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1975-12-19 第76回国会 衆議院 本会議 第20号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十年十二月十九日(金曜日)
—————————————
昭和
五十年十二月十九日 午後二時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
三木内閣不信任決議案
(
成田知巳
君外十二名提 出) 午後二時五分
開議
前尾繁三郎
1
○
議長
(
前尾繁三郎
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
羽田孜
2
○
羽田孜
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。 すなわち、
成田知巳
君外十二名
提出
、
三木内閣不信任決議案
は、
提出者
の
要求
のとおり、
委員会
の審査を省略して、この際これを上程し、その
審議
を進められんことを望みます。
前尾繁三郎
3
○
議長
(
前尾繁三郎
君)
羽田孜
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
前尾繁三郎
4
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 御
異議
なしと認めます。
三木内閣不信任決議案
(
成田知巳
君外十二名
提出
)
前尾繁三郎
5
○
議長
(
前尾繁三郎
君)
三木内閣不信任決議案
を
議題
といたします。
提出者
の
趣旨弁明
を許します。
成田知巳
君。
—————————————
三木内閣不信任決議案
〔
本号末尾
に掲載〕
—————————————
〔
成田知巳
君登壇〕
成田知巳
6
○
成田知巳
君 私は、
日本社会党
、
日本共産党
・
革新共同
及び公明党を代表し、ただいま
議題
となりました
三木内閣不信任決議案
の
趣旨説明
をいたします。(
拍手
) まず、
決議案文
を朗読いたします。 本院は、
三木内閣
を信任せず。 右決議する。 〔
拍手
〕 私は、
昭和
四十八年九月、本
議場
で、
田中内閣不信任案
の
提案理由説明
の際、冒頭、「
内閣誕生
以来、今日まで一年有半を経過いたしましたが、各種の
世論調査
の示すように、
田中内閣
ほど
国民
の
支持
が
短期間
のうちに急激に低下した
内閣
はございません。」と述べましたが、
三木内閣
は、その
成立
以来わずか一年で、
各種世論調査
の結果は、
田中内閣
同様、
国民
の
支持
が
短期間
に、かつ急激に低下していることを示しておるのであります。(
拍手
) 特に、
公労協
、
地公労
の
スト権
問題で、
総理
の不決断と
統治能力
のなさを目の当たり見せつけられた
国民
の
三木内閣
に対する批判と
不信感
は、一層強まっております。(
拍手
) 御
承知
のように、
田中内閣
は、
世論調査
での
支持率
が激減した後間もなく崩壊いたしましたが、
三木内閣
も、
田中内閣
と同様、近く
退陣
する
運命
をこの
世論調査
は暗示するものだと言わなければなりません。(
拍手
)
三木総理
は、民意はすでに
自分
から去っている、
国民
は一日も早い
三木内閣
の
退陣
を求めているということを察知されて、本
決議案
の採決を待たず
内閣
総辞職を決意されることが、
議会
の子と称する
三木総理
に与えられた道だと考えるものでございます。(
拍手
)
三木内閣不信任
の
理由
については、お手元に配付の文書に記載のとおりでありますが、以下、私は、具体的事実に即し、順を追うて
不信任
の
理由
を明らかにし、
同僚各位
のこぞっての御賛同をいただきたいと存じます。 人の
値打ち
は、その人が何を言ったからではなく、何をしたか、また、何をしようとしているかによって判断すべきだと言われているように、
政治家
の
値打ち
も、その人の
言葉
ではなく、その行為により判断されるべきであります。すなわち、
三木内閣
の評価は、
三木総理
の美辞麗句で飾られたいわゆる
公約
ではなくして、
三木内閣
がこの一年間何をしたかによって決定されるべきであります。
三木総理
は、最初の
所信表明
で、
政治
は力の
対決
ではなく、
対話
と
協調
によって進めるべきだと強調されました。その
言葉
に多くの
国民
が
拍手
を送ったことは、
総理自身
よく御
承知
のとおりでありますが、この
国民
の善意の期待と共感を無残にも打ち破ったのは
総理
御
自身
であり、そのことは、
総理
が裸の王様でない限りすでにお気づきのことだと考えるものであります。(
拍手
)
総理
、あなたは五十年度
予算案編成
を終えられたとき、この
予算案
は不備であるとみずから認められ、
大蔵大臣
に至っては、
予算案
はできたが、
自分
の気持ちは鉛のように重たいと言われたことを御記憶だと思います。みずからも不備と認めるその
予算案
を、私
たち野党
の道理にかなった合理的な
修正要求
を拒否して、ごり押しに押し通したのが
三木内閣
と
自由民主党
であります。まさに、多数を頼んだ力の
対決
であり、これを
対話
と
協調
の
政治
と言えるでしょうか。 しかも、その五十年度
予算
が施行されてから一カ月もたたないうちに、
経済見通し
の大きな誤り、深刻な
不況
による税収の
大幅不足
を
政府
みずから認めざるを得なくなったのであります。
三木総理
は、戦時中から
国会
に議席を有し、今日に至ったことをよく口にされますが、もし今度のように大きく
経済見通し
を誤れば、その
政府
は、当時でも直ちに総辞職したであろうことは、
三木総理
よく御
承知
のことだと考えるものであります。(
拍手
) ところが、
三木内閣
と
自由民主党
は、厚顔にも、みずからの失政はこれをたな上げして、今
国会
で
国民
が強く反対する酒、
たばこ
、
郵便料金値上げ法案
をしゃにむに
成立
させようとして、
強行採決
に次ぐ
強行採決
を行い、この
値上げ法案
と
赤字国債大量発行
の
財政特例法案
の
成立
を企図して、
衆議院規則
を無視してまで会期の
大幅延長
を強行したのであります。まさに問答無用、
総理
の言う力の
対決そのもの
であり、
対話
と
協調
の看板を掲げながら、
対話
と
協調
をみずから否定し、
議会制民主主義破壊
の
政治反動
を推し進めているのが
三木内閣
だと言わなければなりません。(
拍手
) これが、われわれが
三木内閣
を信任せず、その
退陣
を求める第一の
理由
でございます。
三木総理
は、
重要政策
の一つに、
インフレ
と
不況
からの脱却、そのための
基本的経済政策
の転換を
公約
として掲げられました。
総理
は、口を開けば
インフレ
は鎮静したと、いかにも
物価
はすでに安定したかのように宣伝されておりますが、ここに、
三木総理一流
の
言葉
のごまかしがあるのであります。
政府
は、ことし三月の
消費者物価
の
上昇
を、昨年三月比で一四%の
上昇
に抑えることができた、来年三月は、ことし三月に比して九・九%に抑えると言っていますが、その基準とされた昨年三月は、一昨年三月に比較して二四%という異例な
物価
高を示しており、したがって、
政府
の言うように、来年三月、九・九%高に抑え得たとしても、この三年間に
物価
は実に五三%の
上昇
を見るということであり、これで
物価
は鎮静した、
政府
の
物価政策
は成功したなどと言うのは、
国民
を欺き、愚弄するものだと言わなければなりません。(
拍手
)もし、
総理
が本当に
物価
は鎮静したなどと考えておられるならば、
経済
に弱いを通り越して、
経済
に無知であることを、みずから表明するものでございます。(
拍手
)
三木内閣
は、
税収不足
と
不況対策
を
理由
に、
経済
のかじ取りを大きく変え、確たる
償還計画
も立てずに、無
責任
にも
赤字公債
の
大量発行
を行おうとしております。 言うまでもなく、
公債
は
政府
の
借金
でありますが、その
借金
は、
三木総理
や
大蔵大臣
が払ってくれるわけではございません。ツケは
国民
に回ってくるのであり、
国民
は、将来重い税金を払って、この
借金
を払わなければなりません。現に、来年度、
政府
は、
所得税
の
調整減税
さえ見送るとのことでありますが、それでは、
インフレ
の今日、実質的な増税になることは明らかだと言わなければなりません。(
拍手
)
中小企業
に対しては、営業が赤字のときでも税金を取る、かの悪名高い
付加価値税
、農民に対しては、
一般農地
の
固定資産税
の大幅な
引き上げ
を、さらには、
自動車関係諸税
や
住民税
の
引き上げ
など、軒並みに一斉増税を行おうとしているではありませんか。すでに
公債発行残高
は十兆円に達しております。
公債
は麻薬と同じです。一度飲めば、やめられません。
公債
は次々と
発行
され、
雪だるま式
にふえ続けていくことは、
世界各国
の
財政史
の示すところであります。(
拍手
)
財政審議会中間報告
によっても、五十五年度末の
公債残高
は六十兆円を超えると見られておるではありませんか。まさに
公債
を抱えた
財政
ではなくて、
公債
に抱えられた
亡国財政
となり、
国民
を塗炭の苦しみに陥れる
悪性インフレ
を招来しないと、だれが保証することができるでしょうか。(
拍手
) それだけではありません。
景気浮揚
のためと称し、
政府
は、
公債発行
に備えて
銀行貸出金利
を引き下げましたが、これに連動させ、
銀行
の
預金金利
を引き下げ、さらに、
銀行預金
とは性格を異にする大衆の零細な
貯金
である
郵便貯金金利
さえ、庶民の強い反対を押し切って、大幅に引き下げたのであります。
高度経済成長下
の
インフレ
で、
銀行
からの借入金が事実上大幅に切り下げられ、大量のいわゆる
債務者利得
を得たのは大
企業
であります。いままた、
景気浮揚
のためと称して
貸出金利
が下げられることで利得するのも、同じ大
企業
であります。これに反し、
インフレ下
で
所得
と
貯金
の
実質減価
で苦しめられ、
景気浮揚政策
のもとで
預貯金金利
を大幅に引き下げられ、ダブルパンチを受けているのが
一般庶民
であります。これが
総理
の言う不
公正是正
の
政策
の実体だということであります。(
拍手
)
総理
、あなたはさきの
通常国会
で、
自由主義経済
でもルールの確立が必要だと言われて、
独禁法改正案
を
提出
されましたが、御
承知
のように、
衆議院
では、
独占価格
、
管理価格
を厳しく規制するわが
党修正案
が
与野党一致
で可決されたのであります。その
独禁法改正案
をなぜ今
国会
に再
提出
することに反対されたのか、
国民
は全く理解に苦しんでおります。
総理
は、果たしてみずからに恥じることなく行動しておられるのかどうか。
総理
の
政治家
としての信念、節操に疑問を抱くのは、私一人ではないと思うのであります。(
拍手
)
総理
も御
承知
のように、
経済
企画庁は、
経済白書
で、現在の深刻な
不況
は激しい
インフレ
のもたらしたものである、したがって、
インフレ
をなくさない限り
景気
を回復することはできないし、社会的不公正を改めることもできないと言っておりますが、この点に関する限りでは正しい指摘だと思います。このことから、次の二つのことを結論づけることができると思います。 その第一は、
財界
の圧力のもとに、
産業基盤整備
を
中心
とした
公共事業投資
で
景気浮揚
を図ろうとする
三木内閣
の
経済政策
は、すでに破綻した
高度経済成長政策
の道を再び歩もうとするものであり、その道が
日本列島
を
公害列島
と化し、激しい
インフレ
を再燃させ、スタグフレーションの
矛盾
を深めて、この
日本
の山河と
日本経済
を救いがたい
危機的状況
に陥れることは明らかだと言わなければなりません。
高度経済成長
の
時代
は終わった、
安定成長
へ切りかえるときが来たと繰り返し主張されたのは、
総理
御
自身
ではなかったでしょうか。
総理
の今日とりつつある
経済政策
は、まさに食言、
公約違反
の最たるものだと言わなければなりません。(
拍手
) その第二は、激しい
インフレ
の結果、
実質個人消費支出
が激減し、
生産力
と
国内購買力
の大きなギャップを生じたことが、今日の深刻な
不況
を招来したものであるとの正しい理解に立つならば、
個人消費支出
の増大による
国内購買力
の
拡大
を図ることこそ、
国民生活
を守り、真に
不況
を打開する道であるということであります。 そのためには、第二次
産業
、特に大
企業優先
の
経済成長
のパターンから、
農林漁業
、
石炭業等
の第一次
産業
を国の
基幹産業
として位置づけ、思い切った
国家投資
を行うことであります。
生活基盤整備
のための
治山治水
、上下水道、学校、住宅、
生活道路
を
中心
にした
公共事業
の
拡大
、
雇用対策
、
社会福祉
、
文教費
の充実、
地方行財政
の
根本的改革
を行い、
労働者
、農民の
所得
の
引き上げ
、全国一律最
賃制
の実施、
中小零細企業
の経営安定のための思い切った施策と大幅な
所得減税
をいまこそ断行すべきときだと考えるのであります。そのために、大
企業
や
土地成金
、
インフレ利得者
、
高額所得者
に与えている税法上の
優遇措置
を撤廃し、
防衛予算
を圧縮するなど根本的な税、
財政
、金融の
構造改革
を行うべきであります。(
拍手
) しかるに、
三木内閣
は、口では
不況
と
インフレ
の克服、
基本的経済政策
の転換、不公正の是正を唱えながら、その行うところは、
インフレ
には総
需要抑制
、
不況
には
景気刺激
という陳腐な
経験主義
に基づく
腰だめ政策
に終始し、
不況
を深刻化させ、
インフレ
を再燃させるという、これまでの大
企業中心
の
経済成長政策
を踏襲して、大量の
失業者群
と
中小企業
の破産、倒産をもたらし、社会的不公正を一層
拡大
し、
日本経済
の
危機
を激化させているのであります。特に、この大
企業中心
の
景気浮揚政策
が、
金権政治
こそ
日本政治
の腐敗の根源であると主張してきた
三木総理
の手によって、
財界
からの
自民党
への
政治献金再開
と時を同じゅうして進められておることは重大であり、見逃すわけにはまいりません。(
拍手
)
財界
からの
政治資金提供
で大
企業
に有利な
政策
が決められるとするならば、
企業
と
政治
の癒着は一段と強められ、
議会制度
は
財界
と
自民党
の支配を合理化する道具に化してしまうでありましょう。これは
議会制民主主義
の破壊につながるものであり、断じて許すわけにはまいりません。(
拍手
) このような
三木内閣
の
存在
を一日許すことは、それだけ
日本
の
政治経済
に大きな禍根を残し、
国民生活
にはかり知れない困難と不幸をもたらすことは疑う余地もありません。 これが、
三木内閣
を信任せず、その
退陣
を求める第二の
理由
であります。(
拍手
)
三木総理
は、
施政方針演説
で、低
成長時代
における
福祉政策
の
重要性
を指摘されて、そのための
地方行政
の占める
役割り
について次のように述べておられます。「
量的拡大
の
時代
から
福祉重視
の
質的充実
の
時代
へ転換するため、
地方行政
の果たす
役割り
は一層大となり、自主的で
責任
ある
地方行政
を実現するため、
地方行財政
のあり方を全面的に見直す必要がある」と。
総理
、その言やまことによしであります。しかし、あなたがこの一年間行ってきた
地方自治体対策
は、いわゆる
財政硬直化
を
理由
にした
福祉行政見直し論
や、
人件費攻撃
によって、
福祉行政
の主体としての
自治体
の
存在
を、
総理
みずからの手で圧殺するような危険な方向をひた走りに走っておるのであります。(
拍手
) 言うまでもなく、今日の
地方財政
の
危機
は、三割
自治
の名で呼ばれるように、
自治体
を
中央政府
の
下請機関
としてきた今日までの
地方行財政
の
制度的矛盾
が、これまた
政府
の
政策破綻
から来た
不況
と
インフレ
の激化で一挙に噴出した結果であり、それ以外の何物でもございません。(
拍手
)したがって、自主的で
責任
ある
地方行財政
を実現するためには、
所得税
などの
地方移譲
による
自主財源
の拡充、大
企業
の
社会的負担
の強化、
地方交付税
の増額と配分の
民主化
、
超過負担
の廃止、国の
委任事務
の整理を断行すべきであり、これこそ、
総理
の言う
地方行財政
の
根本的見直し
であり、洗い直しであると考えるのであります。(
拍手
) みずからの
公約
と
政策
の失敗はたなに上げ、
地方自治体
に
責任
のすべてを転嫁して
自治体攻撃
に血道を上げ、
自治
から官治、分権から集権へと危険な道を突き進んでいるのが
三木内閣
であります。 このような
地方自治破壊
の
政府
がこれ以上存続することを、われわれは、
地方自治
を守り、
日本
の
民主主義
を守る
立場
から、絶対に許すわけにはまいりません。(
拍手
) これが、
三木内閣
を信任せず、その
退陣
を求める第三の
理由
であります。 以上、
内政面
における
三木内閣
の施政の跡を取り上げ、
不信任
の
理由
を明らかにしてまいりましたが、次に、
外交政策
について、
三木内閣不信任
の根拠を明らかにします。
総理
は、
善隣友好
が
わが国外交
の重要な柱であると
施政方針演説
で強調され、そのためにも、
日中共同声明
をさらに進め、ことしは
日中間
に
平和友好
の
条約
を締結して、子々孫々にわたる
日中永遠
の
友好関係
の基礎を固める年にしたいと述べておられるのであります。
国民
の圧倒的多数は、この
総理
の
言葉
を歓迎し、その実現の一日も早いことを心から願って今日に参りました。 しかし、この
国民
の期待は裏切られ、ことしもあと二週間足らずとなった今日、
平和友好条約
の
締結交渉
は何ら前進を見ていないではありませんか。 申すまでもなく、一昨年九月の
日中共同声明
は、
両国政府首脳
の
責任
ある
公的約束
であります。この
共同声明
に基づく
日中友好条約
が締結できないというに至っては、
三木総理
の
善隣友好
の外交とは一体何を言うのか、疑問なきを得ません。
三木内閣
のもとで
国民待望
の
日中平和友好条約
の
早期締結
が困難になっていることは、まことに
両国人民
にとり不幸なことだと言わなければなりません。
総理
は、
日米首脳会談
で
安保条約
の
長期堅持
を強調され、
アメリカ
の
アジア戦略
に従って
韓国条項
を再確認し、
日米韓運命共同体
をつくり上げ、
朝鮮民主主義人民共和国敵視
の
政策
を今日一段と強めておられます。 国の主権と人権を侵した
金大中事件
を不明朗きわまる
政治的解決
でうやむやのうちに葬り去り、
朴ファッショ政権
との
政治
的、
経済的癒着
を強めつつあります。 特に許しがたいことは、
アメリカ
の前
国防長官
が、朝鮮に紛争が起きたとき、
朝鮮民主主義人民共和国
の
心臓部
をたたくため、
核攻撃
もあえて辞せずとの発言をしたとき、
三木内閣
は、これに抗議するどころか、
米軍
の
韓国駐留
を
支持
し、さらに、
米軍
の
核抑止力
は
日本
の安全に対し重要な寄与を行うものであると
共同新聞発表
で正式に確認し、
アメリカ
の
核政策
を
支持
しておるということであります。 言うまでもなく、唯一の
被爆国民
であるわれわれ
日本人
のすべては、原爆許すまじと、かたく心に誓っております。にもかかわらず、一瞬のうちに数十万のとうとい同胞の生命を奪ったその
アメリカ
の核で
日本
を守ってもらうという
総理
の考えは、
日本人
の
国民感情
、心情から言っても、とうてい許すことはできないと考えるものであります。(
拍手
)
総理自身
、あらゆる国の
核実験
に反対する
国会決議
に賛成しておられるはずであります。その
総理
が、
アメリカ
の核で守ってもらうとか、いや、核のかさに入れなければ
承知
しないと、声を大にして主張すべきだなどと言っておられるのは、核絶対否定の
国会決議
の精神をじゅうりんするものであり、それでも、われこそはすぐれた
議会制民主主義者
なりと自画自賛される
総理
の厚顔さにあきれ入るのは、私一人ではないと思うのであります。(
拍手
) かかる
内閣
の
存在
は、
日本
の平和と安全を危うくし、
アジア
の隣国との真の
友好親善
を進めていく上に、はかり知れない悪影響をもたらすことは必至であります。 これが、
三木内閣
を信任せず、その
退陣
を求める第四の
理由
であります。(
拍手
) 最後に、私は、本
議場
を通しまして
国民
の
皆さん方
に訴えたいことがございます。
三木総理
は、
ランブイエ会議
の成果を吹聴しておられますが、この
会議
は、病める
資本主義諸国
が相寄り、
不況
と
インフレ
から脱出するための方策を検討し合ったものであり、結果は、
総論
では一致したが、各論に当たる
具体的政策
では何一つ妥結を見ることができませんでした。かつて
世界恐慌
の際、一九三三年に行われた
ロンドン会議
は決裂したが、今回は
総論
にしろ、意見の一致を見たことは成功だったと
総理
は強弁されておりますが、われわれが見逃してならないのは、たとえ
総論
にしろ、決裂することが許されないほどに、今日、
世界資本主義諸国
の
体制的矛盾
が激化しておるという事実であります。もちろん、
日本
もその例外ではございません。
総理
は、本
国会
で、「
日本経済
は、いまだかつて経験したことのない複雑にして困難な局面に立っている」と述べて、事態の
重大性
を指摘されておりますが、
三木内閣
と
自民党
は、この
体制的危機
にまで発展しつつある今日の
危機
を、
国民的立場
からではなく、相変わらず大
企業
の
立場
から打開しようとして必死になっているのであります。
国民
が強く反対している酒、
たばこ
、
郵便料金値上げ
を初め、国鉄、
電信電話料金等公共料金
の一斉
値上げ
、大量の
赤字国債
の
発行
など、
大衆収奪
と本格的な
インフレ政策
を強行しようとしておるのもそのためであります。しかし、この反
国民的政策
は、
経済危機
の打開どころか、ますます
日本経済
の
矛盾
を
拡大
再生産し、これに対する
勤労国民
の強い反撃を呼び起こすことは必至だと言わなければなりません。(
拍手
)
自民党
も、
三木内閣
も、このことをよく
承知
しております。だから、自衛隊の増強や、
国民
の
生活
のすみずみまでも規制する刑法の
全面的改悪
、小選挙区法の実施、天皇や
三木総理
の
靖国神社参拝
で
憲法違反
の
靖国神社法制定
の既成事実をつくるなど、
政治反動
の道を着々推し進めておるのであります。(
拍手
) 特に、
政府
・
自民党
は、
労働者
の立ち上がりを警戒し、
労働者階級
の分断と差別の
政策
、
労働運動弾圧
の
政策
に狂弄いたしております。今回の
ストライキ権
問題に対する
政府
・
自民党
の対応の仕方は、このことを露骨に示しておるのであります。(
拍手
)
公労協
、
地公労労働者
を
中心
にした
スト
は整然と決行されました。
労働組合
の諸君も私たちも、
スト
の
国民生活
に及ぼす影響を考え、
スト回避
のために、条理を尽くして
政府
と折衝してまいったことは御
承知
のとおりであります。(発言する者あり)
スト
と処分の悪循環を断ち切るとの
総理言明
、これを受けた
労働大臣
の
国会答弁
、さらには、
使用者代表
である三
公社総裁
による、
条件つき
にしろ、
スト権
を付与すべきだとの
国会証言
からいっても、細かい条件は別として、
スト権
を与えるという
基本的態度
を
総理
が言明することが
スト回避
の唯一の道であり、これが
政府
の
政治責任
であることを強く主張してまいったのであります。(
拍手
) しかるに、
総理
は、
自民党
内の派閥の思惑で縛られ、責のように沈黙し、保身のためには、
政治家
としてのリーダーシップを発揮しない方が得策とお考えになったのか、何らの
政治決断
もしないままじんぜん日を経過し、ついに
スト突入
という事態を
総理
みずからの手でつくったのであります。(
拍手
)
行政
の
最高責任者
として、この
最低限度
の任務さえ果たし得なかった
総理
の
責任
はまことに重大であり、この一事だけでも、
総理
の座からおりるべきだと考えるものであります。(
拍手
) 言うまでもなく、
労働者
の
ストライキ権
は、
労働者
の
生存権
であり、
個人
の尊厳を保障する、何人といえども奪うことのできぬ基本的な権利であります。だからこそ、先般の
先進国首脳会談
に参加した各国でも、
経営形態
とは
関係
なく、
争議権
が保障されておるのであります。 イギリス、フランスにおいては、
公共部門
の
労働者
についても、警察官などの例外を除き、民間と同様の
争議権
が認められております。イタリアでは、一九七四年に、
公務員
にも全面的に
争議権
を保障する法律が制定され、西ドイツでも、すべての
国有国営事業
で雇員及び労務者の
争議権
は保障されておるのであります。
アメリカ
でさえ、ペンシルバニアなど大州で
公務員
に
争議権
を認めており、この傾向は世界的にますます強くなりつつあります。
三木総理
が、かつて党首をしておられた
国民協同党
も、
昭和
二十三年、
吉田内閣
のもとで
スト権
を奪う
現行法
が制定されるとき、このような過渡的、一時的な
国辱的法律
が撤廃される日の来ることを切望するとの見解を明らかにしていることを、
総理
も御
承知
と考えるのであります。 いかに
自民党
内における
総理
の
政治基盤
が弱いとはいえ、憲法の保障する
基本的権利
である
スト権
問題を、今回の
政府声明
に見られるように、
政策
問題、いや、
治安対策
にすりかえて、活として恥じようとしない
三木総理
の
憲法無視
の態度は、絶対に許すわけにはまいりません。(
拍手
)
総理
はまた、
施政方針演説
において、
教育
の
重要性
を説かれ、
教育
を本来あるべき場に引き戻し、
政争圏外
の静かな場に移すために、その
環境づくり
として、あえて
政党人
でない永井氏を
文部大臣
に起用したと演説されております。 その
永井文部大臣
が、自由で民主的な
教育
をこいねがう全国の父母と教職員の反対を押し切り、
政府
・
自民党
の意を受けて、主任の
制度化
を強行しようとしております。
幾ら文部大臣
が、主任は
中間管理職
でなく
教育指導
の
担当者
であると弁解しても、主任問題の
歴史的経過
から見ても、その
制度化
の真のねらいが、差別と選別、上の命令に下服すとの
職務職階制
の導入であり、
教育
への
国家権力
の介入を強めようとするものであることは、疑う余地もございません。(
拍手
)主任問題についての文部当局の見解が大きく揺れ動いておること自体、本問題の
政治
的背景が何であるかを示しており、特に、だれの目にも明らかなように、
自民党
の圧力で文部省人事の更迭が行われたことは、
教育
を政党の不当な支配下に置き、党利党略の具に供するものであって、憲法と
教育
基本法に対する、これほどあからさまな挑戦はないと言わなければなりません。(
拍手
)
国民
に法を守れとお説教しながら、みずから憲法を無視し、法律をじゅうりんしているのが、
三木内閣
、
自民党
の諸君であります。(
拍手
) 以上、述べましたことで明らかなように、力の
政治
に傾斜し、不公正
拡大
の
政策
を強行し、
不況
と
インフレ
を一層激化させ、平和と
民主主義
、
国民生活
向上の憲法秩序を破壊しようとする
三木内閣
の
退陣
を求める声は、いまや天の声、地の声、人の声となっております。
総理
に、
議会
人としての晩節を全うしたいという気持ちが、もしおありならば、
不信任
決議を待たず、みずから
退陣
することを、いまこの
議場
で明らかにすべきであることを最後に申し上げまして、
三木内閣不信任
の提案
理由
の説明を終わります。(
拍手
)
—————————————
前尾繁三郎
7
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 討論の通告があります。順次これを許します。稻村左近四郎君。 〔稻村左近四郎君登壇〕
稻村佐近四郎
8
○稻村左近四郎君 私は、
自由民主党
を代表して、ただいま
議題
となりました
三木内閣不信任決議案
に対し、明確に
反対
である意思を表明いたします。(
拍手
) 私は、
反対
討論を行うに当たって、提案者に一言、苦言を呈しておきたいと思います。 そもそも、
不信任
案
提出
権という
憲法
上の権限は、
議会
運営の根本に触れる重要な事項であり、軽々しく行使すべきものでないということであります。この
憲法
の課した重い意味合いを無視して、ややもすると
審議
引き延ばし、党略のために、同床異夢の野党の三党が幾日もかかって、ようやくまとめて、この重要な案件を何の迫力もなく安直に行使するがごときは、正当な
議会制民主主義
運営のために、まことに遺憾とするものであります。(
拍手
) さらに、提案
理由
を通読いたしましたが、その発想は、相も変わらず十年一日のごとく、
反対
のための
反対
、全く型にはまった硬直化そのもので、国政に対して
責任
を持とうとする者の
態度
でないことを、政党
政治
のために深く悲しむものであります。 まず第一の
理由
に、
対話
と
協調
の
政治
を
公約
した
三木内閣
が、
強行採決
に次ぐ
強行採決
を行っているのは、
議会制民主主義
の
破壊
であるという趣旨がありますが、事実を曲げるのもはなはだしいと言わざるを得ないのであります。 すなわち、
三木内閣
が、すでに
成立
した本年度
予算
の
財政
的裏づけ法案である酒、
たばこ
、郵便の歳入三法案が、さきの
通常国会
で
衆議院
を通過し、参議院でも
成立
寸前で
審議
来了となりましたため、当然のこととして本
国会
劈頭に
提出
しましたところ、野党側は、三法案の撤回を
要求
し、補正
予算
が
提出
されるまでは
審議
をしないと、
国会
審議
を空白化するために、ありとあらゆる手段を行使して
審議
のボイコットをし、さらに、一部野党の中には、
国会
中に東京を離れ、選挙区に帰る帰郷運動を奨励するに至っては、まことに言語道断であります。こうしたことが公然と行われるに至っては、
三木総理
が、どんなに
対話
と
協調
を熱望されても、その機会も持てないではありませんか。
三木総理
を批判する前に、みずからの姿勢を正し、
議会制民主主義
のルールを再確立せよと言いたいのであります。(
拍手
) 第二に、
三木内閣
は、
不況
を深刻化し、
インフレ
を再燃させ、大
企業中心
の
経済成長政策
を踏襲し、
日本経済
を
危機的状況
に陥れているとの
理由
を挙げておりますが、それはまた、事実を曲げること、はなはだしいのであります。
三木内閣
は、どこに
インフレ
を再燃させたでしょうか。狂乱
物価
のさなかに誕生した
三木内閣
は、
物価
を
昭和
五十年三月末までに一五%以下に、
昭和
五十一年三月末までに一けた台にすると
公約
して、出発をいたしました。 当時、全野党挙げて
物価
安定を求め、
政府
の
公約
はまゆつば、いいかげんな
公約
をすると言われたほど大胆な
公約
であったのにもかかわらず、その
公約
の大半を、すでに果たし、
物価
は鎮静してきたではございませんか。(
拍手
) この
物価
の鎮静を踏まえて、本格的
不況
克服に乗り出したのが五十年度の補正
予算
であります。ただいま編成中の来年度
予算
であります。
国民
の皆さんは、一刻も早く、
不況
克服のために、補正
予算
に関連する
財政
法案の
成立
を待ちわびているのであります。この
国民
の皆さんの願いにこたえて、法案
審議
を引き延ばすのではなく、その促進に当たるのが、
責任
ある政党の
態度
ではありませんか。 また、大
企業中心
の
経済成長政策
をとっておると言われるが、今日、
日本
の
企業
の構造は、大、中、小、相互にきわめて関連しています。大
企業
を無視して、
不況
の克服も雇用の安定も果たせるわけがないではありませんか。現に、大
企業
の
労働組合
からも、
景気
回復を強く要望されております。こうした実情を無視して、いまだに百年前のマルクス理論を踏襲して、大
企業
の攻撃ばかりに終始する提案者の、百年一日のごとき硬直した姿勢には、驚かざるを得ないのであります。(
拍手
)
三木総理
は、
物価
を鎮静せしめ、いまは
不況
克服に懸命に努力しておられるが、
不況
の克服は、国際協力による世界の
経済
の
拡大
がなければ達成できないという確信のもとに、みずからランブイエの六カ国首脳
会議
に出席をされました。工業先進国たる六カ国首脳が、世界の諸国とともに、明年を
不況
克服の年、明後年は本格的
景気
の回復の年とするため、国際協力を行うとの、有名なランブイエ宣言をまとめ上げる上において、
三木総理
が主役的
役割り
を演じたことは、世界周知のことではありませんか。
インフレ
と
不況
の併存という難局に当たって、
世界各国
の首脳は、その打開のために懸命に努力をいたしておりますが、
三木総理
は、その首脳に伍して、りっぱに
責任
を果たしておられるのであります。この
三木総理
の努力に対して、正当な評価こそ必要であり、提案者の言うがごとき非難は全く当たりません。現在は、だれが政局を担当しても、きわめて困難な未曾有の難局であります。
国民
各層の御協力が必要であります。それを一方的に誹謗する
態度
は、全く無
責任
というほかはありません。 第三の
理由
は、
三木総理
みずから、
政治
の腐敗の根源を温存しようとしているとの趣旨でありますが、
三木総理
は、金のかからぬ選挙を目指し、戦後初めてとも言うべき選挙法の大改正を断行し、有力政党もこれには協力されたではありませんか。 また、いままで容易に果たし得なかった
政治
資金規正法の根本的改正も断行されました。
三木内閣
なればこそ実行できた
政治
粛正への熱意と功績を無視した提案者の一方的誹謗は、物事を素直に見る目を失ったものではないかと、苦言を呈しておきたいのであります。(
拍手
) 第四には、
三木内閣
が地方
自治体攻撃
に終始し、中央集権の
官治
行政
を強めているとの
理由
を挙げられておりますが、
三木総理
は、過般の
全国
知事
会議
の席上で、地方と中央が対立という、いままでの観念を打破をして、中央と地方が一体となってこの難局を打開し、
国民
の
生活
の安定と向上に協力しようではありませんかと呼びかけておられるのであります。どこに
官治
行政
強化の方向があると言えるのでありましょうか。 第五には、
三木内閣
が、日中友好平和
条約
の締結に消極的であり、北朝鮮に敵視
政策
をとっているとの
理由
を挙げておりますが、全く事実に反するものであります。このような全く事実に反することを、
国会
の
議場
で、ことさら声を大にして言うことが、何か国益にかなうかのごとく言うことを反論いたしたいほどであります。
外交
の基本は、党派のこだわりを越えて協力することであります。今日の
議会
制民主
政治
もこの姿勢を求めております。提案者の真意は
理解
に苦しまざるを得ません。 最後に、
スト権
、
教育
主任
制度に言及し、
憲法
、
教育
基本法に反するとの趣旨の
理由
を挙げておられますが、
スト権
問題も
教育
主任
制度も、いまだ
国会
の
審議
にもかかっておりません。 ことに申し上げておきたいことは、一部野党に見られるがごとき、
物価
高と
不況
に悩む
国民
の
立場
から離れ、違法
スト
を激励するという、法治主義と
議会制民主主義
に反する行為は、厳に慎んでもらいたいということであります。(
拍手
) 以上、提案者の挙げる
三木内閣不信任
案の提案
理由
は、いずれも一方的解釈か、
反対
のための
反対
であり、
不信任
案
提出
権の乱用であり、悪用であり、
審議
引き延ばしのためのものであると断ぜざるを得ません。 以上の
理由
により、本
不信任
案に
反対
するものであります。(
拍手
)
前尾繁三郎
9
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 堂森芳夫君。 〔堂森芳夫君登壇〕
堂森芳夫
10
○堂森芳夫君 私は、
日本社会党
を代表いたしまして、ただいま
議題
となっておりまする
三木内閣不信任
案に対しまして、全面的に賛成の意を表明するものであります。(
拍手
) 昨年十二月、
三木内閣
が
成立
して以来、一年そこそこにしかならないのでありますが、本院に
内閣
不信任
案が提案されるということを
考え
てみますと、このこと自体、まことに異常な
政治
的事柄だと言わざるを得ないと思うのであります。 三木首相の首相としての特異体質は、
公約
を軽視し、じゅうりんし続けてまいりました歴代
自民党
内閣
の首班と比べましても、なおかつ比較にならないほど極端に
公約
を軽視し、実際の
政治
行動は、
公約
したこととはまさに正
反対
の
態度
をとり続けているということであります。(
拍手
) 忌まわしい金脈事件によりまして
田中内閣
が倒壊いたしまして、異常な
事態
が発生したのでありまして、
自民党
の存立すら危ぶまれるというような重大な時期に見舞われたときに、起死回生のリリーフピッチャーとして登場したのが三木首相でありますが、従来の
自民党
のリーダーとははだ合いの違う
政治家
として受け取られ、クリーン三木、
議会制民主主義
の信奉者というイメージが、当時
国民
にほのかな
期待
を与えたと思うのであります。だからこそ、就任当時四七%の
支持率
を得たわけでありますが、しかし、一年間の三木
政治
を振り返ってみますると、この
期待
と三木首相のイメージが全く正
反対
となっていることに気づくのであります。 一枚看板のクリーン三木はどうなったのでありましょうか。すでに衆参両院その他で明らかになっておりまするように、三木派は
自民党
最大の派閥事務所ビルを持っておるのでありまして、派閥の資金の出し入れも、届け出の分だけを見ましても、
金権政治
のシンボルのように言われました田中前首相の派閥と比較しましても、全くひけをとらないような莫大な金が三木派維持のために浪費されていることも明らかになっているのであります。 そして、当初は、みずから
企業
献金は悪だと明快な所信を述べておるのでありますが、それがしばらくすると、必要悪となり、そして、今日では必要だと公言をいたしておられるのであります。
自民党
財政
百億円の
借金
を
銀行
と
産業
界に肩がわりさせ、たな上げさせるために積極的に働きかけ、
自民党
に対する
企業
献金、
財界
からの
政治献金再開
を首相が先頭に立って進めているのであります。これを評して、
国民
の間では、クリーン三木ではなく、ダーク三木だと評しておるのであります。(
拍手
)三木首相の
言葉
と
政治
行動は正
反対
という印象が
国民
の間に強まっていることは紛れもない事実であるのであります。このことが、
国民
支持率
二三%という姿で示されていると思うのであります。 三木首相のみならず、
政治家
は、すべからくみずからの
言葉
に
責任
を持たなければなりません。この意味からも、すでに口舌の徒と成り下がった三木首相は、
総理
大臣としてその任にとどまることは、もはや許されないと思うのであります。(
拍手
) 三木首相はまた、就任当初からの大きな
政治
目標として、社会的な不公正の
是正
を唱え、特に高度成長の過程で起こりました社会的不公正を、社会正義の観点からも
是正
しなければならないと説き、三十年こつこつと勤め上げてきた人が退職後の
生活
設計が立たないという
事態
は、決して公正とは言えませんと語っておられるのであります。まさに、その言やよしであります。 しかし、実際の
三木内閣
の
政治
はどうでありましょうか。平均寿命が延びている年齢構造の中で、お年寄りの方々は、年金制度で、医療の制度で、どのような社会的に公正な措置を
三木内閣
から受けているのでありましょうか。 狂乱
物価
の中でつくられました石油
危機
の際に、千載一遇の好機とまで言った大
企業
、そして、
インフレ
収奪をほしいままにしてきた金融資本、そしてこの莫大な資本蓄積、これらに対する税の措置は、依然として租税特別措置法によって手厚い国の措置が施され、
反対
に、低
所得
者層、勤労者は、なけなしの金を預金しても、
インフレ
で目減りが起こり、そして勤労
所得税
の減税をという切なる
要求
もむげに断られているというのが、
三木内閣
のもとでの社会的公正という格差と
差別
の実態なのであります。(
拍手
)
三木内閣
の一年を振り返ってみまするときに、その最も特徴的なものは、
公約
不履行の一年というのに尽きると思うのであります。むしろ、
公約
じゅうりんの一年と言うべきでありましょう。しかも、三木首相の場合は、常に美辞麗句を並べ、みずからを美化してきましただけに、一層悪質で許しがたいと思うのであります。(
拍手
) さらに、三木首相の
政治
的罪状として、
政策
的な失敗はまことに大きく、その
責任
は免れ得ないものがあると思うのであります。 まず、
インフレ
と
不況
の同時進行のスタグフレーションという
経済危機
の根源は、深く資本主義そのものの基本につながっている
矛盾
のあらわれであると思うのであります。三木首相も言うごとく、この
不況
の最大の原因は
インフレ
であるということも、確かなことだと私も思うのであります。しかし、過去一年間の対策は決して有効な手段ではなく、常にちぐはぐで手おくれであり、
政府
が
国民
に約束した
景気
回復は次々とおくれ、ついに今年中にその実現を見ないばかりでなく、来年に大きくずれ込んでしまっているのであります。これは明らかに、
三木内閣
の
経済見通し
の誤りと対策の欠陥によるものであります。この結果、
中小企業
の倒産は十一月で千三百件を超えており、史上最大の悲惨な状態を引き起こしておるのでありますが、これは明らかに
政府
の
経済政策
の失敗がもたらしたものであります。
インフレ
抑制と称してとってまいりました総
需要抑制
政策
は、一五%のガイドラインという行き過ぎた
労働者
の賃金抑制によって二二%の春闘相場をつくり、さらに、
大衆
の消費購買力を低下させて
景気
を極度に冷却させ、
景気
の回復をおくれにおくれさせるという悪循環を生んだのであります。 このような
政策
の失敗と見通しの誤りは、
内閣
総理
大臣としての重大な
責任
であり、当然、
国民
に対してその責めを負わなければならない性質のものであります。(
拍手
) また、
三木内閣
に
国民
が
期待
したものは、三木首相
自身
が言っておられますように、
議会
の子として、一貫して
議会
人として通してこられました
議会
民主主義
に対する
期待
だったと思うのであります。率直に言いまして、官僚出身や
財界
出身の
政治家
と違いまして、ある程度の
期待
が持てるのではないかと、私
自身
も思ったのでありますが、余りにも違い過ぎた現実に、失望を通り越え、憤りすら感ぜざるを得ないのであります。(
拍手
)
自民党
の諸君も含めまして、第七十五
国会
におきまして、
与野党一致
して
衆議院
を通過せしめました
独禁法改正案
は、
財界
の意を受けて、言を左右にして提案せず、逆に、さきの
国会
で廃案となりました、しかも
国民
が強く
反対
しておりまする酒、
たばこ
、郵便の
値上げ
三法を強引に
提出
し、衆参両院において何回となく
強行採決
、
自民党
単独
採決
を行わせ、あまつさえ、
国会
の会期を再延長させてまで年末のぎりぎりの段階で
成立
させようという
議会制民主主義
を踏みにじる行為をあえてとらせましたことは、長年培ってまいりました三木氏
自身
の民主
政治
に対する
政治
的節操を捨て去ったものとして、重大視しなければならないものだと思うのであります。これは世間で取りざたされていまするように、
自民党
の派閥力学の上で、
国民
を忘れ、政権の延命にのみきゅうきゅうとしておる
態度
のあらわれだと言わざるを得ないのであります。(
拍手
) また、
労働者
の基本権、特に
スト権
問題に対する
総理
としての対応の仕方も、
政治
的信念をどこかに忘れてきたように右顧左べんして、問題を一層混乱させたあの無能ぶりは、まさに目を覆うばかりのものがあったのであります。(
拍手
) そしてさらに、最近の三木首相の
政治
的
態度
の中に、
教育
を政争の外に置くと言いながら、教員の
主任
制度化
等、
教育
問題でもあらわれてきましたように、きわめて反動的な側面が露骨に示され始めたということであります。これら三木首相の
政治
姿勢の変化は、君子豹変と言うには余りにも本質的で、危険なものが感ぜられてならないのであります。(
拍手
) また、
外交
が得意だと言っておられます三木首相の
外交
姿勢も、また一日も放置できない状態のところまで来ていると私は思うのであります。抽象的なランブイエ首脳会談を大きな成果のごとく宣伝しておりますが、日中平和
条約
締結を意識的におくらせている怠慢な
日本
政府
の不誠実な
態度
は申すまでもないことでありますが、
三木内閣
の
外交
姿勢は、開発途上国、非同盟諸国など、第三世界の国々とその
国民
の諸君に大きな失望を与え、
不信感
を増大させておるのが、今日の偽らざる実情であるのであります。 国家間の問題処理としましては、大きな汚点を残しました
金大中事件
の措置に加えて、日米会談においては新
韓国条項
を強調し、朴軍事政権に大きくてこ入れをし、自衛隊と軍事基地機能を強化して、
アジア
における日
米軍
事協力を強めようとしておる
外交政策
の方向もまた、三木首相が説いてまいりました
外交
の展望とは全く
反対
のものであり、明らかに、世界の大きな流れに逆らうばかりではなく、現在及び将来にわたり、
政治
担当能力を失っていると判定せざるを得ないのであります。(
拍手
) 私は、この
立場
から、
国民
の冷厳な告発状でもあります
不信任
案が速やかに可決されますようお願いいたしまして、賛成討論を終わる次第であります。(
拍手
)
前尾繁三郎
11
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 米原昶君。 〔米原昶君登壇〕
米原昶
12
○米原昶君 私は、
日本共産党
・
革新共同
を代表して、ただいま
議題
となりました
三木内閣不信任決議案
に賛成の討論を行うものであります。(
拍手
)
三木内閣
成立
後一年間、これほど
短期間
に
国民
の
支持
を失った
内閣
はありません。このことは、相次ぐ
支持率
二〇%台の各紙の
世論調査
にも如実に示されております。
三木総理
は、田中前
総理
の
金権政治
に対する
国民
の厳しい批判を背景に、クリーン三木を看板に出てきたにもかかわらず、実際には田中金脈追及の防波堤の
役割り
を果たし、
財界
からの
政治
献金もいままで以上に受け入れて、大
企業
本位の
政治
を実行しました。そして、
金権政治
が
自民党
の体質であり、
三木内閣
が田中氏に対する
国民
の批判をかわすために出てきたにすぎないことを証明しました。(
拍手
) 今
国会
は、まさに
三木内閣
の反動的、反
国民
的本質をさらけ出す場となりました。酒、
たばこ
、一郵便料金など公共料金の
値上げ
と、
赤字国債
の
発行
を行い、
国民
を収奪し、
インフレ
をあおって、その資金を大
企業中心
の
不況対策
に注ぎ込むために、
強行採決
に次ぐ
強行採決
を行い、言われているように五日間の会期延長を行うならば、ついに、
通常国会
と臨時
国会
を合わせて、
田中内閣
が通年
国会
として批判された二百八十日を十六日も上回る
国会
を開くことになるのであります。これは
田中内閣
にまさるとも劣らない暴挙であります。(
拍手
)まさに、
三木内閣
を称して、三木名義の
田中内閣
と言われているゆえんもここにあります。 私は、すでに
国民
から見放された
三木内閣
の
不信任
案に賛成する
理由
を、以下順を追って述べようと思います。
内閣
不信任
案に賛成する第一の
理由
は、
三木内閣
が
国民
を犠牲にして大
企業
を優先させ、
財界
と
癒着
した
経済政策
を一段と強めているからであります。いま、
国民
は
不況
が長引き、失業者がさらにふえ、
中小企業
の倒産も史上最高という深刻な
事態
で年の瀬を迎えています。今日ほど、これまでの大
企業
本位の
経済政策
を
国民
本位に
転換
することが求められているときはありません。 ところが、
三木内閣
が今
国会
でやったことは、前
国会
で廃案となった酒、
たばこ
、郵便料金の
値上げ
の再上程とその
強行採決
であり、新たな
インフレ
を引き起こす膨大な
赤字国債
の
発行
、私鉄運賃、国鉄料金などの公共料金の大幅
値上げ
でありました。しかも、
政府
は、これにとどまらず、灯油、ガソリンなどの石油製品価格の二度にわたる
値上げ
を初め、新価格体系への移行を口実に、大
企業
製品価格の軒並み大幅
値上げ
を推進してきたのであります。その結果、勤労者の実質
所得
は低下し、
国民
の購買力はますます減退の一路をたどっております。さらに
政府
は、付加値税の新設による大
増税
の意図さえ持っております。 一層重大なことは、
国民生活
のこのような現状を目の前にしながら、
三木内閣
が
不況対策
に籍口し、
財界
の
要求
にこたえて、大
企業
本位の
景気刺激
に国家資金を投入していることであります。本四架橋の凍結の解除や新幹線の追加投資を五割もふやすなど、
日本列島
改造計画を復活させたほか、金融面でも、四次の公定歩合の引き下げや預金準備率、
預金金利
の引き下げを強行して、
政治
献金の再開と引きかえに、大
企業
本位の
財政
金融
政策
を一段と強化しているのであります。(
拍手
) それでも足りず、来年度
予算
編成では、七兆円を超える国債
発行
によって、第五次の大
企業
向け
景気刺激
策を進める意図を露骨に示しているのであります。そのために、
国民
の福祉や
生活基盤整備
がさらに立ちおくれ、住宅困窮者が一千二百万世帯、保育所入所を希望する幼児が二百万人にも上るほか、この冬も、プレハブ教室などで寒さにふるえる児童生徒が三十六万人にも達するのに、いまだに
政府
は必要な措置すら全くとろうとさえしないのであります。 特に
三木内閣
が亡国的な
赤字国債
の
発行
に道を開き、国の
財政
を完全に破綻させようとしている
責任
は、きわめて重大であります。もしこのまま進むならば、
昭和
五十五年度には国債残高が七十兆円にも上り、
国民
にはさらに一段と過酷な重税を押しつけ、
インフレ
を促進し、福祉、
教育
、その他
生活
関連施策は切り捨てられ、
国民生活
と
国民
経済
を破局に導くことになるであろうことは明白であります。 それに加えて、
三木内閣
は、
不況
と
インフレ
のはさみ打ちで深刻になっている
地方自治体
の
財政
危機
に対しても、
超過負担
の解消もしなければ、
地方交付税
率の
引き上げ
もせず、
政府
資金による地方債の引き受けもほとんどせず、もっぱら福祉と住民サービスの切り下げ、手数料や公営
企業
料金の
引き上げ
と
自治体
職員への犠牲転嫁など、住民と
労働者
の負担で解決せよと強要し、この分野でも
国民生活
への圧迫を一層激しくしているのであります。 このように、
三木内閣
の
経済政策
は、まさに、
国民
に背を向けて、
財界
との
癒着
を強め、
国民
の犠牲の上に大
企業
の高利潤を保障するという大
企業
本位の
政治
の腐敗の極致を示しているのであります。(
拍手
)
不信任
の第二の
理由
は、
三木内閣
の
憲法
じゅうりん、
民主主義
破壊
についであります。 三木首相が十二月一日発表した公共
企業
体等
労働者
の
スト権
についての基本方針は、
憲法
に保障された労働基本権の回復という官公
労働者
の正当な
要求
を拒否し、
アメリカ
占領軍の反
憲法
的な遺産である
スト権
剥奪をあくまで維持し続けるばかりか、新たに刑事罰を設けて、
スト
ライキ弾圧の道を開くという
治安対策
的発想による驚くべき反動的内容であります。椎名副総裁が、
ストライキ権
を回復すれば、二、三年先の小選挙区制移行という
政治
生命をかけた図式が根底から崩れると言明していることから見ても、
三木内閣
の
スト権
についての基本方針は、
三木内閣
が小選挙区制導入、
憲法
改悪という
自民党
のファッショ的路線の忠実な遂行者となり、
日本
型ファシズムを目指す道をさらに推し進めようとしていることを端的に示しております。(
拍手
)わが党はすでに、前
国会
での公職選挙法、
政治
資金規正法改悪案のごり押しによる強行
成立
に当たって、
日本
型ファシズムの危険について警告しましたが、この指摘の正しさが、いま一層鮮明になったということであります。 第三の
理由
は、歴代
内閣
と、その延長線上にある
三木内閣
のもとでの今日の文化的、道徳的退廃、
教育
の荒廃の問題であります。 独占資本本位の人づくり
政策
、中教審答申に基づく
教育
政策
のもとで生み出された
教育
の荒廃に伴い、非行化の増大、非行の低年齢化、小中高校生の自殺など、ゆゆしい問題が著しくふえております。さらに、異常な子殺しの増大、
自民党
政府
が泳がせてきた
各種
の暴力、とりわけ、トロツキ
スト
暴力集団の内ゲバ殺人、爆弾事件、テレビによるむき出しの退廃映像の放映、これらは今日の精神的、道徳的
危機
の深刻さ、根深さを物語っております。 このような
事態
は、
田中内閣
に象徴される歴代
自民党
内閣
と独占資本本位の金権、汚職、腐敗の
政治
がその根源となっていることは言をまたないものであり、
三木内閣
もまた当然その
責任
を負わねばなりません。 第四の
理由
は、
三木内閣
の
外交
、防衛
政策
が際立って危険な方向へ進んでおり、
国民
の平和と安全に重大な危険をもたらしていることであります。
三木内閣
は歴代
政府
・
自民党
の
安保条約
堅持、対米追随路線を継続するだけでなく、侵略的強化を図っている点で、いままで以上に危険な
内閣
となっております。
三木内閣
は、
アメリカ
の侵略的な朝鮮分断固定化の策動に積極的に参加するための日米共同作戦体制づくりに本格的に公然と着手しました。
米軍
の自由な基地使用の保障のために
安保条約
をこれまで以上に変質させ、戦争に巻き込まれないための歯どめと
考え
られてきた事前協議制も事実上空文化し、
憲法違反
の自衛隊増強の新たな計画に、四次防の倍に当たる十兆円を
国民生活
の圧迫をよそに投入しようとしていることは、断じて許すことができません。(
拍手
) 歴代
政府
と
自民党
が行ってきた
アメリカ
のベトナム侵略戦争への協力、加担が誤りであったこと、
日本
をベトナムに直結させた
安保条約
は侵略的なものであったことは、天下周知の事実であります。しかし、
三木内閣
はこのことについて一片の反省も示さず、いままた朝鮮で同じことを繰り返そうとしているのであります。これは朝鮮の自主的、平和的統一を妨げ、
アジア
の平和に真っ向から挑戦するものであることは明らかであります。 しかも、朝鮮へ焦点を当てた
アメリカ
の戦略への協力が核基地化につながることは明らかであります。
アメリカ
軍が戦術核で武装している現在、
三木内閣
が非核三原則を強調しても、
アメリカ
側が核通過や、核の一時持ち込みの場合も、必ず事前協議にかけるということを明らかにしない限り、核持ち込みの疑惑を晴らすことはできません。 わが党は、
三木内閣不信任
提案
理由
の一つである日中平和
条約
の問題については独自の見地を持っていますが、この問題では、
日本
の
外交
的自主性のためにも、
アジア
と世界の平和のためにも、真に平和五原則の
立場
に立って対処することが重要であると
考え
るものであります。(
拍手
) いまや、
日本
と
アジア
の平和のためには、
安保条約
の廃棄、自主平和
外交
の展開と、中立
日本
の建設がますます重要になっております。 以上述べたように、
三木内閣
の存続は、いまや、内政、
外交
のどの点から見ても、
国民
の利益に反し、国を滅ぼすものであることは明らかであります。すでに
国民
世論は、
三木内閣
の
支持率
の低下にも見られるように、決定的な審判を下しているのであります。 わが党は、このような
三木内閣
と一貫して
対決
し、
経済
、
外交
、
民主主義
など、すべての面で
政策
を対置して闘ってきましたが、この
立場
から、ここに私は
国民
の名において、
三木内閣
の
退陣
を
要求
するものであります。(
拍手
) 以上をもって、
三木内閣不信任決議案
に対する賛成討論を終わります。(
拍手
)
前尾繁三郎
13
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 松本忠助君。 〔松本忠助君登壇〕
松本忠助
14
○松本忠助君 私は、公明党を代表し、ただいま
議題
となりました
三木内閣不信任決議案
に対し、賛成の討論を行うものであります。(
拍手
)
三木内閣
が誕生して満一年を経過しましたが、最近のマスコミによる
世論調査
では、
国民
の
支持率
は下降の一途をたどり、ついに、
支持
しないが
支持
するを大幅に上回り、しかも、
内閣
発足後一年目の
支持率
は、戦後の歴代
内閣
の中で最低となったのであります。これは、明らかに当初における
国民
の
期待
と、現実の三木
政治
に対する失望の落差がきわめて大きいことを物語るものであります。 わが党は、昨年末、
三木内閣
の
政治
姿勢を問う意味から、四つの踏み絵を提示したのであります。 すなわち、その第一は
政治
資金規正法の改正、第二は独禁法の改正強化、第三は年金法の改正、第四は五十一年度排ガス規制の
実施
であります。ところが、
三木内閣
は、そのことごとくに背を向けたばかりでなく、
国民
の
政治
活動と、言論、表現の自由を不当に抑圧した公職選挙法の改悪、さらには、
企業
献金を温存した
政治
資金規正法の改悪を強行するなど、大
企業優先
、
国民
軽視の
自民党
体質をあらわに示したのであります。 しかも、この危険な体質は、今
国会
に入るやますます露骨となり、さきの
国会
で廃案となった酒、
たばこ
、郵便料金等の
値上げ法案
を再度
提出
、これらを
強行採決
し、さらに二十六日間に及ぶ大幅な会期延長の強行を図るなど、問答無用の暴挙を繰り返したのであります。 このような暴挙は、およそ
対話
と
協調
とは正
反対
の
対決
と強行の姿勢であり、
政府
・
自民党
による
国会
の私物化と言う以外ないのであります。
インフレ
の再燃と
不況
に苦しむ
国民
の
生活
を守ることを忘れ、反
国民
的暴挙を繰り返す
三木内閣
をこれ以上存続させることは、
国民生活
と
議会制民主主義
を守る
立場
から、断じて許すことはできないのであります。(
拍手
) 以下、具体的に五点にしぼって、
国民
の
期待
を大きく裏切った
三木内閣
の反
国民
的
態度
を指摘して、
三木内閣不信任決議案
に賛成する
理由
を述べるものであります。 その第一は、
国会
運営の暴挙の繰り返しであります。 今
国会
は、混迷
国会
、視界ゼロ
国会
などと言われていますが、私に言わせれば、
議会
政治
じゅうりん
国会
と言っても過言ではありません。すなわち、今
国会
の焦点は、
インフレ
、
不況対策
であるにもかかわらず、肝心の補正
予算案
の
提出
は大幅におくれ、前
国会
で
与野党一致
で
衆議院
を通過した独禁法や
生活
関連法案を
提出
しないまま、
値上げ
三法案を優先的に
成立
させるため、
政府
・
自民党
は次々とだまし討ち的に
強行採決
を繰り返し、
国民
の
政治
不信を増大させたのであります。
議会
の子と自任する
三木総理
が
議会制民主主義
を
破壊
する暴挙を繰り返し繰り返し行ったことは、断じて許されることではないのであります。 第二の
理由
は、
三木内閣
は、迷彩路線をもって政権の延命にきゅうきゅうとし、
国民
の
期待
を裏切り、大
企業
、
財界
に迎合しようとする姿勢を一段と露骨にしていることであります。 独占禁止法改正問題は、
三木総理
の
公約
第一号であり、
総理自身
、その
成立
に執念を燃やすと公言していたものであります。ところが、
自民党
内における一部の強い抵抗に遭うや、さきの
国会
で全会
一致
で修正可決した本院の総意を踏みにじり、今
国会
ではついに
提出
を見送り、あまつさえ、修正可決した条文そのままの野党共同提案の改正案には見向きもしないという反民主的、反
国民
的な
態度
をとっているのであります。 また、大
企業
の
政治
献金に対する
総理
の
態度
も見逃すことはできません。一年前には、
企業
から多額の
政治
献金を受ければ
企業
の代弁者になりやすいと、
企業
献金の危険性を
国民
の前に指摘してはばからなかった姿は、一体どこに捨て去ったのでありましょうか。最近の
国会答弁
では、
自民党
の主義主張に賛同しての献金は、これはいい、これは悪いの区別なく受け付けると、おくめんもなく述べているのであります。 第三の
理由
は、
三木内閣
は、
経済政策
の失敗にほおかむりするばかりでなく、安易な
赤字国債
発行
によって
国民
に新たなる負担を強いながら、その一方で、大
企業
優遇、弱者犠牲の
不況対策
を推し進めようとしております。
三木総理
がいかに強がりを言おうとも、失業者は町にあふれ、百万人もの多きに上っております。また、
企業
倒産が続出している現状は、明らかに
経済政策
の失敗によるものであります。
総理
は、大筋において失敗していなかったと居直っていますが、その居直りこそ、
内閣
支持率
の急落の原因であることを知るべきであります。(
拍手
) また、
不況
克服に当たっては、
国民生活
関連の公共投資を優先し、落ち込んだ
個人
消費需要を喚起するために
所得減税
を断行し、
国民生活
の足元から
不況対策
を講じ、同時に、社会保障
生活
者に対する救済措置をとるべきであります。 しかるに、
三木内閣
は、大型プロジェクト
中心
の
産業
基盤造成に重点を置き、高度成長期と同じパターンをとっているのであります。大
企業
本位の高度成長
政策
の延長線でしか
不況対策
を講ずることのできない
三木内閣
は、まさしく大
企業
、
財界
の代弁者としか言いようがないのであります。 第四の
理由
は、自主平和
外交
を放棄し、対米追随の
外交
を強化していることであります。
総理
は、訪米により、日米安保体制の堅持を確約するとともに、
韓国条項
を再確認し、日米韓三国軍事同盟体制の強化を図り、
アジア
の平和に逆行する
政策
を強行しております。その上に、日米防衛分担という美名のもとに、日米
安保条約
の
拡大
と、ポ
スト
四次防の防衛力増強に拍車をかけています。
日本
と
アジア
の平和に逆行するこのような
三木内閣
の危険な
外交
姿勢は、断じて許すことができないのであります。(
拍手
) しかも、
公約
の一つである核拡散防止
条約
の
国会
批准には何ら積極的な
態度
をとらず、
日中平和友好条約
についても、いたずらにその
締結交渉
を引き延ばしているのであります。 第五の
理由
は、最近特に顕著となった
三木内閣
の反動化の姿勢であります。 その端的な例が、
公労協
の
スト権
問題に関する
三木内閣
の
時代
逆行の
態度
であります。今回の
スト権
スト
問題は、
三木内閣
の
スト権
付与を明示しない後向きの
態度
が直接原因となっていることは、いまさら指摘するまでもありません。特に、
政府声明
は、
国民
の労働基本権確立へのコンセンサスを混乱させ、封殺しようとする意図のあらわれであると言わざるを得ません。 以上、五点にしぼり、
三木内閣
の反
国民
的
態度
を要約して述べましたが、これ以上
三木内閣
を存続させることは、より一層わが国を
危機
的状態に陥れ、国際的には、平和
日本
の信用を失墜させることは明白であります。 「信なくば立たず」、これは常に
総理
が好んで述べる
言葉
であります。
国民
の信頼を得るためには、言行
一致
でなければなりません。
総理
は、
言葉
と宣伝ばかりで、何一つよいことを実行していなかったことに対して、深く反省すべきでありましよう。 これ以上
三木内閣
を
存在
させることは、より一層わが国を
危機的状況
に陥れます。いまや、
三木内閣
に残された道は、もはや
退陣
以外にないのであります。(
拍手
) 私は、
総理
が速やかに
退陣
すべきことを強く
要求
して、賛成討論を終わるものであります。(
拍手
)
前尾繁三郎
15
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 塚本三郎君。 〔塚本三郎君登壇〕
塚本三郎
16
○塚本三郎君 ただいま提案されました
三木内閣不信任決議案
に対しまして、私は、民社党を代表して、賛成の討論をいたします。(
拍手
)
三木内閣
を
支持
する者二六・六%、
支持
しない者四〇・九%、これは、つい先日行われた某新聞の
世論調査
の結果であります。
国民
は、すでに、
三木内閣
は
退陣
すべしとの回答を与えております。 思えば一年前、保守党
政治
の
危機
を叫び、田中金権
内閣
の激しい非難の後を受けて新発足をされた
三木内閣
は、
議会制民主主義
を何よりも大切にすると誓われ、その擁護、発展、定着のためには生命すらかけると叫ばれたはずであります。そのためには、みずからの言動には
責任
を持ち、
責任
の所在を明らかにし、出処進退を明確にして、
国民
の
政治
に対する信頼を深めると誓われたのは、ほかならぬ三木さん御
自身
でありました。 三木さんが、
国会
のこの場でお誓いになった一年前のその
言葉
を、今日逆さまに読んでみますと、今日の
世論調査
が、余りにもぴったりと当てはまることに、私は驚き、かつ、悲しみを禁じ得ません。 すなわち、みずからの言動に
責任
をとらず、
内閣
の首班でありながら、全く
責任
の所在を明らかにせず、
内閣
の保身、延命のためにはなりふりを構わず、その結果、ますます
国民
は
政治
に対する
不信感
を高めるばかりであり、一体、これが
議会
政治
の子、
三木内閣
のなれの果てでありましょうか。
国民
は信任せずと判断し、三木さんは、出処進退を明らかにすると誓っておられることに偽りがなければ、速やかに
退陣
をされることが至当であり、もし新聞の
世論調査
に疑念をお持ちになるなれば、それこそ
議会
を解散して、
国民
に信を問われることが順序ではありますまいか。 また、今日の重大時局を乗り切るためには、過去にとらわれない創造的発想と実行が求められると強調し、
国会
も政党も
民主主義
と
議会
主義を守り抜こうと叫ばれた三木さん御
自身
が、その実践者となっていただかなければなりません。 三木さんの訴えられる
言葉
は、一言一言、すべて私どもは賛成でありました。その言やよし、惜しむらくは、
言葉
ばかり多くして、その実行について余りにも欠くるところが多いことを嘆かざるを得ません。 田中金権に対するクリーン三木は、
国民
の大いに歓迎したところでありました。だが、
決断
と実行に失敗した
田中内閣
の裏返しとして、有言不実行、日和見の三木さんは、ついに
政治
不信を増大しつつあることを見逃してはなりません。 私は、ここに改めて日和見の三木さんの数々を挙げて、
不信任
の
理由
といたします。 日和見の第一は、
不況対策
についてであります。 いま
国民
は、空前の
不況
の中にあえいでおります。お金がないだけではない、仕事がない。多くの
企業
、特に第一次、第二次の生産、加工
産業
は、働いてなお損をする状態がほとんどであります。特に
中小企業
は、戦後三十年間働き、蓄積した財産のすべてを使い果たし、倒産のときの迫るのを待つばかりの深刻さであります。 一体、第四次にわたる
不況対策
がどこまで成果を上げているのか。
三木総理
は、その実情を調査されたことがあるのでありましょうか。工場に働く
労働者
は離職の寒空におびえ、管理者は、退職整理を言い渡される日のうわさに恐れおののいております。
三木総理
は、
不況
が世界的傾向だと弁明されるならば、これらの人
たち
は、どうして
景気
回復の日まで待てばよいのか。その世過ぎの方法を明示していただかなければなりません。もう待てないと叫んでいる
国民
の声に対して、なお時の至るを待つ三木さんは、日和見というよりも、無
責任
という怒りの声が聞こえないのでありましょうか。 私ども民社党は、すでに昨年の十月、このことを予見して、いまにして
経済政策
を
転換
し、需要喚起の手を打たなかったならば、重大なる危局に立ち至るであろうことを忠告し、本
議場
から私どもは三たびにわたって
総理
に御忠告申し上げたはずであります。 しかるに、
三木内閣
は、今年の五月までその忠告に対し一顧だに考慮を与えず、その結果は、
国民
をして破産、倒産を余儀なくせしめているではありませんか。そして、行きつくところは、ついに三兆四千億の歳入欠陥をも招いたことを何と受けとめられるのでありましょうか。 そればかりではありません。今日民間
企業
においては、倒産を避け、生き延びるためには、やむなく生産原価を割り込んでもなお投げ売りをしている
事態
に目を背け、
政府
の行う独占事業たる国鉄料金、郵便料金及び酒、
たばこ
の大幅
値上げ
を行ってみせる無神経さが、果たして三木さんの説かれた
対話
と
協調
の
政治
でありましょうか。(
拍手
) 日和見の三木さんの第二は、
外交政策
についてであります。 かつて米国を訪れて首脳会談を持たれたにもかかわらず、その内容を
国民
に語ろうとせず、ただ親交を温めただけだと、日米会談をはれたものにさわるがごとく
国民
に語ろうとしない
態度
、あるいは、核防
条約
の批准を約束しながら、その経過すら
国会
に報告できず、果ては、友好諸国が
日本
のこの無
責任
きわまる
態度
にいら立ちの色を隠していないことを、
総理
はよもや御存じないはずはありません。 ましてや、北方領土の返還に至っては、
国民
の悲願を横目でながめながら、
三木総理
の側近からあらぬ妥協のアドバルーンを打ち上げさせて、どこまでが
総理
の真意なのか、一貫した
態度
に疑念を抱かせ、いたずらに一年の歳月を空費して情勢の好転を待つのみという
態度
は、まさに日和見の最たるものと言わなければなりません。 日和見の第三は、
教育
問題であります。 三木さんは、一体今日の
日本
の
教育
をどうしようとされているのでありましょうか。
三木内閣
が在野の
永井
文相を起用されたことは、
教育
の中立性と、新たなる観点に立った
教育
国家の建設を意欲的に推進するものと、
国民
は大いなる
拍手
を送ったはずでありました。しかるに、文部
行政
は、
永井
文相の意図なのか、
自民党
の文教
政策
なのか、はたまた文部事務当局の執念なのか、それこそ、行きつ戻りつ、出したり引っ込めたり、
主任
制度をめぐって
教育
界がこれほど
国民
にわかりにくい姿になってしまったのは、どうしたことでありましょうか。 民間人登用の
永井
文相は、
三木内閣
の単なる人気取りのニューフェースで終わらせるつもりでありましょうか。いまこそ
総理
の
決断
を迫られるときだとお思いになりませんか。 いやしくも一国の
教育
を政争の具に供してはなりません。しかるに、ただいま最も政争の場に供されているのが文教
行政
だという世評が、
三木総理
にはおわかりになりませんか。 日和見の第四は、先日の違法
スト
に見られる労働
行政
であります。
政府
は、すでに十年前公制審を発足させたにかかわらず、いまだに公共
企業
体に働く
労働者
に対する
スト権
については明確な回答を与えておりません。 わが党は、違法
スト
は断じて許すべきではないという所信は、すでに先日来述べてきたところであります。幸い、今回に限っては、
政府
は、違法
スト
の圧力に屈することなく、法秩序を厳然として守り抜いたことは、せめてもの救いでありました。(
拍手
)およそ、法秩序なるものは、
国民
はこれを遵守し、犯す者は、これを
政府
が処断するという信賞必罰の原則が保たれることによってのみ、民主
政治
の確立が
期待
し得られると思うのであります。(
拍手
) だが、このこととは別に、他面、
政府
は、一体これが根本的解決のためにどんな施策をとろうとしておられるのでありましょうか。
スト権
について、
条件つき
で付与するのか、あるいは各
企業
体ごとに分離して付与しようとするのか、それとも、今日のまま絶対に認めないと言われるのか。
三木内閣
の最も遺憾とすることは、その回答を不明確にしていることであります。すでに公企体の当局者は、
条件つき
で
スト権
を与えるべしと言明しているではありませんか。しからば、
政府
は、速やかにその方向に結論を出すべきであり、しからずんば、
政府
の意向に反する回答をなした当局者を速やかに更迭して、
現行法
を維持すると言明すべきであります。(
拍手
)
公労協
に甘い
期待
を持たせてきたこの一年間は、彼らの違法を責めるとともに、否、それ以上に、
事態
をあいまいにしてきた
三木内閣
の日和見的
態度
をこそ責められるべきだと信じます。 日和見の第五は、独禁法に対する
態度
であります。 前
通常国会
には、
三木総理
は、執念を燃やして
自民党
を説得され、
衆議院
は全会
一致
で通過いたしました。今日の
三木内閣
が保身と延命に憂き身をやつし、信任せずが四〇%を上回ったそもそもの
理由
は、この独禁法に対する三木さんの
態度
の変化でありましょう。そのことは、三木さん御
自身
が一番胸にこたえておられるはずであります。これを一言で申せば、
国民
は
不況
に泣き、
三木総理
の独禁法に対する変節に失望したのが、この一年の
政治
の総決算というべきではないでしょうか。 以上のごとく、日和見の三木さんの数々を述べて、私は
不信任
の論を終わりますが、最後に、私ども民社党が
不信任
案の共同提案者にならなかった
理由
は、
安保条約
や
アジア
情勢の判断について、提案者と意見の
一致
を見なかったこと、及び労働並びに
教育
行政
について、全く異なった見解を持っておりまするがゆえに、あえて独自の
立場
に立たざるを得なかったことをつけ加えて、私の
三木内閣不信任決議案
の賛成討論を終わります。(
拍手
)
前尾繁三郎
17
○
議長
(
前尾繁三郎
君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————
前尾繁三郎
18
○
議長
(
前尾繁三郎
君)
採決
いたします。 この
採決
は記名投票をもって行います。 本
決議案
に賛成の諸君は白票、
反対
の諸君は青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。 〔
議場
閉鎖〕
前尾繁三郎
19
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 氏名点呼を命じます。 〔参事氏名を点呼〕 〔各員投票〕
前尾繁三郎
20
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。 〔
議場
開鎖〕
前尾繁三郎
21
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 投票を計算いたさせます。 〔参事投票を計算〕
前尾繁三郎
22
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。 〔事務総長報告〕 投票総数 四百四十八 可とする者(白票) 百九十四 〔
拍手
〕 否とする者(青票) 二百五十四 〔
拍手
〕
前尾繁三郎
23
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 右の結果、
三木内閣不信任決議案
は否決されました。
—————————————
成田知巳
君外十二名
提出
三木内閣不信任決議案
を可とする議員の氏名 安宅 常彦君 阿部 昭吾君 阿部 助哉君 赤松 勇君 井岡 大治君 井上 泉君 井上 普方君 石野 久男君 石橋 政嗣君 板川 正吾君 稲葉 誠一君 岩垂寿喜男君 上原 康助君 江田 三郎君 枝村 要作君 小川 省吾君 大出 俊君 大柴 滋夫君 太田 一夫君 岡田 哲児君 岡田 春夫君 加藤 清政君 加藤 清二君 勝澤 芳雄君 勝間田清一君 角屋堅次郎君 金瀬 俊雄君 金丸 徳重君 金子 みつ君 川崎 寛治君 川俣健二郎君 河上 民雄君 木島喜兵衞君 木原 実君 久保 三郎君 久保 等君 久保田鶴松君 小林 進君 兒玉 末男君 上坂 昇君 佐々木更三君 佐藤 観樹君 佐藤 敬治君 佐野 憲治君 佐野 進君 斉藤 正男君 坂本 恭一君 阪上安太郎君 柴田 健治君 島田 琢郎君 島本 虎三君 嶋崎 譲君 清水 徳松君 下平 正一君 田口 一男君 田中 武夫君 田邊 誠君 多賀谷真稔君 高沢 寅男君 高田 富之君 竹内 猛君 竹村 幸雄君 楯 兼次郎君 塚田 庄平君 土井たか子君 堂森 芳夫君 中澤 茂一君 中村 茂君 中村 重光君 楢崎弥之助君 成田 知巳君 野坂 浩賢君 芳賀 貢君 馬場 昇君 長谷川正三君 原 茂君 日野 吉夫君 平林 剛君 広瀬 秀吉君 福岡 義登君 藤田 高敏君 古川 喜一君 細谷 治嘉君 堀 昌雄君 松浦 利尚君 三宅 正一君 美濃 政市君 武藤 山治君 村山 喜一君 村山 富市君 森井 忠良君 八百板 正君 八木 昇君 安井 吉典君 山口 鶴男君 山崎 始男君 山田 耻目君 山田 芳治君 山中 吾郎君 山本 幸一君 山本 政弘君 山本弥之助君 湯山 勇君 米内山義一郎君 米田 東吾君 横路 孝弘君 横山 利秋君 吉田 法晴君 和田 貞夫君 渡辺 三郎君 渡辺 惣蔵君 青柳 盛雄君 荒木 宏君 諫山 博君 石母 田達君 梅田 勝君 浦井 洋君 金子 満広君 神崎 敏雄君 木下 元二君 栗田 翠君 小林 政子君 紺野与次郎君 柴田 睦夫君 庄司 幸助君 瀬崎 博義君 瀬長亀次郎君 田代 文久君 田中美智子君 多田 光雄君 津金 佑近君 津川 武一君 寺前 巖君 土橋 一吉君 中川利三郎君 中路 雅弘君 中島 武敏君 野間 友一君 林 百郎君 東中 光雄君 平田 藤吉君 不破 哲三君 正森 成二君 増本 一彦君 松本 善明君 三浦 久君 三谷 秀治君 村上 弘君 山原健二郎君 米原 昶君 浅井 美幸君 新井 彬之君 有島 重武君 石田幸四郎君 小川新一郎君 大久保直彦君 大野 潔君 大橋 敏雄君 近江巳記夫君 岡本 富夫君 沖本 泰幸君 鬼木 勝利君 北側 義一君 小濱 新次君 坂井 弘一君 坂口 力君 鈴切 康雄君 瀬野栄次郎君 田中 昭二君 高橋 繁君 竹入 義勝君 林 孝矩君 広沢 直樹君 伏木 和雄君 正木 良明君 松尾 信人君 松本 忠助君 矢野 絢也君 山田 太郎君 渡部 一郎君 安里積千代君 受田 新吉君 小沢 貞孝君 折小野良一君 春日 一幸君 河村 勝君 小平 忠君 佐々木良作君 竹本 孫一君 玉置 一徳君 塚本 三郎君 永末 英一君 和田 耕作君 渡辺 武三君 否とする議員の氏名 安倍晋太郎君 足立 篤郎君 阿部 喜元君 愛野興一郎君 赤城 宗徳君 赤澤 正道君 秋田 大助君 天野 公義君 天野 光晴君 荒舩清十郎君 有田 喜一君 井出一太郎君 伊東 正義君 伊藤宗一郎君 伊能繁次郎君 石井 一君 石田 博英君 稻葉 修君 稻村佐近四郎君 稲村 利幸君 今井 勇君 宇田 國榮君 宇都宮徳馬君 宇野 宗佑君 上田 茂行君 上村千一郎君 植木庚子郎君 臼井 莊一君 内田 常雄君 内海 英男君 浦野 幸男君 江崎 真澄君 江藤 隆美君 小川 平二君 小此木彦三郎君 小沢 一郎君 小澤 太郎君 小沢 辰男君 小渕 恵三君 越智 伊平君 越智 通雄君 大石 千八君 大石 武一君 大久保武雄君 大竹 太郎君 大西 正男君 大野 明君 大野 市郎君 大橋 武夫君 大平 正芳君 大村 襄治君 奥田 敬和君 奥野 誠亮君 加藤 紘一君 加藤常太郎君 加藤 六月君 加藤 陽三君 海部 俊樹君 笠岡 喬君 梶山 静六君 粕谷 茂君 片岡 清一君 金丸 信君 金子 一平君 金子 岩三君 亀岡 高夫君 亀山 孝一君 鴨田 宗一君 唐沢俊二郎君 仮谷 忠男君 瓦 力君 木野 晴夫君 木部 佳昭君 木村武千代君 木村 俊夫君 岸 信介君 北澤 直吉君 吉川 久衛君 久野 忠治君 久保田円次君 鯨岡 兵輔君 熊谷 義雄君 倉石 忠雄君 倉成 正君 栗原 祐幸君 黒金 泰美君 小泉純一郎君 小坂徳三郎君 小島 徹三君 小平 久雄君 小林 正巳君 小山 長規君 小山 省二君 河野 洋平君 河本 敏夫君 國場 幸昌君 近藤 鉄雄君 左藤 恵君 佐々木秀世君 佐々木義武君 佐藤 孝行君 佐藤 文生君 佐藤 守良君 斉藤滋与史君 齋藤 邦吉君 三枝 三郎君 坂田 道太君 坂村 吉正君 坂本三十次君 櫻内 義雄君 笹山茂太郎君 志賀 節君 塩川正十郎君 塩崎 潤君 塩谷 一夫君 篠田 弘作君 澁谷 直藏君 島田 安夫君 島村 一郎君 正示啓次郎君 白浜 仁吉君 菅波 茂君 鈴木 善幸君 住 栄作君 瀬戸山三男君 關谷 勝利君 園田 直君 染谷 誠君 田川 誠一君 田澤 吉郎君 田中伊三次君 田中 角榮君 田中 覚君 田中 龍夫君 田中 正巳君 田中 六助君 田村 元君 高鳥 修君 高橋 千寿君 竹内 黎一君 竹下 登君 竹中 修一君 谷垣 專一君 谷川 和穗君 地崎宇三郎君 中馬 辰猪君 坪川 信三君 戸井田三郎君 渡海元三郎君 登坂重次郎君 徳安 實藏君 床次 徳二君 中尾 栄一君 中尾 宏君 中川 一郎君 中曽根康弘君 中村 弘海君 中村 寅太君 中山 利生君 永山 忠則君 灘尾 弘吉君 楢橋 進君 二階堂 進君 丹羽喬四郎君 西岡 武夫君 西村 英一君 西村 直己君 西銘 順治君 根本龍太郎君 野田 卯一君 野田 毅君 野中 英二君 野原 正勝君 野呂 恭一君 羽田 孜君 羽田野忠文君 羽生 田進君 葉梨 信行君 萩原 幸雄君 橋口 隆君 橋本登美三郎君 橋本龍太郎君 長谷川四郎君 長谷川 峻君 旗野 進一君 八田 貞義君 服部 安司君 浜田 幸一君 濱野 清吾君 早川 崇君 林 大幹君 林 義郎君 原田 憲君 廣瀬 正雄君 深谷 隆司君 福田 赳夫君 福田 篤泰君 福田 一君 福永 一臣君 福永 健司君 藤井 勝志君 藤尾 正行君 藤波 孝生君 藤本 孝雄君 船田 中君 古屋 亨君 保利 茂君 坊 秀男君 細田 吉藏君 前田 正男君 増岡 博之君 松浦周太郎君 松澤 雄藏君 松永 光君 松野 幸泰君 松野 頼三君 松本 十郎君 三池 信君 三木 武夫君 三ツ林弥太郎君 三原 朝雄君 三塚 博君 箕輪 登君 水田三喜男君 水野 清君 湊 徹郎君 宮崎 茂一君 武藤 嘉文君 村岡 兼造君 村上 勇君 村田敬次郎君 村山 達雄君 毛利 松平君 粟山 ひで君 森 美秀君 森 喜朗君 森下 元晴君 森山 欽司君 安田 貴六君 保岡 興治君 山口 敏夫君 山崎平八郎君 山下 元利君 山下 徳夫君 山田 久就君 山中 貞則君 山村新治郎君 山本 幸雄君 吉永 治市君 綿貫 民輔君 渡部 恒三君 渡辺 栄一君 渡辺 紘三君 渡辺美智雄君
—————————————
前尾繁三郎
24
○
議長
(
前尾繁三郎
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十五分散会 ————◇————— 出席国務大臣
内閣
総理
大臣 外務大臣臨
時代
理 三木 武夫君 法 務 大 臣 稻葉 修君 大 蔵 大 臣 大平 正芳君 文 部 大 臣
永井
道雄君 厚 生 大 臣 田中 正巳君 農 林 大 臣 安倍晋太郎君 通商
産業
大臣 河本 敏夫君 運 輸 大 臣 木村 睦男君 郵 政 大 臣 村上 勇君 労 働 大 臣 長谷川 峻君 建 設 大 臣 仮谷 忠男君 自 治 大 臣 福田 一君 国 務 大 臣 井出一太郎君 国 務 大 臣 植木 光教君 国 務 大 臣 小沢 辰男君 国 務 大 臣 金丸 信君 国 務 大 臣 佐々木義武君 国 務 大 臣 坂田 道太君 国 務 大 臣 福田 赳夫君 国 務 大 臣 松澤 雄藏君 ————◇—————