○鈴木力君 いまの問題は、自治省の方に後で
大臣かどなたかにおいでいただいて、もう一度この
委員会で御質問をさしていただきます。そうでないと、これ以上は進まないわけです。
それで
大臣、なかなか機械的にそういう御
答弁をいただくのですけれども、どうも急いだ、急がないとか、あるいは反対者ともよく話し合ったかどうかというような、そういうことをいろいろ伺うけれども、私は制度的に再
検討するものがありはしないか、この
仕組みで。たとえば、空港なら空港の拡張をするための手続につきましても
——私はいまの決まっておる手続で誤ったということを言っておるのじゃありません。これはさっきも一番最初に申し上げたのですがね。ただ、いま決まっておるこの手続に問題がありはしないか、これは
大臣にひとつ御
検討いただきたいんです。
その
一つは、何といっても私は、この許可をとる前の土地の確保ですね、これはいま航空法だかによって申請を出します場合には、土地の確保の、あればかっきり土地を確保してしまえとは書いていなかったと思うんですけれども、見通しかなんか、土地が確実に入手できるという、それが
一つの
条件になっています。ところが、その確実に入手できるという航空法の
条件が、今度の岩手県でやったような、いわゆる地権者をいろんな形で、まあ人によれば圧力をかけられたとか、かけたとかという話もありますけれども、それはともかくとして、土地の先行取得という形になってあらわれてくるわけです。
そうしますと、岩手県側に言わせると、とても、さっき数字は少しは違ったんですけれども、五十何億かもうすでに先行投資をして土地を買っておる。しかも、その土地の買い方なんかにつきましても多少問題があるんですよ。たとえば、最初に
公社が地権者に示した土地の
価格は、十アール当たり二百二十万円で示しているわけですね。ところが、それが結局は三百七十万円に飛び上がった金額でこれを買収をしておるわけです。そういう金を多少無理をしているわけです。これが急いだと私は言うのです。時間的なことを言うのじゃない。その準備の仕方に相当無理をしておるということ、その無理の結果が五十何億とかという、
公社のこのための借金となって残っておる。そうして、数億という利子をいま県が負担しなければならない。とてもじゃないが、知事が五%給与を返上したって、そんなことじゃ追いつかないですよ、こういう形になってくると。
だから、そういうところに持っていく行き方については、これは運輸省だけじゃなくて、いま、どこでも大体そういう形に、たとえば学校をつくるときにしても、大学をつくるときには用地の、設置法が決まる前に、もう用地を獲得してしまったり、いろんなことをやっておるわけですけれども、こういうことについては、私はやっぱり
検討し直す必要があるだろうと思う。そういうことが、こういう事情があるもんですから、これはもちろん表に正直に言うわけにはいかないにしても、どう見ても
——私どもは仮に三年おくれても、花巻空港の場合には何とかやっていける。と申しますのは、いまから始めたって、ジェット機が来るのはずっと先なんですから、それまでの間には成田空港だって動くでしょう。そうすれば羽田からの便数もふえてくる。そういう将来の見通しだってあるんですから、何もいま、ことし無理してあわてなくても、こんなに
財政の逼迫したときに、県民に心配をさせないでやらなくてもできるはずです。
しかし、そういう中で、土地の先行取得に非常に無理をして借金がたまる。早いところ認可をとって起債をして始末しなければというところに追い込まれているわけです、県は。これは知事はそうは言わないと思うけれども、私どもが見るとそう見えてしようがない。そういう形に追い込んでおって、百方無理をして、反対の人たちに納得をさせるのじゃなしに、反対運動をあおっているというのがいまの行政の行き方です。これを私はもう少し
検討してみる必要がないかということを申し上げる。
それから、公聴会にいたしましてもそうですよ。公聴会に、運輸省の課長さんが行って、なかなか民主的にやろうとおやりになって御苦労したことは私も聞いております。これは非常に御苦労なさったということはよく聞いておる。しかし、結果的には反対者
——まあ入るには入りましたけれども、本当の反対者の人たちとの間の話がつかなかった。あるいはこういう状態でなしに二、三日延ばせば、われわれも公聴会に入って物を言いたいからというところまで話がついてもとうとうだめなんだ。あるいは機械的には市長が公聴会の公述の申し入れをした。これは公聴会の前日までに届かなかった。申し込み期日までには届かなかった。しかし、期日がおくれても受け付けますと言っても、市長の分は受け付けにはならなかった。しかも、それはいろいろな政治的な御配慮を下さって、市長が
賛成者だから、
賛成者を入れるとまた刺激するだろうというような
——これはちょっと配慮のし過ぎなんですね。受け付けの締め切りが過ぎても入れますと言ったら、出した人は入れるべきだと思う。
いずれにしても、この公聴会をせっかく設定をして、機動隊を入れて公述人を入れれば、これはしめた、もうやっちゃえという姿勢が、やっぱりあそこには、せっかく現地に行った課長さんの努力にもかかわらずそういう形には見えてくる。無理をしているのです。だから私は、そういう無理をして物事を進めていくというのは
——まあ許可する
立場で県がどうこうと言えばそれまでの話だけれども、やっぱり許可する
立場からすれば、そういう点の配慮が必要だと思う。
そういう
意味では、特に公聴会というのは、いままで反対の公述があっても、公聴会の結果によって計画変更されたというためしがないことも、これはみんな知っておりますよ。ですから、そういうような運営についてもやっぱり私は
検討してみる必要があると思う。これは花巻の公聴会をやり直せと私は本当は言いたいのです。あるいは、公聴会は手続的には有効だとおっしゃるなら、別の形でもう一遍何かのかっこうで、反対期成同盟なら反対期成同盟会の人たちとの間のもう一度、公聴会ではないけれども、制度にはないけれども、もう一遍話を聞いていきましょうかというぐらいの、そういう姿勢をもって臨んでもらいたい、こう思うのです。
でありますから、私に言わせるといろいろな問題がある。特に一番ひっかかるのは、私はやっぱりこの
財政の逼迫しているときになぜということなんです。そして空港に対しては
——さっき私は、
大臣おいでにならなかったけれども時間の話をしましたです。新幹線ができたときの、あるいはいまの列車で行くときの、それからプロペラのYSで行くとき、ジェット機になったとき、これの霞が関から盛岡に到達する時間の差なんかもさっき申し上げたのです。そうすると、さしたる問題ではなくなってくる、時間の問題ということは。
だから、そういう点で、私は時間がありませんからこれでやめますけれども、
大臣にひとつ強く御要望申し上げておきたいのは、手続的に事務的に処理をするというような形でやることば決してこれはプラスにならない。ですから、そういう点のいろいろな事情というものを、もう一遍真正面からひとつ
検討してみながら扱っていただきたい。まあきょうは、許可するなと言ったって、認可するなと言ったって、わかりましたと言うはずもありませんし、その点のシロかクロかというようなことを私も御
答弁ちょうだいするつもりはありませんけれども、そうしたいままでのいきさつの中のものを解きほぐしてみるというそうした時間と、そうした慎重さをもって事に当たってもらいたい。私が申し上げました問題点については、運輸省御当局としてもひとつ御
検討をいただきたいと思うのです。
特に新しく開発をされる飛行機については、何か滑走路千五百メートルまでのVSTOLとかなんとかを、航空会社もこれを使いたいとさえ言っているということも私どもは聞いておるのです。そんなことを聞くと空港の計画に邪魔になるからしばらく聞かないというような、政策的にそんな見え透いた手は使わずに、真正面からひとつこれに取り組んでほしいということも御要望として申し上げまして、きょうは終わります。