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森下昭司君 それと最近似通った制度といたしまして、公害防止
関係で非常にいかがわしいような団体が巧妙な宣伝をいたしまして、無辜の大衆に被害を与えるような行為が多数出てくるということを私は心配をいたしておるわけでありますが、ここに
一つ例といたしまして、いわゆる
日本企業管理協会というパンフレットがございます。このパンフレットを見てみますると非常に巧妙なことが書いてございます。
たとえば最初に、「通産
大臣登録 公害防止管理者 特別講座」、いかにもこの特別講座が通産
大臣の登録であるかのごとく錯覚を与える。趣旨は、公害防止管理者が通産
大臣に登録をされるというふうに考えるのでありますが、法律的に
関係のない人から見れば、この講座が通産
大臣に登録されたものであるという印象を与える。かつ、下段にまいりますと、「
環境公害士資格認定」という言葉が使われまして、「登録出願受理済(登録出願番号五三二一三五号)昭和五十三年認可予定」と書いてある。私も事前に名古屋通産局で、名古屋でこういった特別講座が行われるという宣伝でありますから、この「登録出願受理済」というものは果してあるのかどうかと聞きましたら、そんな制度はございません、つまり、あたかも上部の「通産
大臣登録」というのと下の「登録出願受理済」というのとは、これは相対的に見てまいりますと、この
日本企業管理協会というものが公害防止管理者の特別講座を行うに当たって、通産
大臣に、つまり
通産省に登録をされている、それが届け出として終わっているのだというような錯覚を与えることになるわけであります。お聞きをいたしますと、登録番号の五三という最初の番号は年数をあらわすそうでありまするから、いまの出願が受理されておりますれば五〇が妥当だということになりますが、五十三年認可予定ということが書いてありますこの点から見ますと、それと符合を合わすのではないかというようなことになります。
しかも、中を見ますと、これは全くむちゃくちゃな話でありまして、中央公害審議会会長なんて書いてある。公害対策基本法を読みますと、公害対策審議会であります。この宣伝の中身は中央公害審議会会長であります。しかも、東大の鎌田教授さんを会長と書いてあります。名古屋ではこういうパンフレットでありますが、名古屋以外のところでは、鎌田さんは単に
委員と書いてありますし、会長はほかの方の名前になっているようでありまして、とにかく著名な各大学の教授の名前と写真で、いかにもこの会が権威あるものだというような印象づけが行われているわけであります。
しかも、いわゆるこの中身を読んでみますると、国家試験の難易度という解説の中で、出題形式がやさしいとか、受験資格の制限がない、合格率が高い、公害防止管理者はまだ足りない、そして、表に書いてありまする
環境公害士資格認定というものがある。
環境公害士の資格なんというものは、今日法的に
一つもございません。先ほど私が申し上げましたような、勝手に特許管理士制度のようにつくり上げたものであります。しかも、このパンフレットの中で広告をいたします。そして、電話で聞いた方がございます。そうしましたら、この協会から外務員が二人来て、二日とあげず勧誘をいたしまして、ついに一講座、騒音
関係でありますが、この方は金六万円なりの受講料を払わざるを得なかったわけであります。
そして、そのときに持ってきた「
環境公害士とは」という中で、これは昭和五十二年度より試験が実施される、いかにも国家試験が実施されるようなことが書いてあるわけです。そして、例といたしまして、中小
企業診断士昭和三十八年度国家試験となる、それ以前のものは認定者として無試験にて取得、あるいは例に、社会保険労務士、昭和四十四年度国家資格として試験制度となる、昭和四十三年度第一回の認定者として無試験にて認定と、いかにもいまこの講座で、この協会の行う講座へ来て
環境公害士という認定を受ければ、無試験で公害防止管理者になれるという錯覚を与えるような内容になっております。私はこういつた点について、まず、時間がありませんから、
通産当局はこういった事実を
御存じかどうかということが
一つ。
第二点、こういうような問題について、私はむしろ通産局の名称が詐称されていることは事実でありまするから、こういった点について責任者に対し、警告なり勧告なりあるいは注意なり、そういったことを行ったことがあるかどうか。ないとすれば、今後こういったものに対しましてどのような処置をなさる
考え方があるか、お尋ねします。
そして、法務省からお見えになっていると思いますが、こういった問題については、必ず被害が出る可能性があります。この講座は来年の一月から行われますのですから、いまのところ講座が行われれないとは断定できないのでありまして、直ちに被害が出るとは申しません。しかし、このパンフレットの内容からすれば、事実と相違した内容であることだけはこれはもう明らかだと思います。こういったものに対して、いわゆる無事の大衆の被害を事前にチェックできる、事前に取り締まるような方法というものがないものかどうか、また、法律的にないとするならば、今後こういった点についてどう対処なさるのかその点を一括してお尋ねいたします。