運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1975-12-09 第76回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

share
  1. 昭和五十年度における道路整備費の財源の特例 (会議録情報)

    昭和五十年十二月九日(火曜日)    午前十時二十四分開会     —————————————    委員異動  十一月四日     辞任         補欠選任      上條 勝久君     細川 護煕君  十一月十二日     辞任         補欠選任      望月 邦夫君     鍋島 直紹君  十一月十三日     辞任         補欠選任      鍋島 直紹君     望月 邦夫君  十一月十八日     辞任         補欠選任      寺下 岩蔵君     青木 一男君      遠藤  要君     柳田桃太郎君  十一月十九日     辞任         補欠選任      柳田桃太郎君     遠藤  要君  十一月二十二日     辞任         補欠選任      青木 一男君     寺下 岩蔵君  十二月四日     辞任         補欠選任      三治 重信君     藤井 恒男君  十二月八日     辞任         補欠選任      藤井 恒男君     三治 重信君  十二月九日     辞任         補欠選任      細川 護煕君     上條 勝久君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         中村 波男君     理 事                 上田  稔君                 大森 久司君                 増田  盛君                 沢田 政治君     委 員                 遠藤  要君                 上條 勝久君                 古賀雷四郎君                 坂野 重信君                 寺下 岩蔵君                 中村 禎二君                 望月 邦夫君                 小野  明君                 小谷  守君                 松本 英一君                 田代富士男君                 上田耕一郎君                 春日 正一君                 三治 重信君    国務大臣        建 設 大 臣  仮谷 忠男君    政府委員        建設大臣官房長  高橋 弘篤君        建設省道路局長  井上  孝君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 育二君    説明員        自治省財政局地        方債課長     花岡 圭三君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和五十年度における道路整備費財源特例  等に関する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 委員長(中村波男君)(中村波男)

    委員長中村波男君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十一月四日、上条勝久君が委員辞任され、その補欠として細川護煕君が、また本日、細川護煕君が委員辞任され、その補欠として上条勝久君が選任されました。     —————————————
  3. 委員長(中村波男君)(中村波男)

    委員長中村波男君) 昭和五十年度における道路整備費財源特例等に関する法律案議題とし、本案趣旨説明を聴取いたします。仮谷建設大臣
  4. 国務大臣(仮谷忠男君)(仮谷忠男)

    国務大臣仮谷忠男君) ただいま議題になりました昭和五十年度における道路整備費財源特例等に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  今国会に提出されました補正予算におきましては、景気対策一環として、八百十億円の道路整備事業費の追加が計上されておりますが、この財源につきましては、現下の厳しい財政事情等にかんがみ、できる限り揮発油税等のいわゆる道路特定財源を充てることが必要であると考えられます。  ところで、道路整備費財源につきましては、道路整備緊急措置法の規定により、揮発油税等収入額決算額がその予算額を上回ったときは、当該上回った額に相当する額を決算調整額として翌々年度道路整備費財源に充てることとなっておりますが、昭和四十九年度におきましては、約五百三十四億円という例年にない多額決算調整額が生じることが明らかとなっております。  このため、本来昭和五十一年度財源に充てることとなるこの決算調整額昭和五十年度財源に充てることにより、今回追加された道路整備事業費財源を確保することとし、道路整備緊急措置法第三条の適用について特例措置を設けることとした次第であります。  したがいまして、法律案要旨といたしましては、第一項で、昭和四十九年度揮発油税等決算調整額昭和五十年度道路整備費財源に充てることとし、これに伴い、第二項で、この決算調整額昭和五十一年度道路整備費財源には充てないこととしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  5. 委員長(中村波男君)(中村波男)

    委員長中村波男君) これより本案に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 四十九年度におきましては非常に揮発油税の余りが出たのでございますが、これについてちょっと御質問をまず申し上げたいと存じます。  いままでこんなにガソリン税収入見込み額実績と違ったということはなかったように思うのでございますが、このいままでの実績をちょっとお示しをいただきたいと思います。
  7. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) お答えいたします。  揮発油税収決算額とそれから予算額との差額昭和四十年度以降、昭和四十一年度におきます九十一億円という差額が出ました。それが最大でございまして、過去、現在まで平均的にはおおむね五十億円程度の差額になっております。御指摘のように、昭和四十九年におきましては税率を二〇%上げたのでありますが、石油危機の直後でございましたので、揮発油消費量が低くなるであろうという予測で予算を組みましたけれども、それが余り落ち込みがなかったということで、こういう大きな決算調整額が出た次第でございます。
  8. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 その落ち込みを非常に多く見過ぎておられたんじゃなかろうかと思うんですが、なぜそんなに落ち込みを見込まれたのか。四十九年度予算編成期といいますと四十八年の末であったと思うんですが、そのころにおいてはまだガソリンがアラブの方において輸出を制限するかもしれないというようなことであって、同じようには入ってこないかもしれないということですけれども見込み額がちょっと少な過ぎたんじゃなかろうかと思いますが、いかがでございますか。
  9. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) 御指摘のとおりでございまして、結果から見ますと、そういうことになりましたが、四十九年度予算編成時期、すなわち四十八年の暮れには、すでに秋に石油危機がもう問題になっておりまして、したがいまして、大蔵当局といろいろ御相談の上、揮発油消費量を前年から一割減というふうに見込んだわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように税金の方は税率を二割アップいたしました。合計いたしまして揮発油税収入の伸びを五%増というふうに見込んだわけでございまして、これは当時としてはいろいろと勘案した結果の結論でございます。しかしながら、結果的には揮発油消費量は一割減と見込んだものが実は三%しか減にならなかったということで、この年度決算調整額は五百数十億という過去に例のない結果になった次第でございます。
  10. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 地方のいろんな道路整備状況、これを見ますと、私は道路事業というものは大いに伸ばしてもらわなくちゃいけないということだと思うんですが、こういうような見込み違いが余りにも大きいということになりますと、一割というのは非常に大きいと思うんですが、こういう大きなことを生ずると、やっぱり道路整備に影響が非常に大きいと思うのであります。こういうことでございますので、建設省の方では入念にひとつこういう狂いのないようにしていただきたい。少しぐらい多くってという場合は、それも困りますけれども、少なく見積もるというのは、これは堅実といえば堅実だけれども、これでは全国の道路整備を担当してもらっている方としてはちょっと困るんじゃなかろうかと思いますので、こういう点をひとつ大いに注意をしていただきたいと思います。  それから第七次の道路整備の五カ年計画がどういうふうな達成率になっておるかどうか。こういうふうな過小見積もりというか、こういったようなことがあったわけでありますが、その達成状況はどうなっておるのでございましょうか。
  11. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) 第七次道路整備五カ年計画総額十九兆、予備費五千億ということで昭和四十八年度から発足をしたわけでございますが、四十九、五十年と、最近二カ年にわたります総需要抑制の結果、進捗率がきわめて劣っておりまして、今年度補正予算を含めましても一般道路事業で四五%、有料道路事業で四三・五%、合計で四四・六%という進捗にとどまっております。三カ年目の進捗でございますので、発足当時の、五カ年計画策定当時の計画ベースでは進捗率は約四九%ぐらいが三年目の予定でございました。それがいま申しましたように四四・六%という低位にとどまっておるわけでございます。
  12. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 非常にこの達成率が悪いといういまの御答弁でございますが、ことしは補正予算を組んでもらったのであります。で、この補正予算を組んでもらったんですが、道路整備計上費は非常に少ないのじゃなかろうか。たしか千八百億ぐらいの予算額じゃなかったかと思いますが、この五カ年の達成率考えると、もっとこれを伸ばしてもらわなくちゃいけなかったんじゃなかろうかと思いますが、いかがでありますか。
  13. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) 今回の補正予算は、先生承知のように、第四次の不況対策として、景気の回復の施策の一環として編成されました。道路整備につきましては、事業費で一千七百五十億円が計上されております。その結果、昭和五十年度の当初予算は前年に対比いたしまして〇・九五と、事業費で五%圧縮された姿でございましたが、この補正予算編成によりまして一・〇三倍というふうに、三%ではございますが前年を上回る事業量にすることができたわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、四十九、五十年の二カ年にわたる総需要抑制予算という関係で、第七次道路整備計画進捗が非常におくれております。これを取り戻すまでにはこの補正予算ではまいらなかったわけであります。今後とも、来年、再来年と道路事業費の増額に一層努力してまいりたいと思います。
  14. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 まあ補正予算計上額というものも非常に少ないのでありますけれども、もっとも地方公共団体の今度はまた財源が非常に苦しくなってきておるのも事実でございますが、この補正予算裏財源というものをどういうふうにしておられるか、お答えをいただきたいと思います。
  15. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) 今回の補正予算では、地方公共団体裏負担額といたしまして、道路に関しましては総額三百十九億円になろうということを予定いたしております。この補正予算の円滑な実施を図るために、この地方公共団体裏財源に対する手当てと申しますか財源の確保が必要でございますが、現在の地方財政状況にかんがみまして、この裏財源はすべて地方債充当措置がとられる、地方債による充当措置されるというふうになっております。
  16. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 地方債によってこの裏財源を確保しておられるということですが、向治省来ておられますか。——自治省の方にお聞きをしたいんですが、この地方債というのは、聞くところによると、政府債と、何か縁故債というか都市銀行、そういったようなところからお借りするものとに分かれておると聞いておりますが、いかがでありますか。
  17. 説明員(花岡圭三君)(花岡圭三)

    説明員花岡圭三君) 地方債につきましては、その原資としましては、政府資金と、それから公営企業金融公庫資金、その他民間等資金がございます。
  18. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 いま問題になっておりますこの裏財源でございますけれども、どういうふうな割合でこれをお考えになっておられますか。
  19. 説明員(花岡圭三君)(花岡圭三)

    説明員花岡圭三君) 今度の第四次不況対策に関します裏財源につきましては、総額——これは単独事業も含んでおりますけれども、三千百八十億円の地方債措置したわけでございます。そのうち公共事業に当たる部分、これにつきましては八〇%を政府資金に充てまして、あとの残り、これを銀行等引き受け措置する、かように分けてございます。
  20. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 いまの八〇%の分はこれはまあいいんですけれども、その二〇%の銀行から借りるというものについてはスムーズにいっておるんでしょうか。
  21. 説明員(花岡圭三君)(花岡圭三)

    説明員花岡圭三君) 今回の補正措置のほかに、御承知のように地方財政の、地方交付税落ち込みとかあるいは地方税減収等がございましたので、今回地方債計画補正いたしました額は総額で一兆三千八百十二億円となっております。そのうち政府資金が三千七百億、民間等資金が一兆百十二億円となっているわけでございまして、減収補てんに充てる地方債が非常に大きなことになっております。したがいまして、御質問のような公共事業関係裏負担分だけですと大した額ではございませんけれども減収対策、いわゆる減収補てん債等が非常に多額に上っておりますので、この補正に当たりましては自治大臣大蔵大臣とで覚書を交換いたしまして、この縁故資金引き受けにつきましては、自治大蔵両省が相携えてその消化に努力する、協力するというふうなことを約束したわけでございます。これに基づきまして銀行局長からは各金融機関にあて、また財政局長からは各地方団体にあてまして、それぞれの消化についての通達を出したわけでございます。なお、日銀当局に対しましてもこの消化についての協力要請いたしまして、各支店長にその協力要請がおりているということで、この消化に万全の措置をとってまいりたいと考えております。
  22. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 非常にこの通達をお出しをいただくということは結構でございますけれども、現実になかなか都市銀行が貸してくれないと、こういうようなことが起こっておるようでございます。そういう場合にはどういうふうに処置をしていただけるんでしょうか。あるいは自治省の方へ申し出るんですか、それとも財務局の方へ申し出るのか、ちょっとその辺のところをお願いいたします。
  23. 説明員(花岡圭三君)(花岡圭三)

    説明員花岡圭三君) このことにつきましては、一つには、まず財務局の方に申し出て相談をするようにと。同時に、その地元でどうしても引き受けが困難な場合には自治省の方に言ってきてくれと。そのときにはこちらの方から大蔵省に直接お話をいたしまして、個々のケースにつきましてそれぞれ適切な措置をとろうと、かように考えております。
  24. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 そうしますと、そういう貸してくれないというようなことが、ある市町村に起こった、こういう場合にはまず財務局へ行って、そうして財務局の方で手当てをしてくれと、ようやらぬということであれば自治省の方へ持ってこいと、こういうことをいま御答弁があったと思うんです。非常にこれは繁雑でございまして、市町村としては非常に困っておるわけであります。財務局の方へ行ったらだめだと言われたけれども自治省へ行ったら今度はよいというようなことになると、今度は財務局の方が怒ると、こういったようなことも起こってまいりますし、この辺のところをもうちょっと詰めていただいて、一発でここへ行きゃさっと解決ができるというような窓口をひとつつくっていただくというふうにお願いをしたいんですが、いかがでしょうか。
  25. 説明員(花岡圭三君)(花岡圭三)

    説明員花岡圭三君) 今回の措置によります一兆三千八百十二億円、これに対します政府資金の三千七百億でございますが、市町村公共事業なりあるいは減収補てんにつきましては、いわゆる九つの指定都市を除きましては全部政府資金措置をする予定でございます。したがいまして、都道府県と大都市を除きましては、そのような事態が起こらないようにいたしたいと存じております。
  26. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 そうすると、中小都市の方は大丈夫だと、大都市に限るということになるわけでございますね。大都市の方は力があるからということですが、大都市の方もなかなか苦しいようでございますので、十分にひとつめんどうを見ていただきますようにお願いをいたします。  それから次に、道路局の方ですが、来年度予算要求はどういうふうに考えておられるのでしょうか。いま五カ年の進捗率達成率が悪いというお話でございますが、来年は大いに達成できるような考え方で御要求をしていただいているんでしょうか。
  27. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) 来年度道路事業費予算につきましては、第七次道路整備五カ年計画の四年目として要求をいたしておりますけれども政府全体で各省別に一五%という枠もございますし、道路事業としては国費で一兆七百九十六億円、前年当初対比で一三%増という要求をいたしております。しかし、その中におきましては混雑の緩和とか交通安全対策の新しい五カ年計画発足、あるいは特に最近問題になっております道路沿道環境対策等につきまして、国民の強い要請にできるだけこの予算の枠内でこたえていこうという考え方編成をいたしております。
  28. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 一三%増ぐらいでありますと、いまの四五%とか四三・五%というような達成率では、これはなかなか追っつかないんじゃないでしょうか。今度のストライキ中におきましても道路が非常に私は一般の市民の生活を助けたと思うのであります。生鮮食料品が東京におきましても、価格におきましても、また数量におきましても、品質におきましても維持されたというのは、私はこれは道路役割りを果たされたから、またトラックがその役割りを果たされたから、こういうことが維持できたのではなかろうかと思うのであります。したがいまして、道路というのはやっぱり生活道路でありまして、生活に使うのがいま一番道路の使用としては多いのではなかろうか。いろんな工業製品をつくるんだというような、昔はそのキャッチフレーズをお立てになって大分道路進捗されたのでありますけれども、私はそれは間違いである。道路はむしろ生活に必要なんだ、したがいまして、道路事業というものはもっともって伸ばしてもらわなくちゃいけないんじゃなかろうかと思うのであります。そういたしますと、五カ年計画というものを達成できないような要求というものではいけないんじゃなかろうかと思いますが、いかがでありますか。
  29. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) 先ほど申し上げました一三%増の要求で、この五カ年計画の四年目の進捗率が全額達成されたといたしまして約五八%でございます。残すところ一カ年でございます。この五カ年計画を五十二年度までに完全に金額面で達成するというのはきわめて困難な状態でございます。これは先ほど来申し上げておりますように、四十八年に作成した五カ年計画でございまして、その後石油ショック以降総需要抑制策がとられ、二カ年にわたる予算の圧縮があったということが結果しておると存じます。この際五カ年計画も、国の経済計画も見直されておりますので、来年度は基本的に見直しをする必要があるというふうに考えております。
  30. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 いまその見直しをするというお話でございますが、いままでの高度成長から今度は安定成長といいますか、六%成長というか七%成長というか、そういうようなものに今度は変わっていくんだということでございますので、そういう見直しは必要だと思いますが、その際におきまして道路というのは、私はやはり先ほど申しましたように、生活に非常に密着をしたものであるということに頭を置いて、以前のような何といいますか工業出荷額を、あるいは工業生産額を大いに上げる道路なんだ、そういうような観念をひとつお捨てになって検討をしていただきたいと思うのであります。  それからまた、いま新聞によりますと、いろんな自動車諸税というようなもの、ガソリン税を込めて上げるとかいうようなことが新聞に出ておりますが、また上がるというようなことになりますと、ガソリン税見込み額がまた大幅に間違いを生ずるというようなことになりますと、これはまた大変なことになると思うのでございますが、この辺の御検討はいかがでございますか。
  31. 政府委員(井上孝君)(井上孝)

    政府委員井上孝君) 来年度予算編成に当たりましては、先生も御承知のように、道路特定財源でございますガソリン税、それから、特定財源と制度上はなっておりませんが、自動車重量税につきまして、昭和四十九年からそれぞれ暫定的に税率が上がっております。これが本年度で期限が切れるわけでございます。で、来年は私ども建設省といたしましては、この道路予算を賄うために、この両税につきましては暫定税率を維持すると、この税率をさらに継続するという前提で予算要求いたしておる次第でございます。大蔵省の方では財源難の折でもありますのでいろいろ財源について新しい考えも持っておるやに聞いておりますが、私どもとしては、現在の暫定税率を継続するということで予算編成しておる次第でございます。
  32. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 このガソリン税でございますが、これは道路を通る自動車が使うガソリン、それに対して税金を払っていくと、こういうことになるわけでございますが、大体通行税というような考え方に近いようなものに私は考えられるんですが、まあ通行税というといけませんけれども道路を非常に傷めるんで、それを出して道路をひとつこれよくしてもらおうと、こういうような考え方に近いと思うんですけれども、何か聞くところによると、これを一般財源の方に入れてしもうて、どこに使ったかわからぬようにしてしまうというような考えもあるやに聞くのでございますけれども、これはひとつ道路局として、あるいは建設省としては、こういうことに対してはもう絶対にこれは道路にお使いをいただきたい。このガソリン税が設けられたとき、また自動車重量税が設けられるときのいきさつにおきましても、これはもう道路がどうも直せないんだと、あるいは走ろうと思うところへ早く行けないんだと、こういうことに対して、税金を出してでもとにかく早く直してもらおうじゃないか、安全に走れるようにしてもらおうじゃないか、こういう考え方から納税者というものは税金を出しておると思うのであります。それに対して、これをどこに使ってしまうのかわからぬというようなものに持っていくということは非常に私は疑問があると思うんでありますが、建設大臣、この点につきましてはどうお考えでございましょうか。
  33. 国務大臣(仮谷忠男君)(仮谷忠男)

    国務大臣仮谷忠男君) 上田先生お答えを申し上げる前に、委員長にお許しをいただいて、一言あいさつをさしていただきたいと存じます。  大変いまごろという感じもいたしますし、おくれて申しわけないんでありますが、あれ以来きょう初めて委員会が開かれましたので、まことに気になりながら本日までそのままになっておったわけですが、先般の青森の私の大変軽率な発言、これは本当に心から反省をいたしておりまして、申しわけないと思っております。きょうはもう多くを申し上げませんが、これから誠心誠意努力を積み重ねて、私のあの発言が決して私の真意でなかったということを事実で私は証明をいたしていきたいと思っております。特に所管の委員会先生方には大変不快な思いをさせたと思いますし、お怒りもごもっともだと思うんでありますが、どうぞひとつあしからず御了察を賜りますようにお願いをいたしたいと存じます。大変時期が失しまして申しわけありませんが、一言あいさつをさしていただきたいと存じます。  なお、上田さんのいまの御質問でありますが、先ほどから道路関係についてもいろいろ御所見がありまして、私どもも全く同感であります。ただ、来年度予算編成につきましても、大体一五%以内におさめよという一つの方針に基づいて予算編成作業を進めておるわけであります。何さま建設省予算の中でも道路予算は非常に大きいのでありまして、そういう意味で同じ一五%の中から幾分か割愛を他の事業にして、そして均衡のとれたものにするということが、これはわれわれの建設省内における一つの作業としていままでもやってきたわけであります。そういう意味で来年度の要望を一三%程度に実はいたしておるわけであります。五カ年計画の三カ年でわずかに四五%にも届かぬようなことでありますから、これを本当に達成していくためには相当の予算を計上せなければならぬことは当然でありますけれども、反面、国の財政の問題も考えなければなりませんし、また同じ建設省予算の中でも治水関係にも大変な強い御要望があるし、特に下水道あるいは住宅問題等についてもこれまた強い要望があるし、内閣の一つの重点施策にもいたしております。そういうふうに考えてみますと、限られた予算の中でどういうふうに均衡をとった予算編成考えるかということが私どもの一つの悩みでもあるし、苦労でもあるわけでありまして、お説の面は十分に承知をいたしまして最大限の努力はいたしてまいるつもりでありますが、十分な御期待に沿えない面もあるかと思いますが、どうぞひとつ今後とも御支持を、御協力をいただきたいと思うわけであります。  それから自動車税の問題でありますが、いまいろいろ党や大蔵総あたりでも議論をされておるようでありますけれども、基本的には私どもはいまの時点で増税をすることについては決して賛成をいたしてはおりません。局長からもいまお話がありましたように、ただ、あの暫定二カ年間の期間が切れますものですから、暫定税率を維持することを前提にして来年の予算要求していることは事実であります。これ以上増税をしてということについては、これはいろいろ私見の問題もありますし、現在の経済状態から考えて適当かどうかという問題、これは与党としても真剣に詰めた検討をせなきゃならぬのでありまして、まだそれがどういう方向に行くかというところは定かでありません。ただ、率直に申し上げまして、少なくとも自動車税というものは道路財源に利用するということをたてまえにいたしておりますものですから、税金を取るだけ——増税をして取ったものが一般財源に利用されるということについては私どもは賛成いたしかねる問題であります。これはいろいろ大蔵省大蔵省としての御意見もあるようでありますが、こういった面については大蔵省ともあるいは党とも十分調整をしながら、今後の道路財源を確保しながらむしろ道路事業をさらに伸ばしていくというところに努力をしていくのが私どもの使命だ、仕事だと思っておりますから、そういう方向で進めてまいりたいと考えておるわけであります。
  34. 上田稔君(上田稔)

    上田稔君 このガソリン税であるとか自動車諸税でございますが、こういうものは道路にひとつお使いをいただいて、そうして道路を大いに伸ばしていただきたいと思うのでございます。  私がちようど十年ぐらい前でございますが、まだ役人をしておりますときに、自動車と列車の貨物輸送、これを実は比較してみたことがありますが、これはいろんな物によって違いますけれども、平均して四十キロぐらい以内でございますと、その当時は自動車の方が有利であるというのがたしか出たと思っております。ところが、最近は非常に人件費が上がってきております関係もありますから、三百キロも、五百キロぐらいまで自動車の方が有利だというように変わってきておるんじゃなかろうかと思うのであります。その証拠に自動車輸送、貨物輸送というものが非常に——自動車による、トラックによる輸送でございますが、その方が有利であるからということでシェアが変わってきておると思うのであります。こういうことを考えると、私は生鮮食料品なんかにも本当に貢献をしておる道路でございますから、大いにこれをひとつ伸ばしていただきたいと思うのでございます。  鉄道でございますと、やはり積み込み、積みおろしに非常に時間もかかりますし、そしてまたお金がかかるわけであります。それから今度はポイントの入れかえなんかにも非常に時間がかかる、配車にも非常に時間がかかる。こういったようなことを考えると、トラック輸送の方はもうすぐ窓口から窓口へすっと運んで、戸口から戸口へ運んでもらえるものですから、その方のシェアが非常に伸びておるわけであります。そういうことを考えますと、もうどうしても私は道路を伸ばしていただかなくちゃいけないんじゃなかろうか。そうでなかったら、日本のこれからの実質六%の成長とか七%の成長とか言いましても、そういうことが実現できないのでなかろうかと思うのであります。  したがいまして、ひとつ大臣にお願いいたしますが、勇気を持って道路予算というものをもっと大いに要求すべきものを要求して、そしておやりをいただきたいと思います。山村におきましては、福祉というよりも道路をつけてもらいたい、バスが来るようにしてもらいたい、都会に出ていった孫たちの顔が見たい、息子たちの顔が見たいというのがおじいさん、おばあさんの願いでもございます。そういうことを考えると、道路予算というものをもっと伸ばしていただきたいと存ずる次第でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
  35. 委員長(中村波男君)(中村波男)

    委員長中村波男君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時一分散会      —————・—————