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神谷信之助君 時間がありませんから次に移りますが、次のもう一つのコストアップ要因として、いわゆる水道事業で使う電気料金の問題なんですが、特に電気料金が四十八
年度、四十九
年度にかけて大幅にアップをされました。それに伴って動力費が急上昇しております。
これは阪神水道の例ですが、阪神水道企業団は四市の地域における水の卸をやっているわけですね。ここをずっと調べてみますと、四十二年以来
財政健全化
計画を立てて、四十六
年度の末には不良債務は五億四千万円に抑えるということで
計画を最初に立てた。恐らくそのころには原水の水質が汚濁をして、そのためにコストアップになって料金改定をしなければならぬだろうという見込みだったわけですね、それだけの不良債務額に抑えてきても。ところが、用地の売却なり、あるいは企業の
努力によって、五億四千万円の不良債務を予定をしておったけれ
ども、それをさらに下回って一億七千万円の不良債で終わった。だから料金改定は見送ったと。そして、さらにそれを今度は四十七
年度から四十九
年度にかけて引き続いてこの企業の健全化
計画を進めるということで
努力をしてきて、それで五十
年度末には不良債は大体六億円に抑えられるという予定をしておったと。
〔理事金井元彦君退席、
委員長着席〕
そういう
努力の結果、四十七年、四十八
年度は大体
計画をしておった不良債の
計画額を下回っておったけれ
ども、四十九年、五十
年度にかけて、いわゆる四十八年から四十九年にかけて二回の電気料金の改定が行われた。そのために四十九
年度末の不良債は一挙に十三億七千五百万円にはね上がってしまった。せっかく営々と財産処分なり企業
努力なり、あるいは人件費を抑える
努力も調べてみればやっておりますが、そういう
努力をしたけれ
ども、結局この電気料金の値上げのために不良債務の一挙の増額になってしまった。だから、四十九
年度現在で見ますと、動力費は
計画額では四億四千二百万円に対して決算では十億五千五百万円と、二・四倍にはね上がっておる。それから浄化費はこれは一・二倍です。それから施設管理費は一・六倍、人件費は一・三倍。だから
計画額に対して決算はそれだけはね上がった。だから、確かに物価は全体として上がっていますから上がるが、同時に電力費、動力費だけがはるかに大きくはね上がってきているというのが事実なんですね。
そこで、それじゃどういう電力の料金改定が行われたかと言えば、四十八年の九月に平均二二・三%のアップで、この場合、大口消費のところは三〇・七%のアップ。四十九年の六月は平均四六・三%のアップに対して大口消費は七〇・〇%と、いわゆる
福祉型料金の方に移行しようということですね。そういう料金改定があった。それ自身はいいんです、それ自身はね。ところが、大口消費に公営水道も組み込まれておって、利潤を追求をしている一般企業並みに割引きなしに電気料金がかけられる、こういう状況になってそのまま水道事業にも適用されるということですから、これは大変なことになってきたんだというふうに思うんです。
しかも、この四十九年の改定のときにはどういう電気料金の決められ方がやられたかというと、四十九年四月末契約をしておった動力量を基準動力量として、それを超過した分については二〇%の割り増しというわけですね。だから、四十九年の四月末現在の量からさらに上回っていったら、それ以上に超過使用すれば二割増しの電気料金。ですから、そのために阪神水道では、使用している電力の二四%が基準量をオーバーして二割増しの料金を払わなければならないということですから、これは大変なことになってきて、とうとういわゆる阪神水道の料金改定をやらなければならぬということで、倍近く、十六円八十五銭から二十八円六十五銭に
引き上げなければならぬ、そういうことになってきたわけです。これは水道事業は電気を大分食いますから、特に阪神水道の場合は淀川から導水していますからね。ですからよけい電力を消費をする。それから琵琶湖、淀川の汚染がひどいですから、そのためにもよけい電力を必要とするんですが、しかし、水道事業全体としても共通の問題じゃないかと思うんです。
しかし一方、水道の方は、
厚生省の方も一生懸命
努力をしてそうして普及に努とめてこられておって、現在普及率は八五・七%になっている、近くは九〇%を超えるという状況になって、まさに
国民の命の水になっているわけですから、そういう事業に対して私は、公営水道の電気料金に対してこれは政策料金といいますか、特別
措置を講ずるのが当然じゃないか、こういうように思うんですが、この辺はひとつ通産省の御
意見いかがでしょうか。