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国務大臣(
植木光教君)
海洋博覧会に関連をいたしまして、いろいろ公共
投資が行われたことは御指摘のとおりでございまして、これが
沖繩県民にとりまして生活基盤あるいは
産業基盤の整備につながるものであるということにつきましては、ひとつ長い目で見ていただきたいと思うのでございます。短期的に、道路、
港湾あるいは上下水というような整備が
海洋博だけの考え方で考えられますと、非常に大きな
投資をして、むだ遣いをしたのではないかというようなお考えもあろうかと存じますけれ
ども、将来にわたってお考えいただきましたならば、必ずこの公共
投資というものは県民の生活あるいは経済活動にとってメリットがあったというふうにお考えいただけるのではないかと存じます。
〔理事
稲嶺一郎君退席、
委員長着席〕
しかしながら、
海洋博覧会そのものが予期されておりましたような状態でいま運営されていない。すなわち、これはもう景気
状況とも
関係がございますけれ
ども、そしてまた非常に遠隔の地でこの博覧会が行われたというような点もございまして、
海洋博を観覧いたします入場者につきましても、予想を下回るというような
状況になっております。その点につきましては、私
どもといたしましては非常に遺憾に存じているところでございます。また、先ほ
ども稲嶺委員から
お話がございましたように、いろいろな
投資が
海洋博覧会に関連をいたしまして民間で行われまして、それが十分に元が取れないままで今日に至っているというような点もございます。こういう点につきましても、いわば思惑がはずれたという点もございまして、私
どもといたしましてはその救済のために全力を挙げつつあるところでございます。
そういうような
状況の中で、いま御指摘のように、全国一の高い失業
状況が起こっております。この
状況は、労働人口四十万人に対しまして完全失
業者二万四千人、失業率六%というのは十月現在の
状況でございまして、全国平均一・九%に対しまして相当高い数字となっております。これは地元
産業の脆弱性を背景にいたしまして、雇用需要が乏しいという点がございます。さらに、長期にわたる不景気の影響を受けまして
生産規模が縮小されまして、企業の整理に伴いまして一層雇用環境が厳しくなってきている。また、在駐
米軍基地からの離職者も依然として発生をし続けているというようなのが主な原因でございます。こういう事態に対処いたしますために、労働省とも連絡をとりまして、広域就職あっせんのためのいろいろな
努力をしているのでございますけれ
ども、なかなかはかばかしく推進されません
状況でありますので、私
どもは基本的には地場
産業の振興に努めるとともに、新規
産業の積極的な
導入を図ることが必要である、これがなかったならば、依然としてこういう
状況は続くであろうというふうに考えているのでございます。したがいまして、第一次
産業の振興、また雇用効果の大きい工業、それから
観光業、各般にわたる
産業の振興をしなければならないと存じているのでございます。
御承知のように、復帰いたしましてから
沖繩県の経済は急速に成長を遂げておりまして、県民所得も全国水準に迫っているという
状況の一方で、御指摘がありましたような失
業者がたくさんいるというような
状況でございますから、私
どもといたしましては、何とかしてこの成長を図ってまいるとともに、その中に失
業者を吸収してまいりたいと、このように考えているわけでございます。本土資本が入っていって、いろいろな
海洋博関連工事の中でも
沖繩経済を、いわば本土の資本が吸い上げてしまったというような
お話がいまございましたが、そういう点が確かにございました。したがいまして、私
どもといたしましては、五十
年度の予算におきましては、そういうことがございませんような公共事業の推進あるいは教育、医療の
充実、離島振興策というものを考えてまいりましたし、今回の補正予算の編成に当たりましても、地元の
方々、まず県が財政
状況の苦しい中でございますから、県費負担をなるべく避けまして、国ができるだけ直轄して全体の事業をやれるような予算を組みまして、五十一
年度の予算編成に当たりましても、いま申し上げましたような考え方で大蔵省と折衝をしているのでございまして、そういう中で
沖繩の振興
開発が推進せられて、その中で失
業者の
方々を吸収してまいりたいと、こういう基本的な考え方でございます。