○小巻敏雄君 いまのような答弁を聞いておると、これは非常にやはり不安を感ぜざるを得ないという点があるわけです。大体、不手際、不注意、さまざまな分類というんだけれ
ども、プルトニウムの蒸発かんからウランが漏れるというのはだれの不注意であったのか、一体そこの不手際というものはどこにあるのか。あるいは、通常一%程度の目減りというようなのが常識である、それ以上になれば問題であるウランの欠損が、三・三%あるいは四%ですか、そういう
状況になっておるのはこれは決して事故でも事件でもないというようなことで予定どおりプログラムを進めていく。おくれる場合はそのおくれる理由はまるで自然なことのように、これらの問題の相関
関係を明らかにする中で進めていかないというような
あり方ですね。それは結果は事がないにこしたことはありませんけれ
ども、やっぱり「
むつ」の
事業団が、当初あの船を洋上で修理をしてそのまま実験船として使えるかのような、そういうような
状況で
国民に対して物を言っており、とどのつまり最後になってうまくなければこれは
懇談会、
審議会が次々に置かれて、そしてその間、それと相並んで進んでおる
事業について、それを教訓として実行中に
見直しをするという
姿勢が、並立して進む
事業団の中にそういう
姿勢が見られないというような点で非常に不安を感じるわけであります。
特に私は、たくさんあるちょっとした出来事の
一つ、不手際、不注意の
一つとして挙げられている九月三十日の問題について、私は、これを見た限りではそれはそう大きくない事故であるかもしれない。ずっとその後の
状況を少し注意深く見せてもらいますと、確かに、毎週のようにと言ってもいいほど、くつの底がどうなったとか手先がどうなったとか、九月二十日のあの事故、類似したようなことはかなり頻発をしておるというような点があります。しかし、あの問題を小さく発表して世論の注意を引くまいとしても、問題は、その本人が規則、規定、指導に従って本人の落ち度がない
状況の中で、洗っても洗っても落ちない汚染というようなものをその場で受けるということですね。そうしてそれには、その他のどういう人についても
条件が合う。いわば、教育訓練が不十分なままでプログラムの方が進行したというところに私
どもは問題を感じるわけであります。特にその点からお伺いをしたい。
あなた自身が書かれた、投稿をされたものを見ましても、
瀬川先生、「修理と教育訓練は十分のはず」と、こうなっておるわけです。普通の経営体と違って、テストプラントで
安全性の問題については従業員一同よく教育をされて、特にこれらの問題について高い知識を持っていなければならないはずなわけでありますけれ
ども、こういう中であの九月二十日の問題
一つ見ましても、本人がいわば保安上の基準ないし作業基準に従って行為をしていたのかしていなかったのかという点では、私
どもが見たところでは、本人に落ち度はないようであります。そうして必然的にそういう事故が出ておる。それについて、具体的には全作業員に対してどの程度の作業のマニュアルがあったのかということを聞いてみますと、非常にその点では、
開発プログラムの進行に対して現実がおくれておるのではないか。一定の歴史と積み上げのある原研なんかの実態を見てみますと、「放射線安全取扱手引」というようなものがあって、これがすべての作業員に周知をされている。具体的には、被曝防止のためにはどうするのか、放射性汚染の除去はどうするのかと、こう書かれておるわけですね。ところが、動燃の方で同様なものが整備されておるかということを
資料提示を求めて調べてみますというと、そのもとの方は、保安の規定があり管理の基準はあるけれ
ども、現場の人がじかにみずからがこれについて知識を持ち対処をするところの手順のところが欠けておるというような点があります。こういう点については、出発前の準備として教育
体制が不備であったと言わなければならないのではないか。身体汚染の測定とか除染の問題についても、大体リーダー格のところが現場で相談を受けてどうするかということで、何かが起これはすぐリーダーのところへ行けというところまででとどまっておる。そのときにどれだけのことがなされなければならぬかという問題については、原研の方にはかなり具体的なものがあっても、その点について欠けておるというような点は、
姿勢の問題としても非常に問題ではなかろうか。その点についてお答えをいただきたいのが
一つであります。
その中で、現実にしかしそういう具体的な指導の
体制ができなければこれはテストも運転もできるはずはないわけですから、どうなっておるのかと。その具体的な
状況を、それでは記述された
資料としてなければ、中に入ってひとつ具体的に調べさしてもらおうと思いますと言うと、それが連絡をしてもなかなか実らない。こういう点も、
事業団の
あり方について改善を願わなければならない点ではなかろうかと思うんです。それが冒頭に
一つ。
——一遍寄せてもらいましょうということだと、便宜をはかりますということですから、これからは改善されるかもしれませんけれ
ども、先日衆議院の
科学の
委員会から
委員会派遣で
調査に参っておりますが、それまでには、本
事業団については事故がありませんから一般見学以外の
調査はお断りをするというような態度をとっておられたわけであります。こういう点は今後は十分改善されるのでなければ、これからの
原子力行政の根本的な
見直しもしようというような
国民的なこの問題に対する取り組みの中で、非常におくれたものと言わざるを得ないのではないか。これについての御
意見をいただきたい。
あわせて、この中で、これは
瀬川さんあなた、先ほど塩出議員の質問もあった件ですけれ
ども、教育訓練のために練達をした職員、これは十分にあるというのでわざわざ新聞に投稿して、フランスに二十人派遣したと言っておられるんじゃないですか。どう読んでみても、これはフランスに派遣したのは四十人ということになっておるのであって、それの中身が先ほど聞いておると十五人というふうにも言われ、十数人というふうにも言われるんですけれ
ども、それはどうなんですか。
国民がああいう問題を通じていろいろ疑問を持てば、それをしかるようにしてぱーんと出されておるものが、これがラ・アーグの、
勉強をさした人数は四十人の基幹要員を派遣したとここに書かれているわけですね。この問題についても、具体的な問題を説明してもらいたい。