふうな
状態になってきておるわけでありまして、これが果たして日本国民のこれからの主食に対するあり方として正しい方向であるのかどうかというものもこれは大きな問題点だと私は思うわけで、やはり
消費を拡大をしていけば、そうした需給の均衡という面ももっとバランスがとれてくるし、あるいは
青刈りあるいはまた
超過米といったような問題についても、
一つの大きな明るさというものがそこに生じてくると思うんです。が、そうした面では
消費対策というものを積極的に進めなきゃなりませんが、しかし現実問題としてはとにかく
青刈りもしていただかなきゃならないし、あるいはまた
超過米というのが発生をして、そしてこれに対して
政府としてもこの
対策に、いま発生をしそうになって苦慮しておるというのが今日の
状況であります。最終的には私が先ほど申し上げましたように、
農民の皆さんに御迷惑のかからない方向で何とか処理をしたいものだというふうに基本的に考えておるわけでございます。
そこで、まあ、私はやっぱり米についてはそういう基本的な方向があるわけですが、やっぱり食管法のたてまえからすればやっぱり
国民食糧、主食の
確保という面からやっぱり予約限度数量を設けて、それによって国民に対する
国民食糧の主食を
政府は
確保するということが所管法のたてまえになっておるわけでございますし、そうした見地に立って
需要の均衡がとれるというところに政策としてその
重点を置かざるを得ないわけですから、それ以上できたものに対して、限度数量を超えてできた米というものと、限来数量の中で
生産される米というものとの間においては、やっぱり
法律のたてまえからいっても
政府の責任といった面からいっても、これはある程度差があることもやむを得ないわけです。最終的には迷惑をかけないような方向にいかなきゃならぬと思います。が、しかし、たてまえとしては、食管法を堅持するというたてまえから見ても、これはもう予約限度数量で
政府が買い上げる米というのは、やっぱり再
生産を
確保するという面もやっぱり半面
政府の義務としてあるわけでございますして、いろいろとそういう面については考えなきゃならぬので、それは
超過米との間にはその差があることもやむを得ないと思うわけでございますが、しかし、それはそれなりにやはり先ほどからお話がありましたように、まあ
農民が努力をし、そしてまたさらに豊作というものによって生じた米でございますから、それに対しては、われわれも十分配慮をして対処していくということは、
法律のたてまえとは別に考えていかなきゃならぬ問題であると、こういうふうに思います。