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政府委員(
高橋寿夫君)
先ほどお答えを申し上げましたように、この
会社は、
会社自体の持っております
営業区域、あるいは
会社の
内容その他を
考えましたときに、
全国の他の
会社に比べて格別に悪い
内容を持ったとも思えませんのに、このような
事態になりましたのは、やはり
経営者の
経営態度が悪かった、特に
刑事事件になるようなことをした、それによりまして
会社の
資金が急速に
枯渇をしたということがございまして、この
資金の
枯渇ということが
会社更生法までいってしまった大きな
原因であると思います。
陸運局を通じまして
地方の
バス事業の
監督をいたしておりますけれ
ども、私
どもは何よりも、やはり
地方の
バスは住民の不可欠な足でございますので、この足を確保する、そしてまた、そこに働く
労働者の生活を保障するということが一番大事なことであると思いまして、そういう
考え方で従来も
会社の
合理化を
指導し、
運賃の
適正化を図り、そしてまた、必要な場合には
補助金も
交付してきているわけでありますが、そういったさなかでこのような
事件が起こったわけであります。それでは一体
陸運局は何をしていたんだ、これだけのことがわかんなかったのか、
道路運送法によって、あるいは
補助金の
適正化法によって
監査もしているじゃないか、どうしてわかんなかったんだというふうなことを責められても、私
どもそれに対して、一〇〇%私
どものやり方に落ち度はなかったということは言い切れません。結果論でありますけれ
ども、やはり私
どもはもう一歩突っ込んで、
会社の中身に踏み込んで
監督をすることができたならば、あるいはこういった
事態、ここまでの
事態は避けられたかもしれないというふうには
考えております。今後、もちろんこういった種のことが起こりますことはあってはならないと思いますし、また、そういったことは起こらないように期待いたしますけれ
ども、しかし、もしも他の地区におきまして似たような事例が起こりかけている場合には、私
どもやはり
会社の
経営内容に相当立ち入って
監督をする必要がある、そのように今後戒めてまいりたいと思っております。
ただ、この
道南バス事件につきまして、私
どもそういった見地で、一体
陸運局がもうちょっと踏み込めなかったのかということをずいぶん
現地の
陸運局にも聞きましたわけでございますけれ
ども、この種の何といいますか、初めからある種の
意図をもってなされたことは、もうそういうふうにすべてを外からわかんないようにやっておりますし、また
関係者も本当に問題になっている
人たち、ごく少数で密室の中でやっているわけでありまして、
帳簿等も二重
帳簿、
三重帳簿になっておりまして、なかなか
監査官が行きましてもわからないようになっているというふうなところから、非常にその事実をつかむことはむずかしかったと思います。
たとえば、今回少し
事件の詳細につきまして
調べようと思って
会社に行きましたところが、
関係書類は全部
検察庁の方に持っていかれてしまいまして全然
調べることができない。で、その
群類の解析に
検察庁でもかかりっきりでやっているというふうな
状況でございますので、なかなかそういったことまで私
どもが、
監査委員が入り込んでどこまで見られるかということにつきましては
限界もあるかと思いますけれ
ども、しかし、要はやはり
会社の
経営姿勢を正す、それに対して
陸運当局の
責任者が常に
監督をし
指導をするということであると思います。そういったことにつきまして、もうちょっと
会社の
経営姿勢について、その
会社の
責任者にしょっちゅう接触をして
陸運局の
意図を伝え、厳重な
監督を続けていたならば、
会社の
姿勢としましてここまで落ち込むということは避けられたのではなかったかということは
考えております。そういった意味で大変遺憾なことでございまして、今後はもちろん私
たちの組織の全機能を挙げまして、こういう
事態に立ち至らないように、
内容的にも踏み込める限り踏み込んで検討いたすと同時に、やはり何といいましても、
経営姿勢の問題につきましては
陸運当局が
責任を持って
会社の
責任者を常に
指導するということで、このようなことの
発生を今後防止したいというふうに
考えております。