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1975-11-06 第76回国会 参議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十一月六日(木曜日)    午後零時七分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         加藤 武徳君     理 事                 林  ゆう君                 上田  哲君                 片岡 勝治君     委 員                 岡田  広君                 源田  実君                 戸塚 進也君                 中村 太郎君                 八木 一郎君                 山本茂一郎君                 野田  哲君                 秦   豊君                 太田 淳夫君                 峯山 昭範君                 河田 賢治君                 内藤  功君                 中村 利次君    国務大臣        大 蔵 大 臣  大平 正芳君        運 輸 大 臣  木村 睦男君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       植木 光教君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  坂田 道太君    政府委員        人事院総裁    藤井 貞夫君        人事院事務総局        給与局長     茨木  広君        人事院事務総局        職員局長     中村  博君        総理府総務副長        官        松本 十郎君        内閣総理大臣官        房総務審議官   佐々 成美君        総理府人事局長  秋富 公正君        総理府恩給局長  菅野 弘夫君        防衛庁長官官房        長        玉木 清司君        防衛庁人事教育        局長       今泉 正隆君        防衛施設庁総務        部長       安斉 正邦君        大蔵政務次官   梶木 又三君        大蔵省主計局次        長        松下 康雄君        厚生政務次官   山下 徳夫君        厚生省援護局長  山高 章夫君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  杉浦 喬也君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君    説明員        大蔵大臣官房審        議官       米山 武政君    参考人        元日本赤十字社        看護婦      岡松八千代君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際  海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法  の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組  合等からの年金の額の改定に関する法律等の一  部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等  共済組合法規定する共済組合支給する年金  の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等  共済組合法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  恩給法等の一部を改正する法律案一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上七案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。植木総理府総務長官
  3. 植木光教

    国務大臣植木光教君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案による措置の第一点は、恩給年額増額であります。  これは、実施時期を昨年よりさらに一カ月繰り上げまして昭和五十年八月から、昭和四十九年度における国家公務員給与改善率により二九・三%増額するとともに、昭和五十一年一月から、恩給公務員給与との水準差の補てんを完結するため、さらに六・八%を上乗せすることとし、この両者を合わせ、恩給年額を三八・一%増額しようとするものであります。  その第二点は、普通恩給等最低保障改善であります。  これは、今回の恩給年額増額措置に伴いまして、長期在職老齢者普通恩給最低保障額を三十二万一千六百円から四十二万円に引き上げる等、普通恩給及び普通扶助料最低保障額を大幅に引き上げようとするものであります。  その第三点は、扶養加給額引き上げであります。  これは、傷病恩給及び公務関係扶助料に係る扶養加給額を、現職公務員扶養手当相当額引き上げようとするものであります。  その第四点は、八十歳以上の高齢者恩給算出率特例であります。  八十歳以上の高齢者普通恩給または扶助料年額計算する場合には、普通恩給最短年限を超える実在職年年数が十年に達するまでの一年について、基礎俸給の三百分の一に相当する額を普通恩給年額に加えることによって、その処遇改善を図ろうとするものであります。  その第五点は、六十五歳未満傷病者併給普通恩給に対する最低保障適用であります。  六十五歳未満傷病者併給普通恩給で、これまで最低保障適用を受けていなかった者についても、六十五歳以上の者と同様に最低保障適用することにより、傷病者の優遇を図ろうとするものであります。  その第六点は、旧軍人に対する一時恩給支給範囲の拡大であります。  引き続く実在職年が三年以上七年未満の旧軍人またはその遺族に対する一時恩給または一時扶助料は、下士官以上として六月以上在職することが支給要件とされておりますが、この支給要件を廃止し、その対象を兵にまで拡大することとし、引き続く実在職年が三年以上ありながら、従来一時恩給等支給されなかった旧軍人またはその遺族に対し一時恩給または一時扶助料支給しようとするものであります。  その第七点は、旧軍人等加算年年額計算への算入要件緩和であります。  現在、七十歳以上の老齢者、七十歳未満傷病者または妻子に給する普通恩給または扶助料年額計算する場合には、旧軍人等加算年年額計算基礎在職年に算入いたしておりますが、今回は、七十歳以上という年齢要件を五歳引き下げ、六十五歳以上七十歳未満老齢者普通恩給または扶助料についてもこの措置を及ぼすことにより、戦地等で勤務された方々に対する処遇範囲を広げようとするものであります。  その第八点は、特別加給増額であります。  増加恩給受給者の中でも特に重症である第二項症以上の受給者に対しては、現在年額七万二千円の特別加給支給されておりますが、重症者という特殊事情を考慮しまして、その額を十二万円に引き上げようとするものであります。  以上のほか、準公務員期間通算要件緩和、低額の仮定俸給年額引き上げ等所要改善を行うことにしております。  なお、以上の措置は、さきに述べましたように六・八%の増額昭和五十一年一月から実施するほか、すべて昭和五十年八月にさかのぼって実施することとしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要でありますが、この法律案は、前国会提案した内容を変更することなく提案するものであります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  次に、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、一括してその提案理由及び内容概要について御説明申し上げます。  まず、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  本年八月十三日、一般職職員給与について、俸給表及び諸手当改定等内容とする人事院勧告が行われたのでありますが、政府としては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり、本年四月一日からこれを実施することとし、このたび、一般職職員給与に関する法律について、所要改正を行おうとするものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、全俸給表の全俸給月額引き上げることとしたことであります。  第二は、医療職俸給表(二)に特二等級を新設することとしたことであります。  第三は、初任給調整手当について、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員支給する支給月額限度額を十三万円から十四万円に引き上げるとともに、医療職俸給表(一)以外の俸給表適用を受ける医師または歯科医師で、医学または歯学に関する専門的知識を必要とする官職を占める職員に対し、支給月額限度額を二万五千円から三万円に引き上げ、同時に支給期間限度を二十年から三十五年に延長することとしたことであります。  第四は、扶養手当について、配偶者についての支給月額を五千円から六千円に引き上げるとともに、配偶者以外の扶養親族についての支給月額を二人までについてはそれぞれ千五百円から二千円に引き上げ、この場合において、職員配偶者がない場合にあっては、そのうち一人については四千円とすることとしたことであります。  第五は、住居手当について、公務員宿舎入居者等を除き、月額五千円を超える家賃を支払っている職員住居手当支給することに改め、その支給月額は、月額一万千円以下の家賃を支払っている職員にあっては家賃月額から五千円を控除した額とし、月額一万千円を超える家賃を支払っている職員にあっては、家賃月額から一万千円を控除した額の二分の一を六千円に加算した額に引き上げ、この場合においてその加算した額が九千円を超えるときは、九千円とすることとしたことであります。  第六は、通勤手当について、交通機関等を利用して通勤する職員支給する全額支給限度額月額八千円から一万円に引き上げるとともに、最高支給限度額月額九千円から一万千五百円に引き上げることとしたことであります。このほか、自転車等を使用して通勤する職員または交通機関等自転車等を併用して通勤する職員についてもそれぞれ通勤手当支給月額引き上げることとしております。  第七は、義務教育学校等に勤務する教育職員支給する義務教育等教員特別手当について、支給月額限度額月額九千円から一万百円に引き上げることとしたことであります。  第八は、非常勤委員、顧問、参与等支給する手当について、その支給限度額日額一万五千五百円から日額一万六千五百円に引き上げることとしたことであります。  以上のほか、附則において、この法律施行期日適用日俸給表改定に伴う所要の切りかえ措置住居手当経過措置等について規定しております。  次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職職員給与改定に伴い、特別職職員について所要改正を行おうとするものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、特別職職員俸給月額引き上げることとしたことであります。その内容を御説明いたしますと、内閣総理大臣及び国務大臣等俸給月額は据え置くことにするとともに、内閣法制局長官等俸給月額は七十八万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、六十八万円から五十八万五千円の範囲内で改定することとしております。  また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使俸給月額は据え置き、大使号俸は七十八万円とし、大使号俸及び公使号俸以下については、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、六十七万円から五十二万五千円の範囲内で改定することとしております。  なお、秘書官については、一般職職員給与改定に準じてその俸給月額引き上げることといたしました。  第二は、委員手当について、委員会の常勤の委員日額手当支給する場合の支給限度額を二万八千五百円に、非常勤委員支給する手当支給限度額日額一万六千五百円にそれぞれ引き上げることとしたことであります。  蔵三は、沖繩国際海洋博覧会政府代表俸給月額を六十七万円に引き上げることとしたことであります。  以上のほか、附則においては、この法律施行期日適用日等について規定しております。  以上が両法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  4. 加藤武徳

  5. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、このたび提出された一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員給与改定を行うとともに、営舎または船舶内に居住する一等陸曹一等海曹または一等空曹以下自衛官給与改善するものであります。  すなわち、参事官等及び自衛官俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校学生学生手当一般職職員給与改定の例に準じて改定するとともに、営外手当についても従前の例にならい改定することとしております。また、営舎または船舶内に居住する一等陸曹一等海曹または一等空曹以下自衛官の特殊な法的拘束性にかんがみ、これら自衛官俸給改善するとともに、営外手当について所要改正を行うこととしております。  なお、事務官等俸給のほか、扶養手当住居手当通勤手当医師等に対する初任給調整手当につきましては、一般職職員給与に関する法律規定を準用しておりますので、同法の改正によって同様の改正が行われることとなります。  この法律案規定中、営舎または船舶内に居住する一等陸曹一等海曹または一等空曹以下自衛官に対する給与改善に係る規定昭和五十一年二月一日から施行することとし、その他の規定については公布の日から施行し、昭和五十年四月一日から適用することとしております。このほか附則において俸給の切りかえ等に関する事項について、一般職におけるところに準じて定めております。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  6. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 次に、大平大蔵大臣
  7. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) ただいま議題となりました国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  まず、国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、最近における国家公務員旅行実情等にかんがみ、内国旅行及び外国旅行における日当宿泊料移転料等定額改定するとともに、あわせて所要規定の整備を行うこととするものであります。  次に、改正概要を御説明申し上げます。  国家公務員等旅行に際して支給される旅費につきましては、昭和四十九年度に実施した宿泊料金実態調査の結果等を考慮し、日当宿泊料及び食卓料定額を、内国旅行につきましては、平均約四〇%程度外国旅行につきましては、平均約三七%程度引き上げることといたしております。  なお、その際、外国旅行につきましては、旅行実情に即して、日当及び宿泊料支給に係る地域区分を改めることといたしております。  また、移転料につきましても、国家公務員の赴任の実態等にかんがみ、その定額内国旅行につきましては、平均約五〇%程度外国旅行につきましては、平均約五五%程度引き上げるとともに、内国旅行及び外国旅行とも等級支給区分現行の八区分から四区分に整理統合することといたしております。  そのほか、内国旅行車賃定額につきましても所要引き上げを行うことといたしております。  次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。  この法律案は、国家公務員共済組合法等規定により支給されている退職年金等につきまして、このたび、別途本国会に提出されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置にならって年金額引き上げることとするほか、退職年金等最低保障額引き上げ、八十歳以上の老齢者退職年金等年金額計算特例等所要措置を講じようとするものであります。  次に、この法律案概要について御説明申し上げます。  まず、この法律案のうち、恩給における措置にならうものについて御説明いたします。  第一は、国家公務員共済組合等からの年金の額を改定することであります。すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法に基づく年金並びに現行国家公務員共済組合法に基づく退職年金等のうち、昭和四十九年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、年金額算定基礎となっている俸給を、昭和五十年八月より二九・三%増額し、さらに昭和五十一年一月より六・八%を限度として増額することにより、年金額引き上げることといたしております。  第二に、長期在職者等の受給する退職年金廃疾年金及び遺族年金最低保障額引き上げることといたしております。  第三に、八十歳以上の老齢者退職年金額等につき、特例を設けることといたしております。すなわち、恩給公務員期間等を有する八十歳以上の老齢者支給する年金の額につきまして、その年金基礎となっている恩給公務員期間等退職年金を受ける最短年金年限を超える場合には、その超える一年につきその年金の額の算定基礎となる俸給年額の三百分の一に相当する額を割り増しして支給することといたしております。  以上の三点のほか、恩給における措置にならうものといたしましては、公務による廃疾年金及び遺族年金最低保障額引き上げ並びにこれらに係る扶養加給年額引き上げること等の措置を講ずることといたしております。  次に、その他の措置といたしまして、掛金及び給付算定基礎となる俸給最高限度額につきまして、現行の二十四万五千円を公務員給与改定状況を考慮し、三十一万円に引き上げることといたしておりますほか、廃疾年金につきまして、現行においては、廃疾状態に該当しなくなったときに受給資格が消滅することとされておりますのを改め、廃疾状態に該当しないこととなったときから廃疾年金支給を停止し、再びその状態に該当することなく三年を経過したときに受給資格を消滅させることとすること等所要措置を講ずることといたしております。  以上が、両法律案提案理由及びその概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  8. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 次に、木村運輸大臣
  9. 木村睦男

    国務大臣木村睦男君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  この法律案は、公共企業体共済組合支給しております退職年金等につきまして、このたび、別途本国会提案されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額引き上げるとともに、退職年金及び遺族年金最低保障に関する制度改善等措置を講ずるため、所要改正を行おうとするものであります。  次に、この法律案概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、公共企業体共済組合支給しております退職年金等のうち、昭和四十九年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給等改善措置に準じて、その年金額算定基礎となっている俸給を三八・一%を限度として増額することにより、年金額引き上げることといたしております。  なお、このうち二九・三%の増額昭和五十年八月分から実施し、六・八%を限度とする増額昭和五十一年一月分から実施することといたしております。  第二に、旧国家公務員共済組合法等に基づく退職年金等最低保障額恩給等改善措置に準じて引き上げるとともに、公共企業体職員等共済組合法に基づく退職年金及び遺族年金につきまして、国家公務員共済組合制度と同様の最低保障額に関する制度を創設することといたしております。  第三に、恩給公務員期間等を有する八十歳以上の老齢者支給しております年金の額につきまして、恩給等改善措置に準じて、その年金基礎となっている恩給公務員期間等期間退職年金を受ける最短年金年限を超える年数に応じて割り増しをして支給するごとといたしております。  このほか、国家公務員共済組合制度改善措置に準じて、廃疾年金を受ける権利の消滅に関し、制度改善すること等の措置を講ずることといたしております。  以上が、この法律案提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  10. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 以上で七案の説明は終わりました。     —————————————
  11. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  恩給法並びに共済年金二法、三案審査のため、本日の委員会に元日本赤十字社看護婦岡松八千代君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  13. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それでは、ただいま趣旨説明を聴取いたしました七案のうち、まず、恩給法等の一部を改正する法律案並びに共済年金法の一部を改正する二法案、この三法案を便宜上一括して議題といたします。  これより参考人の御意見を伺います。  この際、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、お忙しい中を御出席をいただきましてまことにありがとうございました。  忌憚のない御意見を拝聴いたし、三案の審査参考にいたしたいと存じます。  初めに十分程度意見をお述べいただいて、その後各党の四人の委員の方が質疑を行いたいと、かように考えておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは、参考人意見を聴取いたします。岡松八千代君。
  14. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 岡松八千代でございます。住んでおるところは、川崎市川崎区榎町三−一−五一一でございます。  私は、元日本赤十字社看護婦として大東亜戦争のときに召集になった者でございます。自分の経歴を申し上げて大変おこがましいようでございますけれども、私は戦争のころすでに結婚しておりました。子供が二人おりましたので、何回か召集と言われましたけれども、その都度お断りしてまいりましたけれども、どうしても戦争の十五年、十六年になりますと学校の先生が足りなくなってまいりました。で、名目は学校看護婦として勤めるように言われまして、高知県幡多郡奥内村の小学校に学校看護婦として十六年の四月から十八年の八月まで、召集になるまで勤務いたしました。それで十八年の八月になりまして電報で召集令状が来たんです。でも私は子供が二人あるし、現在学校に勤めておるからお断りしましたのですけれども、二回目の電報が参りますし、それから、その当時反動と言われました戦争に反対する思想があるんじゃないかというように憲兵も調べに来たそうでございます。それは後でわかったことなんですけれども、それから町役場からは兵事係の方が家族の説得に来まして、いやおうなしに十八年の八月、子供を残して私は召集になりました。  そのときはどこに行くかわかりませんで、高知を出発いたしまして、大阪の日赤に参りましで初めて満州に渡るんだということを言い渡されました。  私だけじゃなく、そのときに三百八十人ぐらいおりました看護婦さんは、皆それぞれ、本当に自分で戦争に参加するんだという気持ちで参加した人もいらっしゃると思いますけれども、家庭を持った者は皆何とかして早く帰さしてほしいということだけを願っておりました。  二年という約束で参りましたけれども、二十年の八月に終戦になってしまいました。終戦になりまして一年間は、日本の兵隊さんの傷病兵がいましたので、仕方なくというんですか、やむを得ず牡丹江とハルピンの病院で日本の傷病兵の看護をしまして、二十一年の八月、その傷病兵の方が日本に引き揚げるとき、内地還送になるときに、当然私たちも帰さしてもらえると思って荷物をまとめたんですけれども、行く先は別々でした。日本の傷病兵を護送するのは軍隊の衛生兵さんばかりで、私たち看護婦は技術者として、いまの新中国、当時八路軍——パーロ軍と言っておりましたが、そちらの軍隊の方にすんなり捕虜として行かされてしまいました。それも私たちが行きたくて行ったんじゃないんです。私たちは荷物をまとめて内地に帰りたいと思ったのが、そういうふうに上部の人の話し合いがあったんでしょうか、それから捕虜生活が七年続きました。合計満州におりましたのは私たちは十年でございます。  その八路軍に入ります前の一年間は、——戦争が負けてからの日本の私たちは、陸軍病院時代、陸軍から雇われている陸軍看護婦さんと同じ仕事をしておりました。陸軍看護婦さんといえば陸軍省から雇われている看護婦さん、私たちは日本赤十字社の召集ですけれども、日本赤十字社も日本の陸海軍からの要請があって召集したんだそうです。だから当然私たちは、陸軍病院に勤める者は陸軍、海軍病院に勤める者は海軍の所属だったんです。というのは、私たちはこういう召集令状をもらいました。兵隊さんは赤紙です。でも看護婦の場合はピンクです。いまこれはコピーにとっておりますから黒く写っておりますけれども。  それから、虎林の陸軍病院に参りますと、すぐ陸軍読法の式というものをさせられましていやおうなく軍属として待遇させられました。これはそのときの書類でございます。それから陸軍病院の看護婦さんと同じように勤務をしておりましたので、その抑留中に亡くなりました私たちの同僚は、帰ってきまして私たちの報告等いろいろありまして、家族の方は遺族年金をいただいております。もう一つ、ここにありますのは「自殺」という名前が書いてあります。でも、どうして自殺したか。戦争の直後、兵隊さんは刀をもって割腹しました。私たちは陸軍の病院から渡されたものは青酸カリだったんです。この方は青酸カリを飲んで自殺をしたんです。  そういうふうに、私たちは召集になって帰るまで一貫して日本の軍属として向こうでは取り扱わされてきました。それでずいぶん苦労もしました。その二十年八月終戦になりまして二十一年までの一年間は、ソ連から食べるものをもらいましたけれども、食べたものは私たちはコウリャンと大豆でした。そして水もないんですね。木もないんです。大きな原木を兵隊さんがひくときには、看護婦がこのくらい幅の広いのこぎりの相手になって、こうしてまきをひくんです。水をくむときには、兵隊さんが後ろで、山に登りますので私たちが前になってドラムかんの水担ぎもしました。そうして、二十一年の春になって緑の芽が出たときには、私たちはタンポポの葉もとりました。でも、その青い葉っぱをとったのは自分たちが食べるんじゃないんです。寝ている患者さんに青いものを食べさしてあげたい、春になったんだということを知らしてあげたいと思って私たちはとりました。それで、薬草もありません。スズランもとりました。  そういうふうにして一年間、勤務した兵隊さんは二十一年八月、よくなりましたしみんな内地に還送されてしまいました。残った私たちは八路軍の方に捕虜として残され抑留されてしまいました。  それで、八路軍に入ったときどういう仕事を私たちがしたかといいますと、私自身は少し看護婦の経験もありましたし、年もいっておりましたので、医者の助手としてお医者さんと同じ仕事をさせられました。診断をし、投薬をし、そして手術をして、レントゲン写真を自分で撮ってきました。それからもう一つは、向こうに看護婦さんがいないんです。だから、若い人たちを昼夜を通して看護婦さんとして養成もしてまいりました。そういう私たちの一つ一つ、一日一日の積み重ねの七年間でした。  その間、日本とは文通もとだえておりました。二十六年になりましてやっと日本との文通ができるようになりました。そのとき私の主人は病気で亡くなっておりました。二人の子供は祖父母が育ててくれておりました。私だけじゃありません。若い人たち、二十代で召集になった方は自分の青春を十年間犠牲にしてまいりました。  それで、二十八年、やっと私たちが帰るようになりましたときに、いまの中国の幹部の方は、御苦労さまでした、あなたたちが七年間新中国の建設に努力してくだすった、協力してくだすったことは、いまはあなたたちもわかりませんでしょう、私たちが言ってもわからないと思いますけれども、日本と中国とが国交回復ができたときに、そのときに中国の出方がいいというのは、あなたたちのいままでやってきた功績があればこそと思ってください、そのときにはあなたたちのいままでの苦労を、自分自身で喜び、家族の方、地域の方に話してください。そういうふうにお別れのときの言葉は中国の方からいただきました。昨年、田中首相が行かれまして中国とああいう結果になりましたのも、私たちは黙っていままでしんぼうしてまいりましたけれども、私たちが技術者として残され、苦労をしての一日一日の積み重ね、目に見えないところで、日本の言葉の通じる人が一人もいないところで私たちは勤務してきたんです。働いてきたんです。家に帰りたくても帰れなかったんです。日本との文通も二十六年からできたといいましても、三カ月に一回ぐらいのものでした。  そういうふうに、限られた、制限された生活、でも、いま思ってみますと、よかったな、内地の人も苦労されたんだし、私たちだけが苦労したんではないということはわかっております。でも、いま私が言わしていただきたいことは、舞鶴へ帰ったときに、この引揚証明書ですね、ここには陸軍省の復員と書いてあります。ここには軍属の印鑑が押されております。これはコピーです。これは汚れておりますけれども私の実物なんです。で、ここにやはり陸軍省復員になっておりますし、ここが軍属になっております。  そこまでは軍属として扱われてきたんですけれども、さて、今度恩給の問題になりますと、判任官だけしか恩給にならない。判任官は恩給をもらっているから、前に国家公務員で判任官として恩給もらった人がそのまま恩給もらえなくなったら困るからというのですが、恩給から外されているということなんです、日本赤十字社看護婦さんは。それを聞きましたときに、私たちは、婦長さんというのは二十一名のうちに一名しかいないんです。あとは全部看護婦なんです。私もその一人、看護婦で参りました。だから当然恩給の対象にはなっておりません。でも、帰ってきてから私たちは自分たちの生活に追われまして、恩給の問題とか、国にこういうようなことを言うというようなことは、とてもそういう暇もありませんし、どういうふうにしていいかわかりませんでした。やっと帰りましてから二十年ですね。戦後三十年と皆さん言いますけれども、私たちは日本に帰ってから二十年なんです。その二十年の間に何とか生活が落ちつきまして、見回したときに、私自身は現在六十四歳です。若い人たちでも皆六十歳、五十五歳。五十五歳から下の方は一人もおりません。そういうふうに三万三千の人が召集になっております。  きょう、私、各党の先生方の御協力によりまして参考人としてここにこうして話をさしていただきましたことを本当にありがとうございました。私たちの気持ちをわかってくれという方が無理かもわかりませんけれども、まあ皆さん方にも家族もおありになることと思いますので、奥さんのこと、お子さんのことも考えて、私たちがいまお願いしておるのは、日本赤十字社看護婦恩給の対象にしてほしいということなんです。その請願を私たちはいまお願いしておるんです。  この問題はいままでも国会で取り上げられたことがあるそうですけれども、日の目を見ないで現在まで過ごしております。前はどういう方法であったかわかりません。今度の私たちが始めました請願は、日赤にも関係ない、現在病院にも勤めていない、私のようなフリーのような者が現在請願の会というものをつくりましてやっております。  先生方にお願いいたしますことは、この外地に行った者も、私たちのように北方に行った者もあります。南方に行った者もあります。皆それぞれ苦労をしてまいりました。私たちのしてきたことに対して何かの形であらわしていただきたい。そういう切なる願いを持って、いま私の手元に集まっておる救護看護婦として出征いたしました方は五十名しかありませんけれども、日本全国ではもっともっとたくさんいると思います。いまその方たちに呼びかけておりますけれども、何とかして国に私たちのしてきたことに対する一端でも認めていただきたい。これがきょうお願いに参りました私の趣旨でございます。
  15. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述を終わります。ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  16. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それでは、速記を起こしてください。  参考人の切々たる御意見、まことにありがとうございました。  それでは、これから参考人に対する質疑に入りたいと思います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  17. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 先輩の方からまたいろいろ細かくお尋ねがあると思います。いま参考人のお話を伺って、本当に御苦労、委員長のおっしゃったとおりで、本当に胸を打つものがありました。  それで、具体的なことで少しお尋ねいたしたいのでございますが、先ほど参考人から、今回、参考人のようなケースの方が、北方にも、あるいはまた南方の方にもたくさん行かれたと、こういうお話でございます。そこで、最初にお尋ねいたしたいことは、参考人と同じような、そういう境遇にあられる方、その方々は大体参考人の御存じの限りでは何名くらいいらっしゃるというふうにお考えでございますか。
  18. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) いまのところ私自身が知っているのは、住所ははっきりしませんけれども八十名くらいなんです。そのうち住所のはっきりしているのは七十名です。というのは、私たちが今度署名を集めましたので七十名の住所はわかっております。私の手元にそれはあります。
  19. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 いま参考人のお話は、この日本赤十字社看護婦さんを、要するに恩給対象としてほしいと、そういう限りにおいて参考人が御存じの方は大体八十名くらいだと、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  20. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 現在は八十名ですけれども、日本全国に散らばっておりますので、とうてい私たちの個人の力では全部は捜し切れないと思いますけれども、こういうことが法律化され、公報に載り、そして新聞に報道されるようになれば、私も私もと出てくる方はまだいると思います。
  21. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 参考人、意地の悪いお尋ねだというふうに決してとらないでください、善意でお尋ねするわけですから。  お話、伺っていまして、たとえば日赤関係だけでなくてそのほかの——私はまあ戦後っ子でございますから、その当時まだ五つぐらいでございますからよくわかりませんので教えていただきたいのでございますけれども、そうした看護婦さんの資格をお持ちになって、そしてまあピンク色の召集をもらって、そして南方や北方へ出かけられたという、いわゆる民間の看護婦さん的な方はなかったんでございますか。それはどんなふうでございましょう。
  22. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 民間から直接行く人はありません。ただ、自分が志願をしまして、陸軍省に雇われて、当時、陸軍看護婦、海軍看護婦という名前で、日赤の卒業者もあれば大学の卒業者もいろいろあると思いますけれども、そういうふうにして陸軍省に直接雇用された軍属の方は陸軍病院にも海軍病院にもいました。でも、その方の数が少なくてとても傷病兵の看護ができないということで、陸軍省、海軍省の要請がありまして日赤は私たちを召集したのです。
  23. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 そうすると、ただいまお話のあったような、先ほど参考人がおっしゃったような方ですね、そういう方は恩給対象には現になっておりますか。
  24. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 私は、個人一人一人は存じませんけれども、いま日本にある法律の解釈ではその人たちは当然恩給をいただいていると思っております。
  25. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 では、もし参考人のようなケースの方々が恩給対象として認められたと仮定いたしますと、具体的にどのような、参考人として救済措置が講ぜられるのか、御存じの限りでひとつ教えていただきたい。つまり、現状では非常に不利な扱いになっていると。ですから、それがもしこうした対象になっておればこのくらいの国から恩給がもらえるんだけれども、それがもらえないとか、何かそういう不利になっている点があるわけですね。その点でおわかりのことがありましたらちょっと。
  26. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) どのくらいと言いましても、これは金高ですか。
  27. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 ええ、まあ私のお尋ねの仕方が悪かったかもしれませんが、要するに、精神的な面で、こうした御苦労なすったんだから、そういう方に対しては当然こうした恩給対象ということで公に認めてほしいという、そういうお気持ちも十分わかるわけですが、同時に、やはりこれは、まあ金銭と言ってはおかしいですけれども、経済的にも救済になろうかと思うのでございますが、いま御計算なすった限りにおいて、何か特別そういう救済ができますか。
  28. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 私はその金額はわかりません。ただわかっているのは私たちが外地で勤めた年数だけなんです。年数によって恩給は加算されると聞いておりますので。私たちのいま認めてほしいと言っているのは、外地は外地の計算、抑留期間も。個人で恩給願を出した方には、八年満州にいながら一年しか数えてもらえなくて却下になった看護婦さんもいます。その方は婦長として行ったんですから判任官なんです。判任官の方でも、八年の抑留期間が一年に数えられたんでは恩給の対象には全然ならないということで、厚生省から却下された方がいらっしゃいます。そういうふうに、私がいま申し上げたいのは金高とかいうのじゃなくして、ただ年数を加算するものは加算してほしいし、正当に軍人さん、陸軍の軍属さん、海軍の軍属さんと同じように、男であるからこれだけに数えよう、日赤の看護婦さんは女だからこれだけにしようというようなことじゃなくて、仕事は同じようにしてきました私たちですから、当然同じように年数計算してほしいと思います。そうすることによって、その方の勤めた年数によりましてそれが変わってくるんじゃないかと思います。
  29. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 わかりました。  最後にお尋ねいたしたいのでございますが、いままでに、たとえば何か一時金といいますか、何かの形でのそうした公のお金をもらわれたことがあるかどうか。  それから、もしお差し支えなかったら、現在の生活費ですね、当然やはり御生計立てていらっしゃるわけでございますね、お子さんも大きくなられたと思いますけれども、現在の岡松参考人の置かれた経済環境、これをお差し支えなければ教えていただきたい。それで終わります。
  30. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 私自身は現在川崎に住んでおります。いま団地ですから家賃は一万円なんです。それで、残して行きました子供二人は大きくなりましてそれぞれ結婚しております。で、いまのところは私は勤務はしておりません。仕事をしておりません。  それから、私は戦後帰りまして、高知県の宿毛の県立病院の総婦長として六年間勤務しました。そのときに、日赤の看護婦として召集になったのは恩給の対象にならないと言われましたので、二十年になって、これからあと十四年の勤務はなかなかできないなと思いまして、宿毛の県立病院はやめてしまいました。だから、現在は年金というんですか、国民年金、十年、それも私は知りませんでした。仕事をしておりませんからわかりませんで、川崎市の市の便りで、いま一括して納めればこの年の人でも十年の年金になりますよっていう市の便りを見ました。それで、あわてて市役所へ行きまして、お願いしてその手続をさしてもらいましたので、満六十五歳になりますと、来年からですか、一万八千円とかいただけるそうでございます。いまのところ、私自身の生活は何とかできております。
  31. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 わかりました。  先ほどの一時金のことは……。
  32. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) それからですね、私たちが舞鶴へ帰ってきまして船をおりましたときに、陸軍省からといって一万円いただきました。それから高知に帰りまして、私は所属が高知支部の日赤でございましたので、支部にごあいさつに行ったときに日赤から一万円いただきました。それで、その後、外地からの一般の引き揚げ者と同じように、二万円の十年間に支払われる国債と、五万円の十年間に支払われる国債とを二回いただいております。だから、都合九万なんですね。まだその五万はもらっている途中で九万にいってないんですけれども、十年間働きまして九万円なんです。
  33. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 全部でもうそれだけですね。
  34. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) はい、もうそれだけしかございません。
  35. 戸塚進也

    ○戸塚進也君 はい、わかりました。
  36. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 参考人に二、三お尋ねをいたしますけれども、いまいろいろお聞きをいたしますと、あなた方の身分ですね、形は日赤の看護婦ということになっておったわけだけれども、召集以後は、陸軍省の何といいますか、直轄といいますかの看護婦あるいは海軍省直轄の看護婦と全く同じであった……。
  37. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) そうです。
  38. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 軍に配属をされた場合にね。
  39. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) はい。
  40. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 つまり、指揮命令というのは全部軍の方でやってきたというふうに考えてよろしいですか。
  41. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 私たちが虎林の陸軍病院に配属になりましたときに、軍属読法の式というものをしましてからは、前からおりましたその陸軍の看護婦さんと同じ命令系統で働いてまいりました。
  42. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 それから、一般の日本の中国にいた軍人というのは比較的早く帰国できたわけですね。その後軍人は日本にどんどん復員をしたのに、看護婦さんだけ残されたということについて、まあそれで大変長い間御苦労されたわけでありますけれども、当時中国のいろんな思惑から看護婦さんだけ——これは看護婦だけじゃなくて、大体技術者というのは普通の人でも残されたようでありますけれども、その辺のいきさつがもしわかれば、どうして看護婦さんだけ残されたのか。さっきちょっとお話があったんですが、それ以上のことはわからないということであればそれでいいんですがね、どうして看護婦さんだけ残されたのか。
  43. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 先ほども申し上げましたとおりに、私たちが考えますには、その当時、中国の医療体制ができていなかったから私たちが残されたのじゃないかと思いますけれども、私たちが残りたくて残ったんじゃなくて、やはり軍部の上層の方の話し合いじゃないんでしょうか。そういうところのいきさつは全然私たちは聞いておりませんし、そういう、何というか、話し合いがない場合には多分帰れたんじゃないでしょうかね、一般の難民の方は帰れたんですから。その難民の中にも、やはり看護婦さんもいます、お医者さんもいたはずなんです。満赤という大きな病院もありましたから。そういうような人たちは残っていないんですね。そういうところを見ると、やはり私たちは向こうの医療体制のお手伝いをするために残されたんでしょうか、それとも悪く考えますと、召集になるときには日赤が召集したんだから、帰るときも日赤が連れて帰ればいいと思って日本の陸軍は私たちを中国に置いたのかもわかりません。そこのところは全然私たちのような者には定かでありません。
  44. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 あなた方の方から国会の方に請願書が出されまして、私も私なりに若干調べたんですが、こういうことは御存じですか、つまり、日赤の看護婦で帰国してから公務員になった者は、まああなたに仮に例をとれば、十年間向こうにおりましたけれども、帰国して公務員になった者は、その十年間というものが恩給なり年金なり計算されて、その恩給年金支給されているということは御存じですね。
  45. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 全然そういうことは私たち知りませんでした。ただ、私が宿毛の県立病院をやめますときに問い合わせましたのは、県の厚生課なんです。厚生課に問い合わせますと、日本赤十字社看護婦は対象になっていないから、いまの恩給法には入りませんよというふうに言われましたんですけれど。で、その後追求するところもわかりませんし、どういうふうにしていいかわからないので、そのままになっております。  それから、ちょっと答えと外れるかもわかりませんけれども、その後、私の知っている範囲内で国家公務員になった人が何人かいらっしゃいます。で、みんな総婦長とか部長とかですので、当然技術者として雇われていましたので恩給の対象になっているはずなんですけれども、やめるときに、それでは日赤に勤めたものがその自分の年数に加算されているかというと、だれも加算されていないんです。日赤は軍属から外されているから、たとえあなたが婦長で向こうへ行っていて——現在勤めているのが幹部ですね、だから当然本人は恩給に加算されると思っていたのが加算されなかったそうです。そういう方は、いま東京にいらっしゃる方でも二、三名私は存じ上げております。  それからたった一人、十七年間国立病院の総婦長をしておりまして、何というんですか、血圧が高くなり、それで体が動かなくなりまして、普通言うロイマチスですか、そういうふうになりまして、十七年間勤めて休職をするか退職をするかと言われた人が一人いるんです。そのときに教えてくだすったのが、いま病気になっていて、向こうにおるときの年数を何年か足してもらって二十年になって恩給をもらえる制度がありますよと教えてもらって、もらったという方が、森松子さんという香川県にお一人住まっていらっしゃいます。私の知っている範囲内ではその方だけでございまして、帰ってきてから国家公務員になっても全然加算はされておりません。いま高知の国立大学に勤めております山崎近衛さんという方、その方も婦長として満州に行ったんです。私たちと同じように十年間向こうにいたんです。ことしで十九年になります。来年になりますと二十年になって恩給になるけれどもと、この間話しておりましたので、こういう制度があるそうですよと私が言いましたら、それは何回も話したんだけど、恩給の対象にはならないと、受け付けてもらえないのよと言う。こういう決まりがある、法律があると言いながら、届けを出そうと思って尋ねにいくと、厚生省に電話をかけて聞いても、そういう中にはあなたたちは入りませんよと言われるそうです。だから仕方なくもう一年勤めようかなって話しております。
  46. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 大体わかりました。あなた方の請願の趣旨というのは、現実に陸軍省の看護婦と同じように、軍属として直接外地に派遣をされていろいろ活躍をされ、さらに終戦後も長い間現地に残って、中国の病院に勤務をせざるを得なかったということ。全く軍人軍属と同じなんだと。したがって、この間の政府の配慮によって年金なり恩給なりの資格があるのではないか、その点を考慮してくれと、こういう請願の趣旨だろうと思いますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
  47. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) はい、そうでございます。
  48. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 結構です。
  49. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大体趣旨は、先ほどから同僚議員から質問ございましたのでよくわかりました。それで本当は、きょうはこの後、それぞれ省庁の関係者に来ていただいて詳細質問はしたいと思います。それから、私たちは団長の名前で政府の方に文書でもう質問主意書を出しておりますので、その答弁もこの土曜日に出るそうでございますが、私一つだけお伺いしておきたいのは、先ほどの話で大体わかりましたけれども、いわゆる引き揚げてまいりまして、帰国後公務員さんとして、これは国家公務員でも地方公務員でも同じらしいんですが、引き続き勤めた方はいわゆる恩給の対象として扱われていると、こういうふうに言うておるわけです、事務当局。そこら辺の説明はちゃんとしたかどうかということは、これは問題があるわけですけれども、岡松さんの場合はそこら辺のところについては、説明なり何なり、あるいは現実に、先ほど話がございました六年間は地方公務員としてお勤めになっていらっしゃるわけですよね。それで、そこら辺の説明がまずくて、ちゃんと勤めておれば現実に恩給をもらえるようになっているはずなんですね。そこら辺の非常に説明の仕方やあれがまずいものですから、行き違いもあったんだろうと私は思うんですけれども、これは一人二人の問題じゃございませんで、実際は相当、三万人以上もいるそうでございますから、非常に私は重要な問題だと思いますし、引き揚げてきた後の、いわゆる皆さんに対するいろいろな説明がありますね、そういうものの中で、こういうふうな、たとえば引き続き地方公務員として病院に勤めれば恩給の加算になるんだとか、あるいはそういうふうな意味の説明とか、そういうふうな話は聞いたことないですか。
  50. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 舞鶴へ帰りましたときに、自衛隊に入らないかと、というのは私たちの先輩の吉田さんという方が自衛隊にいらっしゃいましたので、その方からは舞鶴で聞きました。でも私は戦争はいやだからっていうことで、それに子供がありますし、皆さん、私自身もそうですけれども皆病気を持って帰ったんですね。戦後衛生状態の悪いところで働きましたので、私自身も心臓、肝臓、腎臓というような病気を持って帰った。みんな黄色い顔をして、栄養失調がちょっと治ったかなあというような形でみんな帰ってきたものですから、いますぐ、日本の看護体制がわからないのに——十年間もブランクがあるんです。看護体制がわからないのに、ただ、中国から帰ってきたから、免状があるから働きなさいじゃ、私たち納得いく仕事ができないからお断りしますと、私自身は断って、それで帰ってから三カ月ぐらい、親戚に病院がありますのでそこで療養さしてもらいまして、後、徳島大学で三カ月勉強さしてもらいました。それから宿毛の県立病院に入りました。そのときには何もだれからも聞かしてもらえませんでした。私自身が満州から帰ってきて仕事をしていないということで、ちょうど高知県の県の中に私たちの後輩の方がいらしたんですね、その方が連絡してくだすったり、それから徳島の大学に私たちの先輩がいましたので、遊んでいるんだったら勉強しないかといって教えてくだすって、徳島の大学に勉強に行かしてもらいました。そういう説明というものは聞いたことはございません。まあ、私たち自身が勉強不足で聞きに行かなかったのが悪かったと思うんですけれども、全然そういうことはありません。それから、私自身は引き揚げ者のあれとかいう方に入っておりませんでしたから、そういう詳しいことがわかっておらないんです。
  51. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 その実情はよくわかりました。  それで、舞鶴で聞いた話というのはどういうふうな話ですか。要するに、公務員にならないかとか、あるいは病院に勤めないかというような話を聞いたわけですか、舞鶴での話ですね。
  52. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 舞鶴へ帰りましたときには、個人個人の面接でございまして、ただ、自衛隊に入れば国家公務員になるということは私たちは知りませんし、国家公務員になれば引き続き恩給の対象になるんだよという、そういうような説明は何にもございませんでした。ただ御苦労さまでしたの一言で終わってしまいましたので、そういう話は聞いておりません。  それから、趣旨はちょっと違うかもわかりませんけれども、いまの日本の法律では、帰ってきて病気になった人には傷病恩給がありますよという一項があるそうですけれども、現在、私たちと一緒に行った方で、三十七個も体の中に散弾を背負っている人がいたんです。それで、手足のような取れるところは全部散弾を取り出しました。でも、頭に当たっているのは取り出せないところなんだそうです。それで、その鉄砲の弾が視神経を圧迫しておりまして、いま全部になっている人がいるんです。気の毒だというので皆さんでお世話して、やっとマッサージの免状を取っていま生計を立てているようです。いま、手続はしましてもう大分になるんですけれども、恩給になるともならないとも、そういうお返事はまだいただいておりません。  こういう方は、この北原さんという方だけじゃなくて、まだいろいろな病気を持っておりますので、向こうからの引き続きの病気だから国立で証明してもらってということでやってはいるのですけれども、まだ一人もそういう傷病の恩給になった人も聞いておりません。
  53. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この問題は、実際昭和四十七年の五月にも、当時の斎藤厚生大臣にこの問題をいろいろ取り上げて質問いたしまして、それで厚生省としても、戦時中に駆り出された皆さん方のことについて政府としても検討するということにはなっているわけですね。その後どうなったかという問題もありますし、そこら辺のことについては後ほど政府当局に質問することにしまして、実際上の実情全部わかりましたので、参考人に対する質問はとりあえず私は終わりたいと思います。
  54. 内藤功

    ○内藤功君 あなたが召集を受けて昭和十八年に出られたときお子さんは何歳と何歳だったんです。
  55. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 長女が四歳、長男が三歳でした。それは数えですから、満で言いますと二歳ですかね。それで、長女は私は十カ月で離乳しました。でも、子供がいるからといって私は召集をお断りしておりましたので、長男の場合には一年半お乳を飲ませました。そうすると少しでも召集が延びるんじゃないかなと思ったんですけれども、満二歳になりますと、どんなに言っても日赤は聞いてくれませんでした。満二歳になっているし、学校看護婦は、あなたじゃなくても普通の看護婦さんでも、免状がなくてもできるんだ、あなたのように免状を持っている日赤の看護婦さんが、そういう田舎の学校の学校看護婦さんにならなくても、そういう仕事のできる人はまだ探せばいるはずだから、ぜひ戦地へ行くようにと言われまして、それでやむなく出かけました。
  56. 内藤功

    ○内藤功君 あなたも当時は三十を超えたばかりぐらいのときですね、三十二、三ですね。そういう方、つまり家庭を持っていて乳飲み子を持っておられる方もおるだろう。お子さんを置いて出てきた方はさっきの三百八十人の中で何人くらいいたか、もしわかれば。
  57. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) 私の知っている範囲内では三名なんです。乳飲み子じゃなくて、一人は一歳私の子供よりも大きい子供さんを二人残していらした住友久寿江さんという方、いま東京にお住まいでございますけれども、その方は病院船に一年間召集になりまして、それで帰ってきて就職して、少しなれたなと思ったらまた召集になりまして、一年間召集になったわけですね。それで今度帰ってきてまた病院に勤めて、少しなれたなと思ったらまた召集になっちゃった。それじゃそのとき休職にできるような病院に勤めたかといえば、そうじゃないんです。あの当時は看護婦の身分が保障されておりませんでしたので、たとえ召集であってもその病院は全部やめさせられて行ったわけなんですね。で、その住友さんという方も、帰ってきまして私と同じように高知県の中村の県立病院の総婦長として勤めました。でも、日赤が加算にならない恩給だったので、年齢が来てしまいまして、病院をやめさせられました。やめたんですね。それでいま東京に住まっておりますけれども、本人が七十歳、御主人が七十六歳、御親戚の方が経営しておりますマンションの管理人として入っています。いまですと家賃は要りません。それから病気をしましても医療費は要りません。でも、二人ともいま病気なんですね。住友さんはコルセットをしております、脊髄が悪くて。御主人も悪いんです。同じような病気ですので、もう管理人の職もできないから、今度都営住宅に入れていただきたい、老人の都営住宅があるということで先日申し込みました。まだ当せんになったかどうか聞きませんでしたけれども、この署名を集めに行きましたときに、何と家賃が一万二千円だそうですね。住友さんも私と同じように年がいっておりますので、国民年金を納めていなかったんです。だから、その方は福祉年金しかもらえないので、本人が一万二千円、御主人が一万二千円、お二人で二万四千円ですね。その中から、もし当たったとしたら一万二千円の都営住宅の家賃を払って、一万二千円で食べていかなければいけない。本当にお気の毒だと思いました。こういう人もいらっしゃいますし、それから内地勤務ですけれども、生後三カ月の赤ん坊を連れまして、召集になったときに、子供が生まれて間がないし、私もまだ体が十分でないからと言って日赤にお断りをしましたときに、日赤は、三カ月すれば、分娩は病気でない、正常なはずだ、だから子供を連れて召集になって行きなさいと言われまして、仕方なく家から子守を連れて病院の近くの家を借りて、それで三人で住まって、自分は子守さんに子供を預けて病院勤務をしました。これは内地勤務なんですけれども、そういうように、子供があろうとなかろうと、現在まだ分娩三カ月のような看護婦さんも連れていかなければいけないほど看護婦さんはその当時から足りなかったわけです。
  58. 内藤功

    ○内藤功君 もう一つだけ伺います。  あなたが、そうすると、宿毛の県立病院をやめられたときの一時金というのは、これはさっき金額言われましたが、そこで働かれた六年間の分だけということですね。
  59. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) はい、さようでございます。
  60. 内藤功

    ○内藤功君 あなた方の気持ちとしては、非常な御苦労された外地での抑留期間というもの、これが全然全く無視されているという点について、法的な措置というものを強く求めている。これが一つだと伺っていいですね。
  61. 岡松八千代

    参考人岡松八千代君) はい。私は、その終戦前二年学校看護婦として勤めたのも、全然私たちはそういうものが対象になるとはわかりませんでしたのでそのままでございます。それから、帰りまして宿毛の県立病院に勤めました六年間も恩給の対象にならないと言われまして、一時恩給はもらいました。そのときの恩給は、もらった金額は二十万円でした。そういうふうにして、そのときも私は高知の県の厚生課に聞きましたし、それから厚生省にも、私は存じませんけれども、知っているという人がありまして、厚生省に尋ねてもらったのです。こういうケースは恩給にならないんだろうか、そしてあと何年ぐらい勤めたら恩給になるんだろうかと聞き合わせをしてもらいましたら、日赤の看護婦さんは恩給になりません、全然いまの国の法律では対象になっておりませんから、二十年勤めないと恩給になりませんよと、三十六年のころ言われました。その後、いま先ほど申し上げました住友さんは、三十八年にやめておりますけれども、その方もそういうふうに言われたそうでございます。
  62. 内藤功

    ○内藤功君 私どもの方でも、神奈川県から出ておる中路議員などが、衆議院で質問その他で取り上げております。全国で、私どもの調べでは、日赤の看護婦さんで戦争中召集された方が三万三千五百人ぐらいいるという数字をつかんでおります。これは、一つの会をまだつくるまでには至ってないのだろうけれども、あなたの周りには何十人かの人が集まっておりますね。いろいろ法律上の解釈ではむずかしい点があると思いますが、ひとつしっかり団結をしてがんばってください。  私の質問は以上です。
  63. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 他に質問ありませんか。——他に御発言もないようでありますから、参考人に対する質疑はこれで終了いたしたいと思います。  参考人におかれましては、お忙しい中を来ていただいて、貴重な御意見まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  それでは暫時休憩いたします。    午後一時二十五分休憩      —————・—————    午後七時四分開会
  64. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、恩給法等の一部を改正する法律案一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案昭和四十二年度以後における公共、企業体職員共済組合法規定する共済組合支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上七案を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  65. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 私は、恩給年金関係について若干の質問をいたしたいと思います。  すでに、この法律案は前国会において廃案にはなりましたけれども、一応前国会において審議をした法律案でありますので、細かい具体的な点はそのときにも私は質問をいたしましたので、省略をいたします。  そこで、この恩給年金に対する今後の方針について関係大臣の決意といいますか、見解を承りたいと思うわけであります。第一は、まず最初に、来年度予算要求というものがすでに各省庁から出されておると思いますし、この臨時国会が終われば予算編成という時期になるわけであります。そこで、当然この恩給年金関係、特に恩給についてはこの予算編成と非常に重要なかかわり合いがあるわけでありますから、恩給担当の総理府として、次年度の恩給に対する、当然その改善でありますけれども基本的な考え方、あるいは具体的にどういうふうにこれを改善していくか、その方針についてお尋ねしたいと思います。
  66. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 本年度の改定につきましては、ただいま御審議をいただいているとおりでございまして、昨年度に比べまして大幅な改善が行われたというふうに考えているのでございますが、すでに御決議などもございますように、まだいろいろな問題点が残されております。したがいまして、五十一年度の概算要求に当たりましては、本年度の改定分につきましてはこれを除くことにして、一五%増の要求をするという財政当局側の御配慮もございまして、したがって、私どもといたしましては、他の施策に比べまして前向きに取り組みながら要求をいたしているところでございます。すでに、懸案の事項でございます恩給年額の調整に当たりましての一律のアップをやめて、上薄下厚の方式を取り入れるべきであるという点につきましては、私どもといたしましては五十年度におきましても一つの案を立てたわけでございますが、財政当局との折衝の中で要求案自身に不備があるという点もございましたので、改めて今回は公務員給与改善傾向の分析結果に基づきまして、仮定俸給増額を上薄下厚で行っていくというような要求をいたしております。さらにまた、最低保障改善につきましても、六十五歳以上あるいはその未満につきましてもそれぞれ増額を図っているところでございますし、さらにまた、いわゆる款症妻と呼ばれます、従来から御要求のございます扶助料支給されていない傷病年金等の受給者遺族に対する年金支給という点につきまして新しい要求をいたしているのでございます。あるいはまた、この委員会でも御指摘がございましたが、女子公務員の夫に対する扶助料支給条件の緩和、すなわち妻と同一条件にするという点につきましても要求をいたしているところでございます。  なお、扶助料改善につきましては、これはまだ最終的に案は固まっていないのでございますが、各種年金改善措置とにらみ合わせながら要求をしてまいりたいと存じております。なお、この分につきましての所要額は一五%以内でおさまるように要求をしているということを御報告を申し上げます。  なお、実施時期につきましては、一カ月の繰り上げを実現をいたしたい。年度当初からという御決議でございますけれども、さらに一歩を進めた形で一カ月の繰り上げということで、こういう財政状況のもとでございますから、私どもの努力目標にさしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
  67. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 今後の恩給年金の処理でございますが、ただいま総務長官からお話がありましたように、一応明年度の概算要求を承っております。したがって、いま鋭意検討の最中でございますので、今後関係省と協議の上、諸般の角度から十分検討してまいりたいと考えております。  以上、いま申し上げられることはそれだけなんでございますけれども、強いてこの機会につけ加えさしていただきますならば、今日の財政事情、御案内のとおりの状況でございまして、景気の足取りもなかなか容易ではない、はかばかしく回復の軌道に乗りませんし、歳入確保の見通しというのは大変暗い状況でございます。反面、歳出におきましては、当然増が大変巨額に上っておりまして、恩給等いわゆる非公共だけで一兆八千億程度の当然増を抱えておるわけでございまするので、いまの水準を維持してまいるということ自体が容易ならぬ難事業であろうと私の感覚では考えておりまして、改善というようなことについてはきわめて至難なわざであると考えておりますことをつけ加えて申し上げさしていただきたいと思います。
  68. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 大蔵大臣、私の要求した内容をオーバーして御答弁があったんですけれども、まあそれはそれとして、こうした社会保障制度あるいは福祉制度そのものは、概して、これは日本だけじゃなくて、世界の歴史を見ても景気のいいときには前進はしていないのです。むしろ景気の悪いときに、こうした谷間といいますか、そういうものが非常に顕著に出てくる。つまり、年金受給者恩給受給者というものは、こうした不況あるいは物価高のときには非常に生活が直接大きな打撃を受ける。したがってそれに対する改善の要求の運動が高まる。したがって政府もそれにこたえていく。したがって、世界の社会保障の制度はいつできたかというと、非常に好況のときにできたんじゃなくて、むしろそうでないときに前進をしているということが事実としてあらわれているわけです。ですから、私はこの不況の時期にこそ、そうした谷間というか、谷間と言っちゃ失礼でありますが、言うところの弱者の生活をどうやって見ていくか。こういう時期にこそ本当に正しい姿を見きわめて、これに対する改善といいますか、社会保障制度の前進を図っていくべきだ、その実はいい機会でもあるという認識もぜひ大蔵大臣に持っていただきたい。そういう点で私はいま質問したわけであります。  そこで、総務長官のお答えについて、私もおおむね本院の決議事項に従って要求されているということについて敬意を表します、率直に言って。ただ、全般的に結構なんですけれども、われわれの決議の内容を見ますと、改定の時期は年度の初めにしなさいということですから、この四月から始めたとしても一年おくれですね、公務員の賃金引き上げに対して。十二カ月おくれになるわけですよ、それでも。ですから、ことし一カ月繰り上げて八月、来年は七月と。この分でいくと四月までには何年かかりますか。あるいは、さらに一年を取り返すには十二年かかるということですから、これは大変なことです。ちょっと総務長官の要求も、余りに謙虚、遠慮し過ぎているんじゃないか、たった一カ月ですから。私はそういう点、ちょっと不満なんです、その部分については。  あとは、そのほかいろいろありますけれども、ぜひ内閣委員会のみならず、衆議院においては大蔵委員会等で恩給年金に関する改善についての決議がたびたび繰り返されておるわけでありますので、先ほど申し上げましたような趣旨、つまりこういう時期にこそ、本当に社会保障制度の前進という視点に立ってこの改革をしていただきたい、このことを要望しておきたいと思うわけであります。  それからもう一つ、先ほど関係の大臣にも列席の上でお聞きになりました日赤の看護婦さん、特に戦争中全く軍人と同じように召集になって戦地で軍属として働き、しかも長い間抑留され、それも単なる捕虜生活ということじゃなくて中国の病院に勤務をする、そういう活動をしてきたわけであります。これに対して、たまたま帰ってきて公務員になった者は救われている。純粋に軍属であった陸軍省看護婦あるいは海軍の看護婦さんは、これまた旧令の年金で救われている。そうでない、帰ってきて民間の病院にいた、あるいはそのまま家庭に入った、そういう人たちだけがいま取り残されておるわけですね。先ほど皆さんもお聞きになったように、実情を聞いてみればやっぱりこれは国として何らかの長い間の苦しみに対して救いの道といいますか、慰めの道といいますか、そういうものをとるべきだろうと私たちは感じるわけなんです。率直に言って、いろいろむずかしい問題も私たち知っております。しかし、願わくばひとつ前向きの姿勢でこの問題について何らかの解決といいますか、打開策をぜひ講じていただきたいと、これについて関係の大臣のお答えを願いたいと思うわけであります。
  69. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 恩給の性格につきましては、片岡委員もう十分御承知のところでございまして、公務員を対象とした年金制度であるということは明白でございます。したがいまして、陸海軍の戦時衛生勤務に服した者であるといいましても、公務員の経歴が全くないという方々に対しましては、その服務期間公務員歴とみなして適用をいたしますことは、制度のたてまえ上きわめて困難なことであるということを申さざるを得ないのでございます。先ほどここで御陳情のお言葉を直接拝聴いたしておりまして、私も心情的にきわめて理解をし、御同情も申し上げるところが多々ございました。ただ、大変困難なことであるということは御承知のとおりでございます。他に類似の方々もあるわけでございまして、これはいま例を挙げましても多数でございますから、御承知のとおりでございます。ただ、何かの形で処遇ができないかどうかということにつきましてはひとつ研究をさしていただくということにさしていただきまして、現在の恩給制度のたてまえから言いましたならば、重ねて申し上げますけれども、きわめて困難であるとしか申せないというような状況なのでございます。
  70. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 これは、前にもこの国会で問題に供せられていろいろ質問を行われております。なお、公明党さんからも文書質問がされて何か近く回答が出るという話をちょっと聞いたわけですが、前に国会で問題になったときも、政府として検討しましょうという速記録が出ておるわけです。むずかしい問題であるということは私も十分承知しておりますけれども、しかし、実情を聞いてみれば、これは救うべき対象であろうと私たちは考えるわけであって、前国会の答弁よりも後退したような答弁では私たちちょっと納得できない。ひとつ前向きで検討してもらいたい。このことを再度申し上げて、もう一度大臣お答えいただきたいと思います。
  71. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 従来の経過も私十分承知いたしておりまして、恩給局内部におきましてもいろいろ苦心をしているところでございます。きょうまたこの問題が、古くて新しい問題として取り上げられたわけでございますので、いま御指摘のように今後の課題といたしまして検討をさしていただきたいと存じます。
  72. 野田哲

    ○野田哲君 まず最初に、今回提案公務員給与改善に関連をして、その背景となっている人事院の勧告について人事院総裁並びに関係局長に伺いたいと思います。  ことしの勧告、それから昨年の勧告、それぞれ内容には本俸並びに諸手当改善と、もう一つは、週休二日制の問題について触れられているわけであります。私の承知をしておるところでは、関係職員団体等との協議によって昭和五十一年当初から試行に入っていく、こういうふうに伺っているわけでありますけれども、この試行の計画がいまどういう形でできているのか、この内容についてまず伺いたいと思います。
  73. 藤井貞夫

    政府委員(藤井貞夫君) いわゆる週休二日制の問題につきましては、いままで二回にわたって勧告の際に触れてまいっておりまして、本年の勧告におきましても、いまお話しになりましたようなことを骨子として報告をいたしておるような次第でございます。民間の週休二日制の実施の状況というものにつきましては、十月におけるわれわれの方の職員局の勧告あるいは給与局の給与勧告に際しての調査ということで、刻々その事態の推移を見守ってきておるわけでございますが、本年の場合は、その実施状況が六七・四%ということに相なっておりますことはすでに御承知のとおりでございます。こういう状況を踏まえて、私たちといたしましては、来年の当初から試行計画を具体化するということにいたしたいという考え方を持っておるのでございます。というのは、本実施ということに相なりまする場合に、具体的にテストをしてみて、どこにどういう問題点があるかということをはっきり具体的につかんだ上でないと、軽々に事は運ばれないという状況がございます。  そういうことで、われわれといたしましては、まず前提条件といたしましては、予算定員というものは、これは現行のたてまえを堅持しつつやっていく、こういうふうにやってきた場合に、どこに問題がどう生じてくるかというようなことを慎重に検討をしながら、方針をだんだん煮詰めてまいりたいという考え方を持っておるわけでございます。そういうことで、具体化の時期というものをすでに来年当初を目途としてというふうに言っておりますので、したがって、試行計画の基準というものはそれとの見合いでそろそろ決めてまいらなければならぬという状況に来ておることは御承知のとおりであります。ただ、この作業は若干、率直に申しておくれております。と申しますのは、事柄がきわめて重要でございます。現行の予算定員を前提としながら、しかも公務に格別の支障を来さないような配慮をしながら事柄を推し進めてまいりませんと、国民のコンセンサスも得られないというようなことでもございます。さらに、こういう民間の不況あるいは雇用状況というものもきわめて深刻なものがあるということも、これは現実には無視はできないということがございますので、その試行計画の基準案につきましては、一応のわれわれとしての腹は決めつつ、関係各省——これはほかならず実施をいたしますのは関係各省でございますので、関係各省なりあるいは関係の職員団体と累次密接な協議を持ちながら、現在調整をいたしておるような段階でございます。そういうことで、もうしばらく試行計画の基準の具体的な内容というものは、煮詰めるまでに時間がかかりますということを申し上げておきたいと存じます。
  74. 野田哲

    ○野田哲君 具体的な内容について、いま総裁の方ではもう少し調整に時間がかかるというふうに言われたわけですが、私の仄聞するところによると、一回当たり一〇%、そうして月二回、こういうようなたたき台を持っているんだというふうに仄聞をしているわけであります。一回に一〇%、月に二回試行——トライアル、こういうことになりますと、これは延べにするとどうなるんですか、一人が一年に二回ぐらいの割合ということになるわけですか。少なくとも、試行ということでは、この程度のことでは私は試行ということには当たらないんじゃないか、こういうふうに思うんです。その影響というものも、この程度のことでは推定することができないと思うんです。これは当初の職員団体等との協議の経過からすると、非常に後退をしているんじゃないか、こういうふうに思うんですが、私の具体的な内容に触れての質問、これは間違いなのか、あるいはそういう方向なのか、これをもう一回答えていただきたいと思います。
  75. 藤井貞夫

    政府委員(藤井貞夫君) まだ確定的な基準の内容についてはお示しをいたします段階に至っておりませんが、いまお触れになりましたようなことを中心にして、一応のアウトラインというものを申し上げますと、月に二回、しかもその点につきましては具体的に申して第一週と第三週の土曜日ということでいかがかというふうに考えております。  それから、試行の期間でございますが、これはやはり全省庁を一応対象として問題のあるようなところを重点にしてやっていかなきゃならぬ、やった結果の検討というものには相当慎重な対策の検討が必要でございますので、そういう点もにらみ合わせまして、まずさしあたりては、一応は一年ということで試行の期間を持ってまいりたいというふうに考えております。  それからもう一つは、試行をやります場合におきましても、その態様をどうするかということでございますが、これは従来もいろいろな席で申し上げておりますように、年休の振りかえということは考えておりません。ということになりますと、結局、具体的な方法としては、特別休暇制度を設定するか、あるいは職務専念義務の免除ということでやっていくかという二つに相なると思いますが、この点につきましては、いまほぼわれわれの腹として固まっておるところでは、職務専念義務の免除という方法を講じてやっていってはいかがであろうかという考え方をいたしておるのであります。  そこで一番の問題は、いまお話しになりましたような、どの範囲でこれをやっていくかということでございますが、これは一番重要な点としてまだ固めておりません。今後とも精力的に各省庁あるいは職員団体とも調整を図ってまいりたいというふうに考えておりますが、ある時期に、これは人事院の方針というようなことでなくて、一割ぐらいで初めは出発していったらどうだろうか、事柄が重大なんだからして、余り大がかりなことで出発して取り返しがつかないということでも大変だということで、一割程度で出発してはどうであろうかというような、まことに事務的な、試案的な案がある席上で出ておることは、これは事実でございます。私も承知をいたしております。ただ、これにつきましては、いま野田委員もお話しになりましたようないろんな問題がございます。これは職員団体側のみだけではなくて、各省庁の方でも、そういう程度のことで果たしてテストと言えるのかというような点も提示されているという問題もございます。したがいまして、この点についてはもう少し詰めをしてみたい。私自身は、率直に申して一割ということに現在のところこだわっているわけではございません。そこまで申し上げておきたいと思います。
  76. 野田哲

    ○野田哲君 幸い人事院の総裁、それから総務長官、大蔵大臣と、非常に週休二日制の問題について関係のある責任者の方がそろっておりますので、大蔵大臣にひとつこの問題と関連をして伺っておきたいと思うのですが、経済情勢等についてもいろいろいま人事院の総裁、懸念をしておられるという見解を述べておられるわけでありますけれども、やはり、公務員が試行の段階から本格的な実施に入っていくということになる場合には、公務員だけが独走するという事情にないことは私も十分承知をしておるわけです。社会的に、全体にこれを波及をさしていくということになれば、やはり金融機関の窓口がどうなるか、このことがやはり重要な関連を持ってくると思います。経済活動全体にも大きな影響力を持ってくると思います。  そこで、大蔵大臣に伺いたいのは、前々からこの問題で銀行法の改正をどうするかということが国会の中での各委員会で議論をされておりますが、現段階で週休二日制を金融機関に実施するための、銀行法なりあるいはその他の関係法の改正措置について具体的にどういう考えを持っておられるか、大蔵大臣に見解を伺いたいと思います。
  77. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) この問題につきましては、仰せのようにひとり金融機関ばかりでございませんで、社会経済全体に及ぼす影響が広く深くございまするので、この問題の検討を、週休二日制を問題にいたしておりまする関係閣僚協で御審議をいただくように私から閣議にお願いをいたしました。そして、その閣僚協のもとで各省の連絡会議というのが設けられておりますが、そこに金融機関の週休二日制問題を検討する第五部会というのを設けていただきまして、そこで御検討を煩わすことに相なっております。  一方、銀行法でございますが、これはずいぶん古い立法でございますので、昭和二年の立法でございますので、世の中一変いたしましたが、まだ、かな書きの文語体の法律があるわけなんでございますが、世の中一変いたしておりますのにこういう状況なんでございますが、これの改正の問題はもうつとに国会からも取り上げられておったわけでございます。そこで、ことしの五月、金融制度調査会に改正を正式にお諮りをいたしたわけでございます。金融制度調査会におかれましては、今日まで五回総会をお開きいただきまして、この問題の検討をしていただいておると聞いておるわけでございます。ただ、非常に経済関係の基本法規でもございますので、私としては拙速でやるというようなことはいけないことだと思いますので、相当時間をかけて、実のある御審議をいただきたいというつもりでございます。したがって、みっちりと御審議をいただきたいという旨で、希望いたしておるわけでございます。  いままでとりました措置といいますか、段取りはそういうことになっておるわけでございまして、こういう仕組みを通じまして実のある審議を今後進めてまいりたいと考えております。
  78. 野田哲

    ○野田哲君 総務長官に公務員の給与制度の基本について伺いたいと思います。  きょうはすでに十一月の初旬ということで、昨年の公務員の給与を決定したのは十二月の二十三日です。昨年十二月の押し迫った時期に公務員の給与を決定する際にも、私はこの席で申し上げたわけです。またことしの五月にも触れているわけでありますけれども、毎年公務員の給与の決定が非常におくれる、そうしてそのために支払いが遅延をしていく、そのことによって四月からの給与の差額、当然民間の労働者あるいは公務員と一番近い関係にある公労協の場合にも春闘直後には協約が成立をして支払われているわけです。それに比較をいたしますと非常な減価をしておる。このことは、もう何回も指摘をしているわけです。  そこで、総務長官、昨年も、それからことしの五月にも、幾つかの方法が考えられるということで、考え方としては四つの方法がある、しかし現段階ではそれぞれ法改正を伴うもの、あるいは、人事院勧告制度にかかわる問題であるから当面は国会をできるだけ早く開いてこの問題の処理に当たるしかない、こういうことをことしの五月にも述べられているわけです。結局、ことしの場合も、九月十一日から国会が開かれたわけでありますけれども、国会の中のいろんな情勢によって押し流されて今日に至っている。こういうことでありますから、抜本的な解決策ということになれば、これはやはり制度の改革、改正というものを考えない限りは抜本的な解決策にはならないのではないか、こういうふうに考えるわけでありますけれども、この点について総務長官としては、現段階でどういうふうに考えておられますか、まず、その点を伺いたいと思います。
  79. 植木光教

    国務大臣植木光教君) いま仰せになりましたとおり、私どもといたしましても早期に支給をいたしたいという考えのもとにいろいろ検討をいたしまして、四つの案を考え、そして、最終的には現行制度のもとで行う以外にないという結論によりまして、本年度もこれに対処したわけでございます。ただ、昨年とは異なりまして、本年は人事院勧告が八月十三日でありましたのを、閣議決定は九月十二日に行いまして、そして十月九日には関係法案国会に提出をし、そしてただいま御審議をいただいているというふうに、かなりの程度昨年に比べますと事態は改善をされたと考えているのでございます。しかし、いまお話のございましたように、他の公労協の方々等に比べまして、問題が時期的にずれることによっていろいろあるということは十分認識しております。したがいまして、現在も早期支給の点について引き続き検討をしているのでございます。しかしながら、それぞれ給与法定主義との関係でありますとか、国会議決主義との関係でありますとか、いろいろあるわけでございまして、制度の根本的改革という点につきましては、まだ私どもは、なかなかそこまで踏み切ることはできないというような状況であります。今後とも検討を続けさしていただきたいと存じます。
  80. 野田哲

    ○野田哲君 今後さらに検討するということでありますけれども、御承知のように同じ国家公務員の場合でも、五現業の職員——郵政、林野、それから大蔵関係の現業、こういうところについてはこの問題は解決済みなんです。結局、これは解決を求めていこうとすれば、労働基本権問題、これとの関連なしには私は解決がついていかないんじゃないか、こういうふうに思うんです。  そこで、関連をして伺いたいのは公務員問題連絡会議、これは総務長官が主宰をして非現業の公務員の労働基本権問題について検討をされている。これは公労協の問題がいま大きな課題になって、十一月末ということ、まあきょうの予算委員会でも末、そうではなくて秋をめどなんだと、こういうようなやりとりがあったわけでありますけれども、非現業の問題についても、やはりこれは公労協の問題と並行して結論を出していかなければならない問題ではないかというふうに思うわけでありますけれども、現在の公務員問題連絡会議における非現業の公務員の労働基本権問題についての審議の経過なり現段階の考え方について、総務長官としての御見解を聞かしてもらいたいと思います。
  81. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 四十九年に行われました合意事項の第五項目に「非現業職員の労働基本権については、公務員問題連絡会議で引き続き検討するものとする。」ということが合意されておりまして、これを受けまして、すでに三十数回にわたって公務員問題連絡会議を開いてきたわけでございます。すでに御承知のように、答申の中にありました「運用によって処理すべき事項」につきましては、それぞれ各省庁に総理府が中心になりまして連絡をとりまして、交渉の促進でありますとか、あるいは勤務条件についての交渉につきましてでありますとか、いろいろな面については処理をしてまいったのであります。そして、「具体案の作成に努力すべき事項」としての「登録制度と法人格の分離」等の四項目につきましては、一つは人事院において措置をしておられるわけでございますが、あとの三項目につきましては、法人格付与法案及び国公法及び地公法の一部改正法案を御提案申し上げまして御審議をいただいているというところでございます。「引き続き検討すべき事項」が、「消防職員の団結権」と、「非現業職員について、交渉不調の場合等における調整等の方法」及び「刑罰規定の再検討」でございます。で、この三項目につきましてはずっと協議を続けておりまして、十月の十三日にも連絡会議を開きまして、いろいろ詰めを急いだわけでございますけれども、この三項目につきましてはまだ結論を得るに至っていないという状況でございます。  なお、この非現業職員については、秋であるとか春であるとかいうような時期の制限というものはないわけでございます。しかしながら、私どもといたしましてはできるだけ早く結論を出すべきであるという考え方に基づきまして、精力的にこれに取り組んでいるという次第であります。今月も連絡会議を開催いたしたいと考えているところでございます。
  82. 野田哲

    ○野田哲君 時期のめどはないというふうにいま総務長官言われたわけですが、私はそういうことにはならないんじゃないかというふうに思うんです。というのは、公労協の関係についていま専門懇で審議をされ、近々十一月下旬には一つの結論が出る、それに基づいて閣僚協で結論を出す、こういうことになっているわけですが、この場合には「三公社五現業等」という言葉を使ってあるのですね。文書で「等」。確認の文書。この「等」という意味は、すなわち国家公務員、地方公務員等の中にある——特に地方公務員ですか、地方公務員の公営企業部門とか、あるいは現業部門、これが地方公営企業労働関係法という法律適用を団結権等については受けているわけです。この適用部分が「三公社五現業等」という中に含まれておるというふうに私どもは理解をしておるわけです。そういたしますと、公労協の結論を出すときにはこれと並行して、地方公務員の公営企業部門、現業部門等についても同様の結論を出すとすれば当然地方公務員にかかわってくるわけでありますから、並行的に結論を出されることが私は妥当な措置ではないか、こういうふうに考える。したがって、ことしの十一月末ということが、何か最近は後退をして、ことしの秋がめどだから十一月末に限ってはいないんだというような話が出ておりますけれども、いずれにいたしましても、公労協の場合と並行的にこの問題は結論を出されるべきではないか、こういうふうに思いますが、この点はいかがですか。
  83. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 「三公社五現業等の争議権等」というのが合意事項にあるわけでございますが、これは非現業を除くものというふうに解釈すべきであろうと存じます。そういう意味におきまして、現業部門につきましてはこの五十年秋ごろまでに結論を出すよう努力すべきであるという考えのもとに政府としては取り組み、そして臨むべきであると、こういうふうに考えるところでございます。ただ非現業部門につきましては、争議権については御承知のように公制審の答申も全面否定論あるいは一部否定論、全面容認論というふうに三論併記でございましたために結論を出していないという状況でありますので、私どもといたしましては、現行制度のままで参りたいという考えのもとに総理も本会議等で述べられたところでございます。他の労働基本権につきましては、先ほど来申し上げておりますように措置すべきものはいたしましたが、引き続き検討すべきものにつきましては精力的にこれを行い、結論を速やかに出すように努力を続けてまいりたいと存ずるのであります。
  84. 野田哲

    ○野田哲君 時間がございませんので先に進めてまいりたいと思います。  今回提案されておる中に沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、これが出ておりますが、私も何回か沖繩に参りましたが、この海洋博の関係に対して現地に通産省等から派遣をされておる職員の沖繩県民に接する態度とか、あるいは勤務の態様等についてかなり問題を私も感じております。九月の終わりにも、公務員としては問題にしなければならないような、かなり重要な地位にある人の行動が明らかにされて現地では大変問題になっておるところです。その問題にいまここで触れるつもりはありませんが、やはり海洋博全体に対する、あるいは現地に派遣をされている職員、この直接の所管大臣は通産大臣ということになるだろうと思いますが、植木総務長官も沖繩担当の大臣をされているわけですが、このことに関連をして秦議員の方から関連質問がありますので、それをひとつお願いしたいと思います。
  85. 秦豊

    ○秦豊君 総務長官、大変御多用ですから、あなたはもうとっくに忘れているんじゃないかというおそれを持ちながら質問をするんですが、ここに十月二十八日の衆議院内閣委員会で、沖繩の海洋博の不振の原因はどこにあるかということをテーマにした、わが党大出俊議員の質問の全文がある、コピーですがね。わが党の大出議員は確かに海洋博不振の原因は何かという設問をした。あなたに対しては質問の通告がなかったからいきなりアドリブの質問になったという点は一応エクスキューズをするとしても、この場合、あなたの答弁、大変問題だとぼくは思う。念のために読んでみますと、「どちらかといいますと余り積極的でありません」、沖繩県民の方々の県民性は。「受け身と申しますか、そういう仕事ぶりであるというような点もございました。」、お客様が来るのをじっと待つというふうな、つまり受け身の県民性が沖繩海洋博不振の一因であるということを、あなたはまず大出議員に答えておるわけですよ。ところがわが党の大出議員は、そんな言い方はすりかえじゃないかと、問題の。問題にしますよという追及をしたら、あなたは同じ委員会のそれに続く発言で、沖繩県民は長い間異民族支配云々ということを繰り返して、その場は何となくおさまったかのごとき感がある。ところが、それではなお危いと、仮谷発言じゃありませんがね。植木発言なんかがニュースになるとまたぞろ大変だからというので、開発庁のあなたの部下たちが、たとえば喜屋武眞榮さんあるいはわが党の上原康助代議士等々県選出議員のところを回って、植木長官の真意ではないと、あれは。本意が正確に伝わらなかったという言い方をして、まあ消しゴムを使って歩いたわけです。ところがあなたの不用意な——非常に私は植木さんらしくないこれは不用意な発言だというわけで、少なくとも私があなたに対して持っているイメージはかなりダウンした。あの人が言うはずがないということが。そうでしょう。しかも、沖繩タイムスなんか六段抜きで当然大きく扱っております。そうして那覇市長の平良さんなんかは、あの植木さんともあろう方がまさか、もし本当におっしゃったとすれば植木長官の沖繩認識には問題がある、問題にせざるを得ないと、わざわざ会見で述べているのですよ。本土のマスコミには、なぜか感度の鈍い面があったのか、ほかの紙面が錯綜したのかわからないけれども、本土の紙面にはなるほどほとんど反応はなかったが、沖繩の民間テレビを含めてかなり大きな波紋を投げた。これについて、私は、それだけならまだしもですよ、この十月八日には、さっき野田議員が聞きましたように、沖繩海洋博の事務総長である越智さんが十月八日の第十回沖繩経済振興懇談会というやや公の場でもって、海洋博不振の原因を問われて、まず第一は、本土経済の不況であると、日本経済全体の。二番目には、諸悪の根源は海洋博にあると言わんばかりの県民感情である。三番目には閉鎖的な沖繩県民性だと答えている。事務総長ですよ、この発言は。それと、私がいま引用させていただいた二十八日の植木長官の御答弁、県民性云々は、私に言わせれば、これはまことに簡単に見逃すわけにはいかない。あわせて一本ですよ。事務総長の非常に不謹慎な発言、それからあなたのあなたらしくない不用意な発言、これはあなた何と思っていらっしゃるのか。十一月六日で沖繩の海洋博は開会以来百十日になった、そうすると閉会まで七十五日しかない。入場者は二百万をなるほど超したけれども、協会当局の予測にあった四百四十五万人なんというのはとても達成できないという予測がすでにちらついている。しかも、本来、確かに四十五年には沖繩の財界が提唱をしてこの海洋博の兆しが始まった。田中角榮前総理が通産相時代、四十六年のたしか十月でしょう、海洋博の政府決定を見たのは。しかし、多くの沖繩県民にとっては招かれざる客なんですよ、海洋博は。初めから懸念を持っていた。乗り気ではなかった。だからこそ、いまや沖繩の失業率は五・六%にもなってはるか本土を抜いているし、それから、現実に三千億円も投資した政府と民間の投資のうちの七五%は本土資本が吸い上げている、地元にはおこぼれだと。二階から目薬じゃないですか。そうした意味でも、沖繩県民に与えられたのは海洋博インフレ、海洋博失業、これが実態じゃありませんか。総務長官よく御存じだと思う。しかも、関連の中小企業は、商店などは倒産、閉鎖、これがもう続出をしているのがいまの海洋博の余波を受けた沖繩の実態じゃありませんか。そのようなものを御存じの上で、なおかつあなたが、私が冒頭引用したような、海洋博は押しつけられた海洋博である、初めから政府側には沖繩のためにやってやるんだという、まことに私に言わせれば恩着せがましい態度がある。にもかかわらずあなたが、さっき言ったように、その不振の原因の根本に対して深い思いをひそめないで、いきなり県民性に問題があるというふうなあなたらしくない言い方は、私は開発庁の役人の方が関係議員を回ったなんということでは済まぬと思う。これは、やはりこの場におきまして、総務長官としてのあなたから、いわゆる真意なるもの、あるいはいまのあなたの考え方なるものをきっぱり伺っておかないと、後々のためによろしくない、私はそう思う。どうですか。
  86. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 大変よい機会を与えていただきまして感謝申し上げます。と申しますのは、私が十月の二十八日に衆議院内閣委員会におきまして大出委員から御質問をいただきました直後、ある通信社がその私の発言に関連いたしまして報道をせられたわけでございます。その場には、それ以外の各社と申しますか、ほとんど全部の報道関係者が傍聴をしておられたわけでございますが、そのある通信社の報道に関連いたしまして、沖繩海洋博の不振は県民性のゆえであるという見出しでそういう通信が出されたものでありますから、当時、傍聴をしておられた他の通信社の方々は、非常に聞いておった内容と違うというようなことで、私に、こういう報道が行われていると、おまえの真意と違うではないかと、きょうの発言とは大分ニュアンスが違うではないかというようなことを御指摘を受けました。それで、私は早速この速記録を取り寄せまして、そして全面的に私自身ももう一度読み直しますとともに、報道機関の方々にも読んでいただいたのでございます。しかしながら、その報道は、現地の沖繩タイムス及び琉球新報にはそのままの形で載せられたというのがただいまお読み上げになりましたものでございます。  そこで、これを全体としてお読みいただいたら私の真意はおわかりいただけると思うのでございますが、この県民性云々と申し上げております部分は、大出委員が海洋博覧会にお行きになりましたときに、そばを一杯食べるのに一時間半も待たされたと、こういうような御発言がありました点、あるいは地元の中小商工業者が非常に不振のために困っておられるという点に関連いたしまして私が御答弁申し上げた部分でございます。いわば、この沖繩県民の立場に立ちまして、当初は、たとえば、ここにもございますけれども、海洋博物価と言われたような非常に思惑値上げがございました。これの鎮静をさせるためのパトロールをいたしましたと、あるいは一時間半もお待たせしたとするならば商売が下手だというような点がありましたのがそういうふうなことになったのでありましょう、というような意味で申し上げたのでございます。したがって私といたしましては、沖繩県民がもう少し積極的に商売をやっていただきたいということを、県に対しあるいは海洋博覧会に対しあるいは県の団体に対してお願いをしたというような経過もあり、今日では大変その点につきましては県民の方々も御努力をいただいているという状況でございますから、したがって私はそのままの姿を申し上げて、いわば沖繩県民の温和な性格を弁護いたしますとともに理解を深める、そういう意味での発言をしたのでございます。したがって大出委員も、善意はわかったと、こういうことをお答えいただいたわけであります。  なお、これにつきまして大変御心配くださいました議員の方々がございまして、その新聞をごらんになりました一人にいまお話しになりました上原議員がございます。上原議員は、私どもからこれを持ってまいります前に、新聞を見たけれども、ふだんおまえを知っているものとしてはそういうことを言わないと思うがどうなんだと、こういうような御質問がございまして、私をむしろ慰めてくださったというような一場面もございました。あるいは、喜屋武議員のお名前が出ましたが、喜屋武議員はわざわざ私に電話をかけてくださいまして、こういう報道がせられたことを気にしなさぬなと、県民はあなたの真情をよく知っておりますと、むしろいままでと同じように、さらにそれ以上に沖繩県民の立場に立って仕事をしてほしいと、こういう御激励をいただき大変私も感激をしたのでございます。また屋良知事、あるいはいまお話が出ました平良市長、それぞれ皆さん方が、あるいは本部の現地の町長さん、あるいは電報を下さいましたり、あるいは電話を下さいましたりなどいたしまして、真意はよくわかったということでございました。その後、現地の琉球新報及び沖繩タイムスには私の真意を報道してくださったのでございまして、それは県民と私との間に信望関係がなくては沖繩振興開発というものは図られないということでありまして、私の真意は現在県民にそのままの姿でお伝えいただくことができまして、大変幸せに思っているのでございます。  しかしながら、沖繩海洋博覧会が準備不足のままでいろいろ問題を持っておりますことを十分認識いたしております。また、沖繩海洋博覧会以後の沖繩をどのようにしてわれわれは守り育てていくかという点についても、いろいろな多くの問題を抱えているのでございまして、これらの点につきましては、沖繩県を担当いたします閣僚といたしまして、責任者といたしまして、さらに全力をふるって努力をしていきたいと決意をいたしております。
  87. 秦豊

    ○秦豊君 すでにわが党の時間が切れておりまして、公明党の峯山先生に迷惑をかけてはいけませんから冗漫は避けます。  最後に一つ。ならば、あなたの言われたように、この記事が誤りであるとするならば、某通信社某通信社って、日本には二つしかないのだから。そうでしょう。ならば、あなたはあなたの責任において訂正の申し入れなりなされればいい。いかにも通信社が間違ったと言わんばかりの言い方は余り過度におっしゃっていただきたくない。それが注文の一つ。  それから、あなたは全責任を持っていらっしゃるとおっしゃる。そのとおりだと思う。今後とも海洋博不振の原因は那辺にあったかという種類の論議は、繰り返し巻き返し出てきます。その場合、必ず政府側のまた潜在的な沖繩認識というか、傲慢さというか、その辺は私きっと顕在すると思う。その点については十分に気をつけていただきたいことが一つ。  それから最後に、事務総長ともあろう越智さん、この認識はあなたの発言よりもっとひどい。もっと完璧に間違っている。これはしかるべくあなたの責任においてやはり厳重に注意をせられたい。私はもうこれ以上になると時間が延びちゃうから一応おきますけれども、この点だけは注文として、ぜひあなたに聞きとめておいていただきたい、こう思います。
  88. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 第一番目の通信社の問題でございますが、通信社の幹部に私の友人もおられますので、私は直ちに連絡をいたしまして、抗議というのは少し角が立ちますので、誤りの点について何らかの形で協力をしていただきたいと、是正方協力を願いたいと申しましたが、私がその後記者会見をいたしまして真意が伝わりましたので、この点につきましてはそのままの姿で報道をしていただきましたので、すなわち新しい訂正した形での報道をしていただきましたので、この問題は決着をいたしたということを御報告申し上げておきます。  あとの二点につきましては、私努力をいたしますとともに、越智事務総長は通産省の管轄下にあるわけでございますが、当然私の立場からも注意をいたしますようにいたします。
  89. 秦豊

    ○秦豊君 終わります。
  90. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 きょうは、非常に時間が短い関係上端的に申し上げます。  まず、きょうの正午から、先ほどもお話がございましたが、日赤の看護婦の問題が出てまいりました。そこで、まず私は厚生省の当局にお伺いしておきたいんですが、この日華事変あるいは太平洋戦争で戦地勤務に服した日本赤十字社のいわゆる救護看護婦ですね、こういう人たちが一体現実にどのくらいいるのか。私たちが掌握し、あるいは聞いている範囲内では三万三千人ほどと聞いておるわけでございますが、その中で千四百人ほどは死んだ人がいらっしゃると、こういうふうに聞いておりますが、実際、実数はどの程度でございますか。
  91. 山高章夫

    政府委員(山高章夫君) 御答弁申し上げます。  日本赤十字社の救護班員は、班員のうち看護婦さんが、婦長が二千百十五名、看護婦が三万三千九百十二名ございます。
  92. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、こういう方々に対するいわゆる国家の処遇というのは一体どういうふうになっているのか、ここらを一遍お伺いしておきたいと思います。
  93. 山高章夫

    政府委員(山高章夫君) 厚生省といたしましては、遺族等援護法によりまして、戦地において公務死をなさる、あるいは公務傷病にかかられた場合には、それぞれ所要年金を差し上げるようにいたしてございます。
  94. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、亡くなった方とか、そういう方々は処遇をしているけれども、それ以外の方は処遇をしていないということになりますね。これは厚生省だけじゃなくてそのほか恩給法等の関係もあわせて御答弁願いたい。
  95. 山高章夫

    政府委員(山高章夫君) ただいま申し上げました援護法では、援護法の仕組みが戦時におきます公務死、公務傷病について、これに対して補償するという仕組みでございますので、無事に生還なさった方についてはこれは対象にいたしてございません。
  96. 菅野弘夫

    政府委員(菅野弘夫君) 恩給法関係について御答弁を申し上げます。  恩給法では、昭和四十一年でございますけれども、そのときに法律改正をいたしまして、いま申されました救護員の方々で、そのうち公務員になりました者に対して普通恩給を給する場合には、これらの者としての事変地または戦地におきます陸海軍の戦時衛生勤務に服した期間公務員期間に通算をすることにいたしました。四十一年のときには、通算する場合に普通恩給最短年限に達するまでという制限をつけてありましたが、四十七年に再び改正をいたしまして、それはそういう制限なく、全部通算をするということにいたしています。  ただ、恩給の方でお断り申しておきたいのは、恩給は御存じのような制度でございまして、通算をいたします期間につきましても、これは陸軍病院も海軍病院も、看護婦さんの制度がそうでありますので、それと均衡を保つ意味でございますけれども、婦長さん以上の方が判任官相当でございますので、その期間そういう方々だけを通算をいたしているわけでございます。
  97. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、きょう午前中にこちらの方で陳情ございましたように、結局は公務員にならなかった人たち、そういう人たちはもう全然、いま厚生省の方で話があった戦没者、戦傷病者ですね、そういう人以外の人たちというのは、これは実際上何ら国家補償なされてないわけですね。  そこで恩給局長にもう一回お伺いしますが、帰ってきてから公務員になった人ですね、日赤の看護婦の中でですよ。日赤の三万三千九百十二人という人が先ほど厚生省の方から話ございましたが、この中で帰ってきてから公務員になって実際に拾い上げた人たちは何人いるんですか。
  98. 菅野弘夫

    政府委員(菅野弘夫君) ただいまのところ、その正確な数を把握しておりません。
  99. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 だからね、これは総務長官、総務長官は答弁の中で先ほどこう言いましたね、恩給法は、公務員の期間がなければ恩給で救い上げることできない。そんなことわかっているわけ、われわれこの内閣委員会で論議しているわけですからね。そういうことはわかっておるが、現実にこれだけの人たちがおりながら、この中で実際救い上げた人が何人いるかということは全然掌握してない。いましてないと恩給局長言っておるわけです。しかもこの問題については、ただ単に今回言っているだけとは違うんです、これは。いままで何回もこの問題については委員会で取り上げられている。きょうは厚生省政務次官お見えになっていますが、昭和四十七年の五月二十三日、当時の斎藤厚生大臣は、戦時中に駆り出された日赤看護婦処遇については非常に問題があるので一遍検討いたしますと、こう言っている。こういう答弁をされています。どういう検討をされましたか。
  100. 山高章夫

    政府委員(山高章夫君) ただいまの先生の御指摘の昭和四十七年五月二十三日の当時の斎藤大臣の御答弁でございますが、これは、その御質問の趣旨が、婦長と陸軍看護婦が通算の措置がとられておりまして、一般の看護婦には何ら恩典がないというような御趣旨だったと思いますが、その点につきましては、実は当時恩給局から御答弁しているとおりでございまして、平の看護婦についても通算されていることになると思います。これは恩給法じゃございませんで、それは私どもの所管ではございませんが、共済組合の方で通算されるようになっておると思います。
  101. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この問題について、私が先ほども言っておりますように、日赤の救護看護婦ですよ、現実に三万三千九百十二人いると先はど答弁ありましたね。実際こういうふうな人たちの問題については、これだけじゃないんですよ。前々から何回も検討するとなっているんです。きょうも検討すると総務長官おっしゃっているわけです。これはいつも検討する検討するで、こういうようになっているんじゃいつまでたっても解決できない。現実にそうなんです。ですから総務長官、これは恩給法で解決することができなければ——私たちが現実に事務当局から聞いた話では、恩給法でできなければ何か特別立法する以外ない、こういう話なんですよ。私たちは現実に、きょうも先ほど聞いたわけです、実情をですね。あの実情を聞けば、要するにこれは何とかしてあげないといけないということはわかっているわけです。恩給法で救えないならば、恩給法にかわる何らかの方法がとられるべきだと私は思うんです。この点についてはどうですか。
  102. 植木光教

    国務大臣植木光教君) 先ほど私申し上げましたように、制度のたてまえ上、恩給法でこれを取り上げますことは、他の類似のものもございまして大変困難でございます。したがいまして、これからの検討いたします際には、いまお話がございましたように特別の措置を考える等の研究をいたしませんと、問題の解決はなかなかできないというふうに思うのでございます。
  103. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ですから、これは私たちは何でいま時分こんなことを言うのかといいますと、現在社会保障というものがだんだん進んでまいりまして、現実に恩給法そのものについても漏れておった人たちというのがだんだん対象者を拡大して、従来から外国の政府職員とかあるいは外国特殊法人の職員とか、そういういろんな人たちを救済してきたわけですね。そういうふうな意味からも、たとえ公務員期間を有しない人であったにしても、私は当然何らかの方法を講じるべきであると思うし、さらにきょうこちらの方へ参考人としてお見えになった方々のあれをずっと調べてみますと、要するに駆り出される前、学校の看護婦さんとして勤務なさっていらっしゃった。そして三十数歳で、二歳と三歳の子供さんを置いて戦地へ行かれた。それで現実に昭和十八年から二年間——三年間近くは現地に戦時中いらっしゃって、その後七年間現地にいるわけですね、抑留されているわけです。帰ってきてから今度は六年間地方公務員としているわけですね。こういうぐあいに、ずっと戦事中のあの加算というんですか、あれを計算していきますと、こういう人たちでも何らかの方法で現実に救済できる人が出てくるということもあるわけです。ということは、こういう人たち、非常に恩給をもらう上で手続や何かややこしくて漏れている人もいるんじゃないかという感じもするわけです。そういうふうな意味からも、ぜひこの問題には前向きで取り組んでいただきたい。これをまず申し上げておきたいと思います。  時間ございませんから続いてやります。  それから、恩給の問題につきましては、まず二点だけお伺いしておきたいと思います、これは先ほど同僚議員の方からも質問ございましたが、私たち附帯決議というのを毎年つけておるわけです。それで、ことしも衆議院の附帯決議と同じような附帯決議をこれからつけようということで、いま準備しておるわけですけれども、何となく衆議院とちょっとだけ違うのですけれどもね、この附帯決議の趣旨というのが、私の方の委員長は理事会で、大分附帯決議の趣旨は五十一年度の予算に反映されておる、こういうぐあいにちょっと発言ありましたけれども、よく見たら一つも反映されてないのです。これはちょっと問題だと私は思うのですが、まず附帯決議では、国家公務員給与にスライドするように制度化を図り、一律アップ方式については公務員給与改善の上薄下厚の傾向を考慮するというのが毎年ついておるわけです。それで、昨年は、総務長官は一律方式というものを三段階に分けて概算要求のときにしたわけです。そしたら大蔵当局が反対して、まただめになって一律アップ方式になったと、われわれこう聞いているわけです。ところが、先ほどの答弁聞いておりましたら総務長官は、要求当局の不備もあってと、こうおっしゃっていました。どういう不備があってこういうことになったのか。それから、去年は三段階に分けて要求しておったが、ことしは四段階に分けて要求した。これは、毎年やはり総理府も自信を持って要求してもらわぬと、毎年どんどん変わるような方法じゃこれはどうしようもないので、もう少し自信を持って要求をしてもらいたい。これが一つ。  もう一つは、続けて言いますけれども、恩給の問題で、附帯決議の中でも恩給改定時期の問題です。先ほども質問がございました。要するに年度当初からというのが要求のあれなんですよね。この問題についても、ことしは概算要求は一カ月ですね、一カ月繰り上げて八月実施を七月というように一カ月しか繰り上げてないわけです。大蔵大臣そばにいらっしゃるから、大分関係があるかもしれませんが、現実に、昨年のたとえば厚生年金は十一月から八月というふうに三カ月繰り上がっておる。国民年金は一月から九月と四カ月繰り上がっていますね。そういうふうな関係からいきましても、もっと恩給担当当局である総理府は、少なくとも、われわれも全会一致で附帯決議出しておるわけですから、もうちょっと何とか概算要求でも——もう出してしまった後ですからしょうがないですが、本当にもうちょっと何とかやってもらいたいというのが私たちの考えなんですが、この二点について。
  104. 植木光教

    国務大臣植木光教君) まず最初に、恩給法を運用してまいります際に、運用上救える方につきましては十分留意をするようにということを恩給局にも指示をいたしておりまして、その努力をしておりますことを御理解いただきたいと存じます。  それから、上薄下厚の問題でございますが、先ほど私が申し上げましたのは、不備だったと、五十年度は不備だったというふうには申し上げておりませんで、未熟ということを申しまして、まだ十分に財政当局と合理性について主張を貫くだけ成熟していなかったという意味でございます。今回は、公務員給与改善傾向の分析結果を見まして、四段階ではありませんで、七・四%から一一・七%の間にずっとこう傾斜させて要求をしているのでございます。これはきわめて合理的であり、成熟した案であると思いますので、何とか実現をいたしたいと考えております。  それから、実施時期の繰り上げ問題でございますが、御承知のとおり過去二十年間十月でありましたものが九月となり、今年度は八月に繰り上げるということになったわけでございます。大蔵大臣そばにおられますが、実はこの八月実施につきましても、最後の大臣折衝までいきまして大蔵大臣の御理解を得たわけでございます。年度当初から要求すべきであるという院の御要請は十分認識しておるのでございますが、これを一挙に年度の初めにいたしますことは、現在の財政上からいたしましてはきわめて困難であるというふうに考えましたので、もう十分その気持ちは持っているのでございますが、さらに一カ月繰り上げということで概算要求をいたしました。御支援をくださいますようにお願いをいたします。
  105. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、共済関係で一つだけ質問をしておきたいと思います。  公務員あるいは三公社の職員の皆さんが退職した場合ですね、医療保障という問題があるわけです。この医療保障の問題につきましては、何といいますか、当委員会でも何回か答弁を受けております。長い間公務員をやっておりまして、退職した後に病気にかかる人の方が現実に多いわけです。そういうふうな意味で、長い間勤続した組合員が退職した場合には、当委員会でも「長期に勤続した組合員が退職した場合における短期給付の任意継続期間につき、さらに配慮すること。」というふうな附帯決議もつけたりいたしまして、さらに現在、退職者の医療制度という問題について、任意継続期間が現在一年になっておりますけれども、この一年をさらにもう少し長くしてほしいと、こういう要望が現実に出まして、今年の六月の当内閣委員会で、当時の高橋主計局次長が「長期継続して勤務された方々が退職された後で退職後一年と限らずもう少し長い期間になろうと思いますが、長い期間にわたって医療給付の激減を避けるために継続して従前の共済組合から医療給付を受けられるような制度というものを目指して新しい制度をつくるべく、」「厚生省初め各省といま鋭意折衝を始めるところでございます。」と、こういうように答弁が出ているわけです。それで、実際問題、大蔵省が考えております退職者医療制度というものと、さらに厚生省では何か老人医療制度ですか、というのを考えているというようなものを新聞の報道で読んだことがあるんですけれども、こういうふうなものとあわせて、これは大蔵大臣、いまの一年というものをもう少し延ばすということを考えられないかというのが一つと、それから、この退職者医療制度という問題について、その後大蔵省当局はどういうふうな検討を重ねていらっしゃるかという、二点お伺いしたいと思います。
  106. 松下康雄

    政府委員(松下康雄君) 事務的な点につきまして私から御答弁を申し上げます。  ただいま御質問の在職者の退職後の医療の問題につきましては、私どもも従前からこれを各種の公的医療制度共通の問題といたしまして、退職後の医療の給付につきまして全体としての改善を図ることが望ましいという考えをもちまして、各方面ともいろいろと議論をしてまいったことは、ただいま先生の御指摘のとおりでございます。この問題は、ただ、各公的の医療制度全体に関連をいたします非常に範囲の広い問題でございますので、私どもも十分努力をするつもりでございますけれども、まだ、ただいままでの段階で何らか具体的なことを申し上げられる程度にまで議論が煮詰まっておりませんです。ただ、これと関連をいたしまして、現在共済の制度におきましても、四十九年から、御質問でございました任意継続制度を採用することといたしております。で、任意継続制度につきましては、ただいまの期間の問題等の問題がかねて指摘をされておりまして、当委員会でも御指摘をいただいておるところでございます。問題は、この現在あります任意継続の制度と、全体の大きな構想として考えたいというふうに存じております退職者医療全体の問題と、どういうふうに絡み合わせてこれから処理をしてまいるかということでございますけれども、私どもとしましては、問題の根本的な解決のためには、全体の公的医療問題を通じますところの退職者医療の何らかの形での確立ということについて、さらに努力をしてまいりたいと思っておりますけれども、なお、それに多少の時間がかかるというようなこともございますならば、ただいま御指摘の任意継続制度の問題につきましての措置につきまして、全体の将来考えられます退職者医療の改善ないしは制度をつくってまいります全体方向を見定めながら、それに即応したような措置をとることも考えられると存じております。
  107. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 まあいつのことか、なかなかね。とにかく、この問題は非常に重要な大事な問題だと思いますし、できるだけ早い機会に結論が出るようにしてもらいたいと思うんですが、大臣どうですか。
  108. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 厚生省初め関係当局と鋭意検討いたしまして、何らかの形で実現の方向で処理いたしたいと思います。
  109. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 先ほど週休二日制の問題が質問ございました。これは人事院は先ほどから聞いておりますと、私は新しい総裁になってから人事院が自主性を失って、いわゆる政府主導型の人事院になるというのでは私困ると思うんですね。やっぱり人事院は人事院として、きちっとした姿勢でもってあらゆる問題に対処してもらいたいと私は思う。  週休二日制の問題は、もう今度の勧告の直前に行政監理委員会が「国の行政機関の定員管理に関連する当面の諸施策について」というような、余りやったことのないようなことをばっと出して、この意見に人事院は大分寄り切られたんじゃないか、そういうふうな私は感じがするわけです。これでは私は本当は困りますので、人事院として、要するに本格的にこの問題にやっぱり本気で取り組んでやってもらいたい、こう思うのです。  そこで、いろいろと人事院も試行計画を先ほど立てていらっしゃるような話でございますが、これは現実に現在の国家公務員の定員というのは決まっていますね、現在。定員が決まっておりますから、現実に週休二日制をやった場合に、これは要するに交代をどうしてもしなくちゃいけない要員というのがあるはずで、そういうような人たちもおりますから、実際に週休二日制が実施された場合、新規に、いわゆるどうしても採用しなくてはいけない要員、あるいは職員、これは一体どの程度と人事院は計算をしていらっしゃいますか。
  110. 藤井貞夫

    政府委員(藤井貞夫君) 御指摘を受けるまでもなく、人事院はその機関の性格上、自主性を厳然として保っていくべき筋合いのものであるというふうに思っておりますし、私自身もそのつもりでやっておるつもりでございます。  週休二日制の関係につきまして、いま峯山委員の方から行管の問題が出ておりますが、われわれといたしましては、これによって何らかの影響を受けたというふうには考えておりません。恐らく、行管といたしましても定員管理をいたしておりまするたてまえ上、この問題についても無関心ではあり得ないというような見地から言及をされたものであるというふうに理解をいたしておるのであります。  それとは別に、週休二日制というもの自体については、人事院としては三年前から取り組んできておるわけでございますので、その既定方針に沿って前進を重ねてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  いまお話しになりました定員が将来どうなるかというような点でございますが、そういうような点をまさしく検討をいたしますために試行計画を実施をするということでございます。そこで基準を決めて、これにのっとって各省庁で試行に入っていただく、そのテストの段階でもって、果たして現場の関係あるいは窓口事務の関係では、どのようなことをやれば、どういう形をとればこれが円滑に公務に支障のないように動いていかせることができるのかというような点も、あわせて、これを今後の検討課題として取り組んでいきたいということがテストの趣旨でございます。したがって、いまの段階では、将来どういうふうになっていくかということを言及をいたしまする用意は現在のところございません。
  111. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、もう私の持ち時間がほとんどないそうでございますので、続けてあと一点ないし二点お伺いして終わりたいと思います。  一つは、人事院の現在の勧告の中で基本的な問題ですけれども、要するに官民格差を比較しますね。この中で、特に昔はたくさんの職種をいろいろ比較いたしました。それがだんだん改まりまして、最近は行(一)と行(二)の職種で比較しているわけですけれども、私は、たとえば給与表の適用者が全部で四十九万三千人近くですね、その中で行(一)の適用者が二十四万四千人です。そして行(二)の方が五万三千人です。行(一)の方が四九・六%ですから大体五割ですね。それから行(二)の方が約一割。そうしますと、私はこの比較をする場合行(一)にしぼって比較したらどうか、まずこれが第一点。これは今後合理化していろいろと、給与を早く勧告するとか、そういういろんな意味からも私はこういう点をもう少し合理化していってもいいんじゃないかというふうに考えています。この点まず第一点。  それから、総裁のことしの勧告の談話の中で、私全部読みませんけれども、最後の方だけちょっと読みますと、「組織の活力の昂揚のための施策を一層強力に展開することが要請されているものと考える。」と、こういうように書いていますが、これはどういう意味ですか。これはいろいろと問題になるところでございます。要するに、この「組織の活力の昂揚のための施策」というのを「一層強力に展開する」ということは、私たちはこれは定年制のことを言っているのじゃないか、そういうふうにも感じられるわけです。これは一体どういうことなのか一遍ちょっとお伺いしておきたい。
  112. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 前の部分についてお答えを申し上げます。  比較方式の問題につきましては、四十八年度に予告的に説明の中で勧告の際に触れまして、四十九年から十職種でありましたものを二職種にいたしたわけでございます。他の職種の方は、人数がそれぞれ民間の方との対応で見ますと、民間の方に人数が少のうございますので、行(一)、行(二)の基幹的なものについてその対応職種をつかまえてくることが最もよいであろうということでそのようにいたしたわけでございます。ただ、御指摘のように行(一)だけにさらに限ったらどうかということになりますと、単独の職種になります関係上、他の職種にそれを転用いたします場合においても、職種別に比較をせざるを得ないような点もあるいは出てくるのではないかということも問題になりましたし、それから、行(一)俸給表と行(二)俸給表とが基本になりまして他の職種がそれぞれできております。海事につきましても(一)と(二)とございますが、(二)は行政職俸給表(二)との関係で対応させるとか、そういうふうな意味で、その両方とも基幹的な職種になっております。そのようなことがございました関係上、行(一)、行(二)、二つの職種について比較をするということで昨年度実施をいたし、本年度もその問題について引き続き検討をしたのでございますが、やはり昨年どおり行(一)、行(二)職種についてそのとおり踏襲することが妥当であろうということで実はそうなったわけでございます。今後ともなお研究は続けますけれども、現在の時点では、民間の方も大半この二つの職種でございますと大抵の職場におきましてその職種がございますので、いまのところこれが妥当ではないか、こんなふうに考えておるわけでございます。
  113. 藤井貞夫

    政府委員(藤井貞夫君) 第二の点についてお答えを申し上げます。  御承知でありますように、公務員の仕事というのは公務の執行でございます。また、公務員の給与は国民の税金によって賄われているということでもございますので、常に公務部内におきましては能率の増進と行政サービスの向上、そのことを図りますためにさらに一段の努力を傾注する必要のあることは言うまでもないところでございます。そういう意味で、勧告の際には、何らかの形でそういう公務部内の能率向上等について行政に期待をするところ、あるいは公務員に対して希望いたすところを述べてきておる次第でございます。  ことしの場合は、御承知のように民間における非常に不況というような点がございまして、これが給与の問題にも大変影響いたしてきております。また、国民の批判というのもことのほか厳しいというような状況もございましたので、いままで述べておりますことと並行して、特に必要と認められまする組織における活力の昂揚ということを図るための自主的な努力をしていただきたいということを強調をいたしたような次第でございます。  この「組織の活力の昂揚」というのは、具体的に申し上げますと、いま峯山委員が御指摘になりました定年制等の退職管理だけのことを申し上げておるのではございません。現在の公務員の構成等から見まして、将来退職管理についても、もう少し合理的な円滑な方法というものを考えざるを得ないというような時期も来ると思いますので、これに対してわれわれもいろいろな角度から取り組んでおるわけでございますが、そのこと以外にもっと本来的な、たとえば昇任、それから昇格、任用等の人事管理のさらに検討を積極的に図っていく、あるいは自己啓発のための研修というものを、かなりいま人事院、各省とも並行して行ってきておりまするけれども、この研修のさらに効果的な施行というものも必要ではないかということで、そういう点に対する特段の配慮を求めるということの必要を認めましたので、ここに言及をすることにいたした次第でございます。
  114. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 こういうふうな問題につきましては、非常に重要な問題を含んでおりますので、議論はこの次の機会にやるとしまして、本日はこれで終わります。
  115. 内藤功

    ○内藤功君 まず、人事院の方にお伺いしたいのですが、公務員に対する訓告処分というものは一体どういう法令の根拠で行われるのか、その点をまずお伺いします。
  116. 中村博

    政府委員中村博君) 訓告の場合は、大体九十八条一項の「上司の職務上の命令」、この点に基礎を置いております。
  117. 内藤功

    ○内藤功君 訓告処分の法的な性格は、どういうふうに把握をしておりますか。
  118. 中村博

    政府委員中村博君) 職務上、職務遂行に関する上司の注意だと考えております。
  119. 内藤功

    ○内藤功君 単なる口頭の注意と違って文書で出すわけですから、普通の注意以上の性格があると思うんです。そこで、訓告をする場合にいろいろ理由書をつける場合がありますが、この理由をつけるに当たっては、懲戒処分の場合と同じような調査、それから公平性というものは当然要求されると思うが、どうですか。
  120. 中村博

    政府委員中村博君) 国公法八十二条に基づきます懲戒処分を行いますためには、事後審査としての不利益処分審査制度がございますから、教示を目的とし、かつ、処分を行った理由を明示するための処分説明書、これをつけるということは義務的に相なっておるわけでございます。で、訓告の場合には、これは懲戒処分ではございませんから、したがいまして、職務上の命令に基礎を持っていろいろな注意をいたすわけでございますので、その場合にその趣旨が十分徹底できますように、文書でなさることもありましょうし、あるいは口頭の場合もございましょう。しかし、その文書でなしたから、そのものが懲戒処分的な重さを持つということにすることは許されないわけでございますので、文書であるかどうかということは当該処分の性格を懲戒処分的にするものではない、かように考えております。
  121. 内藤功

    ○内藤功君 大蔵省の関税局関係の方、お見えになっていますか。——まず伺いたいのは、十月の四日に主として全税関労働組合に属する組合の役員、それから組合員に対して懲戒処分並びに訓告処分をされましたが、その総人数ですね、それから主にどういう理由でやったのかということを御説明願いたい。
  122. 米山武政

    説明員(米山武政君) ただいま先生のおっしゃいましたように、十月四日に本土の八税関、それから十月九日に沖繩地区税関の職員に対しまして、懲戒処分並びに矯正措置を行っておるわけでございますが、懲戒処分であります戒告は四人でございます。それから矯正措置の訓告が三十人、同じく文書注意六十三人、口頭注意十人、計百七人の懲戒処分並びに矯正措置を発令いたしております。  この理由はいろいろございますが、たとえばいろいろの処分の抗議のためとか、あるいは昇給昇格の発令に対する不満のための抗議、こういう抗議のために税関長室前に座り込んだり、あるいは無許可の集会を行ったとか、あるいは庁内をシュプレヒコールしながらデモを行った、あるいはメーンポールに上がっております国旗を無断で引きおろしまして許可なしに組合旗を掲げた、しかも、この撤去を求めたのに対しましていろいろの妨害行為を行ったとか、それから、あるいは無許可で職務時間中に席を離れて上司に抗議行動を行ったとか、あるいはビラを許可なしに庁舎に多数張りめぐらしたとか、こういった行為を行った者に対しまして、戒告処分並びに各種の矯正措置を行ったわけでございます。
  123. 内藤功

    ○内藤功君 いまの「きょうせい」措置という文字は、どういう字ですか。
  124. 米山武政

    説明員(米山武政君) 「きょう」は、なおす、矢へんにたかいという字でございますか、間違いを正すという措置でございます。  これは先ほど人事院の方からお答えありましたように、上司の監督権に基づく指導のための措置でございます。
  125. 内藤功

    ○内藤功君 その訓告は文書でしましたか。
  126. 米山武政

    説明員(米山武政君) 文書で行っております。
  127. 内藤功

    ○内藤功君 高嶋昭という方がいます。この方は全税関労組の横浜支部の副委員長をやっておる人ですね。それで、四十一歳、昭和二十八年に入関、就職されたんですね。そして五等級、輸出審査官の仕事、勤務年限二十年で、二十年まじめに勤めていますから、普通だったら表彰の対象になる人だと聞いている。仕事も非常によくできるらしいです。この高嶋さんの例をまず引いてみますが、訓告書の第二項、持ってますか。持っていたらちょっと読み上げてください。持っていなければ私の方が読みます。
  128. 米山武政

    説明員(米山武政君) これは個人の、個々の問題につきまして、特に処分というような——これは処分でございません。矯正措置でございますが、こうした点につきまして、内容をこういう席でちょっと公開するのは差し控えさしていただきたいと思います。
  129. 内藤功

    ○内藤功君 いまの言葉はちょっと後で問題にしますが、この第二項は、その前から続いていますが、「あなたは、」「昭和五十年六月十一日」「午後四時四十二分頃から午後十時三十分頃までの間、横浜税関本関庁舎三階の税関長室付近廊下において全税関横浜支部が支援労組員等とともに行った無許可の座り込み集会に参加し、この間当局の再三にわたる退去命令に従わなかった。」、四時四十二分から十時三十分までの間に税関長室の付近の廊下で行った座り込み集会に参加したということが一つと、退去命令に従わなかったということが一つと、この二つですね。これは、本人の方から私の方に、ぜひ取り上げて質問の中に入れてくれと言っていますから、あなたの方でそれでいいかどうか答えてください。
  130. 米山武政

    説明員(米山武政君) いまの訓告書の内容は、先生がおっしゃったのと、まあ多少細かなマル、ポツ等の点はありますが、事実内容は大体そのようでございます。
  131. 内藤功

    ○内藤功君 細かい話はいいですよ。ところが高嶋昭さんの方は、これはほかになお数名、全然これはこの場にいなかったという人がいるんです。このときに本省において交渉に参加をしておった。この時間帯に全然この場にいない。このほか私の調べているところでは益子さん、和久野さん、麻生さん、松浦さん、宮応さん、高野さんというような人たちが、全然その場にいないのに訓告書の中に書き込まれている。しかもその訓告書の一番最後は「以上の行為は、国家公務員としてふさわしくない行為であり、まことに遺憾である。今後再びこのような行為を繰り返さないよう厳に訓告する。」、これは大変受け取った国家公務員にとっては不名誉なことですね。不名誉なことの中に自分の全然関係ないことが文書で訓告されている。これは重大な問題だと思うんですね。一体この点はどういうふうに調査をしているのか、またこの点の抗議を受けたことがあるのかどうか、この点をお伺いしたい。
  132. 米山武政

    説明員(米山武政君) いまの最初の例は横浜税関の職員でございまして、その問題につきましては、再三横浜税関の方に抗議を申し入れ、横浜税関の方では一応の説明をしております。また、本省の関税局の方にも同様にそういう抗議を申し込んでまいりまして、私どもその内容を知っております。ただ、先生いまおっしゃられましたように、全然事実がないのにそうしたことを訓告書に書いてあると、こうおっしゃるのは、これは事実と相違していると私どもは考えております。
  133. 内藤功

    ○内藤功君 私の質問の中に言いましたこれは、こういう事実認定を高嶋さんの場合したですね、その認定の根拠というのは何と何でこれを認定されたのですか、本人はこの時間にいないというのです。本省で交渉している。明白な問題ですね。
  134. 米山武政

    説明員(米山武政君) いまの例は午後四時四十二分から午後十時三十分ころまでの間に、そういう座り込みが行われた、これに参加したと、こう言っておりまして、全期間これに参加したと言っているわけでございません。その行動に参加しておりまして、私どもはこれを大ぜいが確認しておりますが、確かに途中では抜けておりますが、前後相当の時間これに参加しております。
  135. 内藤功

    ○内藤功君 本人の抗議は、この全期間にこの場に行っていないんですね、それが本人のおたくに対する抗議申し入れの内容です。だから、いるかいないかという非常に明白な問題なんです。あなたの方は多数の人が現認していると、その多数の名前言ってください。どういう人が言っていますか。
  136. 米山武政

    説明員(米山武政君) いまの問題、もう一度整理してみますと、最初先生は、この時間に全然おらなかったと、こうおっしゃられましたのですが、この期間通じて全部はおらなかったことは私どもも知っておりますが、この期間の前後、この期間中の前あるいは後半のある時間、この座り込みあるいは抗議に参加しているという事実を私どもは確認しておりますので、その点は私どものその監督に当たっている、庁舎管理に当たっている多数の職員がそれを確認しているわけでございます。
  137. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、「四時四十二分頃から午後十時三十分頃までの間」というのは、これはその全期間という意味じゃなくて、その中の一部の時間ということなんですね。
  138. 米山武政

    説明員(米山武政君) それまでの間に全税関職員が行った無許可座り込み集会に参加しと、こう書いてあるわけでございまして、その期間全部、いま問題になっている人が参加したとわれわれは認識しているわけでございませんし、この点につきましては本人にも十分説明済みでございます。
  139. 内藤功

    ○内藤功君 人事院に伺いたいんですが、訓告処分について人事院の公平審査審査対象になりますか。
  140. 中村博

    政府委員中村博君) 訓告は行政処分ではございませんので、不利益処分と相ならず、したがって不利益処分の審査の対象外であるわけでございます。
  141. 内藤功

    ○内藤功君 いまお聞きのように、これが一方的に本人のいないものがいるというふうに書かれて渡された場合に、本人は公平審査に出すこともできないわけですね。ですから、この訓告書の記載については、もしこういう申し出があった場合には、直ちにもう一遍本人から詳しく事情を聞いて、そうして、本人の明らかにいない時間というものを書くような訓告書の記載というものは、これは訂正して、この処分が正しいかどうかは人事院なりあるいは裁判所なりでの争いになるかもしれないが、訓告書自体に、本人がまるきりいない時間あるいはまるきりでないにしても不正確な記載を書いて出すということは、これは本人に対する非常な名誉の棄損にもなるし、矯正措置という名に値しなくなることですね、こういう点はどう考えられますか。
  142. 米山武政

    説明員(米山武政君) 私ども、いまこの文章を読みます限り、この間に行った行動に何分参加したというようなことまで、いろいろと事態がごたごたしておりまして、何分間というようなことはなかなか書きにくうございます。それで、その期間に行ったところに現実に当人が参加し、その違法あるいは不当にわたる行為が行われればこれは当然矯正に値する措置でございまして、それを訓告書に書けば一応足りると思っているわけでございます。当人をずっと見張っていて何分いたというようなことはまたすべきでもございませんし、そういうこともまた事実上、私どもの人数もそう多くございませんのでなかなかできませんので、その期間行っているところに参加していろいろの行動を行ったということを確認して従来ともこう書いておりますので、今後も一応そういう方法でやっていきたいと思っております。
  143. 内藤功

    ○内藤功君 冗談じゃないですよ。大体、これは懲戒処分とは法的性格が違うかもしれないけれども、実際上は、これは最後が「国家公務員としてふさわしくない行為であり、まことに遺憾である。」というところで結んであるんです。これは本人にとってみれば、一生懸命二十年間国家公務員として仕事をしてきた。しかも、これは単に個人として無頼の徒の仕事じゃないですよ。労働組合の役員の仕事としてやったわけですね、この行動は。しかもこの理由に書いてある、この事実に書いてあるこういう時間には本人はいなかったということで不服を申し立てているわけですね。その場合には、本人のいる時間、間違いないところをもう一遍調べ直してあげて、そうして必要な訂正というものはやっていくというふうな謙虚な態度がやっぱり必要じゃないですか。今後ともこういうやり方を続けていくと。それでは、非常に大幅な午前十時から午後十二時までの間この場所にいたものだというふうなことで書いてきて本人納得できますか。やはりこれはきちんと訓告書というものは事実に即して書かなくちゃいけない。この処分がいいかどうかという争いは、これはまた別の機会にやるでしょうけれども、こういう強い申し出があった場合に、そして、それがしかも、本人がそこにいないということは明白な問題なんですからね。  どうですか、最後に聞きますが、高嶋さんがこの時間に本省で交渉していたということはお認めになるんですか。
  144. 米山武政

    説明員(米山武政君) この時間という時間が問題でございますが、午後四時四十二分から午後十時三十分までの途中の時間に本省に来ていたことは事実でございます。
  145. 内藤功

    ○内藤功君 そういうことを認めているわけです。ですから、この時間の中に明らかに本省にいた時間があるわけですね。しかも本人は、この四時から十時までの間ずっと本省にいた、この時間帯には全然いない、こういうことを言っているんです。私はもう繰り返しませんけれども、あなた方の余りにも安易な訓告処分のやり方、これが人事院の不服審査になじまないと、不服審査の対象にならないということをいい気にして、こういうようないいかげんな調査でやっていると、こういうふうに断ぜざるを得ないですね。一体これについて本人の写真があるかどうか、本人がそこにいるという写真があるかどうか、それだけ最後に伺っておきたい。写真は撮っておりますか。
  146. 米山武政

    説明員(米山武政君) 写真はございません。
  147. 内藤功

    ○内藤功君 ないんですね。  大蔵大臣に伺いたいのですが、あなたの大蔵省の税関関係のこれは処分の事例なんで、懲戒処分なり、こういう訓告処分なりのあり方について、特にその公平を保ち、また事実に即して行うという点について、これは大きな方針で結構ですから大臣のお考えをお聞きしたい。
  148. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 仰せのように、訓戒、戒告とかいう処分は本人の名誉にもかかわることでございます。役所の秩序にもかかわることでございます。したがって、正確な事実を踏まえて公正に処理すべきものと思います。
  149. 内藤功

    ○内藤功君 もう一回伺いますが、いま大臣からそういう基本的な、大まかなお話であるけれども話があった、公平に処置すべきものだと。私は、あなたもその意のあるところを体して、もし調べてこの訓告書の中、確かに誤っていたと、あの訓告書を渡したときは自分の方の調査でやったけれども、その後調べて、これは明らかに誤りである、あるいは非常に不正確であるという場合には、これを正しいもの、より正確なものに書き改めて訂正すると。そうすれば、これからは、ではその処分をどうするかという問題になると思う。その記載の問題でいま労使間に紛争が起きて、そしてしかも、これは労使の基本的な信頼関係というもの、人間関係というものが、これで損なわれていくと思うんですね。私はそういう意味で、もし調査をして、これはもう明白に誤りがあるということになった場合はこれを率直に訂正なさるお気持ちがあるかどうか、それだけ伺っておきたい。
  150. 米山武政

    説明員(米山武政君) もし明白に大きな間違いがあるようでしたら、これは訂正するつもりでございます。(「アベコベに矯正しなくちゃならぬわ」と呼ぶ者あり)
  151. 内藤功

    ○内藤功君 いま河田先生言われたように、矯正措置をするというのは、相手のやったことを不正確なとらえ方をして矯正しろと言ったって、これは相手は言うことを聞きませんから、この点はよく注意をしていただきたい。これはほかの省庁でもあることですけれども、非常に極端な例でありますから、いまここであなたに申し上げたわけです。  それでは、次の問題に移りたいと思います。これは人事院に一般職給与の関係で伺いたい。  私は、昭和四十九年度の人事院給与勧告を審議するためのさきの内閣委員会におきまして、昨年の八月九日でございましたが、茨木局長に質問をして、局長が検討を約束された事項についてその後の状況をお聞きしたい。  古い話で恐縮ですが、私の質問の趣旨、提案の趣旨は、民間の本社、支社、支店あるいは出先機関など、いわゆる組織区分ごとに平均支給額を調査して算出すべきものである。同じく部長、課長、係長と申しても、本社、支社、支店、出先機関とでは職務責任なり給与の額で顕著な違いがある。一方公務員の方も、本省庁、管区機関、府県単位機関、地方出先機関、出張所というように、組織区分を分けて平均給与額を調査算出すべきものであると思う。そしてより適正な職務対応関係を設定すべきである、こういう提案を質問の中で行いました。茨木局長はそのとき、大変貴重な御意見を拝聴させてもらったと、対応関係についても絶えず研究を重ねているところであるから、よくその際にまた検討したいと思っておるという前向きの答弁をなさったと私は記憶をしておる。ちょうど一年余りたったんですが、今度の勧告にはこういう前向きの姿勢を具体的にどのように取り入れられたか、また取り入れられていないとすれば、今後どういうふうにこの問題を取り入れようとするのか、その検討の状況をあなたから伺いたいと思う。
  152. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 昨年の審議の際に御指摘のようなことがございました。で、ことしの官民比較をやります際についても、それらの点についても検討をいたしてみたわけでございますけれども、民間の対応のところをどう考えていくかという点につきましては、各会社のやはり組織内容が一律でございませんので、したがって現在は五百人以上のものと未満のものと、この二グループに分け、それぞれ等級対応のところは資料として計数してありますとおりでございますが、そのように比較をしておるわけでございます。で、これを改めます名案というものは、やはりなかなか、短期間のうちに調査を終えてしまう、比較の作業もやってしまうという時間的制約もございますので、やはり無理であるということで、ことしも根本的には従来の方式どおりにやらざるを得なかったわけでございます。で、各対応の仕方等につきましても、当局に依頼しましたものがこちらに送ってまいりますが、そういう原本に直接私も当たりまして、それぞれ対応関係をやはり検討してまいりましたけれども、いま申し上げましたようなことで従来どおりの方針をとったわけでございます。で、昨年も申し上げましたように、いろいろ年齢対応その他、やはり同様と思われますものをそれぞれ民間のところから公務員の対応のところに入れてまいるわけでございまして、やはりそういう厳密な対応関係を、年齢、それから職務、そういうものについてはいたしてございます。したがって、あとは会社ごとの規模及びその組織、こういうものの相違をどうするかというところが御指摘の点であろうかと思いますが、その点はいろいろな種類の会社がございますものですから、いまのような大まかな、五百人以上と未満で切っておるというところでやっていかざるを得ないのではなかろうか。なかなかそれにかわる名案が出てまいらない、こういう段階でございます。
  153. 内藤功

    ○内藤功君 そこで、いまのお話の官民の比較をする場合に、毎年夏に民間事業所調査をやっている。そこで、この民間事業所調査のあり方について私は提案も含めてひとつ質問したい。  まず聞きたいのですが、ことし昭和五十年になりまして、恐らく春にやったと思うのですが、大体民間の対象事業所数のうちどのくらいの事務所数を調査なさったか、数及びそのパーセンテージを、おわかりになっていたらお示しをいただきたい。
  154. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 母集団が三万九千の中から七千四百事業所について実施をいたしたわけでございます。
  155. 内藤功

    ○内藤功君 何%ぐらいになりますか、これは。二〇%弱かな。
  156. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 二〇%弱でございます。
  157. 内藤功

    ○内藤功君 この民間調査に要する、人事院、それから総理府人事局、総理府統計局などの職員の負担はかなり大きいのじゃないかと思いますが、この点はどういう実情ですか。
  158. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 民間調査をやりますのには、もうすでに来年度のものをいま準備段階に入っているわけでございますが、一月から三月までの間に基礎台帳を作成しなければなりません。これは五十人以上の規模の全事業所のリストアップを一応しまして、そこから先ほど申し上げましたような七千四百ばかりの事業所を抽出してまいるわけでございます。その抽出してまいる基礎作業というものをその段階でいたします。これは私の方の人事院の職員で実施いたします。それから、本体をなします五月から六月にかけてそれぞれの民間会社におじゃまいたしまして調査をいたします者は、人事院の職員と、それから各都道府県の人事委員会職員、それから人事委員会を置いていらっしゃいます政令都市がございます。このやはり人事委員会職員、これが合同で大体参ります。大体、府県関係、十市の関係職員で六割方ぐらいやっていただきますが、それからこちらの方が四割方の事業所数を大体担当いたしますわけでございます。大体六、四という比率で担当いたします。そういうことで、その期間いっぱいかかるというような状況でございます。
  159. 内藤功

    ○内藤功君 民間企業の協力は、必ずしもぼくは好意的とは言えないだろうと思うんです。いまうなずいているから答弁は要りません。  そこで、私は時間もないし、結論的な提案だが、早く勧告を出して早く実施するというのが本来の趣旨である。もちろん早いためにいいかげんであってはいけない。いいかげんでなくて早くできるならその方法に持っていった方がいいと思う。そこで、調査対象はいま二〇%と言うが、民間企業の大体一〇%に思い切って精選して、この対象を減らしても私は推計学上十分信頼度が得られるんじゃないかと思う。勧告基礎作業を効率的にやる、それから迅速にやるという方法として、ぼくは積極的な提案だけれども、思い切って二〇%を一〇%に下げてみたらどうかということを提案したいんだが、どうです。
  160. 茨木広

    政府委員(茨木広君) まず、事業所数を減らすことでございますが、これは国の方も使っておるわけでございますが、同時に、一応私の方の勧告を参考にはされますとは思いますが、各人事委員会で、それぞれのところでまた一応勧告を出します際に、その県規模なり市の規模でもそれが使い得るような数がなければいかぬということで、それでいまの七千四百というような数字になっておるわけでございます。七千四百の数字をとりましても、職種別、等級別にこれをずっと分解してまいりますと、それでもなかなか統計的に見ました場合には数字が十分かなと思われるところが出てくる。そういうところはやっぱり切っていくわけでございます。そういうような点がございまして、簡単にこの数字、七千四百程度の事業所数を減らしてまいるというのは、今度は不確実になるんじゃなかろうかということから限界があるんじゃなかろうかという点が一点でございます。  それから、御提案の早くという点については、全くこれは同感でございますけれども、やはり民間は大体春闘時期に給与改定が集中しておるわけでございますが、これが一段落した時期でないといかぬものでございますから、いまの五月から六月までの間をつかまえておるわけでございます。その後、とってまいりましてから、やはり約一カ月以上、比較、集計等の作業に、統計局さんにも大変御努力いただきまして、残業までそれぞれやっていただいてかかっておるわけでございます。それから後、やはり今度はそれぞれの勧告内容の検討ということになってまいりますものですから、いまのところが精いっぱいということでございまして、それ以上早くということになりますと、時期を早めましても、春闘のおさまりぐあいがもっと早くなれば別でございますが、そうでないというと中身のない調査になってしまう、中身が入らない調査になってしまうということでございまして、そこに限界があるという悩みを持っておるわけでございます。
  161. 内藤功

    ○内藤功君 しかし、とにかく公務員の、特に下級の公務員の皆さんの声は、もう何かあらゆる方法を工夫して早期にやっぱり勧告、実施を実現してもらいたいという意見が多い。私は、勧告に至る全過程を見た場合に、時間のむだというものがどこかにないかということを考えて一つの提案をしたわけだから、そういうふうにそっけなく答弁しないでさらに研究してくださいよ、どうです。ひとつ研究を真剣にやってもらいたい。注文を出しておきたい。  もう一点、給与について簡単に伺います。これは、いわゆる中堅職員の中だるみ是正の問題です。昭和四十九年度の国家公務員の行(一)の年齢階層別構成、これを見ると、四十四、五歳をピークに四十歳から五十歳代が人員の山をつくっておるのですね。そして、十年前の表を見ると、三十歳から三十六、七歳だと。このピーク、山がそっくり横に移動している感じ。これらの人たちは、終戦後二十一年から三十年ころまでの間に大量の職員が採用されたんですが、そのとき以来戦後のこの混乱期を支えて、行政の第一線で苦労してきた職員です。今日では文字どおり中堅職員の人たちですね、家族も多い。この層の職員の多くが行(一)の五、六等級、行(二)では二、三等級号俸に格づけされて、まあいわば私は冷遇されている人たちだと思うんですね。昇格の頭打ちになっている職員は、たとえば行(一)の五等級、六等級でもそれぞれ在籍者の九〇%近くになっていると思うんですね。藤井総裁に伺いたいんですが、あなたはこの間の衆議院で、議事録を見ると、この問題は放置しておいてよいとは考えない、あるいは、いろんな角度から検討を考えてできるだけ配慮を加えたいと、総論ではなかなかりっぱなことを言っておられる。総論が多い内閣なんだ、いまの内閣は。こういう総論は余り要らない、こういう問題に。具体的にどんなことを考えておりますか。定年制を考えるなんというのはだめですよ、そういうのじゃだめ。どういうふうに具体的に考えているのか、この点を私はもう一遍ここで確かめておきたい。どういう配慮を今後の勧告作業の中でやられるおつもりか。総裁と、それから総裁だけじゃ答えられないだろうから局長も答えて結構です。どうです。
  162. 茨木広

    政府委員(茨木広君) 中堅層の職員処遇改善していかなきゃいかぬということは全く同感でございます。昨年も、私もそれぞれの機会あるごとにそういうお話もしたのでございますが、今年も中堅層、大体三等級までのところの俸給表改善を見ていただけばおわかりになりますように、ほとんど各等級一〇%ほど改善号俸別に見ましても類似のアップ率というような改善提案を申し上げたわけでございますが、それもまさに中間層のところを、従来初任給の方に重点がございました関係上どうしても手おくれがあったんではないかという点で、昨年、今年とそこに力を注いでまいったわけでございます。それから、号俸の延長等も必要なものについてはそれを入れるというようなことをしてまいったわけでございます。これがやはり基本でございます。やはり基本は俸給表改善で実証をしていかなければ対処できないわけでございまして、これが基本でございます。  それから、第二の問題といたしましては、いまも等級別分布の時系列的な変化について御指摘がございましたが、この等級別の級別定数の面で対応していくという方法が一つございます。この面につきましては、それぞれの職務の内容等を検討しながら各省庁と相談をして、予算の許す範囲内で等級別定数というものの改善もこれに対応させながらしてまいったわけでございます。ことしもちょうどその時期でございますので、いまそれぞれの各省庁の方々とも折衝いたしておりますし、組合の方々からも大変強い要望を受けておるところでございます。この面についても、御案内のような周辺の情勢下でございますので、例年のとおりにというわけにはいかないかもしれませんが、できるだけ中堅層等の問題について配慮をしてまいりたいというように考えております。この二つで対処してまいるというのがやはり基本的な方策であろうというように考えております。
  163. 藤井貞夫

    政府委員(藤井貞夫君) 中堅職員処遇につきましては、従来からも非常にわれわれとしては気にいたして検討を続け、また、できるだけの改善をやってきたつもりでございます。ただ、従来は民間等の給与動向を反映をいたしまして、どうしても初任給に重点が置かれるというようなことがございましたために、どうも十分な中堅層の優遇措置には力が回らなかったというような点は、確かにわれわれも自覚をいたしておるところでございます。そういうような点から、給与局長が申し上げましたように、特に本年あたりでは、中堅層の改善ということに俸給表上もかなりの是正措置を講じたつもりでございます。また、これと並行いたしまして、等級別定数等の策定をいたしまする際にも、いまのような実情を踏まえ、十分それの改善に対処してまいりまするように、今後とも格段の努力をいたすつもりでございます。
  164. 内藤功

    ○内藤功君 まあ、非常にまだ抽象的な答弁で、また、ことしの勧告にそれを取り入れたというのも、私は議論すれば長くなりますので、不満でありますが、一応私の時間が来ましたから、これでやめておきます。
  165. 中村利次

    中村利次君 給与年金恩給法等の一部改正法律案が出るたびに、いままでいろんな問題点が提起をされて、質疑が本委員会で重ねられてきました。また、私自身もいろんな問題点について質疑をしてまいりましたけれども、中には改善されたものもありますが、どうしても納得できないようなことでそのまま残っておるものもまたたくさんあるわけです。  しかし、まあきょうは十五分というのですね。大体十五分というのはどだい質問になりはしないんですよ。しかし、特殊な事情ですからこれはやむを得ないと思いますけれども、そういう短い時間でいろんなそういう問題点を質問をする余裕はございません。ただ私は、この政府的発想というんですかね、まあ恩給法改正をすると、改正したことによって新たな矛盾をまた生むといういろんなむずかしいこともありますけれども、個々のあれよりも、政府の発想でどうもやっぱりわれわれの発想になじまないものがたくさんあります。たとえば、今度の中では、この防衛庁職員給与法の一部改正案の中で、曹以下で宿舎あるいは船舶等に法的な拘束を受けて居住をする者の食費を国で負担をしよう、これは確かに改善です。しかし、これはどうも、私の認識が誤っておれば非常に結構ですが、一万三千八百三十円の中で九千七百円は見るんだ、四千百三十円は、これは自己負担になる。その分は、どうもこの政府の発想では、一般公務員だって昼飯食うのだから、やっぱり法的拘束を受けた者の昼飯、その分くらいは負担するのが当然だという発想のようですが、そのとおりですかどうですか。
  166. 今泉正隆

    政府委員(今泉正隆君) ただいまの点は先生のおっしゃるような発想でございまして、もちろん自衛官給与改善に力を私たちいたしておりますけれども、やはり他の一般公務員との実質的な均衡というものも図ってまいらなければならないという観点からそうした結論を出したわけでございます。
  167. 中村利次

    中村利次君 実質的な均衡、結構ですよ。しかし、昼飯は一般公務員も食うんだから、法的に居住を拘束されている者も食うんだから、これは自分で負担しろという発想ね、この防衛問題についてはいろいろな議論があるから、まあ何というんですか、遠慮しいしいというか、現実にあるものの取り扱いについてはやっぱり正しい発想で私はやらなければおかしいと思いますよ。ではその場合、当然海事職で長期の航海なんかやって、やむを得ないで居住を拘束される者の昼飯代も当然本人の負担ということになるでしょうし、それから、官と民は違うといったって、人事院勧告はもう長年にわたって民間のベースアップ等の調査をして、公務員の方がやっぱり較差があるならそれを埋めるという方式をとってきておられる。民間の船会社が、これはやっぱり会社負担で船舶に拘束されている間は食費をやっているんですが、そういう者の昼飯代というものは個人負担になっておるのか、そういうのもやっぱり全部調査をした上でこれが正しいということになったのかどうか。
  168. 今泉正隆

    政府委員(今泉正隆君) ただいまの私の答弁が非常にまずくて恐縮ですが、実は昼食を実質的に個人負担とすると申しましたのは、通常の勤務状態における昼食の部分は実質的にこれまでどおりにする。先生おっしゃいますとおり、船員は、船に乗り組みまして船務に従事をしておるときには無料で支給されるか、あるいは食事代を支給されてその食事代で食事をする、要するに実質的に無料であるということが一般でございます。また一般職公務員の中でも、海上保安官が船に乗り組みました場合には、やはり実質的に無料であります。その部分に相当するもの、自衛官の場合にも船舶に乗り組んでおりまする場合の昼食と、それから演習に出ております場合の昼食のそういった部分は、実質的無料にするように今回改善をお願いしておるわけでございます。
  169. 中村利次

    中村利次君 これは防衛庁の発想ですか、大蔵省の発想ですか、人事院の発想ですか。これはなじみませんよ、やっぱり。法的に居住を拘束しておいて、これは自衛隊員だからそれでいいんだとか、何々職だからそれではいけないんだ、そういう議論は通用しませんからね。これはやっぱり一般論として私は発想の問題を問題として提起しているわけですから。どうなんですか、これは。防衛庁の発想ですか、大臣どうですか。
  170. 坂田道太

    国務大臣坂田道太君) この点につきましては、私この発想自体としましては、やはり自衛官というのは法的に自由を拘束されておる、たとえば食事にしましても、それから就寝にしましてもされておる。したがって、食事の場合には与えられた食事を食べなければならない。つまり自由にあれこれを食べる選択はできないんだと、こういうことに着眼いたしまして実は今度の給与改善をお願いをしておるところでございます。しかしながら、これが他の公務員あるいは同じようなものと比較してはなはだしく均衡を失するようなことであっては給与体系全体を乱すということで、合理的な調整は行いなさいということで指示をいたしまして、落ちつきましたのがただいま御提案を申し上げておるところでございます。
  171. 中村利次

    中村利次君 決して合理的な調整じゃないんですよ、その発想は。  人事院総裁に伺います。民間のベースアップと民間賃金を調査をして、そしてこの公務員の給与に対する勧告をなさる。先ほども答弁がございましたように、民間のたとえば船舶なんかでは、これは実質的に全くその食費が会社持ち。それは船に乗っているのと、おかに法的拘束を受けていようと、拘束を受けてそこで食わされるものは自由はないわけですからね。そういう点についてどうですか、どうお考えになりますか。これはきわめてりっぱな発想だとお考えになりますか。
  172. 藤井貞夫

    政府委員(藤井貞夫君) お言葉でございますけれども、われわれの方は一般職給与のことは担当いたしておりますが、特別職自衛官等につきましては別の担当機関がございますので、これにつきましては私からとやかくのことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
  173. 中村利次

    中村利次君 もうこれはよしますよ。しかし、これは少しあなたすっきりしなさいよ。そういう発想が、長年にわたってここで取り上げられてまいりましたような労働組合の専従者に対する取り扱いだとか、あるいは恩給で日満目だとか、全くどう考えてみても納得できないようなのが政府的発想になると改められないという、そのいろんな問題が、あるいは林野庁の定員外職員処遇取り扱い等についても、これは本当にもうたくさんあります。これはひとつ一般国民の、私も国民の一人のつもりですから、これが聞いてみてなるほどと、せめて、まあしようがないわいというぐらいのところまで発想を改めてもらうように私は強く求めて質問終わります。
  174. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 他に御発言もないようでありますから、七案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより七案を一括して討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより七案の採決に入ります。  まず、恩給法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  175. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、林君から発言を求められておりますので、これを許します。林君。
  176. 林ゆう

    ○林ゆう君 私は、ただいま可決されました恩給法等の一部を改正する法律案に対し、各党共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。  まず、附帯決議案を朗読いたします。    恩給法等の一部を改正する法律案に対する    附帯決議(案)   政府は、次の事項について速やかに検討の上  善処すべきである。  一、恩給法第二条ノ二については国家公務員の   給与にスライドするようその制度化を図り、   一律アップ方式については公務員の給与改善   の上薄下厚の傾向を考慮するとともに、退職   年次による恩給格差の是正措置を講ずるこ   と。  一、恩給改定時期については、年度当初から   実施を目途とすること。  一、旧軍人と一般文官との間の仮定俸給年額の   格付是正を行うこと。  一、加算年の金額計算への算入及び加算減算率   について改善を図ること。  一、恩給最低保障額については最近の社会経   済事情を考慮して、その引上げを行うととも   に、短期在職者の最低保障額について大幅な   改善を図ること。  一、扶助料給付水準の改善について考慮する   こと。  一、恩給担保貸付額の引上げを行うとともに貸   付条件の改善を図ること。  一、戦地勤務に服した日本赤十字社の救護看護   婦の処遇については、旧軍人、軍属に比して   不利となっているものがあるので、その救済   措置を図るよう検討すること。   右決議する。  附帯決議案の趣旨は、案文及び審査の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。  以上でございます。
  177. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題として採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  178. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、植木総務長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。植木総務長官。
  179. 植木光教

    国務大臣植木光教君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨を体して十分検討してまいりたいと存じます。
  180. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  181. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、両案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、片岡君から発言を求められておりますので、これを許します。片岡君。
  182. 片岡勝治

    ○片岡勝治君 私は、ただいま可決されました共済関係二法案に対し、各党共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。  まず、附帯決議案を朗読いたします。    「昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案)   政府は、共済組合制度の充実を図るため、次の諸点につき速やかに検討の上善処すべきである。  一、国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの年金については、国家公務員及び公共企業体職員給与にスライドするようその制度化を図ること。  二、共済組合給付に要する費用の負担及びその給付内容改善については、他の公的年金制度との均衡等を考慮しつつ、適切な措置を講ずること。  三、長期給付の財源方式については、他の公的年金制度との均衡を考慮しつつ、その負担区分のあり方について配慮すること。  四、旧令、旧法による年金額改善については、引き続き一層努力すること。  五、国家公務員共済組合及び公共企業体職員等共済組合制度間の差異について、早急に是正するとともに、二十年以上勤続して退職した公共企業体職員の退職手当について速やかに政改善措置を講ずること。  六、家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。  七、長期に勤続した組合員が退職した場合、相当の期間にわたり医療給付が継続できるよう現行の任意継続制度とは別個の措置を講ずること。  八、労働組合の非在籍専従役員が、共済組合員としての資格を継続することについて努力すること。  九、共済組合の運営が一層自主的、民主的に行われるため、運営審議会において組合員の意向がさらに反映されるよう努めること。  十、公共企業体職員等共済組合に関する制度について、学識経験者等により調査審議する機関の設置について考慮すること。   右決議する。  附帯決議案の趣旨は、案文及び審査の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。  以上であります。
  183. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ただいま片岡君から提出されました附帯決議案を議題として採決を行います。  本附帯決議案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  184. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、片岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、ただいまの決議に対し、政府から発言を求められておりますので、順次これを許します。大平大蔵大臣
  185. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては、困難な問題もございますが、御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。
  186. 加藤武徳

  187. 木村睦男

    国務大臣木村睦男君) ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして、困難な問題もありますが、御趣旨を体し十分検討いたしてまいりたいと思います。
  188. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 次に、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  189. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、特別職職員給与に関する法律及び沖繩国際海洋博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  190. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  191. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  192. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決されました七案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  193. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後九時四十八分散会      —————・—————