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政府委員(
増田実君)
石油産業の
体制整備、それからいわゆる基盤の強化というものにつきまして、そのやり方がいろいろあると思います。いま藤井
先生のおっしゃられましたように、過去には海運の再編成もありましたし、また、電算機あるいは自動車につきましてもいろんなグループ化が行われたわけでございます。私
どもの方で現在、これは先ほど申し上げましたように
石油部会での審議中でございますので、一応
通産省の方のたたき台を基礎にいたしまして
考え方を申し上げますと、現在の精製会社三十数社、それから元売り十三社という
体制は、やはりいわゆる乱立ということが言えるんではないか。つまりそう申し上げますのは、諸外国で見ますと、たとえばヨーロッパ諸国、イギリスにおきましても、フランス、ドイツにおきましてもこういう
体制にはなっておりません。まあそれだけに、たとえば
石油危機のような
事態が起こったときには、業界の方はこの流通秩序につきましては日本と相当違ったビヘービアを示しているということでも見られますように、
わが国の現在の産業
体制というのは非常な過当競争体質にあると思います。それでこれを一挙に集約化をするのがいいのか、あるいは
段階的にやるのがいいのか、これにつきましても現在御議論いただいているところでございますが、私
どもの方の
考え方としては、まずグループ化を図る。特に問題になりますのは、いわゆる民族系の企業でございまして、一般的に言われます外資系の企業に比べましていろんな
意味で体質が弱い、そのために
問題点も出てきておるということで、まず最初に取りかかりたいと考えておりますのは、民族系の企業のグループ化を図って、そしてその体質の強化を図りたいということでございます。グループ化ということで具体的にどういうことをやるかということになりますと、やはり販売につきましても、いわゆるジョイントによってむだな販売をやめる。ことに交錯
輸送というのが相当大幅に行われまして、紀伊半島の先に立つと、関西の会社が関東へ品物を送り、関東の会社が関西の方へ送っているということですが、こういうむだ、あるいは
保安上もいろんな問題があるわけでございますが、そういうむだを避けて、そうしてそれによって合理化を図るということが必要ではないか。また、今後のいろんな投資、これは先ほど中国
原油を処理するための重質分解装置その他を設置するに当たっても、これは多額の金額を要しますので、これにつきましてもグループ化を行って共同投資を行う、それによって中国
原油の受け入れ
体制をする。また
原油の購買力につきましても、これは
石油危機以前ですと受け身で
原油の購入交渉をいたしておったわけでございまして、むしろメジャーが日本という市場を目がけて売り込み競争をしておったわけでございますが、今後の
石油の需給を見ますと、現在は確かに過剰でございますが、将来、
石油の情勢というのはいろいろ変わってきております。産油国の直接販売その他もふえてくる傾向にありますので、そういうときに一括してグループで買えるという
体制をつくることがまた必要ではないか。また、メジャーから買いますときにも、民族系の企業がグループ化して、そしてそれによってメジャーから買うということも必要だ、こういうふうに思っております。
そういうことで、いろいろ申し上げましたが、共同事業を
各種行うことによって数社の民族系企業がグループ化していく、そして将来、時期が熟したらそれは一社になるということも考えられると思いますが、まず最初には、そういう共同事業でやっていくという方向でやっていきたいというのが私
どもの
考え方だと。これをたたき台として八月の第一回の
石油部会に提出しておりまして、これに基づいて
各種の議論が行われておるわけでございますが、一挙に再編成ということで、海運のときのような合併という形でなくて、むしろグループ化を通じて将来の集約化を行うという方が
現実的じゃないか、こういうふうに考えております。
それからまた、もう
一つ問題がありますのは、外資系と民族系の問題でございますが、私
どもといたしましては、従来とっておりました政策、つまり外資系五割、それから民族系五割というのが現在の世界の情勢にやはり合っているんじゃないかということで、今後外資系の企業シェアを縮めるという政策もとるべきじゃないか。ただ、外資系企業に比べて民族系企業が非常に弱くなっている、この問題をできるだけ早く解決したいというのが
考え方でございます。