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1975-10-25 第76回国会 衆議院 本会議 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十月二十五日(土曜日)     —————————————  議事日程 第七号   昭和五十年十月二十五日     午前零時三十分開議  第一 大蔵委員長上村千一郎解任決議案(山     田耻目君外八名提出)          (委員会審査省略要求案件)  第二 郵便法の一部を改正する法律案内閣提     出)  第三 酒税法の一部を改正する法律案内閣提     出)  第四 製造たばこ定価法の一部を改正する法律     案(内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい   ては十五分質疑答弁討論その他については十   分とするの動議宇野宗佑君外二十四名提   出)  日程第一 大蔵委員長上村千一郎解任決議案   (山田耻目君外八名提出)   質疑終局動議宇野宗佑君外二十四名提   出)   討論終局動議宇野宗佑君外二十四名提   出)  郵政大臣村上勇不信任決議案米田東吾君外   八名提出)   質疑終局動議宇野宗佑君外二十四名提   出)   討論終局動議宇野宗佑君外二十四名提   出)  大蔵大臣大平正芳不信任決議案荒木宏君外   八名提出)   質疑終局動議宇野宗佑君外二十四名提   出)   討論終局動議宇野宗佑君外二十四名提   出)  日程第二 郵便法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  日程第三 酒税法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  日程第四 製造たばこ定価法の一部を改正する   法律案内閣提出)     午前零時三十九分開議
  2. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  発言時間に関する動議
  3. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 宇野宗佑君外二十四名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議提出されました。  本動議記名投票をもって採決いたします。  本動議に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  4. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  5. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  6. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  7. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百八十六   可とする者(白票)       二百二十七   否とする者(青票)        百五十九
  8. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑答弁討論その他については十分とすることに決しました。     —————————————  宇野宗佑君外二十四名提出発言時間制限の動議を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    荒舩清十郎君       有田 喜一君    井出一太郎君       伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君       石井  一君    石田 博英君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    今井  勇君       宇田 國榮君    宇都宮徳馬君       宇野 宗佑君    上田 茂行君       上村千一郎君    植木庚子郎君       臼井 莊一君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       江藤 隆美君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大石 武一君    大久保武雄君       大竹 太郎君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大平 正芳君    大村 襄治君       奥田 敬和君    奥野 誠亮君       加藤 紘一君    加藤 六月君       加藤 陽三君    海部 俊樹君       笠岡  喬君    梶山 静六君       粕谷  茂君    片岡 清一君       金丸  信君    金子 一平君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君       仮谷 忠男君    瓦   力君       木野 晴夫君    木部 佳昭君       木村武千代君    北澤 直吉君       吉川 久衛君    久野 忠治君       久保田円次君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       小泉純一郎君    小坂善太郎君       小坂徳三郎君    小島 徹三君       小平 久雄君    小林 正巳君       小宮山重四郎君    小山 長規君       小山 省二君    河野 洋平君       河本 敏夫君    國場 幸昌君       近藤 鉄雄君    左藤  恵君       佐々木秀世君    佐々木義武君       佐藤 孝行君    佐藤 文生君       佐藤 守良君    斉藤滋与史君       齋藤 邦吉君    坂田 道太君       坂村 吉正君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       志賀  節君    塩川正十郎君       塩崎  潤君    塩谷 一夫君       篠田 弘作君    澁谷 直藏君       島田 安夫君    島村 一郎君       正示啓次郎君    菅波  茂君       鈴木 善幸君    住  栄作君       瀬戸山三男君    園田  直君       染谷  誠君    田川 誠一君       田澤 吉郎君    田中伊三次君       田中  覚君    田中 龍夫君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       竹下  登君    竹中 修一君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       地崎宇三郎君    中馬 辰猪君       坪川 信三君    戸井田三郎君       渡海元三郎君    登坂重次郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       中尾 栄一君    中尾  宏君       中川 一郎君    中曽根康弘君       中村 弘海君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    丹羽喬四郎君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西村 直己君       西銘 順治君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生 田進君    葉梨 信行君       橋口  隆君    橋本登美三郎君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  大幹君       林  義郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    深谷 隆司君       福田 篤泰君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤本 孝雄君    船田  中君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田 正男君    増岡 博之君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       三木 武夫君    三ツ林弥太郎君       三原 朝雄君    三塚  博君       箕輪  登君    水田三喜男君       湊  徹郎君    宮崎 茂一君       宮澤 喜一君    武藤 嘉文君       村岡 兼造君    村上  勇君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎  拓君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    吉永 治市君       綿貫 民輔君    渡部 恒三君       渡辺 栄一君    渡辺 紘三君       渡辺美智雄君  否とする議員氏名       安宅 常彦君    阿部 昭吾君       阿部 助哉君    井上 普方君       石橋 政嗣君    板川 正吾君       稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君       上原 康助君    江田 三郎君       枝村 要作君    小川 省吾君       大出  俊君    岡田 哲児君       加藤 清政君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    角屋堅次郎君       金瀬 俊雄君    金子 みつ君       川崎 寛治君    川俣健二郎君       河上 民雄君    木原  実君       久保 三郎君    久保  等君       小林 信一君    兒玉 末男君       佐々木更三君    佐藤 観樹君       佐藤 敬治君    佐野 憲治君       佐野  進君    斉藤 正男君       坂本 恭一君    柴田 健治君       嶋崎  譲君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    竹村 幸雄君       楯 兼次郎君    堂森 芳夫君       中澤 茂一君    中村  茂君       中村 重光君    楢崎弥之助君       野坂 浩賢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八百板 正君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山中 吾郎君       山本 政弘君    山本弥之助君       湯山  勇君    米内山義一郎君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    吉田 法晴君       和田 貞夫君    渡辺 三郎君       荒木  宏君    諫山  博君       石母 田達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       小林 政子君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君       田代 文久君    田中美智子君       多田 光雄君    津金 佑近君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       野間 友一君    林  百郎君       東中 光雄君    平田 藤吉君       不破 哲三君    正森 成二君       増本 一彦君    松本 善明君       三浦  久君    三谷 秀治君       村上  弘君    山原健二郎君       米原  昶君    浅井 美幸君       新井 彬之君    有島 重武君       石田幸四郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    沖本 泰幸君       鬼木 勝利君    北側 義一君       小濱 新次君    坂井 弘一君       坂口  力君    鈴切 康雄君       瀬野栄次郎君    田中 昭二君       高橋  繁君    林  孝矩君       広沢 直樹君    伏木 和雄君       正木 良明君    松本 忠助君       矢野 絢也君    山田 太郎君       渡部 一郎君    池田 禎治君       小沢 貞孝君    折小野良一君       河村  勝君    小平  忠君       小宮 武喜君    竹本 孫一君       玉置 一徳君    塚本 三郎君       宮田 早苗君    和田 耕作君       渡辺 武三君      ————◇—————
  9. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 日程第一は、提出者から委員会審査省略申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 前尾繁三郎

  11. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 日程第一、大蔵委員長上村千一郎解任決議案を議題といたします。  提出者趣旨弁明を許します。山田耻目君。     —————————————  大蔵委員長上村千.一郎解任決議案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔山田恥目君登壇〕
  12. 山田耻目

    山田耻目君 私は、日本社会党日本共産党革新共同、公明党、民社党を代表いたしまして、大蔵委員長上村千一郎君の解任決議案趣旨弁明をいたします。     大蔵委員長上村千一郎解任決議案   本院は、大蔵委員長上村千一郎君を解任す  る。   右決議する。     〔拍手〕  理由を申し上げます。  大蔵委員長上村千一郎君は、中立公平であるべき委員長職責に反し、政府自民党の意のままに従い、酒税法の一部改正案及び製造たばこ定価法の一部改正案審議を、全野党の主張する国会正常化のための条件を何ら考慮せず、自民党単独審議採決を強行いたしたのであります。  そのとき、まさに大蔵委員会野党理事の申し入れなどによりまして、議長によって各党国対委員長会議が開かれており、その結論を得るまでは委員会審議中止せよという議長指示がなされたにもかかわらず、これを拒否して、強行採決まで行わしめたのであります。このようなことは議会史上にその例を見ない暴挙と言わざるを得ません。当然、採決は無効であります。しかも、国会運営最高責任者である議長権威を軽んじ、国会の威信を傷つけ、議会制民主主義根本から踏みにじった不信、不法の行為は断じて許すことができません。(拍手)  委員会運営秩序正しく、円滑に行うためには、中立公正であらねばなりません。委員長上村千一郎君自身が率先してこの暴挙に加担をし、積極的に推進工作をしてきたことは明らかであります。委員長職責をみずから放棄した自殺的行為であると言わざるを得ません。したがって、本臨時国会提出される重要法案の大半を審議する大蔵委員会委員長として、その職責を遂行するには不適当であると判断せざるを得ません。これが上村千一郎君を解任する理由の第一でございます。(拍手)  第二の理由は、強行採決に至るその間、与野党間の折衝の非民主性暴挙についてでありますけれども、九月二十六日に本法案大蔵委員会強行付託をされて以来、九月三十日委員会開会が公報に掲載されるまでの四日間、与野党間では一回の連絡意思表示もございませんでした。一度の理事間の窓口折衝もなかったのであります。  大蔵委員会は、古きよき伝統を持っておりまして、それを習慣として長く守っております。その内容は、多数決の横暴を戒めるために、単独審議単独採決は絶対に行わない。慎重に鋭意審議を積み重ねて、終局すれば賛否を問う、議会制民主主義基本を守ってきたのであります。  このよき習慣は、いつのころから大蔵委員会に定着したのでございましょうか。それは第一回委員会からでございます。  本院に大蔵常任委員会が設置されたのは昭和二十三年十一月九日、第一回大蔵委員会からでございます。第三回国会であり、第二次吉田内閣の当時でございました。第一回の大蔵委員会委員長は、現在本院にいらっしゃいます自民党島村一郎代議士でございます。理事は三名でした。わが社会党島田晋作代議士民主自由党の大上司代議士、民主党の梅林時雄代議士の三名でございました。いまこの議場で姿を見かけることはできません。島村先生ただ一人でございます。この先輩方々は、大蔵委員会の持つ歳入委員会性格重要性をよく認識されまして、委員会運営基本を申し合わされたものと思います。  明治憲法から民主憲法に移行してわずか二カ年、議会制民主主義をはぐくむためには、少数意見を尊重し、多数の横暴を抑えられたのであります。後世の戒めとして単独審議単独採決は絶対にしないということを申し合わされたと言われております。その申し合わせば、文書では残されておりませんけれども、今日まで、三回国会から七十六国会に至る二十七年間、委員長理事交代は数十名にも及んでいるでありましょうが、交代のたびに申し合わせを確認し、継承されてきたのであります。  上村千一郎君が大蔵委員長に就任いたしました昨年の十二月十四日、理事会でもこの申し合わせを確認し、よき慣行を守ることを委員長自身誓ったのであります。  上村千一郎君は、もともと法律実務家である弁護士でございます。判例とか先例がいかに重要であるかはよく承知しているはずでありますのに、十月一日、自民党単独審議単独採決へと委員会運営は一方的に凶暴化し、エスカレートしていったのでございます。  人間の社会は、人間同士の約束や取り決めを守ってこそ、秩序や平和が維持されるのであります。国会で二十七年間の長きにわたって継承されてきたこのよき慣行が、われわれの目の前で弊履のごとく捨てられ、どろ足で踏みにじられる結果を見まして、許すことのできない怒りを私たちは覚えたのであります。(拍手)皆さんもよくそのことは御理解いただけると思います。  私たち野党四党の理事は、このような事態に立ち至ることを憂慮いたしまして、十月一日の十時半、野党四党の理事はそろって議長室前尾議長を訪ねまして、事態収拾についての善処方を申し入れしました。議長、副議長相談の結果、一、全党国会対策委員長に参集を求めて、事態の解決のため協議に入る。二、大蔵委員長に対しては、直ちに審議中止を求める。以上二点の結論を十三時から十四時の間にまとめて、各党国対及び私のところにも連絡報告すると決まったのでございます。  私たち野党四党の理事全員は、直ちに十六委員室に参りまして、大蔵委員長に対し、議長、副議長との会談の結果を報告し、委員会中止を求めたのであります。  ところが、委員会秩序を保持し、円滑な運営を図る職責を持つ上村委員長は、まことに恥ずかしい不見識な見解を述べられるのであります。自民党理事のみで成立した理事会で、満場一致開会が決まったので、中止するわけにはいかない、自民党宇野国対委員長から中止せよという連絡はあったが、理事諸君に相談した結果、聞きおく程度でよろしい、予定どおり審議を続行すると決まったので、中止はできないと言うのであります。  上村千一郎君は、議長より指名を受け、大蔵委員長に就任したのであります。議長指示を受け、委員会秩序を保持し、円滑に運営する職務権限は、衆議院規則第六十六条、国会法第四十八条に明記してあるにかかわらず、それに従わず、政府自民党のあらかじめ計画した値上げ法案強行のスケジュールに率先して参加し、行動の首謀的役割りを果たしたのであります。  大蔵委員会の混迷と混乱は、その及ぼすところ、影響はきわめて大きいのであります。歳入委員会の特質から、国民各層ふところぐあいに直ちに結びつく委員会であるだけに、その運営方法いかんは、即国民政治不信を強めたり、国会の機能や権威を失墜させる結果を直ちに生み出すのであります。だからこそ、大蔵委員会先輩方々は、こうした事態に立ち至ることを避けるために、その都度申し合わせを確認し、委員会運営基礎を育ててきたのであります。  上村さん、今回のこの問題は、あなた一人を責めておるのではありません。それで片づく性格のものでもありません。あなたが委員会理事室から立ち去られるときに、済まなさそうに私に対して、私は自民党員ですとつぶやきながら退席をなさいました。自民党に殉死する委員長の姿に、やりきれない気持ちを私は持ったのです。  私は、今回の暴挙は、自民党という党の体質から生じたものと判断をします。今後の委員会運営を、一体これからどうして大蔵委員会運営を育てていくのか。その運営基礎自民党は明示をしなければなりません。そうして、各党の了解を得ない限り、円滑な運営はできないことを承知しなければなりません。  ここまで述べてまいりますと、単独採決に至るその過程、委員長の心境も明白になってきたと存じます。  中立であるべき委員長の人格も、第一回委員会以来、二十七年にわたって継承されてきた先盗の残したよき慣行も、国会運営最高責任者としての議長権威も、すべて踏みにじり、ただひたすらに政府自民党に一分の狂いもなく恭順するととのみを考えて行動した上村委員長態度は、おのれの地位を保持することにきゅうきゅうとしたためではなかったでしょうか。  いかにそのことが最近の政府自民党に強まっておる風潮であるとはいえ、おのれの地位の安泰を願うがゆえに、自己の政治信条議会のルールをおくめんもなくひん曲げていく変節の行為は、政治家として、私は本当に恥ずかしいと思います。(拍手)  私は、委員長上村千一郎君に正直に問いたい。  あなたは、強行された後の混乱と結果の重大さについて、いま深く反省なさっていると思います。そして、これからの、特例法など重要法案がまだ手つかずの大蔵委員会運営をどうしようかと苦慮なさっているものと思います。民主主義を守り、国民の信をつなぎとめるためには、節度を守らなければなりません。折り目、切れ目をきちんとしけなればならないのです。それを行うためには、いま多くの言葉を要しません。本決議案審議を待たずに、直ちにあなたの意思で辞任をしていただきたいことをお願いをいたします。(拍手)こうした反省の上に立ったあなたの態度こそが、危殆に瀕した大蔵委員会を切り抜けていく民主的なきわめて有効な一方法であることを、私はあなたに示唆いたします。  大蔵委員会が誇り得るよき慣習に立ち返るためには、必要な条件整備を積極的にあなたは図らなければならないと思います。それは、委員長であったあなたの最大の責務であることを深く認識されまして、善処されるよう強く要望して、私の趣旨弁明を終わります。(拍手)     —————————————
  13. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。高沢寅男君。     〔高沢寅男君登壇〕
  14. 高沢寅男

    ○高沢寅男君 ただいま同僚山田耻目議員から提案のありました大蔵委員長上村千一郎君の解任を求める動議の提案、その提案は、去る九月の末から十月一日にかけての経過に詳細に触れながら、さらにはまた、過去二十七年の大蔵委員会運営の経過にも触れつつ、きわめて条理に満ちた提案であったのであります。この提案に対して、私は、日本社会党を代表して、この解任要求決議案について、若干の御質問をいたしたいと思います。  私は上村委員長の解任要求を検討するため、その経歴を拝見をいたしました。それによれば、上村委員長は、まずその母校である早稲田大学の商議員を務めておられます。また弁護士の資格を持ち、名古屋弁護士会の副会長も務められ、さらには愛知大学の教授も務めておられるのであります。この経歴から見ても、またあの上村氏の顔から見ても、どう見ても、この人は強行採決という暴挙にはなじまない人であります。ところが、この人があの十月一日、大蔵委員会自民党単独で開会し、自民党単独で審議をやり、そして自民党単独で採決をやるという、前代未聞の暴挙をあえて行ったのであります。一体、何が上村委員長をこのような暴挙に追いやったのでありましょうか。  御承知のとおり、十月一日には、大蔵委員会理事であるわが党の山田耻目、佐藤観樹の両議員、またその他野党理事は、こうした異常なる大蔵委員会運営を正させるために、前尾議長に要求に行ったのであります。そして、これがきっかけとなりまして、前尾議長のもとにおいて、与党、野党の国対委員長の会談も開かれ、話し合いは継続中であったのであります。その中において、あえて上村委員長は単独強行採決をやったのであります。  上村委員長をこのような問答無用の暴挙に走らせたものは、一体何でしょうか。それは自民党の党利党略ではないでしょうか。あるいはまた、衆議院において、現在辛うじて絶対多数を握っているいまのうちに強行採決をしておかないと、保革伯仲の衆議院になったならば、もはや強行採決という暴挙は、やろうとしてもできなくなるという自民党の焦りが、上村委員長をしてこうした行動に駆り立てたのではないでしょうか。この点について、提案説明者の山田耻目議員はいかがお考えでしょうか。どのような判断をお持ちでしょうか。私は、山田議員のお考えをお尋ねするものであります。  次に、私は、いままでの大蔵委員会運営がどういう姿であったか、そのことについて山田議員にお尋ねをいたします。  私が先輩議員の皆さんからお聞きしたところでは、戦後二十七年間、少なくとも、大蔵委員会においては強行採決というような不祥事が行われたことは、一度もないということであります。その経過については、ただいま山田議員より詳細な御説明がありました。これは大蔵委員会にとっては誇るに足ることであります。  そこで、私は山田議員に対してお尋ねいたします。  もし、こうした過去二十七年間の大蔵委員会運営で、強行採決などという歴史が一度もなかったとするならば、今回の十月一日の単独強行採決は、大蔵委員会の歴史にぬぐい去ることのできない大きな汚点を残したことになります。この意味において、上村委員長の責任は、まことに重大であります。山田議員は、上村委員長の責任について、どのような評価と判定をしておられるか、お尋ねをいたしたいと思うのであります。(拍手)  また、私は、酒、たばこの値上げの内容に触れつつ、上村委員長の責任について、もう一歩掘り下げてお尋ねをしたいと思うのであります。  御承知のとおり、たとえば、たばこの値上げをとってみれば、専売公社のたばこ専売事業は赤字でも何でもありません。それどころか、それは大きな大きな黒字であり、莫大な益金を生み出しております。この益金をより大きくさせ、いわゆる益金率を六〇%に近づけるための措置が今回の値上げであり、それはひとえに、大衆の負担において独占資本奉仕の財源を確保する対策であります。酒の値上げもまた、酒の価格の中に含まれる税の引き上げであり、大衆の負担において国の税収をふやす措置にほかなりません。  言うまでもなく、たばこの税も酒の税も、ともに間接税であります。この二つの間接税の引き上げは、今後の間接税増税政策への引き金となることは明らかであります。それは、行き着くところは、付加価値税という重大なる悪税の創設につながるおそれさえあるのであります。私の知る限りにおいても、多くの勤労庶民から、また、多くの中小商工業者の人たちから、この点についての、実に切実な憂慮の声を聞いております。  毎日の生活をまじめに働き、そして、つつましく生きている庶民にとっては、仕事の合間の休憩時間の一服のたばこが、また、夕べの一杯の晩酌がどんなに大切な楽しみであるか、はかり知れないものがあります。その楽しみを奪うものが今回の値上げであります。  しかもまた、たばこや酒の税が、いわゆる逆累進の性格を持ち、低所得者へ負担を一方的に重からしめ、社会的不公正を拡大させることも、天下周知のところであります。  上村委員長もまた、このことを知らないはずはないのであります。それにもかかわらず、上村委員長があの単独採決を強行したことは、まさに、反国民的としか表現の言葉はありません。このような人物が大蔵委員長の席にとどまることは、一日といえども許されないと私は考えます。  この重大なる責任について、提案者山田耻目議員の総括的なお考えをお尋ねをいたしまして、私の質問を終わる次第であります。(拍手)     〔山田耻目君登壇〕
  15. 山田耻目

    山田耻目君 高沢君にお答えをいたします。  こうした暴挙がなぜ行われたのか、一体その背景は何なのか。  第一の問題でございますが、私は、九月九日に閣議で決めました、との七十六国会に出す法律案件は十一、条約関係四つと伺っておりましたが、この臨時国会性格というのは、国民ひとしく期待していたのは、こういう値上げ法案ではなかったんです。不況を克服するために、反インフレ、雇用の安定をどう立ててくれるのかと、一億国民は、心の中からこの国会を祈るような気持ちで注視をしてきたと思うんです。そういうところに出されてきたこの値上げ法案というのは、私は、ある意味では、日本の国会の恥辱だとも思っているんです。  このような値上げ法案が出されたということは、私は、自民党内部の一つの問題に根差している。さっきも趣旨弁明で申しておきましたが、今回のこの暴挙は、上村千一郎個人のものではない。これは自民党の体質から出てきておるものだ。国民が困るものを片づけてやるのが政治なんです。それを片づけることを後回しにして、最もいやがるものを出してきた。この逆立ちした国会運営のあり方に対して、国民の多くの不満があるし、私たち野党四党は、とれに対して厳しく反省を求めながら闘いを進めてきたんです。  こういうふうに見ていきますと、私は、今回の値上げ法案というのは、明らかに自民党国民収奪をより一層深めるための謀略体制としてとられたものである、それだけに許せないんだという気持ちなんです。だから、その先頭に立って、本来ならば、委員会運営を公正に秩序正しく運営すべき上村委員長が、この先頭に立って、率先してこれを遂行していったということは、委員長の自殺行為であるし、完全に資格喪失を露呈したものである、そういうふうに理解をしなくちゃいけないと思うんです。(拍手)だから、上村委員長は、当然責任をとってやめてほしい、こういうことが、第一の質問の中の結論と理解をしておるのだが、ひとつ御理解をいただけるものかと思います。  ただ、その中に、まあ参議院にならって、近い将来この衆議院も保革伯仲する、その段階になりますと、こういう暴挙はできない、できないから、いまのうちにやっておきなさいという判断があったのではないだろうか。このことについては、私はそうでないことを願いますけれども、国民の皆さんの目には、そのように映っておることも間違いないと思っております。(拍手)  二つ目の問題といたしましては、こうしたよき慣行ができ上がっていた大蔵委員会運営が、突如としてこういう強行採決によって壊されていったわけです。私は、この大蔵委員会のよき慣例が壊された——その生い立ちというものは申し上げましたが、これをやった行為は、明らかに事実でございます。しかも、私たち大蔵委員会は(発言する者あり)ずいぶんやじを飛ばしておりますけれども、おまえたちは何をやったかと言うのですけれども、少なくとも、大蔵委員会ぐらい、夜十時から十一時にかけて日切れ法案審議した委員会がございますか。私たち野党は、こうした約束に従って、よき慣例に従って、一度もそういうことについては審議拒否もせずに、まじめに今日までやってきておるのです。こういう一つのよき慣例を壊したくないという立場は、野党としても協力をしてきたつもりです。  そうして今回も、この審議拒否を言っておられましたけれども、委員会を開会する、出席をしてくださいと言ってきたのは、十月一日の十時、社会党国会対策委員会の部屋に私たち野党四党の理事が集まっておりましたところにお見えになったのです。そのときに(「本当か」と呼ぶ者あり)間違いない。そのときに私たちは、十時半から衆議院議長前尾さんにお会いすることを前の日の夕方約束をしておるので、この会談が終わったら、結果を持って報告に行きますから、委員会を単独で開会することはおやめくださいませんかと言ったら、承知したと言ってお帰りになったのです。私たち野党として、条理を尽くしてこの問題の取り扱いにはきておりますよ。そういう過程の中で壊されていったこの態度というものは、私は委員長の責任はきわめて大きいと思っているのです。  どのような形で責任をとるのかということについては、私はさっきも申し上げましたように、一つは、われわれは大蔵委員会の委員ですから、どういう形で大蔵委員会を正常化することができるのか、そのために折り目、切り目をきちんとつけてほしい、やったことに対しては責任を負ってほしい。その責任とは何かと言えば、大蔵委員長をやめていただく、こういうことになることは、議会の民主的ルールからいって、私は当然なことだと思います。そういうことで責任をとっていただいた後、大蔵委員会運営等については、方針を明らかにしていただいて、野党各党も了解をして大蔵委員会というものは始まっていくのですから、その責任体制を明確にしていただくということは、きわめて大切なことだと思っております。  三番目の問題でございますが、酒、たばこの値上げ法案の中身については、おっしゃいますように、これが大衆収奪のものである、間接税的なものである、これが、結果的には、将来の付加価値税の導入に結びついていくのではないか、こうした点を問われております。  間接税の引き上げにつきましては、今日までしばしば政府がわれわれに答弁をしてきたのは、諸外国と比べて日本は直接税、間接税の比率が七対三である、これは間接税の比率が三ということは余りにも低い、何とかして間接税を引き上げて、少なくとも欧米諸国に匹敵するような五対五の程度まで持っていきたいということは、いつも大蔵省財務当局は持っているのです。  二つ目に、付加価値税の問題につきましても、何とかして日本は付加価値税の導入をしたいという気持ちは、今日まで腹に持っていたことは間違いございません。税制調査会に諮問はいたしておりませんけれども、折あらばそういう段階を迎えたい、こういうふうに財務当局は思っているでしょう。  今回、そういう一つの段階に近づくために、やはり大衆課税的な性格を持つ酒、たばこに深く広く手を伸ばしてきた。しかも、その金額は二千五百億がたばこ、千七十億が酒。しかもそれは、七十五国会で廃案になりまして、今回の臨時国会の補正の中にも、千四百二十五億程度しか書かれておりません。そうして、これは十一月から行う予定のものだったと聞き及んでおりますだけに、これからどうなってまいりますか、見当つきませんけれども、恐らく一千百億程度のものになるでしょう。こういう、いまの歳入欠陥三兆七、八千億から見たら全く微々たるもの、なぜこれを前面に持ち出してきたのかというところに、私は一つの深い魂胆があると思うのですよ。  しかも、これを出したということは、今日では、これから次に起こる公共料金主導型の値上げ——すぐ出てくるでしょう、国鉄の運賃を八〇%引き上げる、あるいは今度は電信電話の引き上げ、そうして私鉄、バスの引き上げ、そうして地方自治体にはいろいろと多くの、水道料金から、あるいは保険税の問題から、この引き上げを一つの突破口として値上げを待っておるのじゃないですか。こういうことで公共料金主導型の突破口にこれを使う、これが本来のねらいではなかったのですか。  こういうように考えていきますと、間接税の枠の拡大、あるいは付加価値税の導入、それに公共料金主導型の突破口にするという陰謀が、今回のこの提案の中にはあった、こういうふうに見るのが、私は常識ではないかと思うわけです。(拍手)  少なくとも、税体系は大企業中心の優遇税体系であることも間違いございません。高沢さんが後段に述べられましたように、庶民が激しい働きの憩いのひとときに吸う一服、夕べに飲む疲れ直しの一杯の晩酌も、このようにして、政治の権力の発動される中で奪われていく、こういう一つの状態を私たちは見逃すわけにはいかない。こういう気持ちから、この問題については、われわれは全力を尽くして、責任をとってもらいながら、廃案にしていきたい、こういう立場で措置してきたことを、ひとつ質問者、御了解いただけますか。まだ足らなければ、補足質問をしていただきたいと思います。(拍手
  16. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 増木一彦君。     〔増本一彦君登壇〕
  17. 増本一彦

    ○増本一彦君 私は、日本共産党革新共同を代表して、ただいま提案されました大蔵委員長上村千一郎解任決議案について、提案者に質問をいたします。  第一にお尋ねしたい点は、政府自民党が酒、たばこ、郵便料金の値上げをファッショ的暴挙によって単独強行採決をした政治的な意図は、一体どこにあるのかという点であります。  酒、たばこの値上げ法案は、酒税を平均二〇%、たばこの値段を約五〇%も引き上げることを内容としたものであって、インフレと不況のもとで苦しい生活を余儀なくされている国民の生活にとって、きわめて深刻な打撃と影響を与えるものであり、その審議は慎重の上にも慎重を期し、国民のさまざまな疑惑にこたえていかなければならないものであります。(拍手)  政府の説明によりましても、昭和四十八年度の総原価は、ハイライト二十七円五十二銭、チェリー二十八円二銭、セブンスターが二十八円五十七銭であり、酒では一兆円の税収を上げて、たばこでは七千三百億円の経常利益を上げているのであります。政府は、いままで公共料金を引き上げる際には赤字を口実にしてきましたが、酒もたばこも赤字ではなくて、完全に黒字であることは明らかであります。それにもかかわらず政府自民党が値上げを強行しようとしたのは、一体何か。  一つには、一日も早く酒とたばこの値上げを行って、新価格体系の名のもとに、国鉄料金や国鉄運賃、電報電話料金や私鉄の運賃の値上げ、電力料金等の公共料金を初め、さらには鉄鋼などの大企業製品の価格をも相次いで値上げをして、大企業の利潤を一段と確保するためにではないでしょうか。  そして、二つ目には、新幹線、本州四国の架橋、高速道路の建設等、大企業だけが請け負うことができる大型プロジェクトを内容とする大企業本位の不況対策の財源を確保しようとするところにあるのではないでしょうか。そして、上村千一郎君が政府自民党のこの反国民的で、大企業本位の値上げの先頭に立った責任は、きわめて重大であり、公正であるべき委員長としての適格を全く欠くものであると考えますが、どうでしょうか。答弁を明確に求めたいと思います。(拍手)  二つ目にお尋ねをしたい点は、今日まで国会法を無視して公聴会も一回も開かず、また、私どものたび重なる要求をも無視して、たばこの原価すら国会に明らかにしなかったことから、依然として、酒とたばこの値上げをする理由も根拠も、国民の前には明らかになっていないという点であります。  前国会以来、上村千一郎君は、国会法五十一条二項で、総予算及び重要な歳入法案については公聴会を開くことが義務づけられているにもかかわらず、これを全く無視して、わが党を初め野党の要求に先頭に立って拒否をしてきたのであります。  上村千一郎君は、国会法の明文の定めすらじゅうりんをして恥じないのであって、消費者国民の値上げ反対の真実の声を恐れていることが明らかであります。ここにも政府自民党国民を押さえつけて、大企業に奉仕する姿勢が明らかであるとともに、上村千一郎君が公聴会を開かず、国民の声を踏みにじってきた責任は、まことに重大であると考えるがどうか、お答えをお願いいたします。  また、上村君は、わが党が審議の中で要求をしてきたたばこの原価に関する資料の提出についても、それを拒否する政府と専売公社の不当な態度を弁護して、原価の公開というきわめて当然な国民の要求を踏みにじってきているのであります。専売公社が原価記載部分を破りて提出してきた監査報告書の原価記載部分の公表や提出にも、政府と公社の不当な態度を容認してまいりました。値上げを審議する以上、原価、費用、利益について正確な資料が必要であることは当然であります。この点でも、国会での十分な審議を妨げてきた上村千一郎君の、委員長としての責任はきわめて重大であると考えるがどうか、明確な答弁をお願いいたします。  第三にお尋ねしたい点は、上村千一郎君は、みずから率先して守らなくてはならない大蔵委員会の長い間培われてきた慣行理事会申し合わせを踏みにじったという点についてであります。  大蔵委員会は、国の財政、税制、金融など、国政の重要な案件審議する委員会であるところがら、委員会運営に当たっては、第一に、法案の取り扱いは、必ず事前に各党理事の間で協議をすること、第二に、いやしくも絶対に強行採決単独採決はしないこと等を慣例として、また理事会でもその都度それを申し合わせてきたのであります。ところが、上村委員長はこれらの慣行理事会申し合わせを踏みにじり、公報にのみ一方的な掲載をして、理事会委員会を強行したのであります。しかも、野党理事等が議長事態解決の申し入れまでして、各党国対委員長の協議がなされている、まさにそのときにファッショ的暴挙を行ったのであって、この点は、上村委員長の責任のきわめて重大なことは言うまでもありませんが、このファッショ的な暴挙国民に与える影響の重大さについて、山田議員はどのようにお考えか、お尋ねをしておきたいと思います。(拍手)  第四にお尋ねしたい点は、酒、たばこの値上げをしなくても、大企業、大金持ちから正当に税金を取れば、必要な財源を十分に確保できるのに’いたずらに強行採決を進めた点についてであります。  国民がこの不況下に苦難をなめているときに、大企業には、決算が欠損になると、前年度に支払った税金を返還する戻し税の制度があり、年間数千億円の税収が大企業に逆に流出をしているのであります。  金融機関の貸し倒れ引当金の積み立て残高は一兆三千億円にも上っており、現行繰り入れ率を二分の一に引き下げただけでも、貸し倒れ実績のまだ五十倍の余裕があり、二千六百億円の新規税収を確保できることは、これまでの大蔵委員会の中でも、政府の認めるところでありました。  したがって、今日の国民生活の深刻な現状を見るならば、国民に対して大幅な値上げによる負担を押しつけるのではなくて、大企業に対する課税の強化によってその財源を確保するのが当然であります。しかるに、国民の反対する酒、たばこの値上げを強行採決した上村千一郎君の政治責任はきわめて重大であると考えるがどうか、明確な御答弁を求めます。  私は、上村千一郎君が大蔵委員長としては、以上に述べてきたとおりきわめて不適格であって、解任が当然であると考えます。この点を強く主張して、質問を終わらせていただきます。(拍手)     〔山田耻目君登壇〕
  18. 山田耻目

    山田耻目君 増本君の御質問に答えます。  最初に御質問のございました政治的意図でございます。  これは社会党の高沢議員に申し上げたことで、ほぼ御理解いただけるのではないかと思います。いずれにいたしましても、国民から収奪をするその一つのねらいが、今回の値上げ三法案基礎にあった、特に、酒、たばこは少しも赤字じゃないじゃないか、こういうことについては、おっしゃるとおりです。委員会でもそのことは明らかにされまして、政府も、昭和四十三年の値上げが、収益率が六〇%で、それが五三%に下がったのだ、それを六〇%に戻すために今回の値上げをするのだというのが、政府の側の答弁でした。一体一酒やたばこの収益率は六〇%でなければいけないのか、こういう問いに対しては答えがない。五三%でもいいじゃないか、まだそれでももうけているんだ、こういう立場が議論をされてまいったのでございます。私は、増本さんの質問に対しては、あなたの意見のとおり、もっともだと考えております。  そうして、大企業本位の問題についていろいろ述べられておりました。特にその中で、銀行の貸し倒れ引当金の問題が出ておりましたので、いわゆる大衆収奪をしなくとも財政確保という方途はないのか。これは当然われわれとしましても、歳入委員会でありますから、責任を持ってその中身は解明していかなくちゃなりません。ところが、こうした大企業、大資本奉仕の優遇税制政策をとっておりますから、ここには非常に手がやわらかです。物を言わない国民に対しては、厳しく収奪していく、これは本来、日本の政治の特徴ではないか。  明治以前の徳川末期には、農民というものは、窓のある家に住んでおればぜいたくだ、窓一つについて税金幾らという窓税の歴史があります。農民のたんぼを耕すくわに税金をかけなくちゃならぬということで、農民がくわの柄をはずして、くわを納屋の天井につっておると、くわの柄を探し出して、くわの柄一本に税金をかけたという、くわの柄税の歴史があります。そうして、最近になりましても、苦労なさる勤労国民の中で、荷馬車を引いて歩く人に対する荷馬車税という歴史があります。  働く勤労国民に対しては、苛酷な税体系をもって収奪に入る。こういうことが、今日、いま申し述べられましたように、御質問ありましたように、五三%も収益を上げているのに、まだそれでは足りない、もっとよけい取る、こういうやり方は、片一方では、大企業優遇の政策でこれを抱きかかえ、働く勤労国民に対しては苛酷な税制を押しつける、この一つの典型だとも思っているのです。  私は、大企業優遇税制の話をしましたので、いま話の出ました銀行の貸し倒れ引当金、この問題について、ちょっと中身を説明しましょう。  貸し倒れ引当金は、御存じのように、銀行の収益の千分の十を損金算入に入れていきます。貸し倒れ引当金というのは、金融機関の中で一兆三千億とおっしゃいましたが、正確に言えば、四十九年の三月末決算で一兆三千百二十九億です。これが金融機関だけの引当金残高でございます。これが世間にさくさくとした悪評を持っているのです。いわゆる銀行の利益隠しである。しかも、その一兆三千百二十九億という金は、銀行資本の資本金の二八・九%を占めているんですよ、この引当金残高が。欧米諸国では、こうした貸し倒れ引当金というものは実績主義です。実績主義で引当金として引いて、損金算入しておるのですが、日本の実績は幾らと思われますか。千分の〇・二ですよ。引いてやっておるのは千分の十です。実際に貸し倒れになった実行率から見たら、五十倍の金を積み立てさせていくのです。それが一兆三千百二十九億という巨額な金になっておるのです。これを八月二十日に大蔵財政当局は、何とかしてこの引当金を、国民に不評さくさくだから、これは少し減らそうじゃないかという協議が大蔵省でされております。そのときの方向は、千分の十を半分の五に落とす、それで約三千億税収がふえます。そうして、八月二十六日の閣議でこれを決めて、九月一日から実施をする方向までも定めていたのですけれども、どこからどう漏れたか、それが銀行協会に入りたのです。そこで銀行協会は、百億貸しておる金を戻せと、こういう動きが出ているんですよ。そこで、もしもそれをやらなかったならば、いままで凍結をしておった政治献金を直ちに復活する、そういうことで、九月から政治献金が四億五千万復活したでしょうが。  貸し倒れ引当金というものは、まさにこういう性格なものであって、利益隠しに使われてきた。この点は明々白々の事実なんですよ。いま不況の時代に、この銀行というものは、好況であれ不況であれ、太り続けていっているのです。これは一般の大企業、大資本と比較にならない成長を遂げておるのです。いずれの場合でも保護してやっている。一体、これが酒、たばこの値上げと比較して論ぜられるほど同じウェートですか。  もっと、自民党というものは、こういう法案提出なさるのなら、不公平是正をする、こういう立場を一つ一つ詰めていって、それでいて、なおかつ税収が足らなければ、どうしたらいいだろうかと、初めて国民に相談をなさるという立場をおとりになると、三木総理はお約束なさったはずなんです。(拍手)不公平税制をなくするということは、そういうことに通じなければ、口だけの政治に終わってしまうのです。いまの国民は、こういう状態を改めてほしい、こういう願いが、いまの増本さんの質問の中には根強く生きてきているのです。  私は、そういう立場から、大企業本位のいまの状態というものを、どのように思うかと言えば、あなたのおっしゃるとおり、そのように承知をしておりますので、こういう法案をどんどん進めてきた大蔵委員長上村さんの責任は、やはり私は重大な職務遂行の上に罪を犯された、誤りを犯された、こういう気持ちがいたしますので、やはり責任をとって、やめていただきたいということが申し上げられるわけであります。  二番目の、公聴会を開かなかった、それからたばこの原価の公表をしなかった、これは事実です。私たちも公聴会を要求をいたしまして、四月の初めからずっとお願いをしてきました。しかし、結果的には、公聴会を開くという結論に至らずに押し切られてしまったのです。  原価の公表に対しましては、専売監査報告書というのを専売公社が出しております。この監査報告書を共産党が資料要求を求められましたら、この監査報告書の原価公表の部分が破られて届けられたわけです。こういうことは、いやしくも国権の最高の機関である国会の資料要求に対してとるべき態度ではない。(拍手)私たちは国有鉄道の監査報告書もとります。電電公社の監査報告書もとります。この国有鉄道と電電公社監査報告書には一度もそうしたことをされた例はございません。そこで、四月の下旬に、この問題を片づけるために……
  19. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 山田君、時間ですから、結論を急いでください。
  20. 山田耻目

    山田耻目君(続) 急遽大蔵委員会を開き、理事会を招集をして、この問題の処理に当たりました。初めてその席に、秘密会ということで、原価を記録した監査報告書が届けられました。ただ、その監査報告書が届けられますその手続推進は、委員長上村千一郎さんも御苦労なさったことは承知をいたしております。しかし、そういう一つの趨勢を育て上げてきた上村委員長としては、やはりここに一つの責任を感じられての措置だったと思うのです。国会法に定めるとうした公聴会の問題等は、これからも国会法に定めた例規に基づく幾つかの会議がございますので、厳重に大蔵委員会は定めに従って励行していくようにしなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。大蔵委員会理事会は……
  21. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 山田君、時間ですから、結論を急いでください。(発言する者多し)
  22. 山田耻目

    山田耻目君(続) まだ質問が残っておりますから、早く終わりたいと思いますので、お静かに願います。  九月三十日に大蔵委員会を開くという公報が出ました。そこで、九月三十日の大蔵委員会は、事実上開会できませんでした。私たちは、こういう状態を起こしたのでは、長年の慣行が壊れるという立場から、三十日の午後三時に、前尾衆議院議長に対して、直ちに三十日の夜、五時でも結構だから会っていただいて、そして事態解決へ努力をしていただきたいことをお願いしました。ところが、九月三十日は、椎名副総裁の……
  23. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 山田君、制限時間ですから、発言を終わってください。
  24. 山田耻目

    山田耻目君(続) 椎名副総裁の金婚式と喜寿のお祝いがありますので、それで、その会合に行かなければならないから、三十日の夕方の会合には出られないから、十月一日の十時半から、野党理事と打合会をやりたい、こういうことを前尾議長さんの方から御返事がございまして、十月一日の十時半から議長室でお会いをいたしたのです。  それは、私が内容で趣旨弁明をいたしておりますように、二点に分かれております。第一点は、国対委員長会議を開いて決めたい。第二番目は、大蔵委員長に対して審議をとめたい。この二点であります。私たちは、この方向を九月三十日に決めたのでございます。  そういうことで、私たちはその措置が不当にして……
  25. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 山田君、発言中止を命じます。     〔山田耻目君発言を継続、降壇〕     —————————————   質疑終局動議
  26. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 宇野宗佑君外二十四名から、質疑終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本動議に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  27. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  28. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  29. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  30. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百九十三   可とする者(白票)      二百二十三   否とする者(青票)        百七十
  31. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、質疑は終局することに決しました。     —————————————  宇野宗佑君外二十四名提出質問終局の動議を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    有田 喜一君       井出一太郎君    伊藤宗一郎君       伊能繁次郎君    石井  一君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    今井  勇君       宇田 國榮君    宇都宮徳馬君       宇野 宗佑君    上田 茂行君       上村千一郎君    植木庚子郎君       臼井 莊一君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       江藤 隆美君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大竹 太郎君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大平 正芳君    大村 襄治君       奥田 敬和君    奥野 誠亮君       加藤 紘一君    加藤太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       海部 俊樹君    笠岡  喬君       梶山 静六君    粕谷  茂君       片岡 清一君    金丸  信君       金子 一平君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    鴨田 宗一君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       瓦   力君    木野 晴夫君       木部 佳昭君    木村武千代君       北澤 直吉君    吉川 久衛君       久野 忠治君    久保田円次君       熊谷 義雄君    倉石 忠雄君       倉成  正君    栗原 祐幸君       小泉純一郎君    小坂善太郎君       小坂徳三郎君    小島 徹三君       小平 久雄君    小林 正巳君       小宮山重四郎君    小山 長規君       小山 省二君    河野 洋平君       河本 敏夫君    國場 幸昌君       近藤 鉄雄君    左藤  恵君       佐々木秀世君    佐々木義武君       佐藤 孝行君    佐藤 文生君       佐藤 守良君    斉藤滋与史君       齋藤 邦吉君    坂村 吉正君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       笹山茂太郎君    志賀  節君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       塩谷 一夫君    澁谷 直藏君       島田 安夫君    島村 一郎君       正示啓次郎君    菅波  茂君       鈴木 善幸君    住  栄作君       瀬戸山三男君    園田  直君       染谷  誠君    田川 誠一君       田澤 吉郎君    田中  覚君       田中 龍夫君    田中 正巳君       高鳥  修君    高橋 千寿君       竹内 黎一君    竹下  登君       竹中 修一君    谷垣 專一君       谷川 和穗君    地崎宇三郎君       中馬 辰猪君    戸井田三郎君       渡海元三郎君    登坂重次郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       中尾 栄一君    中尾  宏君       中川 一郎君    中曽根康弘君       中村 弘海君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    丹羽喬四郎君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西村 直己君       西銘 順治君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生田 進君    葉梨 信行君       橋本登美三郎君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       旗野 進一君    八田 貞義君       服部 安司君    浜田 幸一君       濱野 清吾君    早川  崇君       林  大幹君    林  義郎君       原田  憲君    廣瀬 正雄君       深谷 隆司君    福田 篤泰君       福田  一君    福永 一臣君       福永 健司君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    藤波 孝生君       藤本 孝雄君    船田  中君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田治一郎君    前田 正男君       増岡 博之君    松永  光君       松野 幸泰君    松野 頼三君       松本 十郎君    三池  信君       三木 武夫君    三ツ林弥太郎君       三原 朝雄君    三塚  博君       箕輪  登君    水田三喜男君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       村岡 兼造君    村上  勇君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎  拓君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    吉永 治市君       綿貫 民輔君    渡部 恒三君       渡辺 栄一君    渡辺 紘三君       渡辺美智雄君  否とする議員氏名       安宅 常彦君    阿部 昭吾君       阿部 助哉君    阿部未喜男君       井岡 大治君    井上 普方君       石橋 政嗣君    板川 正吾君       稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君       上原 康助君    江田 三郎君       枝村 要作君    小川 省吾君       大出  俊君    大柴 滋夫君       太田 一夫君    岡田 哲児君       加藤 清政君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    角屋堅次郎君       金瀬 俊雄君    金子 みつ君       川崎 寛治君    川俣健二郎君       河上 民雄君    木島喜兵衞君       木原  実君    久保 三郎君       久保  等君    小林 信一君       兒玉 末男君    上坂  昇君       佐々木更三君    佐藤 観樹君       佐藤 敬治君    佐野 憲治君       佐野  進君    斉藤 正男君       坂本 恭一君    柴田 健治君       島本 虎三君    嶋崎  譲君       田口 一男君    田中 武夫君       田邊  誠君    多賀谷真稔君       高沢 寅男君    竹内  猛君       竹村 幸雄君    楯 兼次郎君       塚田 庄平君    土井たか子君       堂森 芳夫君    中澤 茂一君       中村  茂君    中村 重光君       楢崎弥之助君    野坂 浩賢君       芳賀  貢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八百板 正君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山中 吾郎君       山本 政弘君    山本弥之助君       湯山  勇君    米内山義一郎君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    吉田 法晴君       和田 貞夫君    渡辺 三郎君       青柳 盛雄君    荒木  宏君       諫山  博君    石母 田達君       梅田  勝君    浦井  洋君       金子 満広君    木下 元二君       栗田  翠君    小林 政子君       紺野与次郎君    柴田 睦夫君       庄司 幸助君    瀬崎 博義君       瀬長亀次郎君    田代 文久君       田中美智子君    多田 光雄君       津金 佑近君    津川 武一君       寺前  巖君    土橋 一吉君       中川利三郎君    中路 雅弘君       中島 武敏君    野間 友一君       林  百郎君    東中 光雄君       平田 藤吉君    不破 哲三君       正森 成二君    増本 一彦君       松本 善明君    三浦  久君       三谷 秀治君    村上  弘君       山原健二郎君    米原  昶君       浅井 美幸君    新井 彬之君       有島 重武君    石田幸四郎君       小川一郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    沖本 泰幸君       鬼木 勝利君    北側 義一君       小濱 新次君    坂井 弘一君       坂口  力君    鈴切 康雄君       瀬野栄次郎君    田中 昭二君       高橋  繁君    竹入 義勝君       林  孝矩君    広沢 直樹君       伏木 和雄君    正木 良明君       松本 忠助君    矢野 絢也君       山田 太郎君    渡部 一郎君       池田 禎治君    小沢 貞孝君       河村  勝君    小平  忠君       小宮 武喜君    竹本 孫一君       玉置 一徳君    塚本 三郎君       宮田 早苗君    渡辺 武三君     —————————————
  32. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。村山達雄君。     〔村山達雄君登壇〕
  33. 村山達雄

    村山達雄君 私は、ただいま議題となりました大蔵委員長上村千一郎解任決議案に対しまして、自由民主党を代表して、反対討論を行おうとするものであります。  本決議案提出理由は、今国会に内閣から再度提出されたいわゆる酒、たばこ歳入二法案審議する大蔵委員会において、上村委員長委員会運営ぶりが適当でなかったということにあるようであります。  しかし、私は、残念ながら、提案者とは全く見解を異にするものでありまして、上村委員長に対しては、その委員会運営について、むしろ大いなる賛辞を呈したいと思うのであります。(拍手)  およそ国会は、国民を代表して、国民の信託にこたえ、国家、国民にかかわる重大な課題について審議を尽くすべきものであります。しかるに、野党各党は、議案に反対であるという理由だけで審議を妨害し、みずから審議の権利を放棄するかのごとき態度がしばしば見受けられるのでありますが、かかることは、厳粛にして崇高であるべき国会権威を失墜させるものであり、まことに憂慮にたえないところであります。今回の酒、たばこ歳入二法案に対する野党態度ば、まさにその顕著な例であります。かかる事態にかかわらず、忍耐強く審議を尽くされようとした上村委員長態度こそは、むしろ高く評価さるべきものであると存じます。(拍手)  すなわち、上村委員長は、野党各党審議拒否というかたくなな態度にもめげず、理事会委員会等を通じ、野党各党に対し、その理事を通じて、再三再四審議への参加を根気よく要請されたのでありますが、残念ながらその出席が得られなかったので、やむなく審議の上、適法に採決を行ったのであります。  御承知のように、酒、たばこ歳入二法案は、昭和四十三年の改正以来七年間も据え置かれている酒税の税率等を改正しようとするものであります。四十三年以来の物面騰貴を考えますと、従量税率である酒税、たばこは、実は自然減税が行われていることは言うまでもございません。今度の値上げは、その一部補てんの意味しかないのであります。また、わが国の税制が累進的であるか、逆進的であるか、これは一つ一つの間接税をとって論ずべき筋合いのものでないことは当然でございます。間接税は本来逆進的なのでございます。わが国の税制は、しかし、それにもかかわらず、直接税体系をも含めて全体として考えますと、世界で最も累進的な税制に属しており、その意味で、国民の所得再配分機能は最も高い国の一つであることは、いまや世界の常識でございます。なぜならば、わが国の租税収入は世界において弾性値が最も高いのでございます。  そういう意味で、今度の酒税の引き上げは、その意味において、税負担の適正化を図ろうとするものでありまして、現下の経済、財政事情から見て、その可及的速やかな成立が必要とされていたものであります。しかも、先国会、同一内容の法案につき、各党が円満な参加のもとにおきまして、大蔵委員会において実に二十二時間余、さらに、物価問題特別委員会との連合審査において約三時間の質疑が行われ、たばこについては、附帯決議まで付した後可決されたという事情もあり、今回委員長がとられた措置は、まことにやむを得なかったものと信ずるのであります。  そもそも、委員長は、その委員会に付託された議案について、議事を整理し、審議を進めることは当然の責務であり、常識を逸した事態には、その責任において、みずからが妥当と認める措置をとることは当然であります。むしろ、委員長のたび重なる要請にもかかわらず、審議を拒否した野党態度こそ、議会制民主主義を踏みにじるものであります。  私は、ここに大蔵委員長上村千一郎君を強く信任し、解任決議案に対し絶対反対するとともに、野党各党に猛省を促して、反対の討論を終わるものであります。(拍手
  34. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 松浦利尚君。     〔松浦利尚君登壇〕
  35. 松浦利尚

    ○松浦利尚君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案のありました大蔵常任委員長上村千一郎解任決議案に賛成の立場から討論を進めます。(拍手)  上村千一郎大蔵常任委員長は、まことに気の毒だと思います。あなた自身は、大蔵委員会の伝統を守り、強行採決の誤りは犯すべきでないと思っていたに違いない。なぜなら、あなた自身は、委員会を招集はしたが、委員長席を与党筆頭理事山下元利君に譲り、強行採決の場から逃げていたからである。しかし、だからといって、あなたは責任を逃れることはできない。身は自民党にあり、心は中曾根派にあろうとも、あなたは常任委員長の立場にある。いまさら強調するまでもなく、衆議院規則第二節は委員長の権限を定めている。その第六十六条は、委員長委員会を代表することを定めているのである。委員会の構成が自民党だけでないことは、自明の理である。あなたは、私たち野党委員の代表でもあるわけだ。  にもかかわらず、値上げ三法案問題をめぐって与野党の厳しい対立を生み、審議が正常化できていない十月一日の段階で、衆議院議長による与野党国対委員長会議等による正常化への話し合いが持たれているさなかに、突然強行採決の愚を犯してしまった。自民党宇野国対委員長の命令があったとすれば、それこそ、院の構成の中心にある常任委員長の権限を与党国対委員長自身の手で弱めた行為をしたことになる。また、あなた自身の判断で一方的にやったとするならば、あなたは委員長として適格性を欠く行為をしたことになる。  あなたは当選五回、大蔵政務次官、総務副長官、そして地方行政委員会委員長の輝かしい経歴の持ち主である。しかも、知識の殿堂たる某大学の現職教授ともお聞きをしているが、あなたの心中も複雑だろうと思う。私は、院内で、上村さんも男になったものだ、これで大臣になるかもしれぬぞというばかげたうわさを耳にしたことがある。大学教授たる者が強行採決に身を置くことによって栄達の道を選んだとすれば、笑い話にもならない悲しむべき選択と言わなければなりません。  古い中国の言葉の中に、「口に蜜あり腹に剣あり」ということわざがあるが、表面、にこやかにおためごかしを言っておいて、陰に回って足を引っ張る政治の舞台裏で、あなた自身が大臣を夢見た末の愚挙だとすれば、過去のあなたの政治歴に汚点を残すまことに惜しみある行為だと言わなければならない。  しかし、あなたの愚挙が許される場合がある。それは、あなたが酒、たばこの値上げを通すことが、今国会最大の目標だと思い込んでいるときである。あなた自身が国民の要望や願望を理解できないことから起こったことなのだから、仕方がないことだと思う。  いま国民は、インフレによる生活の切り下げと、不況による倒産や雇用の悪化による危機的状態に苦しんでいる今日の事態は、抜本的制度改革、政策の転換なくしては解決できない状態に来ている。あなたには国民の悲痛な叫び声が聞えない。仕方のないことだとも思う。  また、あなたが野党審議に応じないからやったのだと言うへ理屈は、議長あっせん中である一事を見ても、シシを追う者は山を見ず、のたぐいで、問題にならない。道路に行き倒れの餓死者があっても、米倉を開いて救おうとせず、人が死んでも、わしの責任ではない、凶作のせいだと叫ぶ。人を刺し殺しておいて、わしが殺したのではない、刀のせいだとも言う。おのれに何のかかわりなしと言うのだろうか。恐ろしいことだと思う。  もし、あなたが、他に責任を転嫁することをせず、潔く委員長の職を去っていたら、必ずや多くの人々は、あなたのとこるに慕い集まってきたはずである。  私は、議運の申し合わせをほごにした議運強行採決議長の正常化への努力中の大蔵委員会強行採決、「無理が通れば道理が引っ込む」の強引なやり方に、自民党三木内閣の孤城落日の近きを思わせるが、こうした一連のやり方に議長とともに院の重要な役職にある常任委員長が力をかしたことが、議会制民主主義を破壊することを恐れるがゆえに、上村千一郎君常任委員長解任決議案に賛成するものである。  以上で私の賛成討論を終わります。(拍手
  36. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 近江巳記夫君。     〔近江巳記夫君登壇〕
  37. 近江巳記夫

    近江巳記夫君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま提案されております大蔵委員長上村千一郎君の解任決議案に対しまして、賛成の討論をするものであります。(拍手)  申すまでもなく、大蔵委員会は、わが国の財政、税制、金融問題など、経済の根幹にかかわる法案等を審議する重要な委員会であります。しかも、本年は、わが国の経済が、内外の情勢により、高度成長から低成長への移行が迫られて、将来の経済体制をいかにすべきかという観点から、従来の高度成長を支えてきた財政、金融、税制の体系を根本的に見直すとともに、その改革を強力に推進しなければならない年なのであります。  また、高度成長が引き起こしたインフレの阻止、社会的不公正の是正を図ると同時に、当面の緊急課題として、政府の経済政策の失敗が招いた戦後最大の不況から国民生活を守るため、国民生活を優先する景気対策をいかに実施するかなど、問題は山積し、ますますその重要性国民の期待が高まっているのが大蔵委員会なのであります。その委員長である上村千一郎君の責務がきわめて重大であることは当然であります。  私は、常日ごろより、大蔵委員長上村千一郎君のその識見を高く評価いたしておりました。にもかかわらず、本日ここに上村千一郎君の解任決議案に対して賛成の討論をいたすということは、全く残念なことであります。上村委員長は、議会制民主主義を数の暴力でじゅうりんする自由民主党の中にあって、数少ない良心の人であると思っておりました。  しかし、綿密に事の真相を調査いたしましたところ、上村千一郎君の行った行為についてはて全く弁護の余地がないことが明らかになってまいりました。したがって、日ごろ同君を信頼してきただけに、まことに残念な思いでいっぱいであります。恐らく上村君は、良心の苛責を感じながら、自民党横暴に屈したのでありましょう。  去る九月二十六日の議院運営委員会自民党の単独強行採決以来、わが党は自民党に猛反省を求めてまいったのであります。しかるに、自民党はわれわれの誠意を裏切って、議院運営委員会に引き続き、大蔵委員会においても単独強行採決という暴挙を行ったのであります。  御承知のとおり、今国会における大蔵委員会は、インフレと不況を克服するために諸問題を審議する最も重要な委員会として、国民の期待と注目を浴びており、したがって、そこに付託される法案については、十分かつ慎重に審議するのが、憲法並びに国会法の精神にかなうものであります。  しかも、当日は、わが党を初め野党大蔵委員会理事前尾議長に対し、議長国会正常化に対する措置の誤りから重大な混乱を生じていることを厳しく抗議するとともに、速やかに与野党国対委員長会談を開催し、議会運営を正常化すべきだ、また、上村大蔵委員長に対しては、委員会を強行せず、中止するよう指示してほしいと申し入れをしていたのであります。これに対し前尾議長も、申し入れ事項については、同日午後二時までに回答すると答えているのであります。しかしながら、上村君はその回答を待たずに、午前十一時二十六分に委員長職権で委員会を開くばかりか、午後二時三十二分には、突如質疑打ち切りの動議を取り上げ、酒、たばこの両値上げ法案強行採決を決行したのであります。  このように、少数党の発言を封じて、しゃにむに強行採決をして国会混乱に陥れた責任は、まことに重大であります。特に公共料金引き上げの問題は、国民生活に深刻な影響を及ぼすだけに、慎重に判断し、処置しなければならない重要な問題であります。国民の声を吸収し、慎重の上にも慎重を期して、国民的合意を形成することこそ、その要諦であります。わが党を初め多くの意見を黙殺した姿勢こそ、国民不在の時代逆行の姿勢であり、国家の方向を誤らせる根本原因であります。  このような多数による横暴である強行採決が、国政の最高の場である国会において、一度ならずも再三行われるごとは、国民に対する重大な裏切り行為であるとともにへもはや、自民党民主主義に対する挑戦であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  また、大蔵委員長上村千一郎君が、委員長の職権を乱用し、議会運営のルールをみずから破壊したことは、国民の名において、断固追及されなければなりません。そもそも委員長は、常に中立、公平の立場に立って、委員会を正常に進行するために全力を尽くしていく立場にあることは当然であります。にもかかわらず、自民党のみに偏り、単独強行採決の先導を努め、議会制民主主義を破壊したことは、委員長の資格をみずから放棄したものと断ぜざるを得ません。  国民はこうした国会運営を見て、果たして何を感じたでありましょうか。これまでも自民党の暴逆に国民は深い失望を抱いているのでありますが、このような事態がつのるならば、政治不信を一層駆り立てられ、やがては、わが国の議会制民主主義を崩壊させることとなることは明らかなことであります。これはひとえに、上村委員長委員会運営の独善的姿勢を立証する以外の何物でもないと私は申し上げたいのであります。委員長という職責を忘れ、いたずらに政府自民党の意を受けて党利党略にのみ心を奪われて、国民をないがしろにしたことは、みずから委員長職責を傷つけ、かつ、権威ある大蔵委員会の品位をも損ねたものであります。  したがって、上村君をこのまま大蔵委員長の席に置くことは、わが国の議会制民主主義を堅持していく上から、マイナスにこそなれ、決してプラスになることはないのであります。これが、委員長解任決議案に賛成する最大の理由であります。  また、酒、たばこの値上げ法案は、ただでさえ不公平な税制をより不公平にし、社会的不公正を拡大するばかりか、再び物価高騰の導火線となることは明らかであります。しかるに、このような悪法の本質を明確にせず、議会制民主主義を破壊する自民党の走狗となり果てた暴挙は、断じて許せないのであります。  したがって、上村委員長は、この無謀なる行為の責任をとって速やかに辞任すべきであります。さらに、上村委員長をこのような立場に追い込んだ政府自民党も、この責めを免れることは断じてできないのであります。  わが党は、民主政治の危機を救わんがために、ここに大蔵委員長上村千一郎君の反省を強く求め、委員長解任決議案に対し賛成の意を表し、私の賛成討論を終わります。(拍手)     —————————————   討論終局動議
  38. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 宇野宗佑君外二十四名から、討論終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  との採決記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  39. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  40. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  41. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  42. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百九十五   可とする者(白票)      二百二十四   否とする者(青票)       百七十一
  43. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、討論は終局するに決しました。     —————————————  宇野宗佑君外二十四名提出討論終局動議を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    有田 喜一君       井出一太郎君    伊藤宗一郎君       伊能繁次郎君    石井  一君       石田 博英君    稻葉  修君       稻村佐近四郎君    稲村 利幸君       今井  勇君    宇田 國榮君       宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君       上田 茂行君    上村千一郎君       植木庚子郎君    臼井 莊一君       内田 常雄君    内海 英男君       浦野 幸男君    江藤 隆美君       小川 平二君    小此木彦三郎君       小沢 一郎君    小澤 太郎君       小沢 辰男君    小渕 恵三君       越智 伊平君    越智 通雄君       大石 千八君    大石 武一君       大竹 太郎君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大平 正芳君    大村 襄治君       奥田 敬和君    奥野 誠亮君       加藤 紘一君    加藤太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       海部 俊樹君    笠岡  喬君       梶山 静六君    粕谷  茂君       片岡 清一君    金丸  信君       金子 一平君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    鴨田 宗一君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       瓦   力君    木野 晴夫君       木部 佳昭君    木村武千代君       北澤 直吉君    吉川 久衛君       久野 忠治君    久保田円次君       熊谷 義雄君    倉石 忠雄君       倉成  正君    栗原 祐幸君       小泉純一郎君    小坂善太郎君       小坂徳三郎君    小島 徹三君       小平 久雄君    小林 正巳君       小宮山重四郎君    小山 長規君       小山 省二君    河野 洋平君       河本 敏夫君    國場 幸昌君       近藤 鉄雄君    左藤  恵君       佐々木秀世君    佐藤 孝行君       佐藤 守良君    斉藤滋与史君       齋藤 邦吉君    坂村 吉正君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       笹山茂太郎君    志賀  節君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       塩谷 一夫君    澁谷 直藏君       島田 安夫君    島村 一郎君       正示啓次郎君    菅波  茂君       鈴木 善幸君    住  栄作君       瀬戸山三男君    園田  直君       染谷  誠君    田川 誠一君       田澤 吉郎君    田中  覚君       田中 龍夫君    田中 正巳君       高鳥  修君    高橋 千寿君       竹内 黎一君    竹中 修一君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       地崎宇三郎君    中馬 辰猪君       戸井田三郎君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾 栄一君       中尾  宏君    中川 一郎君       中曽根康弘君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    丹羽喬四郎君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西村 直己君       西銘 順治君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生田 進君    葉梨 信行君       橋口  隆君    橋本登美三郎君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  大幹君       林  義郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    深谷 隆司君       福田 赳夫君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤波 孝生君    藤本 孝雄君       船田  中君    坊  秀男君       細田 吉藏君    前田治一郎君       前田 正男君    増岡 博之君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    箕輪  登君       水田三喜男君    水野  清君       湊  徹郎君    宮崎 茂一君       宮澤 喜一君    武藤 嘉文君       村岡 兼造君    村上  勇君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎  拓君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 幸雄君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君  否とする議員氏名       安宅 常彦君    阿部 昭吾君       阿部 助哉君    阿部未喜男君       井岡 大治君    井上  泉君       井上 普方君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    稲葉 誠一君       岩垂寿喜男君    上原 康助君       江田 三郎君    枝村 要作君       小川 省吾君    大出  俊君       大柴 滋夫君    太田 一夫君       岡田 哲児君    加藤 清政君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金子 みつ君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    河上 民雄君       木島喜兵衞君    木原  実君       久保 三郎君    久保  等君       小林 信一君    兒玉 末男君       上坂  昇君    佐々木更三君       佐藤 観樹君    佐藤 敬治君       佐野 憲治君    佐野  進君       斉藤 正男君    坂本 恭一君       柴田 健治君    島本 虎三君       嶋崎  譲君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    竹村 幸雄君       楯 兼次郎君    塚田 庄平君       土井たか子君    堂森 芳夫君       中澤 茂一君    中村  茂君       中村 重光君    楢崎弥之助君       野坂 浩賢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八百板 正君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山中 吾郎君       山本 政弘君    山本弥之助君       湯山  勇君    米内山義一郎君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    吉田 法晴君       和田 貞夫君    渡辺 三郎君       青柳 盛雄君    荒木  宏君       諫山  博君    石母 田達君       梅田  勝君    浦井  洋君       金子 満広君    木下 元二君       栗田  翠君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君       田代 文久君    田中美智子君       多田 光雄君    津金 佑近君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       野間 友一君    林  百郎君       東中 光雄君    平田 藤吉君       不破 哲三君    正森 成二君       増本 一彦君    松本 善明君       三浦  久君    三谷 秀治君       村上  弘君    山原健二郎君       米原  昶君    浅井 美幸君       新井 彬之君    有島 重武君       石田幸四郎君    小川一郎君       大久保直彦君    大野  潔君       大橋 敏雄君    近江巳記夫君       沖本 泰幸君    鬼木 勝利君       北側 義一君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       竹入 義勝君    林  孝矩君       伏木 和雄君    正木 良明君       松本 忠助君    矢野 絢也君       山田 太郎君    渡部 一郎君       池田 禎治君    小沢 貞孝君       折小野良一君    河村  勝君       小平  忠君    小宮 武喜君       竹本 孫一君    玉置 一徳君       塚本 三郎君    永末 英一君       宮田 早苗君    和田 耕作君       渡辺 武三君     —————————————
  44. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 大蔵委員長上村千一郎解任決議案につき採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本決議案に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  45. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  46. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  47. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  48. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百九十二   可とする者(白票)       百六十六   否とする者(青票)      二百二十六     〔拍手
  49. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、大蔵委員長上村千一郎解任決議案は否決されました。(拍手)     —————————————  山田耻目君外八名提出大蔵委員長上村千一郎解任決議案を可とする議員氏名       安宅 常彦君    阿部 昭吾君       阿部 助哉君    阿部未喜男君       井岡 大治君    井上  泉君       井上 普方君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    稲葉 誠一君       岩垂寿喜男君    上原 康助君       江田 三郎君    枝村 要作君       小川 省吾君    大出  俊君       大柴 滋夫君    太田 一夫君       岡田 哲児君    加藤 清政君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金子 みつ君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    河上 民雄君       木島喜兵衞君    木原  実君       久保  等君    小林 信一君       兒玉 末男君    上坂  昇君       佐々木更三君    佐藤 観樹君       佐藤 敬治君    佐野 憲治君       佐野  進君    斉藤 正男君       坂本 恭一君    柴田 健治君       島本 虎三君    嶋崎  譲君       田口 一男君    田中 武夫君       田邊  誠君    多賀谷真稔君       高沢 寅男君    竹内  猛君       竹村 幸雄君    楯 兼次郎君       塚田 庄平君    土井たか子君       堂森 芳夫君    中澤 茂一君       中村  茂君    楢崎弥之助君       野坂 浩賢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八百板 正君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山中 吾郎君       山本 政弘君    山本弥之助君       湯山  勇君    米内山義一郎君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    和田 貞夫君       渡辺 三郎君    青柳 盛雄君       荒木  宏君    諫山  博君       石母 田達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       紺野与次郎君    柴田 睦夫君       庄司 幸助君    瀬崎 博義君       瀬長亀次郎君    田代 文久君       田中美智子君    多田 光雄君       津金 佑近君    津川 武一君       寺前  巖君    土橋 一吉君       中川利三郎君    中路 雅弘君       中島 武敏君    野間 友一君       林  百郎君    東中 光雄君       平田 藤吉君    不破 哲三君       正森 成二君    増本 一彦君       松本 善明君    三浦  久君       三谷 秀治君    村上  弘君       山原健二郎君    米原  昶君       浅井 美幸君    新井 彬之君       有島 重武君    石田幸四郎君       小川一郎君    大野  潔君       大橋 敏雄君    近江巳記夫君       沖本 泰幸君    鬼木 勝利君       北側 義一君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       竹入 義勝君    林  孝矩君       伏木 和雄君    正木 良明君       松本 忠助君    矢野 絢也君       山田 太郎君    渡部 一郎君       小沢 貞孝君    折小野良一君       河村  勝君    小平  忠君       小宮 武喜君    竹本 孫一君       玉置 一徳君    塚本 三郎君       永末 英一君    宮田 早苗君       和田 耕作君    渡辺 武三君  否とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    有田 喜一君       井出一太郎君    伊藤宗一郎君       伊能繁次郎君    石井  一君       石田 博英君    稻葉  修君       稻村佐近四郎君    稲村 利幸君       今井  勇君    宇田 國榮君       宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君       上田 茂行君    上村千一郎君       植木庚子郎君    臼井 莊一君       内田 常雄君    内海 英男君       浦野 幸男君    江藤 隆美君       小川 平二君    小此木彦三郎君       小沢 一郎君    小澤 太郎君       小沢 辰男君    小渕 恵三君       越智 伊平君    越智 通雄君       大石 千八君    大石 武一君       大竹 太郎君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大平 正芳君    大村 襄治君       奥田 敬和君    奥野 誠亮君       加藤 紘一君    加藤太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       海部 俊樹君    笠岡  喬君       梶山 静六君    粕谷  茂君       片岡 清一君    金丸  信君       金子 一平君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    鴨田 宗一君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       瓦   力君    木野 晴夫君       木部 佳昭君    木村武千代君       北澤 直吉君    吉川 久衛君       久野 忠治君    久保田円次君       熊谷 義雄君    倉石 忠雄君       倉成  正君    栗原 祐幸君       小泉純一郎君    小坂善太郎君       小坂徳三郎君    小島 徹三君       小平 久雄君    小林 正巳君       小宮山重四郎君    小山 長規君       小山 省二君    河野 洋平君       河本 敏夫君    國場 幸昌君       近藤 鉄雄君    左藤  恵君       佐々木秀世君    佐藤 孝行君       佐藤 守良君    斉藤滋与史君       齋藤 邦吉君    坂田 道太君       坂村 吉正君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       志賀  節君    塩川正十郎君       塩崎  潤君    塩谷 一夫君       澁谷 直藏君    島田 安夫君       島村 一郎君    正示啓次郎君       菅波  茂君    鈴木 善幸君       住  栄作君    瀬戸山三男君       園田  直君    染谷  誠君       田川 誠一君    田澤 吉郎君       田中  覚君    田中 龍夫君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       竹下  登君    竹中 修一君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       地崎宇三郎君    中馬 辰猪君       戸井田三郎君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾 栄一君       中尾  宏君    中川 一郎君       中曽根康弘君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    丹羽喬四郎君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西村 直己君       西銘 順治君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生田 進君    葉梨 信行君       橋口  隆君    橋本登美三郎君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  大幹君       林  義郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    深谷 隆司君       福田 赳夫君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤波 孝生君    藤本 孝雄君       船田  中君    坊  秀男君       細田 吉藏君    前田治一郎君       前田 正男君    増岡 博之君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    箕輪  登君       水田三喜男君    水野  清君       湊  徹郎君    宮崎 茂一君       宮澤 喜一君    武藤 嘉文君       村岡 兼造君    村上  勇君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎  拓君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 幸雄君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君      ————◇—————
  50. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 米田東吾君外八名から、郵政大臣村上勇不信任決議案提出されました。  本決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略して、議事日程に追加するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。     —————————————  郵政大臣村上勇不信任決議案米田東吾君   外八名提出
  52. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 郵政大臣村上勇不信任決議案を議題といたします。  提出者趣旨弁明を許します。米田東吾君。     —————————————  郵政大臣村上勇不信任決議案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔議長退席、副議長着席〕     〔米田東吾君登壇〕
  53. 米田東吾

    米田東吾君 私は、日本社会党日本共産党革新共同、公明党、民社党、四党を代表いたしまして、ただいま議題となりました郵政大臣村上勇不信任決議案につきまして、その提案理由の説明を行い、議員各位の御賛同を得たいと存じます。(拍手)  まず、不信任決議案理由を申し上げます。     郵政大臣村上勇不信任決議案   本院は、郵政大臣村上勇君を信任せず。   右決議する。     〔拍手〕       理 由   郵政大臣村上勇君は自民党と結託し、与党議員のみをもつて一方的に逓信委員長職権によつて開会を強行した同委員会において「郵便法の一部を改正する法律案」の提案理由説明ならびに答弁を行い、混乱と怒号の中で採決にもちこんだ。   かかる暴挙は、郵政大臣としてあるまじき行為であり、議会制民主主義をじゅうりんするものである。閣僚としての責任は誠に重大であり、厳しく糾弾されなければならない。今回の郵便料金値上げ法案は、二倍から五倍にいたる大幅値上げであり、不当きわまるものである。さらに財界に有利な金利引き下げを行うとともに、郵政当局の労務管理はずさんである。したがつて、閣僚としてその任に値しない者と断ぜざるをえない。   これが、本決議案提出する理由である。     〔拍手〕  これからその理由の要点をさらに申し述べたいと存じます。  不信任案の第一の理由は、国民が不況と物価高にあえいでいる現段階において、郵便料金の二倍から五倍に至る大幅値上げを内容とする郵便法の一部を改正する法律案を提案したということであります。  政府は、三木内閣の最大課題は、物価抑制と不況の克服と、しばしば述べているにもかかわらず、今回、公共料金たる郵便料金値上げを図ろうとする郵政大臣の責任はきわめて重大であります。しかも、この法律案は、すでに去る第七十五国会において廃案となったものであります。国会意思を無視して再提出した郵政大臣の無為無策の態度は、断じて許容するわけにはまいりません。郵政大臣は、郵便料金の値上げをする前に、まず、真の郵政事業のあり方、事業経営の抜本的改善を考究し、その対策を確立すべきであって、これらの基本的課題の解決に真剣に取り組もうとしない姿勢は、本末転倒であると言わねばなりません。村上郵政大臣の責任を厳しく追及するものであります。  次に、郵便貯金の利率引き下げについての郵政大臣の責任について申し上げます。  政府は、今回の不況対策の一環として、銀行の預金利率の引き下げを図るに際して、これと道連れに郵便貯金の利率をも引き下げるという暴挙をあえてしょうとしておるのであります。銀行預金と郵便貯金とはその性格を異にしており、この両者を同一に論ずるべきではないのであります。  すなわち、銀行預金は、その六〇%以上が法人の預金であるのに対して、郵便貯金は、そのほとんどすべてが国民個人の零細な貯蓄であります。しかして、個人の零細な貯蓄である郵便貯金は、政府の財政投融資の資金となって、資金運用部により、政策的に地方公共団体等に投融資されるものでありまして、直接民間法人に貸し出されるものではありませんから、民間法人への低利貸し付けのために郵便貯金の利率を引き下げるという理由は、全く存在しないのであります。これは大蔵省の銀行保護政策に供されたものとしか考えられないのであります。  その上、郵便貯金の自減り補償という重大な問題がございます。  すなわち、特に四十八年暮れの石油ショックにより、政府の施策が当を得なかったこともあって、物価が急騰して、国民生活は非常な苦しみに陥ったのでありますが、このとき、郵便貯金も、預金の目減りによって大きな損害を受けたのであります。郵政省はこのため、数回にわたって利率の引き上げを行いましたものの、それはわずか一%か二%以内にとどまったのであります。これに対して物価は、経済企画庁発表の数字によりますと、いずれも対前期比でありますが、四十八年十月から十二月までの四半期が四.五%増、四十九年の第一・四半期は九・九%増、第二・四半期が三・三%増、第三・四半期が三・七%増、第四・四半期が四・三%増と、軒並み大幅な上昇を示しているのでありまして、郵便貯金の利率の引き上げがとうてい物価の上昇をカバーし得なかったことは明瞭でありまして、この結果、国民の間に、政府に対する目減り補償要求の声がほうはいとして上がってまいったのは当然と言わざるを得ないのであります。  しかるに、郵政大臣は、このような切実な国民の声に何ら耳をかすことなく、今日まで何ら有効な目減り対策を実施しなかったということは、郵政大臣が、郵便貯金預金者の保護についての責任を果たしていないと言わざるを得ません。  さらに、その上今度は、大蔵省の銀行過保護政策にくみして、郵便貯金の利率引き下げをあえてしようとしているのであります。預金者にとっては、全く踏んだりけったりであると申しても過言ではないのであります。預金者保護を忘れた郵政大臣の職務怠慢の責任は、まことに重大であると言わざるを得ません。これが郵政大臣を信任できないとする第二の理由であります。  次に、郵便業務の運行状況を見ますのに、集配サービスの遅延、渋滞は全国的に著しいものがありまして、国民が日常生活においてこうむる迷惑は多大なものがあります。郵政当局は、前回郵便料金を値上げしましだ昭和四十六年において、料金値上げに対する見返りのサービス改善の一環として、昭和四十六年十月、全郵便物の約八〇%を占める、国民生活に最も関係が深い第一種定形及び第二種郵便物を対象に、全国的に標準送達日数表を公表いたしまして、郵便業務の正常運行を推進することを約束したのであります。しかるに、多大の期待をもって迎えられた送達日数表は、その後数年を経ずしてこれを維持することがきわめて困難な状況に立ち至っておるのでありまして、私どもは、日常郵便物の遅配あるいは欠配に悩まされており、ときには、重大な支障を来している事例もたくさん見受けることができるのであります。  申すまでもなく、郵便物の集配業務は、すべて人手に依存せざるを得ない作業でありまして、その円滑なる運営には、労働力の確保と労使関係の協調が不可欠とされておるのであります。また、最近においては、都市及び近郊における配達サービスの維持は、郵便物数の増加、人口の移動、集中化、あるいは道路交通事情の悪化等に伴って、きわめて困難なものとなってきているのであります。当局は、経済、社会活動の拡大発展に伴うこれらの事態に対し、有効、適切なる対応策を講ずる努力を怠っているばかりでなく、労使関係においても、いたずらに高圧的な態度をもって臨もうとしているため、労働側の十分な理解、協力の態勢が得られず、これが、ひいては郵政業務の荒廃、国民に対するサービスの低下を招いているものと言わざるを得ません。  村上郵政大臣は、就任以来すでに一年になりますのに、所掌される郵政省の最も基幹的な業務である郵便業務の改善、国民へのサービス確保の努力が十分になされないままに今回の郵便料金値上げを図ろうとすることは、郵政大臣として、その職責を十分全うしているとは考えられないのであります。これが不信任の第三の理由であります。  次に、電気通信行政について申し上げます。  わが国の経済社会における電気通信の役割りは重要であり、ますます増大していかねばならないことは申すまでもありません。特に電信電話は、いまや日常生活に欠くことのできない生活の必需品となっているのであります。この電報電話料金についても、仄聞するところによれば、大臣は、物価安定を心から願っている国民を裏切り、日本電信電話公社と電報電話料金の大幅な引き上げを準備しているとの模様であります。政府があらかじめ事前に引き上げを促し、来年度実施を約束するなど、国民を欺き、国会を軽視するもはなはだしいと言わざるを得ません。  特に看過できないことは、村上郵政大臣は、郵便、電報電話料金の決定は、現在の法定料金から外し、認可料金に移行すべき時期であると述べた旨報道されていますが、もしこれが事実であるとすれば、財政民主主義に基づく公共料金の国会審議権を剥奪することとなり、ひいては国民主権を否定するものであり、断じて許すことができないのであります。  以上が本決議案提出する理由でありますが、満場の諸君が、どうかこの趣旨に御賛同をいただきますことをお願いをいたしまして、趣旨弁明を終わります。(拍手)     —————————————
  54. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 質疑の通告があります。順次これを許します。岩垂寿喜男君。     〔岩垂寿喜男君登壇〕
  55. 岩垂寿喜男

    岩垂寿喜男君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました郵政大臣村上勇氏の不信任案について、あえて提出者に質問をいたします。  郵便法第一条は、「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」と規定しているのであります。もう一遍言います。「なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」というわけであります。  今回の料金の値上げ、すなわち、はがき十円が二十円、封書二十円が五十円、第三種郵便物が五倍という、これまでに前例のない大幅な値上げが、いま私が指摘しました「なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供する」という郵便法の精神に照らして適当でないことは、言うまでもありません。  私どもは、今日の厳しい国民生活の実態のもとで、毎日毎日の暮らしと営業に欠くことのできない郵便料金の値上げは、明らかに、国民に対するサービス精神を忘れた措置であると指摘をせざるを得ないのであります。  独立採算制を理由に、一方でこのような大衆負担の増大という犠牲を国民に押しつけ、他方で、雨の日も風の日も、そして年末も正月も休みなく働いている郵政の労働者に、合理化と労働強化を強制する態度は、まさに、郵便法第一条の規定とその精神に違反するものと言わざるを得ないのであります。  このような郵便法違反のおそれのある法案をさらに国会法国会の慣例に背いて強引に採決しようとする態度は、きわめて不当であり、いわんや、公共の福祉に逆行する措置として、国民の断じて許し得ないところであります。  そこで提案者に承りたい第一は、郵便法第一条の規定と精神に照らして、村上郵政大臣の政治責任はきわめて重大であり、それだけでも不信任に値する暴挙であると考えるけれども、この点についての詳細な見解を承りたいと思うのであります。  第二の質問は、郵便貯金の預金利子の引き下げについてであります。  郵便貯金法、これも第一条の目的という項目を見ると、「この法律は、郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによつて、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」とあります。一昨二十三日の郵政審議会は、十一月四日から通常貯金を〇・四八%、定期貯金を〇・七五%引き下げるということを主な内容とする答申を行いました。  申し上げるまでもなく、今回の郵便貯金の預金利子の引き下げは、大蔵省や日銀が第四次不況対策の一環として打ち出したものであります。インフレーションの進行に伴い、文字どおり零細な庶民の貯金としての郵便貯金の目減りが顕著になっており、国民の貴重な財産が極端な損失を余儀なくされている現状のもとで、さらにそれに追い打ちをかけるような預金金利の引き下げは、文字どおり財産権の侵害とも言わなくてはならないと思うのであります。「簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させる」という郵便貯金法の立場に違反するものであることも、もはや言葉を要しないと思うのであります。  郵政大臣が、もし郵便貯金法に対し、いささかでも忠実な政治姿勢をおとりになろうとするならば、そして、国民生活に少しでも配慮をいたすならば、大企業、大資本のための不況対策として強行されようとしている金利の引き下げに対して、あくまでも反対し、これに抵抗すべきであると考えるのであります。しかるに村上郵政大臣は、進んで郵便貯金の預金金利の引き下げを強行しようとしているのであります。  去る八月の消費者物価は前年同月比で一〇%の上昇を示し、国民の財産がそれだけの目減りを余儀なくされているときに、預金金利を引き下げ、さらにきのうは、いや、一昨日になりますか、政府自民党金融問題調査会が、この次からは預金、貯金の金利を一体化、一元化することに原則的な合意を行ったと報道されているのであります。村上郵政大臣がこのように唯々諾々として国民の財産を損なう措置に従う立場は、郵政大臣の資格を疑うものと言わざるを得ないのであります。提出者はこの点についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、見解を承りたいと思います。  政治家村上勇氏は、常々、その人生訓として「私を考えるな、他人のことを考えよ。そうすれば他人が私のことを考えてくれる」と語ってこられたと私は伝え聞いております。遺憾ながら、郵政大臣としての村上勇氏は、このみずからの人生訓をお忘れになっていらっしゃるのではないかと疑わざるを得ないのであります。  このように、村上氏がその人生訓とは反対に、私を考え、他人のことを忘れてしまったのは、村上重氏の責任を当然のこととしても、そのより大きな責任は、そのようにせざるを得なかった三木内閣の責任であると考えるわけでありますが、この三木内閣の政治責任について、提出者はどのようにお考えか、見解を承りたいと思うのであります。  最後に伺います。  今日の日本経済は、三木首相の言葉をかりるならば、未曾有の危機という状態にあります。スタグフレーションと言われるインフレと不況の深刻化は、国民生活に大きな脅威を及ぼしています。このときに当たって、国政が緊急に果たさなければならない責任は、もちろん不況対策もありますけれども、同時に、インフレ対策の確立が急務であります。そのときに、物価値上げの引き金となる公共料金の引き上げ、とりわけ、郵便料金の値上げは、酒、たばこの値上げ、国鉄料金などの値上げと相まって、ますますインフレを促進することになると懸念されますけれども、これらの点の解明について、委員会政府、特に郵政大臣が責任のある答弁を今日まで行ってきたかどうか、そういう配慮に満ちた政府としての対応が国民の前に示されておるかどうか、その点を承っておきたいと思います。  以上の点について、どうか提出者米田東吾議員のいいかげんでない、わかりやすい答弁をお願いをいたしまして、私の質問といたします。(拍手)     〔米田東吾君登壇〕
  56. 米田東吾

    米田東吾君 岩垂寿喜男議員からまことに適切な御質問が四点にわたって私に与えられました。誠意を尽くしまして御答弁を申し上げたいと思いますが、なお不十分なものがありましたら、どうぞ再質問をいただきまして、十分ひとつ、私の意のあるところを御理解いただきますようにお願いしたいと思うわけであります。  質問は大体四点に分かれておるようにお聞きいたしました。  第一点の、郵便法の精神にもとる今回の郵便料金の値上げに伴う法律の改正でございますけれども、このことについて、この一事をもってしても、郵便法を守らなければならない、郵便の使命を全うしなければならない郵政大臣として、その資格がすでに存在しない。この一事をもってしても、不信任に値するのではないかという御指摘でございました。  私は、まことにそのとおりだと思うのでございます。いまさら郵便法の第一条を申し上げるまでもないわけでありますが、大体郵政大臣も、郵政省当局自体がそうだと私は思うのでありますけれども、郵便法の第一条を含めまして、郵便法の精神を忘れておる、郵便法について拳々服膺するという、原点に立つ態度が足りないと私は思うわけであります。  言うまでもなく、郵便法の第一条に、まず「安い」という絶対的な条件が一つございます。そうして「あまねく、公平に」郵便は役務を国民に提供する、郵便利用者の利益に沿っていかなければならないということが規定されておるわけであります。いまラブレター一通出すに五十円の切手が必要になるわけであります。(「安いじゃないか」と呼ぶ者あり)私は、これが安いと言う諸君は、自民党の大資本や大企業を代表する諸君であろうと思います。  庶民の国民の感覚からいきますならば、二十円のはがき、五十円の切手は、何といたしましても、第一条に言う「安い」という条件に合致しない、私はこのように思うわけでありますし、これを無視して、強引に自民党の方針に従った村上郵政大臣の責任は、まさに、御指摘のとおり重大であり、このことをもってして、まず何よりも不信任に該当すると、私ははっきりとお答えを申し上げるところでございます。  次に、貯金法の関係を引用されまして、郵便貯金の目減り、また、利率の引き下げについて御質問がございました。  私も岩垂議員と全く同じ考えでございます。貯金法は、銀行預金等と違いまして、零細な勤労国民の財産をお預かりするたてまえをとっておるわけであります。したがいまして、この勤労国民の財産である郵便貯金は、他の一般の銀行預金等と同一に扱って、国の政策に基づいて利率を上げたり下げたりすること自体、これは問題があるわけであります。国民の財産を正当に扱っていく、保障していく、との精神が何といいましても郵便貯金において必要であり、それが郵便貯金法の第一条に明記されておる、このように私は思うわけであります。  郵政大臣は、新聞の伝えるところによりますと、大蔵省や大蔵大臣の圧力につきましては大分抵抗したようなそぶりがございました。しかし、それは郵便貯金の性格を十分わきまえておらない村上勇郵政大臣でありますから、かっこうをつけただけでありまして、結局は、大蔵省や大蔵大臣の政策に屈服をするという、このようなまことにぶざまな状態になって終わっておるわけであります。これは郵政大臣がまず貯金法一条の精神を、これまた、いまこそ拳々服膺しなければならない、私はそのように思うわけでありますし、御指摘されましたように、国民の財産権を守るという最も重要な責任、立場を認識しておらない証拠であろう。このことをもってしても、郵政大臣の不信任に値する理由が存在するものと私は思うわけでありまして、御質問者に同感の御返事を私は申し上げておきたいと思うわけであります。  第三の御質問には、政治家村上勇君の政治哲学に触れた御質問がございました。  村上郵政大臣は、彼の著書に確かに御質問されましたような一節があるように私もお聞きをいたしております。私は、自分のことは考えない、他人のことを考える、そうすることによって、私のことは他人が考えてくれる、これが郵政大臣村上勇君の政治哲学であろうと、私も質問者と同様な見解を持つわけでありますが、今度の郵便法の改正につきましては、この人生哲学も、これはまがいものであり、決して村上勇君の真の意味の政治家としての信念あるいは哲学ではないということがはっきり証明されたのではなかろうかと、こう思うわけでありまして、私は村上勇郵政大臣のためにも惜しむものでございます。、  三木内閣の中で重要な閣僚であります村上勇君から、このような点につきましては、ひとつ十分反省をしていただきまして、三木内閣の郵政大臣として考え直していただかなければならぬだろう。しかし、いまわれわれはこの村上勇君の不信任を提案いたしておるわけでありますから、もうこの段階では遅いと言わなければならぬと思います。  村上勇君のこの責任というものは、御指摘されましたように、三木内閣自体の責任であるということは、私も同感であり、はっきりとお答えを申し上げておかなければならぬと思うわけであります。  四番目に、三木内閣の公共料金引き上げの引き金になるであろう今回の郵便法の改正、これに対しては、はっきりと郵政大臣が委員会においてそうでない保証を与えておったかどうか、逓信委員会でどのような議論がなされたかという御質問でございますが、残念ながら、逓信委員会はわずか三十分、先ほど地崎逓信委員長不信任案のときにも明確になったわけでありますけれども、わずか三十分の逓信委員会でございまして、最も重要な……
  57. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 時間ですから、結論を急いでください。
  58. 米田東吾

    米田東吾君(続) この公共料金の引き上げと、しかも、その引き金になろうとする郵便法の改正の重要な関係につきましては十分な議論が行われ得なかったということは、まことに私は残念だと思うわけであります。このことをもっていたしましても、郵政大臣も三木内閣も公共料金引き上げについて、真に国民に責任を負うという態勢がないと、はっきり申し上げて私は差し支えないと思うわけであります。  まことに残念でございますが、現実は以上でございます。私から御答弁申し上げまして御理解をいただきたいと思います。不十分なところは再質問をひとつお願いしたいと思います。(拍手
  59. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 梅田勝君。     〔梅田勝君登壇〕
  60. 梅田勝

    ○梅田勝君 私は、日本共産党革新共同を代表して、ただいま議題となりました郵政大臣村上勇不信任決議案に対し、賛成の立場に立って、提出者米田東吾議員に質問いたします。  周知のように、現在、国民は、深刻な不況と同時に進行する激しいインフレに生活を脅かされております。今度の臨時国会国民が期待したものは、まさにこの経済的危機の打開であります。ところが三木内閣は、この国民の期待に背を向け、一カ月にわたって補正予算の提出を怠り、逆に酒、たばこ、郵便料の値上げ三法案の強行を図り、国民に挑戦してきたのであります。  今回提案されている郵便料金値上げ法案は、はがきは二倍、封書は二倍半、書留は三倍にすると同時に、これに伴い、新聞、雑誌など第三種郵便物は、何と一挙に五倍にするという驚くべき高率の値上げが計画されているのであります。このような不当な値上げ法案に対し、国民が激しく抗議し、その国民の声と怒りを反映して、さきの第七十五通常国会において廃案となったことはきわめて当然であります。  しかるに、政府は、不況対策を求めた今次臨時国会に、しかも通常国会において廃案となった郵便料金値上げ法案を、何の反省もなく、無責任にも再提出し、その上、去る十月一日、自民党の単独開会強行によって、きわめて異常な状態に陥り、不正常となった逓信委員会において、その提案の趣旨説明と答弁を強行した村上郵政大臣の責任は重大であり、かつ、閣僚としての資格に欠けるものであります。  そこで、私は、提案者の米田東吾議員に質問いたしますが、以上述べた村上郵政大臣の態度は、憲法第四十一条に定めた「國會は、國權の最高機關」とする国会を軽視し、主権者である国民意思を全く無視したものと考えますが、郵政大臣の重大な責任について、あなたの御所見を承りたいと思います。(拍手)  第二にお伺いしたい点は、郵便事業の赤字宣伝の誤わについてであります。  どんなに遠い山奥でも、はがきは十円、手紙は二十円、全国一律の料金で届けられるところに、郵便事業の公共性があるということは言うまでもありません。国民だれしもが等しく認めるこの郵便事業の公共性から見て、郵便局、ポストなどの基礎施設や、本省、地方郵政局、郵政省の医療機関、教育機関など管理諸経費を国が負担するのは当然であります。また、第三種、第四種の郵便物の公共割引も当然国の負担とすべきであります。  そのようにいたしますならば、昭和四十九年度の郵便事業における赤字は千数百億円になるということではなく、逆に、二百数十億円の黒字となり、値上げの必要はなくなるのであります。したがって、郵政大臣の赤字宣伝は国民を欺くものであり、許しがたいものと思うが、その誤りについて承りたいのであります。  第三の質問は、今回の郵便料値上げの強行は、郵便法そのものをじゅうりんする暴挙であるという点についてであります。  すなわち、郵便法第一条は「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」と述べており、本来、法の目的からすれば、郵便料は低廉であるのが当然なのであります。郵便事業は、憲法第二十一条が定める国民基本的権利の一つである「言論、出版その他一切の表現の自由」などを物質的に保障する重要な事業であり、国の果たすべき基本的な任務の一つであります。(拍手)  しかるに政府は、受益者負担の原則を振り回し、郵便料金の値上げを強行することは、法の精神をじゅうりんするものである、そのように米田議員は思われると思いますが、その不当性について詳細にお答えをお願いしたいと思います。(拍手)  第四の質問は、郵便料値上げ強行による国民生活に対する重大な影響についてであります。  周知のように、昨年十二月、自民党絶対多数のもとにおいても田中内閣が崩壊したのは、日本列島改造論による大企業の高度成長、石油危機を口実とする大企業の買い占め、売り惜しみ、その結果としての狂乱物価に、加えて金権腐敗政治の実態が明るみに出るに及んで、国民の激しい怒りが爆発したのであります。国民は、この激しいインフレにどれだけ苦しんでいるでありましょう。特に身体障害者や病人、お年寄りや生活保護世帯の人たちは深刻な打撃を受け、今日なお不況のもとでも進行する物価上昇に、その生活はますます苦しくなっているのであります。  政府は、物価抑制と社会的不公正の是正をもっともらしく言っておりますが、今回の大幅郵便料の値上げは、インフレを激化させ、国民生活をますます圧迫することは明白であります。特に、一人暮らしのお年寄りや身体障害者にとっては、文通はささやかな喜びであります。こういった方々の生きがいさえ奪うような今回の大幅値上げは、まさにパンを求める者に石を与えるに等しいひどい仕打ちではないでしょうか。(拍手)このように国民各階層の生活に重大な被害を与えるものと思われますが、物価問題への影響をも含めて、米田議員の御意見を具体的に承りたいと思います。  最後に、私は、このような国民泣かせの郵便料金の値上げを強行する郵政大臣が、またまた国民泣かせの郵便貯金の預金金利引き下げを強行しようとしていることは、重ね重ね許すことのできない暴挙であり、値上げ強行の延長線上のものと断じなければなりません。そういう点について、村上郵政大臣の責任について御質問いたします。  国民は、かねてから、インフレによる預金の目減りについて手当てを要求しております。しかるに、今回の措置は、補償どころか、預金金利引き下げによって、国民には郵便貯金だけでも年間五百億円に及ぶ損害を与え、大企業には金利負担の軽減をねらったものとなっております。  私は、このように国民の願いを踏みにじり、大企業べったりの政治姿勢を依然として改めない今回のやり方と、その国民生活への影響並びに村上郵政大臣の重大な責任について伺いまして、村上郵政大臣不信任決議案の趣旨説明に対する私の質問を終わります。(拍手)     〔米田東吾君登壇〕
  61. 米田東吾

    米田東吾君 梅田議員から五点にわたりまして、きわめて適切な御質問をいただきました。  その五項目につきまして私の見解を申し述べたいと存じますが、不十分なところがありましたら、どうぞまた御指摘をいただきたいと思います。  まず第一点は、不況対策を求めた臨時国会に、しかも、通常国会において廃案となった郵便料値上げ法案を、何の反省もなく無責任にも再提出し、その上、逓信委員会で強行した郵政大臣の責任は重大である、見解はどうか、こういう御質問でございます。  まことにごもっともの御質問でありますし、私自身、怒りを持ってこの不信任案の趣旨説明をいたした次第でございます。  郵便料金の値上げは、何といいましても、国民が一番懸念をし、反対しております理由は、郵便料金自体が上がるということもありましょうけれども、酒、たばこを含めまして、公共料金の引き上げの引き金になる、そのことが国民の最大の関心事であり、怒りを持ってこの事態を見守っておった理由はそこにあるだろう、このように私は思うわけでありまして、郵政大臣の責任はまことに重大だと言わなければならぬと思うわけであります。  郵政大臣は、郵政省の所管の大臣でありますが、同時に三木内閣の国務大臣でもございます。私は、郵便料金だけを見て、三木内閣の物価政策、あるいは国民に対する不況対策等について目を見失うというようなことは許されないと思うわけであります。そういう意味で、村上郵政大臣は郵便料の値上げだけを強行することにきゅうきゅうとしておる、何としてもこれは、国務大臣の資格もここには毫も存在しない、このように私は断ぜざるを得ません。したがいまして、質問者と同意見でございまして、郵政大臣の責任はまことに重大である、このように御答弁を申し上げる次第でございます。  第二の、郵便事業の公共性から見て、郵便局など、基礎施設や管理費などを国が負担するのは当然じゃないか、そうすれば、四十九年度決算では黒字であり、値上げの必要はないのではないか、郵政大臣の赤字宣伝は国民を欺くものではないかという御指摘でございます。  このことにつきましても、私は同感であり、梅田議員の賢明な御指摘に私は敬意を表するわけであります。特に、ここに触れておりますように、郵便事業が独立採算である、そのことに便乗いたしまして、ここで御指摘されておりますような基礎施設、あるいは研究施設、あるいは管理費、このようなものが全部独立採算制のゆえをもちまして、郵便料金の収入によって賄われる、こういう関係になっておるわけであります。これは他の公共事業であります国鉄や専売等と比べますと、内容において大変な違いがあります。私はそういう面におきまして、御指摘されましたこの点は、今後、郵政事業の経営の面で非常に重要な問題を提起しているであろうし、われわれ自身、解決をしていかなければならない点ではないか、このように思うわけであります。  このような、要するに一般会計から当然賄わなければならない部分については、この際、ひとつ郵政大臣も政府自身も、大英断をもって内容をひとつ十分検討していただかなければならない。たとえば第三種、第四種の郵便料金、これらのものにつきましても、これは本来、一般会計から当然負担されなければならない問題でございます。  私は、そういう意味からいきまして、一切合財を郵政事業特別会計の中にぶち込んで、そうして郵便料金に負担をさせるというこのやり方につきましては、何としても承服できません。これは御質問者と全く同意見でございますので、今後ひとつ、われわれは郵政省当局を鞭撻いたしまして、この誤りを正していく方向で努力しなければならぬ、このように思っているわけであります。(拍手)  次に第三点でございますが、郵便法第一条は「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」と述べておりますが、郵便料は低廉であるのが当然であり、今回の値上げ強行は、法の精神をじゅうりんするものでないか、その不当性について詳細に承りたいという御質問でございます。  先ほどの岩垂議員からの御質問にもお答えしましたように、まさに、今回の郵便料金の値上げ、郵便法の改正は、この第一条の精神を忘れております。少なくとも、郵便法第一条の精神に反する行為だと言わなければなりません。私は、そのような意味におきまして、法の精神をじゅうりんしておる、この点については同感であります。本来、郵便法を守るべき郵政大臣が、この郵便法第一条の精神をじゅうりんするような行為を強行するということ自体、これは許されることではありません。したがいまして、この郵政大臣の今回の行為につきましては、明らかに郵便法の精神のじゅうりんである、はっきりと私は申し上げておきたいと思うわけであります。(拍手)  次に、今回の大幅な郵便料の値上げは、インフレを激化させ、国民生活を圧迫することは明白である、国民各階層の生活に重大な被害を与えるものと思うが、物価問題への影響を含め、詳細に承りたい、この御質問でございます。  この点につきましても、先ほど岩垂議員の御質問の際にも申し上げたわけであります。一番恐れるのは、御指摘のように、郵便料金の値上げが引き金になって、公共料金の値上げを次々と誘発し、結局はインフレを激化させるという効果、とのことが一番問題であるという点につきましては、御質問の梅田さんと全く同感であります。であるがゆえに、われわれは、この郵便法の値上げにつきましては、断固として反対しなければなりませんし、妥協することはできないと思うわけでございます。(拍手)私はそのような立場で、これを強行いたしました郵政大臣の責任を糾弾いたすものであります。質問者の梅田さんと同意見でありますことを申し上げて、答弁とさせていただきます。  最後に、政府はインフレによる国民の郵便貯金の預金の目減りに対し、手当てするどころか、今回の預金金利引き下げによって、国民には年間五百億円の損害、大企業には金利負担の軽減をねらっているが、この影響と郵政大臣の責任について聞きたい、こういうことであります。  私も不信任決議案の提案理由の中でも触れておきましたように、郵便貯金の目減り対策は、すでにこの問題が提起されまして以来約三年になるわけでありますけれども、一つも郵政大臣は前向きの努力をいたしておりません。さらに加えて、今回の金利の引き下げであります。
  62. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 米田君、時間ですから、結論を急いでください。
  63. 米田東吾

    米田東吾君(続) これは罪の二重の責めを負わなければならぬと私は思うわけであります。このような庶民の、勤労国民の財産を預かっておる郵便貯金、これを管理する郵政大臣、私は郵政大臣の貯金に対する認識、その責任の度合いについて疑わざるを得ません。したがいまして、私は、国民の財産を預けるに値しない村上郵政大臣、本当にこれは不信任に値すると断ぜざるを得ないわけであります。(拍手)こういう意味からいきましても、郵政大臣は、いまこそ責任を明確にとるべきであろう、私はこのように申し上げたいのであります。  一方的に大企業の利益を擁護する立場をとる、働く国民には年間五百億円の損害を与えることについて、営々として……
  64. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 米田君、制限時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
  65. 米田東吾

    米田東吾君(続) 彼は大臣を職をいまなお引こうといたしておりません。断固としてこれは許されることではありません。この御質問の趣旨は全く同感でありますので、どうぞひとつ、皆さんの御理解をいただきたいと申し上げまして、答弁にかえる次第でございます。(拍手)     —————————————   質疑終局動議
  66. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 宇野宗佑君外二十四名から、質疑終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本動議に賛成の諸君白票反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  67. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  68. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  69. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  70. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百七十四   可とする者(白票)       二百十三   否とする者(青票)       百六十一
  71. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。     —————————————  宇野宗佑君外二十四名提出質問終局の動議を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    有田 喜一君       伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君       石井  一君    石田 博英君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    今井  勇君       宇田 國榮君    宇都宮徳馬君       宇野 宗佑君    上村千一郎君       植木庚子郎君    臼井 莊一君       内田 常雄君    内海 英男君       浦野 幸男君    江藤 隆美君       小川 平二君    小此木彦三郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大石 武一君    大竹 太郎君       大野  明君    大野 市郎君       大橋 武夫君    大平 正芳君       大村 襄治君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤 紘一君       加藤太郎君    加藤 六月君       加藤 陽三君    海部 俊樹君       笠岡  喬君    粕谷  茂君       片岡 清一君    金丸  信君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君       仮谷 忠男君    瓦   力君       木野 晴夫君    木部 佳昭君       木村武千代君    北澤 直吉君       吉川 久衛君    久野 忠治君       久保田円次君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       栗原 祐幸君    小泉純一郎君       小坂善太郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小林 正巳君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 洋平君    河本 敏夫君       國場 幸昌君    近藤 鉄雄君       左藤  恵君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 孝行君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       齋藤 邦吉君    坂村 吉正君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       笹山茂太郎君    志賀  節君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       塩谷 一夫君    澁谷 直藏君       島村 一郎君    正示啓次郎君       鈴木 善幸君    住  栄作君       瀬戸山三男君    染谷  誠君       田川 誠一君    田澤 吉郎君       田中  覚君    田中 龍夫君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       竹下  登君    竹中 修一君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       地崎宇三郎君    戸井田三郎君       渡海元三郎君    登坂重次郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       中尾 栄一君    中尾  宏君       中川 一郎君    中曽根康弘君       中村 弘海君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    二階堂 進君       丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君       西岡 武夫君    西村 英一君       西村 直己君    西銘 順治君       根本龍太郎君    野田 卯一君       野中 英二君    野原 正勝君       野呂 恭一君    羽田  孜君       羽田野忠文君    羽生田 進君       葉梨 信行君    橋口  隆君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  大幹君       林  義郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    深谷 隆司君       福田 赳夫君    福田 篤泰君       福田  一君    福永 一臣君       福永 健司君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    藤波 孝生君       藤本 孝雄君    船田  中君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田治一郎君    前田 正男君       増岡 博之君    松永  光君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三ツ林弥太郎君       三原 朝雄君    三塚  博君       水田三喜男君    水野  清君       湊  徹郎君    宮崎 茂一君       宮澤 喜一君    村岡 兼造君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎  拓君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    吉永 治市君       綿貫 民輔君    渡部 恒三君       渡辺 栄一君    渡辺 紘三君       渡辺美智雄君  否とする議員氏名       阿部 昭吾君    阿部 助哉君       阿部未喜男君    井岡 大治君       井上  泉君    井上 普方君       石橋 政嗣君    板川 正吾君       稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君       上原 康助君    江田 三郎君       枝村 要作君    小川 省吾君       大出  俊君    大柴 滋夫君       太田 一夫君    岡田 哲児君       加藤 清政君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    角屋堅次郎君       金瀬 俊雄君    金子 みつ君       川崎 寛治君    川俣健二郎君       河上 民雄君    木島喜兵衞君       木原  実君    久保  等君       小林 信一君    兒玉 末男君       上坂  昇君    佐々木更三君       佐藤 観樹君    佐藤 敬治君       佐野 憲治君    佐野  進君       斉藤 正男君    坂本 恭一君       柴田 健治君    島本 虎三君       嶋崎  譲君    下平 正一君       田口 一男君    田中 武夫君       田邊  誠君    多賀谷真稔君       高沢 寅男君    竹内  猛君       竹村 幸雄君    楯 兼次郎君       塚田 庄平君    土井たか子君       堂森 芳夫君    中澤 茂一君       中村  茂君    楢崎弥之助君       野坂 浩賢君    芳賀  貢君       馬場  昇君    長谷川正三君       日野 吉夫君    平林  剛君       広瀬 秀吉君    福岡 義登君       藤田 高敏君    古川 喜一君       堀  昌雄君    松浦 利尚君       三宅 正一君    美濃 政市君       武藤 山治君    村山 喜一君       村山 富市君    森井 忠良君       八百板 正君    八木  昇君       安井 吉典君    山口 鶴男君       山田 耻目君    山田 芳治君       山本 政弘君    山本弥之助君       湯山  勇君    米内山義一郎君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    吉田 法晴君       和田 貞夫君    渡辺 三郎君       青柳 盛雄君    諫山  博君       石母 田達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       紺野与次郎君    柴田 睦夫君       庄司 幸助君    瀬崎 博義君       瀬長亀次郎君    田代 文久君       田中美智子君    多田 光雄君       津金 佑近君    津川 武一君       寺前  巖君    土橋 一吉君       中川利三郎君    中路 雅弘君       中島 武敏君    野間 友一君       林  百郎君    東中 光雄君       平田 藤吉君    不破 哲三君       正森 成二君    増本 一彦君       松本 善明君    三浦  久君       三谷 秀治君    村上  弘君       山原健二郎君    米原  昶君       浅井 美幸君    新井 彬之君       有島 重武君    石田幸四郎君       小川一郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    沖本 泰幸君       北側 義一君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       林  孝矩君    広沢 直樹君       伏木 和雄君    松本 忠助君       矢野 絢也君    山田 太郎君       渡部 一郎君    小沢 貞孝君       河村  勝君    竹本 孫一君       玉置 一徳君    塚本 三郎君       永末 英一君    宮田 早苗君       渡辺 武三君     —————————————
  72. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 討論の通告があります。順次これを許します。三ツ林弥太郎君。     〔三ツ林弥太郎君登壇〕
  73. 三ツ林弥太郎

    三ツ林弥太郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま上程されました郵政大臣村上勇不信任決議案に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手)  本決議案の内容は、村上郵政大臣が逓信委員会において郵便法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を行い、質疑に対し答弁を行ったことを理由の第一に挙げているようでありますが、私は全く不信任の理由にならないものと信じている次第であります。  先ほど逓信委員長解任決議案に対する反対討論を行った同僚議員の演説のとおり、適法に開会された委員会に国務大臣として出席し、委員長指示に基づき提案理由の説明を行うこと、並びに質疑に対し答弁を行うことは、所管大臣として当然のことであり、法的にも義務づけられているものであります。このように、議案の提案者として、国会に対し当然の義務を履行したととが、国務大臣として信任に値しないという議論は、全く理解できないところであります。(拍手)  次に、この決議案は、郵便貯金の金利の引き下げを不信任の理由の一つとしているようでありますが、私は、これまた全く当を得ないものと考えるのであります。  現下の不況は近年に例を見ない深刻なものであり、速やかに景気の回復を図ることが目下の急務であることは、野党諸君にも異論のないところでありましょう。  郵便貯金の金利引き下げは、先般策定された第四次不況対策において、金利水準全般の低下を図ることとされた趣旨を受け、現下の至上命令である景気の回復に資するため実施されようとしている措置であります。この措置は、速やかに景気を回復して、国民大衆の所得の増大を図り、雇用の安定を期することによって国民大衆の利益を守るうとするものであって、財界に有利云々との提案者の非難は、全く根拠のないものであります。  また、金利引き下げの決定に当たっては、郵便貯金の性格にかんがみ、郵政大臣は、郵政審議会の慎重な審議を経て行おうとしているものであり、かつ、郵便貯金利用者の利益に配意して、利下げ幅についても定期貯金の利率に特別の配慮を加えるなど、格段の努力をしているところでありまして、郵政大臣が責めを問われる理由は何らないものであります。(拍手)  最後に、労務管理の問題を不信任の理由として挙げているようでありますが、郵政大臣は、就任以来、事業の円滑な運営を図るために労使関係の正常化を喫緊の課題とし、職員が安心して働ける明るい秩序ある職場及び良好な人間関係をつくっていくことを労務管理の基本とし、陣頭に立って努力を払ってきたところであります。このような中から労使関係安定の基盤となる信頼関係が培われてきており、全体的には労使関係改善の実が上がってきていると確信しております。  しかし、こうした郵政大臣の努力にもかかわらず、一部において違法なストライキやサボタージュを繰り返し、あまつさえ職場の規律を紊乱し、業務運行を不正常なものに陥れ、国民に多大の迷惑を及ぼす事態が後を絶たないことは、まことに遺憾なことであると言わざるを得ません。とりわけ、関係労働組合に対しては、事業の課せられた使命を正しく認識し、法の定めやルールに従った行動をとることをここに強く求めるものであります。  私は、このような考えから、郵政大臣の労務管理に対する態度は、あるべき姿を目指して着実に推進されているものであると信ずるものであります。したがいまして、郵政大臣の労務管理のあり方は高く評価することができこそすれ、不適切さを指摘することは、全く的を得ない議論であると言わざるを得ません。  以上、村上郵政大臣不信任決議案上程の理由に対し反対の討論を行いましたが、村上郵政大臣は、現下の複雑、多様化する社会情勢の中において、国民大衆の福祉、文化の向上に大きく寄与している郵便、郵便貯金、簡易保険の各事業、並びに放送、電気通信など、国民の神経ともいわれる重要な行政を円滑、適正に運営している次第であり、私は、むしろ全く顕彰に値するものと信ずるものであります。  なかんずく、最近における郵便事業は、相次ぐベースアップにより、昭和四十九年以来収支に不均衡を来し、このまま放置すれば、昭和五十一年度においては約七千億円にも上る累積赤字が予想される事態であります。  このような赤字財政の状況下において、村上郵政大臣は、国民の最も基本的な通信手段である郵便サビースを常に安定して国民に提供することを最大の使命として、日夜渾身の努力をしていることを考えるとき、まことにこの理不尽きわまりない郵政大臣不信任決議案が上程されたことに対し、義憤を禁じ得ないものであります。(拍手)  私は、ここに郵政大臣村上勇君を強く信任するものであり、不信任決議案に対し、断固反対することを表明して、討論を終わります。(拍手
  74. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 佐藤敬治君。     〔佐藤敬治君登壇〕
  75. 佐藤敬治

    佐藤敬治君 私は、ただいま上程されました村上郵政大臣に対する不信任決議案に対して、日本社会党を代表して、賛成の演説を行います。(拍手)  不信任案に賛成する理由の第一は、公共料金値上げ法案提出に際して、議運理事会申し合わせを一方的に破棄し、逓信委員会強行付託して、議会政治のルールを破壊したばかりか、議長のもとで与野党国対委員長が話し合いの最中に、問答無用の自民党単独採決暴挙に出たことであります。  村上さん、あなたは、調べてみますと、当選すでに十二回であります。いわば、私どもの国会の大先輩であります。議会制民主主義を尊重する古い議会人として、たとえいかなる事情があったにせよ、このような暴挙をあえてしたことを悲しまなければならないはずであります。それなのに、あなたは、単独採決の直後、地崎委員長と手を取り合って大喜びをしたではありませんか。なぜもっとこの事実を悲しい顔をして悲しまなかりたのか。われわれは、国民の期待する議会政治を守るために、かかる暴挙に同調した村上郵政大臣の政治責任を追及して、強く辞任を要求するものであります。(拍手)  このたびの補正予算では、四兆円に及ぶ歳入不足、二兆円を超える地方財政の赤字、二兆円の不況対策費、そして、これをカバーするための三兆五千億に及ぶところの赤字国債、実に国家予算の二六・三%が借金という、未曾有の事態となっております。明らかにこれは全面組み替えの新予算であります。したがって、予算が提出されなければ、この値上げが予算の中でいかなる比重を占め、国民生活に対していかなる役割りを果たすものであるか審議できないことは、郵政大臣、あなたといえども納得できるはずである、しかるに、予算も出さないで、何がゆえにかかる暴挙をあえてしたのであるか。  新聞等の伝えるところによると、解散をさせないで三木内閣を総辞職に追い込むということが、自民党保守本流と称する派閥の基本戦略のようであります。果たしてしからば、この暴挙は、大平大蔵大臣のメンツを立て、党内の結束をねらう、いわば自民党内の権力争いの結果であるとしか考えられない。一自民党の派閥争いの飛ばっちりで公共料金を大幅に値上げされる国民こそ、いい迷惑であります。  賛成理由の第二、けたをはずれた値上げ幅の大きさであります。  政府は、今年度の消費者物価を一〇%以内に抑えると称して、春闘をも一三%に抑え込みました。しかし、物価に重大なる影響を持つこのたびの郵便料金の値上げ幅は、高いもので五〇〇%、低いものでも二〇〇%に及んでおります。民間企業はもちろん、ほとんど独占的な公共料金においてさえも、これほど大幅な値上げはいまだかつて見たことがございません。  二、三の例を挙げてみましょう。定形第一種は二五〇%の値上げであります。しかし、先ほどもありましたように、一方においては、入学願書や就職の履歴書等が期限に間に合わなかったという苦情が次から次と出てまいりまして、常習になっている遅配に対して、国民の強い批判が起こっております。一体、各郵便局ではメールダイヤが確実に守られているのか、はなはだ疑問に感ぜざるを得ない。民間であれば、電気やガスがとまっているのに値上げなんかしたならば、消費者から袋だたきに遭うでしょう。まず、値上げの前に遅配を解消することが先決である。  政府は声を大にして福祉の問題を取り上げております。しかし、このたびの値上げ法案では、貧しい向学的な若者たちへの通信教育郵便料さえ値上げされております。これなどは、元来国で補助すべき性質のものであると思います。種苗、食糧のサンプル等は現在百グラム十五円で送ることができます。しかし、これを廃止して普通の第一種料金になりますと、百グラムで百四十円、ほとんど一〇〇〇%という膨大な値上げになるのであります。(「結構じゃないですか」と呼ぶ者あり)これを結構だと言う人がいる。また、文化に乏しい辺地への新聞の送料は従来六円でありました。これが今度の改正によって三十円、実に五〇〇%の値上げであります。これらの地域では、新聞を買うとき定価の倍を払わなければなりません。辺地の生活者は文化など必要ないと思っているのでし上うか。  今度の値上げの法案を見ておりますと、悪名高い商社も顔負けのあくどさであります。消費者物価一〇%以下という国家目標と郵便政策とは、全くかけ離れております。郵政省はとても政府の機関とは思われません。莫大な赤字国債の発行によるところの信用の膨張、大型プロジェクト中心の公共事業、これに公共料金の大幅値上げが相乗するならば、再び国民を置き去りにしたところの田中角榮型インフレが再燃する。国民生活を犠牲にしてまでも値上げに狂奔するような郵政大臣が不信任されるのは当然であります。  理由の第三は、郵便貯金金利の引き下げについてであります。  元来、預貯金の金利の引き下げは、金をかけずに不況対策をやろうという大蔵省一流の発想であります。公定歩合の引き下げは、いわば企業に対する姿なき補助金であります。この補助金を交付するには一銭の財源も必要といたしません。しかし、この陰では、零細預金者が預金金利の引き下げという形で、事実上、この補助金の財源負担をさせられているのであります。貯蓄増強中央委員会のアンケートによりますと、貯蓄の目的の第一位は、病気や不時の災害の備え、第二位は、子供の養育費や結婚資金、第三位は、老後の生活に対する備えとなっております。これらの預金は、いずれも長い間引き出すことのない長期の預金であります。それだけに、金利に対する期待はきわめて大きいものがあります。それなのに、インフレの目減りに加えて、一%という大幅に引き下げするとは、余りにも血も涙もない仕打ちと言わなければいけません。(拍手)郵便料金は大幅値上げ、同じ郵便でも貯金の方は大幅利下げ、国民は往復びんたを食らっているのであります。これをやろうとしているのは、村上さん、あなただ。  もし、この予算が通るならば——もしですよ、この予算が通るならば、政府は月に一兆円近い膨大な国債の消化を余儀なくされます。金利が低いので、引き受けを渋るところの市中銀行を納得させるためには、預金金利を引き下げて、その収益を確保してやることが必要になるでしょう。そして、このことによって、政府もまた、国債の利子をも引き下げることが可能になってまいります。ここに至って、企業に対する財源不要の補助金どころか、この金利の引き下げによって、政府自身、莫大な利益をおさめることができるわけであります。  企業は金利負担の削減のために、銀行は利ざやを確保するために、大蔵省は財源負担の軽減のために、そして自民党は選挙目当ての景気対策として、手に手を取って、一路金利の大幅引き下げにばく進している。そして泣くのは、結局、またしても庶民である。まことにこのやり方は自民党的典型であります。  なわ張り意識から村上郵政大臣は、小ざかしくも一応反対してみせました。しかし、これはしょせんポーズにすぎませんでした。心にもないポーズをとることによって、郵政大臣、あなたは、あなたを信じて貯金している総額二十一兆円と言われる零細貯金者を欺瞞し、愚弄しているのであります。  国民の反対を無視して零細貯金の金利の引き下げを強行したために、西ドイツのエアハルト内閣はつぶれたと言われている。
  76. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 佐藤君、時間ですから、結論を急いでください。
  77. 佐藤敬治

    佐藤敬治君(続) 声なき声を侮ると、三木内閣もまたエアハルト内閣の後を追うて、年末ごろには崩壊する。  私は、以上三つの点を申し上げ、この三つの大罪を犯した張本人として、不信任決議案に賛成し、村上郵政大臣の辞職を強く要求して、私の演説を終わります。(拍手
  78. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 平田藤吉君。     〔平田藤吉君登壇〕
  79. 平田藤吉

    ○平田藤吉君 私は、日本共産党革新共同を代表して、ただいま議題となっております郵政大臣村上勇君の不信任決議案に対し、賛成の討論をするものであります.(拍手)  まず、村上郵政大臣を信任できない理由の第一は、国民の強い反対により、前国会で廃案になった郵便料金値上げの法律案を、何ら反省も検討もせず、全く同じ内容で今国会に再び提出してきたことであります。これは国会を軽視し、議会制民主主義を破壊する道に通ずるものであり、国民に対する挑戦であり、断じて許すことはできません。(拍手)  そもそも今国会は、不況と物価高に悩まされている国民の生活を守ることを中心議題として審議すべき国会であります。にもかかわらず、三木内閣はこれを無視して、郵便料金値上げ、酒、たばこ値上げの法案提出し、強行しようとしているのであります。これは、物価の安定を求める国民の切実な要求を踏みにじり、物価値上げと公共料金の引き上げに拍車をかけようとするものであります。  今日、政府は、物価鎮静を盛んに宣伝していますけれども、現在予想されるものだけでも、国鉄の料金と運賃、私鉄運賃、電報電話料金、電気料金などの公共料金の値上げが計画されており、また石油の輸入価格の値上げを理由に、第一次、第二次の石油製品、石油化学製品の値上げ、セメント、鋼材、アルミ、紙パルプなどの一連の諸物価の値上げが、政府と大企業の手で計画されております。酒、たばことともに郵便料金を値上げすることは、これらの公共料金と物価値上げの突破口を開こうとするものであり、断じて許すことはできません。(拍手)  村上郵政大臣不信任決議に賛成する第二の理由は、郵便料金値上げ法案郵便法第一条「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」この規定を真っ向から踏みにじるものだからであります。(拍手)  本来、郵便は、国が国民に対して保障しなければならない基本的な公共通信手段の一つであります。だからこそ、国の行う独占事業になっているのであります。したがって、郵便法第一条にある、なるべく安く、あまねく、公平に国民が郵便を利用できるようにするのは、国の当然の責任であります。  村上郵政大臣は、赤字だから値上げはやむを得ないなどと言っていますけれども、それは事実に反しております。郵政省自身が示した資料によっても、直接郵便事業は、四十九年度に約三百億円もの黒字になっているのであります。国は、他の省庁と同様、郵政省本省、地方郵政局などの管理部門の人件費、管理運営費を当然負担すべきであります。ところが、国が負担しているのは、郵政大臣と政務次官、事務次官と大臣秘書官の四人分の人件費、年間約二千万円だけなのであります。残りの人件費、管理運営費を初め、郵便局舎、ポストから郵政省の医療機関や教育機関に至るまでの建設費、諸経費を郵便料金の中から支出しているのであります。これでは赤字と言われる状態が生まれるのは当然ではありませんか。今後引き続いて値上げをしなければならなくなってくる状態、これはいままでのやり方を続ける限り、火を見るよりも明らかであります。それは、郵便事業の公共性を根本から破壊することにほかなりません。  村上郵政大臣を信任できない第三の理由は、今回の郵便料金値上げが、はがきは二倍、封書が二・五倍という大幅値上げにとどまらず、第三種郵便料金を五倍にもしようというかつてない値上げであり、国民生活に重大な影響をもたらす不当きわまりないものだからであります。  ある身体障害者はこう言っております。「私たちはやっとの思いで手紙を書き、友人と交流して励まし合い、お互いに生きがいとしてきました。今度の郵便料金値上げは、私たちのこの生きがいを奪ってしまうもので、心から怒りにふるえています。何とか値上げをやめさせてください」と訴えています。また、病気療養中の人々から、「第三種郵便料金の値上げは会報の発行を不可能にし、私たちの会が存立できなくなります」と訴えており、こうした切実な声は、国民の多くの団体から上がっております。  本来、第三種郵便は、政府みずからが認めているように、国民の言論、表現、文化、科学の重要な手段である新聞、雑誌、学会誌など、文化の啓発、向上に貢献しようとするところにその意義があります。それゆえに料金も割引された低料金扱いになっているのであります。しかるに、今回の二倍から五倍もの料金値上げは、国民各層、とりわけ母子家庭、生活困窮者、身体障害者などの社会的弱者や通信の大部分を郵便に頼っている人々から、事実上通信手段を奪うことであり、また、憲法で保障された言論、出版の自由、文化の享受などの基本的諸権利を侵害し、じゅうりんするものであります。  また、低料金扱いのこの制度は、郵便事業の公共的本質を示すものであります。しかるに、村上勇君は、この制度の趣旨を根本から破壊する暴挙を行おうとしているものであり、断じて認めることはできません。  村上勇君を信任できない第四の理由は、郵便貯金の金利をこの十一月四日から平均一%も引き下げ、国民に新たな犠牲を強要しようとしていることであります。  この措置は、引き続く物価上昇の中で、国民が現行金利でも目減りの被害を受けているにかかわらず、目減り補償を講じないばかりか、反対に、郵便貯金の金利を引き下げることによって、年間にして、実に五百億円もの損失を国民に与えようとするものであります。  また、二十一兆八千億円に上る郵便貯金の資金は、大企業や政府関係に大部分を投資しており、国民生活にかかわりがある住宅などの生活基盤の整備、中小企業、農林漁業の振興、そして、地方財政の危機打開などへの活用はわずか三分の一程度であります。その運用は、文字どおり大企業本位の姿勢が貫かれているのであります。  さらに、その上、今回の郵便貯金の金利平均一%の引き下げは、大企業の金利負担を軽減させる政策の一環であります。
  80. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 平田君、時間ですから、結論を急いでください。
  81. 平田藤吉

    ○平田藤吉君(続) このことは、中小企業などの借り入れ金利は下げず、三菱商事が年間八十億円、三井物産が六十四億円、新日鉄や三菱重工が二十五億円もの金利負担を軽減されることを見れば明白であります。このような村上郵政大臣の大企業奉任、国民生活圧迫の姿勢は、断じて認めるわけにはいきません。(拍手)  以上述べたとおり、村上郵政大臣は、郵便法第一条の目的と郵便貯金法第一条の目的を踏みにじり、国民に郵便料金値上げ、郵便貯金の金利引き下げの犠牲を押しつけるという、反国民的な政治を強行しようとしております。このような村上勇君の態度は、郵政大臣としての資格を喪失したものであり、われわれは断じてその職責にあることを容認できません。  以上をもって、村上郵政大臣の不信任決議案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)     —————————————   討論終局動議
  82. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 宇野宗佑君外二十四名から、討論終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本動議に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  83. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  84. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  85. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  86. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百七十九   可とする者(白票)       二百二十   否とする者(青票)       百五十九
  87. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 右の結果、討論は終局するに決しました。     —————————————  宇野宗佑君外二十四名提出討論終局動議を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    有田 喜一君       伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君       石井  一君    石田 博英君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    今井  勇君       宇田 國榮君    宇都宮徳馬君       宇野 宗佑君    上田 茂行君       上村千一郎君    植木庚子郎君       臼井 莊一君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       江藤 隆美君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大石 武一君    大竹 太郎君       大野  明君    大野 市郎君       大橋 武夫君    大平 正芳君       大村 襄治君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤 紘一君       加藤太郎君    加藤 六月君       加藤 陽三君    海部 俊樹君       笠岡  喬君    梶山 静六君       粕谷  茂君    片岡 清一君       金丸  信君    金子 一平君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君       仮谷 忠男君    瓦   力君       木野 晴夫君    木部 佳昭君       木村武千代君    北澤 直吉君       吉川 久衛君    久野 忠治君       久保田円次君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       栗原 祐幸君    小泉純一郎君       小坂善太郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小林 正巳君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 洋平君    河本 敏夫君       國場 幸昌君    近藤 鉄雄君       左藤  恵君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 孝行君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君       坂村 吉正君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       志賀  節君    塩川正十郎君       塩崎  潤君    塩谷 一夫君       澁谷 直藏君    島村 一郎君       正示啓次郎君    鈴木 善幸君       住  栄作君    瀬戸山三男君       染谷  誠君    田川 誠一君       田澤 吉郎君    田中  覚君       田中 龍夫君    田中 正巳君       高鳥  修君    高橋 千寿君       竹内 黎一君    竹下  登君       竹中 修一君    谷垣 專一君       谷川 和穗君    地崎宇三郎君       戸井田三郎君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾 栄一君       中尾  宏君    中川 一郎君       中曽根康弘君    中村 弘海君       中山 利生君    中山 正暉君       灘尾 弘吉君    楢橋  進君       二階堂 進君    丹羽喬四郎君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西村 直己君       西銘 順治君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生田 進君    葉梨 信行君       橋口  隆君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       旗野 進一君    八田 貞義君       服部 安司君    浜田 幸一君       濱野 清吾君    林  大幹君       林  義郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    深谷 隆司君       福田 赳夫君    福田 篤泰君       福田  一君    福永 一臣君       福永 健司君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    藤波 孝生君       藤本 孝雄君    船田  中君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田治一郎君    前田 正男君       増岡 博之君    松永  光君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    水田三喜男君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    村岡 兼造君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎  拓君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 幸雄君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君  否とする議員氏名       阿部 助哉君    阿部未喜男君       井岡 大治君    井上  泉君       井上 普方君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    稲葉 誠一君       岩垂寿喜男君    上原 康助君       江田 三郎君    枝村 要作君       小川 省吾君    大出  俊君       大柴 滋夫君    太田 一夫君       岡田 哲児君    加藤 清政君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金子 みつ君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    河上 民雄君       木島喜兵衞君    木原  実君       久保 三郎君    久保  等君       小林 信一君    兒玉 末男君       上坂  昇君    佐藤 観樹君       佐藤 敬治君    佐野 憲治君       佐野  進君    斉藤 正男君       坂本 恭一君    島本 虎三君       嶋崎  譲君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    竹村 幸雄君       楯 兼次郎君    塚田 庄平君       土井たか子君    堂森 芳夫君       中澤 茂一君    中村  茂君       楢崎弥之助君    野坂 浩賢君       芳賀  貢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八百板 正君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山本 政弘君       山本弥之助君    湯山  勇君       米内山義一郎君    米田 東吾君       横路 孝弘君    横山 利秋君       吉田 法晴君    和田 貞夫君       渡辺 三郎君    青柳 盛雄君       荒木  宏君    諫山  博君       石母 田達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       紺野与次郎君    柴田 睦夫君       庄司 幸助君    瀬崎 博義君       瀬長亀次郎君    田代 文久君       田中美智子君    多田 光雄君       津金 佑近君    津川 武一君       寺前  巖君    土橋 一吉君       中川利三郎君    中路 雅弘君       中島 武敏君    野間 友一君       林  百郎君    東中 光雄君       平田 藤吉君    不破 哲三君       正森 成二君    増本 一彦君       松本 善明君    三浦  久君       三谷 秀治君    村上  弘君       山原健二郎君    米原  昶君       浅井 美幸君    新井 彬之君       有島 重武君    石田幸四郎君       小川一郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    沖本 泰幸君       北側 義一君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       林  孝矩君    広沢 直樹君       伏木 和雄君    松本 忠助君       矢野 絢也君    山田 太郎君       渡部 一郎君    小沢 貞孝君       河村  勝君    小平  忠君       竹本 孫一君    塚本 三郎君       永末 英一君    和田 耕作君       渡辺 武三君     —————————————
  88. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 郵政大臣村上勇不信任決議案につき採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本決議案に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんととを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  89. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  90. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場閉鎖
  91. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  92. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百八十二   可とする者(白票)       百六十     〔拍手〕   否とする者(青票)      二百二十二     〔拍手
  93. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 右の結果、郵政大臣村上男君不信任決議案は否決されました。(拍手)     —————————————  米田東吾君外八名提出郵政大臣村上勇不信任決議案を可とする議員氏名       阿部 助哉君    阿部未喜男君       井岡 大治君    井上  泉君       井上 普方君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    稲葉 誠一君       岩垂寿喜男君    上原 康助君       江田 三郎君    枝村 要作君       小川 省吾君    大出  俊君       大柴 滋夫君    太田 一夫君       岡田 哲児君    加藤 清政君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金子 みつ君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    河上 民雄君       木島喜兵衞君    木原  実君       久保 三郎君    久保  等君       小林 信一君    兒玉 末男君       上坂  昇君    佐藤 観樹君       佐藤 敬治君    佐野 憲治君       佐野  進君    斉藤 正男君       坂本 恭一君    島本 虎三君       嶋崎  譲君    下平 正一君       田口 一男君    田中 武夫君       田邊  誠君    多賀谷真稔君       高沢 寅男君    竹内  猛君       竹村 幸雄君    楯 兼次郎君       塚田 庄平君    土井たか子君       堂森 芳夫君    中澤 茂一君       中村  茂君    楢崎弥之助君       野坂 浩賢君    芳賀  貢君       馬場  昇君    長谷川正三君       日野 吉夫君    平林  剛君       広瀬 秀吉君    福岡 義登君       藤田 高敏君    古川 喜一君       堀  昌雄君    松浦 利尚君       三宅 正一君    美濃 政市君       武藤 山治君    村山 喜一君       村山 富市君    森井 忠良君       八百板 正君    八木  昇君       安井 吉典君    山口 鶴男君       山田 耻目君    山田 芳治君       山本 政弘君    山本弥之助君       湯山  勇君    米内山義一郎君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    吉田 法晴君       和田 貞夫君    渡辺 三郎君       青柳 盛雄君    荒木  宏君       諫山  博君    石母田 達君       梅田  勝君    浦井  洋君       金子 満広君    木下 元二君       栗田  翠君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君       田代 文久君    田中美智子君       多田 光雄君    津金 佑近君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       野間 友一君    林  百郎君       東中 光雄君    平田 藤吉君       不破 哲三君    正森 成二君       増本 一彦君    松本 善明君       三浦  久君    三谷 秀治君       村上  弘君    山原健二郎君       米原  昶君    浅井 美幸君       新井 彬之君    有島 重武君       石田幸四郎君    小川一郎君       大久保直彦君    大野  潔君       大橋 敏雄君    近江巳記夫君       沖本 泰幸君    北側 義一君       小濱 新次君    坂井 弘一君       坂口  力君    鈴切 康雄君       瀬野栄次郎君    田中 昭二君       高橋  繁君    林  孝矩君       広沢 直樹君    伏木 和雄君       松本 忠助君    矢野 絢也君       山田 太郎君    渡部 一郎君       小沢 貞孝君    河村  勝君       小平  忠君    竹本 孫一君       塚本 三郎君    永末 英一君       和田 耕作君    渡辺 武三君  否とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    有田 喜一君       伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君       石井  一君    石田 博英君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    今井  勇君       宇田 國榮君    宇都宮徳馬君       宇野 宗佑君    上田 茂行君       上村千一郎君    植木庚子郎君       臼井 莊一君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       江藤 隆美君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大石 武一君    大竹 太郎君       大野  明君    大野 市郎君       大橋 武夫君    大平 正芳君       大村 襄治君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤 紘一君       加藤太郎君    加藤 六月君       加藤 陽三君    海部 俊樹君       笠岡  喬君    梶山 静六君       粕谷  茂君    片岡 清一君       金丸  信君    金子 一平君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君       仮谷 忠男君    瓦   力君       木野 晴夫君    木部 佳昭君       木村武千代君    北澤 直吉君       吉川 久衛君    久野 忠治君       久保田円次君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       栗原 祐幸君    小泉純一郎君       小坂善太郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小林 正巳君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 洋平君    河本 敏夫君       國場 幸昌君    近藤 鉄雄君       左藤  恵君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 孝行君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君       坂田 道太君    坂村 吉正君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       笹山茂太郎君    志賀  節君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       塩谷 一夫君    澁谷 直藏君       島村 一郎君    正示啓次郎君       鈴木 善幸君    住  栄作君       瀬戸山三男君    染谷  誠君       田川 誠一君    田澤 吉郎君       田中  覚君    田中 龍夫君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       竹下  登君    竹中 修一君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       地崎宇三郎君    戸井田三郎君       渡海元三郎君    登坂重次郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       中尾 栄一君    中尾  宏君       中川 一郎君    中曽根康弘君       中村 弘海君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    二階堂 進君       丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君       西岡 武夫君    西村 英一君       西村 直己君    西銘 順治君       根本龍太郎君    野田 卯一君       野中 英二君    野原 正勝君       野呂 恭一君    羽田  孜君       羽田野忠文君    羽生田 進君       葉梨 信行君    橋口  隆君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  大幹君       林  義郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    深谷 隆司君       福田 赳夫君    福田 篤泰君       福田  一君    福永 一臣君       福永 健司君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    藤波 孝生君       藤本 孝雄君    船田  中君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田治一郎君    前田 正男君       増岡 博之君    松永  光君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    水田三喜男君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    村岡 兼造君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎  拓君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 幸雄君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君      ——————————
  94. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) この際、一時間休憩いたします。     午前五時四十一分休憩      ————◇—————     午前六時四十五分開議
  95. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ————◇—————
  96. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 荒木宏君外八名から、大蔵大臣大平正芳不信任決議案提出されました。  本決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略して、議事日程に追加するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。      ————◇—————  大蔵大臣大平正芳不信任決議案荒木宏君   外八名提出
  98. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 大蔵大臣大平正芳不信任決議案を議題といたします。  提出者趣旨弁明を許します。荒木宏君。     ————————————— 大蔵大臣大平正芳不信任決議案    〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔荒木宏君登壇〕
  99. 荒木宏

    荒木宏君 私は、日本社会党日本共産党革新共同、公明党並びに民社党を代表して、ただいま議題となりました大蔵大臣大平正芳不信任決議案の提案の趣旨並びにその理由を御説明申し上げます。(拍手)  まず、案文を朗読いたします。     大蔵大臣大平正芳不信任決議案   本院は、大蔵大臣大平正芳君を信任せず。   右決議する。     〔拍手〕  理由を申し述べます。  大蔵大臣は、国の経済、財政、金融政策を国民の立場に立って適確にこれを処理し、確実な見通しを立て、国民の生活を守り、経済の民主主義を貫いて、日本経済の発展に尽くすべき重大な責務を負っております。しかるに、大蔵大臣大平正芳君は、この責務を自覚せず、以下に申し述べますとおり、税財政、金融政策の運用を誤り、未曾有の不況インフレを激化させ、国民生活と日本経済を破壊した、その責任はまことに重大であります。  一、経済、財政政策を誤り、国民犠牲の総需要抑制政策を長期化させて、不況を深刻化させたこと。  一、歳入見積もりを誤り、巨額の歳入欠陥を生ぜしめ、国と地方の財政危機を招いたこと。  一、国民生活を圧迫し、インフレを助長する酒、たばこの値上げ法案を強行したこと。一、大企業本位の不況対策をとり、かってない失業と雇用不安をつくり出し、中小企業、農業の経営を不安に陥れたこと。  一、老人、身障者など弱者の生活難を激化させ、しかも預金目減りの補償対策を全く講ぜず、預金金利の引き下げを強行したこと。一、大企業、資産家優遇政策を進め、税の不公平を是正せず、所得、資産の格差を拡大し、不公正を助長したこと。  よって、経済、財政、金融を所管する大蔵大臣の責任はきわめて重大であります。  以上が本決議案提出する理由であります。  若干の説明を補足いたします。  大平正芳君は、三木内閣の大蔵大臣に就任後、国民犠牲の総需要抑制政策を続け、労働者の賃金水準や社会保障の水準を、発達した資本主義諸国の中で最低位に縛りつけ、国民総支出の中で個人消費支出の比重を低下させ続ける一方、大企業に対しては、不公正な逆累進をもたらすさまざまな特権的減免税措置や各種の補助金、また輸出入銀行や開発銀行など、特別に低利の有利な資金を大量に提供して、大企業の過大な資本蓄積、内部留保を手厚く保障してまいりました。大企業は強化され、国民は苦しむというこのやり方、これは国民生活を著しく圧迫するとともに、生産と消費の矛盾を特別に鋭くし、不況を一層深刻化、かつ長期化させたのであります。同時にそのことは、不況下で巨額の歳入欠陥をもたらした原因であったこともまた明白であります。この大企業本位の国民犠牲の総需要抑制政策の継続こそ、国民生活と日本経済をかつてない危機に陥れてきた最大の原因であります。  すなわち、完全失業者は百万人を超え、労働者と兼業農民の首切り、学校卒業者の就職難は広がり続け、中小業者の倒産は月間一千件に近いという異常な状態になりました。インフレも、おさまるどころか、消費者物価は依然としてあの狂乱物価にさらに上乗せする物価高騰が続き、勤労者の実質賃金が、前年対比で春闘直後から連続してマイナスになるなど、国民の生活水準の低下は明白であり、深刻な危機に見舞われておるのであります。  労働者、農漁民、そして中小業者が、働く意思と能力を持ち、しかも、日本国憲法第二十七条で定める勤労の権利と義務の履行を切実に求めておりますとき、資本主義社会第二位の工業生産力を持ちながら大量の失業と倒産を引き起こし、国民生活を破壊した大蔵大臣大平正芳君の責任は、明白かつ重大だと言うべきであります。(拍手)  大平正芳君は、これに一片の反省も示さないばかりか、新価格体系の名のもとに、ビール業界など大企業の価格引き上げを推奨し、ビールの値上げに反対するのは暴力だなどと暴言を吐き、財界からの政治献金の再開と引きかえに、早くから経団連が提出しておりました新幹線、、高速道路など、高度成長の表看板であったあの大型プロジェクトの復活、公定歩合の大幅連続引き下げなど、財界本位の不況対策を進めております。零細な国民の預貯金の金利を犠牲にし、大銀行、大企業にぬれ手でアワの巨利をもたらすという、この大平正芳君の所為が国民生活と日本経済の立て直しにもたらす害悪は、またはかり知れないものがあります。  第一に、それは財政赤字の穴埋めと大企業本位の公共事業など、その財源捻出をもっぱら国民に負担させているのであります。特に酒、たばこの値上げ法案の再提出、それも単なる再提出ではありません。不況対策と称して召集したこの臨時国会に、肝心の補正予算案の提出は約一カ月もおくらせながら、勤労者の実質賃金が低下し続けておりますときに、史上最高の大幅値上げ法案を真っ先に提出し、あまつさえ、大蔵委員長が一方的に強行開会した大蔵委員会に臨み、上村千一郎君の暴挙に呼応して、与野党国対委員長会談のための話し合いが行われている最中に、値上げ法案の趣旨説明と質疑応答を強行したのであります。これは、大蔵委員会の慣例を乱暴に破り、議会制民主主義をじゅうりんする暴挙と言わなくてはなりません。  加えて、深刻な地方財政に対し、地方債全額の政府資金引き受けを求める地方自治団体の切実な要求を認めようとせず、超過負担の完全解消をも拒否し、住民福祉をさらに後退させ、国民生活に圧迫を加え続けております。ただでさえ、先進諸国に比べて著しく立ちおくれている生活基盤投資を、産業基盤投資の犠牲にしてきたこのしわ寄せが、国民生活の困難を一層大きくするとともに、いま最も必要な国民生活の改善を軸とする国内市場の拡大をも妨げておることは言うまでもありません。  第二に、さらに重大なことは、巨額の歳入欠陥をもたらした責任と赤字国債の大量発行で、そのツケを国民に回そうとしていることであります。  すでに昭和四十九年度八千億円を超える歳入欠陥を生じましたときに、わが党初め各党は、その責任を厳しく追及し、不急不要な経費の削減、大企業への特権的減免税の再検討など、国民本位の税財政政策への転換の道を提起したのであります。  大平正芳君は、その追及に対して、口先では歳入欠陥の責任を認めながら、行為では一かけらの反省も示さず、本年当初予算でも、大企業本位の税財政、金融の仕組みを温存するばかりか、主として大企業が利用している戻し税制度や間接税の増大など、その格差を一層拡大したのであります。  加えて、第四次不況対策並びに補正予算において、大型プロジェクトの復活を図り、その財源調達のために、財政法の枠を超えた大量の赤字公債の発行を強行しようとしているのであります。利払いだけですでに一兆円を超えているとき、こうした赤字国債の大量発行が、インフレと重税を激しくする亡国国債となることは論をまたないのであり、これが大平正芳君の責めに帰することは万人の認めるとこるであります。(拍手)  よって、大平正芳君はとうてい信任し得ず、本案を提案する次第であります。  以上、若干の説明を申し上げまして、私の提案理由の説明を終わります。(拍手)     —————————————
  100. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。加藤清政君。     〔加藤清政君登壇〕
  101. 加藤清政

    加藤清政君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました大平大蔵大臣不信任決議案に対し、提案者に質問をいたします。  不況とインフレが併存する中で、経済の不安定は一層拡大され、国民生活は、不況とインフレの二重苦に板ばさみに遭いながら、一層苦しいものになっております。その中で社会的不公正はますます拡大し、特に低所得者層ほどそのしわ寄せを強く受けております。ちなみに、中小零細企業の倒産は増加しております。また、雇用問題はすでに社会的問題となっており、完全失業者は九十四万人、潜在失業者は約二百万人と言われております。  このように、経済的、社会的不安の増大する中で、何ら効果的な対策を講じなかった大平大蔵大臣の責任は重大でありまして、不信任案の提出はもっともなことであろうと思います。(拍手)  しかしながら、大蔵大臣を不信任するということは重大なことでありますので、以下、提案者に個別的に質問をいたしたいと存じます。  まず第一には、三兆九千億円の歳入不足に対する大平大蔵大臣の責任であります。  政府、大蔵省の経済見通しの失敗、その後における経済政策の失敗について指摘がありましたが、その一つの問題点として、所得税収の見積もり過大があったことが挙げられております。過大となった原因は、今春闘における賃金上昇率の低さにあります。大蔵省は、雇用者所得の伸びを対前年度比一人当たり一七%のアップを見込みながら、今春闘時においていわゆる一五%のガイドラインを設定したことに対して、大蔵大臣はいかなる態度で臨んだと思われるか、その点をお聞きいたしたいと思います。  次に、第二点として、税収不足の補てん策として、三兆四千八百億円もの巨額の国債発行が行われようとしております。しかも、そのうちの二兆二千九百億円は赤字国債であります。このように巨額の国債の発行が行われた場合には、これによって、インフレがますます進行することは火を見るより明らかであります。  今回の国債発行をインフレ抑制の観点に立って見た場合、具体的な歯どめ策が全く明示されていないのであります。赤字国債の発行というような特異な事態であればあるほど、厳格な物価の上昇に対する歯どめ策が必要であろうと思います。そして、国債の償還計画、日銀の引き受け防止策等を明らかにすべきであろうと思いますが、この点、大蔵大臣はどのように対処したと考えられますか、お伺いいたします。  次に、第三点として伺いますが、大平大蔵大臣は高度経済成長論者であると言われております。したがって、物価上昇には目をつぶるといった危険を冒そうとしております。物価が上昇している中での公共料金の値上げは、ただ単にその値上げによる影響だけにとどまらず、他の物価に及ぼす心理的影響、そして、それに伴う便乗値上げの発生等が強く懸念されるものであります。それにもかかわらず、大平大蔵大臣は再び酒、たばこの値上げを提案されております。酒、たばこの値上げは、低所得者層になるほど負担は重くなるのであります。それとともに、今後の物価上昇の引き金になりかねないのであります。公共料金の値上げは、物価上昇に与える波及効果は大きいのであります。  物価の抑制は、今後も依然として重要な政策目標であります。大蔵大臣は、その責任と姿勢を示すためにも、酒、たばこの値上げはすべきでないと考えますが、この点、いかがでしょうか。  次に、第四点としてお尋ねいたしますが、歳入不足に対する税収補てん策であります。  財政欠陥の処理は、年度における増税、歳出削減で行うべきであります。それをやらないことは、大蔵大臣の怠慢であろうと思います。そして、そのしわ寄せを赤字国債の発行ということで済ますべきではないと思います。  税収補てん策としては増税対策がありますが、特に今後の租税政策の面から考えてみますれば、高度経済成長型税制の特徴でありますところの資産取得、高額所得者優遇、大企業優遇の租税特別措置の減税制度の廃止が必要であろうと思います。そして、来年度の税制改正を展望した緊急政策として、実施できるものは直ちに実施すべきであると考えます。今年度当初に、歳入欠陥が莫大に生ずることがほぼ判明していたにもかかわらず、税制の改正を見送った責任と相まって、税制改革をすべきだったと思いますが、この点についてお尋ねいたします。  続いて、第五点として、金融政策についてでありますが、特に中小零細企業の面から指摘をいたしたいと思います。  金融構造の中で、従来から中小零細企業に対する金融は常に冷遇されてきております。政府系三金融機関に対する財政投融資金の繰り入れも、昨年末に比べまして三百億円しか増額されておらないのでありますが、これで十分ではないと思います。したがって一中小企業者の資金需要に十分にこたえていないのが現状であります。このたびの第四次不況対策においても、開発銀行、輸出入銀行の資金増が行われております。しかるに、政府系三金融機関の資金量の大幅な増額を必要としているにもかかわらず、その方向はいまだ十分とは言えないと考えますが、いかがでしょうか。  また、中小零細企業の民間金融機関からの借り入れに当たっては、歩積み両建てによる資金の拘束が厳しいのであります。このため、中小企業者は十分な借り入れをすることができない上に、金利の面でも、高金利となる不利益をこうむっております。  さらに、信用保証制度についても、信用保証協会への補助金の支出、中小企業信用保険公庫の基金も十分ではありません。しかも、保証枠は狭く、保証料率はまだまだ高いのであります。インフレによって経営資金の必要額は増大してきているにもかかわらず、それに対する対応措置は大変立ちおくれていると言わざるを得ないのであります。また、巨額な国債の発行によって金融が圧迫されて、中小企業へはますます資金が回らなくなるのではないかということが大変懸念されますが、これに対して何らの対策も明らかにされておりません。  これらの政府の一連の政策、そして大蔵大臣の姿勢は、全く弱者切り捨てと言わざるを得ないのであります。この点についての御見解を伺いたいと思います。  次に、第六点として、不況対策の実施面での一つの隘路は、地方自治体財政の危機にあります。地方自治体の税源は中央に集中されております。そして公共事業の大部分は補助金事業でありまして、超過負担で苦しめられております。地方自治体の自主起債の道は閉ざされております。経済構造の転換のためには、中央、地方の税財政構造の転換は必要不可欠であろうと思います。それにもかかわらず、政府にはその方針がなく、単に国民の負担を重くすることだけをもくろんでいるとしか考えられない現状であります。大蔵大臣は財政主導型経済の直接の担当責任者であるにもかかわらず、従来のパターンを踏襲しておると言わざるを得ないのであります。これでは、現在国民が悩んでいるインフレも不況も解決することはできないと思います。そして、その被害は国民にかぶさってきております。中でも老人、身障者など、弱者の生活難を一層激化させ、しかも、預金目減りの補償政策を講ぜず、預金金利の引き下げを先行させております。これらの点に対しまして、大蔵大臣の責任は重大であります。そして、税財政構造の転換を実行しない怠慢は厳しく追及されなければならないと考えるのであります。(拍手)  以上申し上げました諸点に対しまして、提案者荒木議員の明快な答弁を求めまして、質問を終わります。(拍手)     〔荒木宏君登壇〕
  102. 荒木宏

    荒木宏君 加藤君の御質問にお答えをいたします。  まず第一は、勤労所得が見積もり過大であった、これは賃上げが低く抑えられたからではないか、そのときに賃上げ率一五%というガイドラインを出して、政府が賃上げを抑えようとしたときに大蔵大臣のとった態度はどうか。こういうことでございますが、勤労所得を低く抑え、それが落ち込んだということが賃上げの抑制であったということ、これは御指摘のとおりでございます。特に大平正芳君は、年度当初に一七%の勤労所得の伸びを見込んでおりました。ところが、御案内のとおり、施政方針演説その他で、この勤労所得、賃上げを抑えることに狂奔をいたしました。不況インフレのまことに厳しいときに、何よりも必要なのは、まず働く勤労国民の生活防衛でございます。そして、その勤労国民の生活を守り、購買力を高めて個人消費を拡大していくことが、同時に市場を拡大していくことにもつながる。これを保障することが、大蔵大臣としてとるべき措置だと考えます。  特に申し上げたいのは、いろいろ見積もりということがあります。また、人間のすることですから、見積もりの誤りということもまたありましょう。現に西ドイツで、大蔵大臣エアハルト氏がこの見積もりを誤ったことがありました。しかし、今回の大蔵大臣大平正芳君の例は、これとは違うのであります。見積もりを誤ったのではなくて、みずから立てた見積もり以下に無理やりに抑え込んだ。つまり、手落ちでそうなったというのではなくて、わざとそうなった。これははっきり違うのであります。過ちで見積もりの間違いを犯したときでさえ、その職を辞するというのが世の常でありますが、この大平正芳君の、わざと抑え込んで歳入欠陥をもたらした、にもかかわらず居すわりを続けておるというのは、全く他に例のないことでありまして、その意味から、責任はきわめて重大だと思うのでございます。(拍手)  第二の御質問でありますが、赤字国債は厳格な歯どめが要るのではないか、まことに御指摘のとおりでございます。特に、私がむしろこの際御注意を申し上げたいのは、従来、大蔵大臣大平正芳君が市中消化ということを申してまいりました。しかし、こういった市中消化が、あたかも歯どめになるかのようなことを言ってまいりましたけれども、それが決して歯どめにならないことは、現状が明らかにこれを示しておるのであります。  いまから十年前、赤字国債、国債が初めて発行されましたときに、当時の千円札、その当時の価値で現在見ますと、いま、公約どおり九・九%に抑えられたとして、実に四百円近くに下落しておるのであります。これで見まして、言うところの市中消化が決して歯どめにならないということは明らかでございまして、特に不信任とともに、この害悪除去のために、子供だましのような市中消化といったようなことに惑わされないように、特に御注意を申し上げたいと思うのであります。  第三の御質問は、酒、たばこの値上げが、公共料金並びに物価引き上げの引き金になるのではないか、こういう御質問でございました。  この点も御指摘のとおりでございまして、特に申し上げたいのは、いま物価が鎮静の傾向を示しておるなどと一部の人は言っておりますけれども、これは全くのごまかしであります。つまり、狂乱物価の上にまだいまの物価上昇が上乗せをされておる。まあ言うなれば、火災にたとえますと、どんどんどんどん火炎が大きくなってきて燃え盛っておる。この炎の強さ、これはそのときによって強弱はあります。決して一様ではありません。しかし、真っ盛りの炎の勢いが少し衰えたからといって、それで火災がおさまったなどということは絶対に言えぬのであります。どんどんどんどん広がってきて、いまその周りの余熱で、その中にいる国民は、物価高のために大変な苦しみを受けておるのでありまして、現に、この石油危機直前の四十八年十月を境にいたしまして、それ以来の物価上昇率は、西ドイツは二一%、アメリカは二七%、日本は実に五二%という、諸外国と比べてみても、比較にならないほどの大変な上昇を示しておるわけであります。しかもその上に、バターから鉄鋼まで、民間の大企業製品が次々と値上げをしようというところへ加えて、赤字国債の大量発行、しかも実質賃金が低下し続けておるというのでありますから、かような酒、たばこ、公共料金の大幅値上げは絶対にするべきでない、その責任はきわめて重大だということは、質問者の御指摘のとおりでございます。  第四は、税制改革をすべきではないか、大企業優遇税制の是正をすべきではないかという御質問でございます。  この不公正な税制が、いま逆累進の結果をもたらしておるということ、これはもう広く知れ渡っております。現に、大蔵大臣大平正芳君の発表によりましても、昭和四十六年、四十七年、四十八年と、資本金百億円以上の大企業の方が、資本金一億円以下の中小企業よりも、実際の負担する税率がかえって低いという、まことに不公正な結果が明らかになっております。私の質問でもこのことは明らかになりました。しかも、それが歳入欠陥の原因になっておるということもまた明らかであります。  これがどんなに不当かというととは、すでに先ほど貸し倒れ引当金を例にとりまして、同僚の増本議員一それから山田議員の方からるるお話がありましたが、私が特に申し添えたいのは、一つは、たとえば公害防止準備金、公害防止機械の特別償却というのなどがありますけれども、御案内のように、あの六価クロム公害を引き起こした恐ろしい公害企業日本化学工業というのが、この公害防止準備金をどっさり積んでおるのであります。しかも、その公害防止準備金をたくさん積んでおるのは、鉄鋼業、たとえば川崎製鉄でありますけれども、これは御案内のように、住民から公害企業だといって、どんどん指弾を受けて、訴訟まで起こされておるではありませんか。ここに公害防止準備金などの特別の税制上の保護を手厚くしてやる、不公正である、同時に歳入欠陥である、これはもうだれにでもわかる道理でありまして、しかも、こういった特別の減免税措置を多額に受けております企業の一つに、たとえば自動車産業ではトヨタ自動車がありますけれども、先日のわが党の正森議員の質問でも明らかになりましたように、御案内のように駆け込み増産ということまでやる。ああいう世間に迷惑をかけるようなところにうんと手厚く保護してきたという大平正芳君の責任は、これはきわめて重大だと思うのであります。(拍手)  また、個人の点について申しましても、大資産家の配偶者の相続税の配偶者控除、これはもう青天井であります。高額所得者の給与所得控除、これまた青天井でありまして、こういったような特に高額資産家の税制を優遇する不公正なあり方は、加藤君御指摘のように、これは直ちに改革をする必要があります。  さらに、もう一言つけ加えて申し上げますと、いま戻し税制度というのがございますが、これは当該の事業年度に欠損になりますと、前に納めた税金をわざわざ戻してやる。大企業に八割以上利用されておりますけれども、勤労者の家計費が赤字であってもそういった扱いはしない。大企業に歳入欠陥だというときに、わざわざどんどんどんどん戻してやる。しかも、これが数千億円だ。こういったことも、またいま早急に是正すべき税制の改革点の一つだというふうに考えておりまして……
  103. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 荒木君、時間ですから、結論を急いでください。
  104. 荒木宏

    荒木宏君(続) との点の責任者である大平正芳君の責任はきわめて重大であります。  第五点の金融の不公正の点については、改めて申し上げるまでもないと思います。御指摘のとおりでございます。  また、地方財政の点につきましては、これは、いま自民党の知事や市長さんさえも、いまのこの大平正芳君のやり方に不満を持って、次々陳情に見えておるということ一事を見ましても、加藤君御指摘のとおりでございます。この点は、預金の目減り補償をしないまま二十兆円に上る零細な国民の預金金利をさらに引き下げて、そして大銀行、大企業をさらに優遇してまで公定歩合の引き下げをしようとする、こうした税、財政、金融の仕組みを転換する必要があることは、加藤君御指摘のとおりだと存じまして、以上、御答弁申し上げる次第でございます。(拍手
  105. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 瀬野栄次郎君。     〔瀬野栄次郎君登壇〕
  106. 瀬野栄次郎

    瀬野栄次郎君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました大蔵大臣大平正芳君に対する不信任案に対し、提案者に御意見を率直に承りたいと思うのであります。  質問の第一は、不況対策の中心となるべき補正予算案の国会提出をおくらせながら、第七十五国会で廃案となった酒、たばこの両値上げ法案をおくめんもなく再提出し、しかも、大蔵委員会において、単独強行採決に訴えても、値上げを強行しようとする国民生活無視の大蔵大臣の責任についてであります。  今日のわが国の経済は、政府自民党の政策の失敗から、不況対策はますます深刻化する一方であります。この不況の結果、失業者は激増し、本年三月には百十二万人を記録し、いまなお、百万人に近い高水準を推移し、高年齢者や女子労働者を初め、来年の新規学卒者の就職難など、雇用条件は悪化するばかりであります。一方、中小企業の倒産も激増し、その負債総額は戦後最大となっています。さらに、打ち続く物価の高騰は国民生活を直撃し、低所得者層のエンゲル係数は四〇%を超え、生活苦を強いられているのであります。  国民生活が破綻の危機へと追い込まれている中で国民が緊急に切望しているのは、国民生活を優先する景気対策であり、その裏づけとなる補正予算案の速やかな提出であったのであります。  しかるに、大蔵大臣は、これら不況対策をさておき、庶民の唯一嗜好品である酒、たばこの値上げ法案を真っ先に国会提出したのであります。この態度自体が、すでに国民に対する背信行為であると断ぜざるを得ないのであります。  しかも、この酒、たばこ値上げ法案は、さきの第七十五通常国会において、値上げに反対する国民世論を背景に廃案となったものであります。にもかかわらず、大蔵大臣大平正芳君は、今国会開会早々再提出し、これを自民党は、議院運営委員会で話し合いと合意において措置をするという確認を無視して、大蔵委員会において自民党単独で強行採決をするという暴挙を行ったのであります。この議会運営のルールを完全に無視した独善的な姿勢は、まさに議会制民主主義を破壊するのみであり、断じて容認するわけにはいかないのであります。  このように、国民生活を守ることを二の次にし、値上げ法案を再提出して、優先的に成立を図ろうとした大蔵大臣の姿勢とその責任を見逃すわけにはいきません。この点について、まず提案者の御所見を承りたいのであります。  質問の第二点は、酒、たばこの値上げが塗炭の苦しみにあえぐ国民生活をさらに圧迫することは明白です。この点についての見解を承りたいのであります。  すなわち、酒、たばこの値上げは、その性格からいって、大衆課税の強化となるとこは必至であり、負担の増加という国民に犠牲を強いるばかりか、ただでさえ不公平な税制度であるわが国の税制をますます不公平にし、二重の不公平をつくり上げるものであります。  大蔵大臣は、歳入欠陥の補てん策について、みずから選択的増税なる言葉を用い、能力のあるところがらは応分の負担を願うと公言しながら、本年度税制改正では不公平税制の是正にほとんど手をつけず、金融機関の貸し倒れ引当金の繰り入れ率の引き下げについても、当初の予定から大きく後退して、小幅の改正にとどめているのであります。この貸し倒れ引当金の縮小だけでも、たばこ値上げによる歳入分をはるかに超える税収が可能なはずであります。  これを見てもわかりますように、抵抗力の強いところには弱く、抵抗力の弱いところには強い姿勢で臨むという、弱者に犠牲を強いる反国民的な姿勢は、断じて許せないのでありますが、これに対する御意見を承りたいのであります。あわせて、酒、たばこの値上げが他の物価に及ぼす影響はきわめて大きく、再び政府主導型の物価高騰を招くことは必定でありますが、御所見を伺いたいのであります。  質問の第三点は、安易な赤字国債の発行についての責任についての提案者の所見をお伺いしたいのであります。  大平大蔵大臣は、経済運営について重大な誤りを犯したのみならず、適切な不況対策を速やかに講じなかった結果、本年度の税収が三兆九千億円に及ぶ巨額な赤字を生み出してしまったのであります。本年度の税収が落ち込むことは、四十九年度末において、すでに大臣自身が一番よくわかっていたはずであります。しかるに、何ら対策を講ぜず、いたずらに今日の状態を招いたことは、もはや大蔵大臣としての能力を疑わざるを得ないのであります。しかも大平大蔵大臣は、この三兆九千億円にも及ぶ膨大な赤字を出したことについてはことさら触れようともせず、その責任を糊塗し、ひたすら酒、たばこの値上げによる歳入確保を図っているのであります。  さらに、赤字国債を二兆二千九百億円も発行し、その上、御用金としか言えないこの国債発行に対して、インフレ防止のための施策、償還財源計画、日銀の買いオペ、公社債市場の整備等、当然行うべき基本的なことも全く手をつけないのであります。赤字国債発行について、大蔵大臣の責任について、率直に御意見を伺いたいのであります。  質問の第四は、大企業優先の補正予算を編成し、所得減税など、国民の要望を全く無視した大蔵大臣の責任について、どのようにお考えになっているかということであります。  政府提出した不況対策ば、高度成長期と全く同じパターンで、高速道路建設など、産業基盤造成の大型プロジェクトに重点を置くというものであり、全くの大企業のための不況対策であります。したがって、そこには国民が切に要望している失業、中小企業倒産の防止、落ち込んだ消費需要の喚起、福祉対策の充実など、きめの細かい対策が講じられていないのであります。このように国民の要望を無視した大蔵大臣の大企業本位の姿勢は、まことに許しがたいと言わなければなりません。  質問の第五は、預金金利の引き下げを強行した大蔵大臣の責任についてであります。  大平大蔵大臣は、公定歩合の引き下げや国債発行の条件づくりのために、預金金利の引き下げを決定しました。異常なインフレで、すでに国民の預貯金は大幅に目減りをしており、その上、物価の安定の見通しも立たない以上、公定歩合の引き下げや国債発行の条件づくりのため国民の零細な預金が犠牲にされることは、絶対に許すことができません。  銀行のもうけ過ぎは法人納税ベストテン、会社臨時利得税などに常に銀行が顔を出していることからも明らかであります。この上預金金利を引き下げ、銀行の利益を確保する必要があるでしょうか。現に銀行の預金金利は、定期一年物が七・七五%、ところが、貸出金利は一〇・五%以上となっており、その金利差は非常に大きいというのが実態であります。したがって、これら金融機関の経理内容から見ても、公定歩合引き下げに伴って預金金利を下げなくても運営できるものと考えるのであります。これらを見直さずに預金金利を引き下げるのは、まさに大衆を犠牲にするものであり、もはや大蔵大臣としての責任を顧みない大衆搾取の政治であると言うべきであります。  以上、数点にわたり大蔵大臣不信任決議案趣旨弁明に対する質疑をいたしましたが、明快な答弁をお願いして、質問を終わります。(拍手)     〔荒木宏君登壇〕
  107. 荒木宏

    荒木宏君 瀬野君の御質問にお答えをいたします。  まず第一は、補正予算の提出をおくらせ、酒、たばこの値上げ法案を先に提出をした、この点について、しかもそれを強行したという、この責任を示せ、こういうお尋ねであります。  詳細に示せという大変御熱心な御質問でありますので、答弁も詳細に申し上げたいと思いますが、まず第一は、よく御承知のように、今度の臨時国会大平正芳君が真っ先に出したのがこの値上げ法案であります。そうして、不況対策のための補正予算は約一カ月近くおくれた。問題は、今度の国会の召集の看板が不況対策の国会であったという、ここのところであります。つまり、そういう点から言いますと、国民の立場から言えば、出すべきものは不況対策の補正予算であり、出すべからざるものは値上げ法案であった。したがって、大平正芳君の所為は、出さねばならないものを出さず、出してはならないものを出した、しかも看板に偽りあり、こういうことになるのでありまして、世間では普通こういうふうな行為を羊頭を掲げて狗肉を売る、こんなふうに言っておりますけれども、狗肉は別に毒にならぬ場合もありますが、この値上げ法案は、まことに国民生活にとっては害悪であります。そういう点から申しますと、羊頭を掲げでフグの毒を売ったと言っても過言ではないというような所為かと思います。まことに、議会国民を欺く重大な責任があるというふうに考えております。  第二の点は、この値上げ法案が前国会で廃案になったという点でございます。  御承知のように、値上げ法案が廃案になったということは、そこで議会国民意思が明らかに示された。つまり、ノーだということであります。したがって、その後の扱いについては、当然これは断念をするか、もしくは、きわめて慎重に扱わなければなりません。現に大平正芳君並びにその同僚の諸君は、五党一致で本院を通過した独占禁止法の改正強化案について、参議院で審議が終わらなかったという理由でもって、きわめて慎重な取り扱いをしておる。現にこう言っておるわけでございます。そういうふうな点から申しますと、まさに、今度の大平正芳君のこの値上げ法案を先に出したということは、その点については脱兎のごとく、そうしてまた、補正予算の提出については、これはきわめて慎重な、補正予算並びに独禁法などについては、もう全く処女のごとくです。こういった扱いをしておるという点において、まことに、前国会において示された国民意思と、そうして議会意思を顧みない行為であると言わなければならぬと思うのでございます。  第三に、この強行当日のことでございますが、先ほど来もいろいろお話がございました。当日、野党理事の皆さんが委員長に協議の申し入れをする、そういう中で、大蔵委員長の一方的な委員会の強行開会がございました。その中で、与党を代表して窓口理事になっておりました山下元利君は、しばしば、こういった事態になったのは、すべて私が悪いというふうに発言を繰り返しました。その非を認めておったことは、関係の委員の皆さんの御承知のとおりであります。そうした最中に、大平正芳君は、この委員会において提案の趣旨説明を強行し、質疑を強行した。聴取不能の中で、あえてそれを行ったということは、従来の大蔵委員会の慣例、先ほどもお話がございましたこの慣例に違反をし、また、与野党国対委員長会談のための話し合いが行われておったその最中に強行したということは、国会審議の機能を破壊したということも言えるわけでございまして、その責任はきわめて重大であるというふうに考えておるのでございます。(拍手)  御質問の第二の点は、議会制民主主義の破壊をしてまでこの成立を図った暴挙について述べよと、こういうことでございます。  この点は従来から申しておりましたので、要点だけ申し上げますが、第一に、この財政歳入欠陥の解決に当たって、大企業に対しては一指だに触れず、ツケはすべて国民に回す、このことが、この公共料金の値上げ、強行値上げ、これに端的にあらわれておるわけでございまして、これが第一点であります。  第二点は、一連の公共料金の相次ぐ値上げの引き金になる、このことはしばしば指摘をされておりますけれども、今後の物価情勢、国民生活を考えますときに、きわめて重大な点だと存じます。  第三に、大企業製品価格がいま十数種類、場合によっては数十種類まで値上げ計画がある、現に、それが実行されつつあるというふうなときに、しかも、通産省が減産の指導をやって、価格効果が浸透するような介入をやり、また、大平正芳君自身が新価格体系などと称して、これを推進しておりますときに、その上、インフレ促進の赤字公債を大量に出すということなどを考え合わせますと、とうてい許すべからざる所為でありまして、との点は御質問者の御指摘のとおりに存じます。  第三点は、この値上げを強行した、そして、これが生活を圧迫し、税制の不公正を拡大をする。特に、物価に与える点について詳細に回答せよと、こういうことでございます。  現在、公共料金あるいは間接税が逆進性を持っておって、低所得層に特に大きな打撃、影響を与えるということは公知の事実であります。今日、所得格差が拡大をしておりますとき、所得の五分位分類表によりましても、第一分位の階層の実質収入、実質支出が前年対比で低下をする。逆に第五分位の方は、実質所得、実質支出、ともに増大をする。こういった格差拡大、不況の中の二重構造、これが見られますときに、大平正芳君の酒、たばこ、間接税、公共料金値上げを強行したということは、一層これを拡大するものとして、許せない暴挙であるということを言わねばならぬと思います。  第二に、間接税体系につきましては、すでに本院でも指摘をされました。たとえば物品税で貴石、ダイヤモンドの税率が一五%、しかるに、大衆に親しまれておる酒の税率が現行で三六・二%、引き上げになりますと四一・六%、ビールは現行で五九・三%、引き上げになれば七二・六%という、まことに大きな不公正の助長ということになるわけでありまして、この点からも許しがたいものだと考えております。  第三は、狂乱物価の上乗せになるというふうな点で、これは先ほど御回答申し上げたところでありますが、特に申し上げたいのは、総理府みずからが調査をして発表いたしました世論調査によりますと、物価の上昇があっても大丈夫だというのは、国民の中でわずか七%でありまして、物価上昇がひどくてやっていけない、もうついていくのが精いっぱいだというのが六三%という、こういう現状から見ますときに、いかにこの大平正芳君の所為が国民の要望に反しておるかということも、また明らかであろうかと存じます。(拍手)  第四は、補正予算の大企業優先の不況対策、そして赤字公債の責任についてのお尋ねでございますが、第一に、新幹線、高速道路、これに千数百億円事業費としてつける、また、輪開銀の財投がこれまた千数百億円広がる、こういうふうな点を考えてみますと、この辺のところのお金が一体どこへ行くか。これは昨年の建設省の発注実績によりまして、たとえば、道路公団は中小企業に行っているのはわずか五%であります。建設省本省全部とってみましても、一割そこそこしかないのです。そこへ金がどっと行って、しかも、下請はいま切り捨て整理が大量に進んでいます。その上に、この事業で進められる周辺、たとえば本四架橋がかかると言われておりますうちの一つ、鳴門海峡のそばの島田島は、いま大手私鉄の一つであります南海電鉄が実に二十町歩もの買い占めをし、その余の土地についてもたくさんの手当てをしている。東北はどうでしょうか。東北新幹線の車両基地の周辺には、いま京成電鉄が広大な住宅地を買い占めている。こうした大平正芳君がいま進めようとしているこの仕事の上には、まさに、これら大企業の土地買い占めの悪乗りが見られるところでありまして、しかも、そこへ持ってきて、あの新幹線公害ときている。環境破壊であります。まこと、いま来期の予想について出ております、たとえば和光証券あるいは山一証券、これらが三割から五割増益になるだろう、こう言っているときに、この行為は、まさに一将功成りて万卒枯るといったようなたぐいだと言って過言ではないと思います。  それに引きかえて、公営住宅、一千万の住宅困窮世帯があると言われますが、その公営住宅、全国でまだ九千校足らないという小中学校、二百万人もまだ入れないで待っておる児童がいるという保育所などを増設をいたしますならば、これは身近なところですぐにでも必要な、よその国に比べて格段に低い生活基盤をうんと高めるわけでありますから……
  108. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
  109. 荒木宏

    荒木宏君(続) まこと、これは一波が万波を呼ぶという国民本位の生活基盤と言わなくてはならぬのであります。(拍手)  赤字国債がインフレ促進、そして大増税になることは申すまでもございませんし、また、大企業本位の補正予算、これが所得税減税を顧みないということ、このこともまた個人消費支出がずっと下がってきている、設備投資がうんと上がっている、このことを考えてみましても、必要なことは明らかでございます。預貯金金利の目減り補償もしないで、これを下げて、その犠牲で、ぬれ手でアワで大企業、大銀行の利益を保証する。  言うなれば、まとめて最後に申し上げますと、大企業に全く手厚いお手盛りの保護の手だてをし、国民には毒を食わば皿の底まで洗うといったような、こういうやり方が、瀬野君御指摘のとおり、断じて許しがたいものであることは仰せのとおりでございます。  以上、御答弁申し上げます。(拍手)     —————————————   質疑終局動議
  110. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 宇野宗佑君外二十四名から、質疑終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  この採決記名投票をもってを行います。  本動議に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  111. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  112. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  113. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  114. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百六十五   可とする者(白票)        二百六   否とする者(青票)       百五十九
  115. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。     —————————————  宇野宗佑君外二十四名提出質疑終局動議を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    井出一太郎君       伊藤宗一郎君    石井  一君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       今井  勇君    宇野 宗佑君       上田 茂行君    上村千一郎君       植木庚子郎君    臼井 莊一君       内田 常雄君    内海 英男君       浦野 幸男君    江藤 隆美君       小川 平二君    小此木彦三郎君       小沢 一郎君    小澤 太郎君       小沢 辰男君    小渕 恵三君       越智 伊平君    越智 通雄君       大石 千八君    大石 武一君       大竹 太郎君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大村 襄治君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤 紘一君       加藤太郎君    加藤 六月君       加藤 陽三君    海部 俊樹君       笠岡  喬君    梶山 静六君       粕谷  茂君    片岡 清一君       金丸  信君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    鴨田 宗一君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       瓦   力君    木野 晴夫君       木部 佳昭君    木村武千代君       北澤 直吉君    吉川 久衛君       久野 忠治君    久保田円次君       熊谷 義雄君    倉石 忠雄君       倉成  正君    栗原 祐幸君       小泉純一郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小林 正巳君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 洋平君    河本 敏夫君       國場 幸昌君    近藤 鉄雄君       左藤  恵君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 孝行君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君       坂村 吉正君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       志賀  節君    塩川正十郎君       塩崎  潤君    塩谷 一夫君       澁谷 直藏君    島村 一郎君       正示啓次郎君    鈴木 善幸君       住  栄作君    瀬戸山三男君       園田  直君    染谷  誠君       田川 誠一君    田澤 吉郎君       田中  覚君    田中 龍夫君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       地崎宇三郎君    中馬 辰猪君       塚原 俊郎君    坪川 信三君       戸井田三郎君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾  宏君       中川 一郎君    中曽根康弘君       中村 弘海君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    二階堂 進君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西銘 順治君       根本龍太郎君    野田 卯一君       野中 英二君    野原 正勝君       野呂 恭一君    羽田  孜君       羽田野忠文君    羽生田 進君       葉梨 信行君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       旗野 進一君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  大幹君       林  義郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    福田 赳夫君       福田 篤泰君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤本 孝雄君    船田  中君       保利  茂君    坊  秀男君       細田 吉藏君    前田治一郎君       前田 正男君    増岡 博之君       松永  光君    松野 幸泰君       松本 十郎君    三池  信君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    水田三喜男君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       村岡 兼造君    村上  勇君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    森  美秀君       森  喜朗君    森山 欽司君       安田 貴六君    保岡 興治君       山口 敏夫君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 幸雄君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君  否とする議員氏名       阿部 昭吾君    阿部 助哉君       阿部未喜男君    井岡 大治君       井上  泉君    井上 普方君       石野 久男君    稲葉 誠一君       岩垂寿喜男君    上原 康助君       江田 三郎君    枝村 要作君       小川 省吾君    大柴 滋夫君       太田 一夫君    岡田 哲児君       加藤 清政君    勝澤 芳雄君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金子 みつ君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    河上 民雄君       木島喜兵衞君    木原  実君       久保 三郎君    久保  等君       兒玉 末男君    上坂  昇君       佐藤 観樹君    佐藤 敬治君       佐野 憲治君    佐野  進君       斉藤 正男君    坂本 恭一君       阪上安太郎君    島本 虎三君       下平 正一君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    竹村 幸雄君       楯 兼次郎君    塚田 庄平君       土井たか子君    堂森 芳夫君       中澤 茂一君    中村  茂君       楢崎弥之助君    成田 知巳君       野坂 浩賢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八百板 正君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山本 政弘君       山本弥之助君    湯山  勇君       横路 孝弘君    横山 利秋君       吉田 法晴君    和田 貞夫君       渡辺 三郎君    青柳 盛雄君       荒木  宏君    諫山  博君       石母 田達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       小林 政子君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君       田代 文久君    田中美智子君       多田 光雄君    津金 佑近君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       野間 友一君    林  百郎君       東中 光雄君    平田 藤吉君       不破 哲三君    正森 成二君       増本 一彦君    松本 善明君       三浦  久君    三谷 秀治君       山原健二郎君    米原  昶君       浅井 美幸君    新井 彬之君       有島 重武君    石田幸四郎君       小川一郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    岡本 富夫君       沖本 泰幸君    鬼木 勝利君       北側 義一君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       竹入 義勝君    林  孝矩君       広沢 直樹君    伏木 和雄君       正木 良明君    松尾 信人君       松本 忠助君    矢野 絢也君       山田 太郎君    渡部 一郎君       池田 禎治君    小沢 貞孝君       河村  勝君    小宮 武喜君       永末 英一君    宮田 早苗君       渡辺 武三君     —————————————
  116. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。山本幸雄君。     〔山本幸雄君登壇〕
  117. 山本幸雄

    山本幸雄君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました大蔵大臣不信任決議案に対し、反対の討論を行います。(拍手)  申すまでもなく、大平大蔵大臣は、わが国財政金融政策の責任者であり、今日、わが国が直面しておる内外のきわめて多難な諸情勢に対処しつつ、物価の安定、景気の回復、雇用の安定、さらには均衡のとれた財政の再建に全力を挙げて取り組んでいることは御承知のとおりであります。  同大臣は、高邁なる識見、理念と、人間味あふるる人格、人柄の持ち主であり、それに裏打ちされた確固たる信念と粘り強さによって、わが国が久しく経験しなかった今日の経済の難局を克服すべく、日夜懸命の努力を重ねておられることは、国民のひとしく認めるところであります。このような大蔵大臣の姿勢は、広く国民の支持と信頼をかち得ているものであります。この大切なときに当たり、たとえ政治的立場を異にするとはいえ、同大臣の不信任を唱えるがごときは、われわれの全く理解できないところであり、まことに遺憾に思う次第であります。  さて、本決議案における不信任の理由の第一は、経済政策についてであります。  しかし、わが国経済は、石油危機を契機として生じた異常なインフレを克服し、いまや着実な回復に向かっているのであります。総需要抑制政策を長期にわたって堅持したのは、言うまでもなく、物価高騰による国民生活の不安を除去することが緊急の課題であったからであります。しかしながら、この間にあっても、政府は、総需要抑制政策の遂行に伴う摩擦、ひずみに対処するため、中小企業金融の拡充、雇用保険制度の創設など、きめの細かい配慮を行ってきたことは御存じのとおりであり、また、本年に入って、物価鎮静の目標がおおむね達成されてからは、数次にわたる景気刺激策を機動的に講じ、先ごろも事業規模で二兆円に及ぶ予算及び財政投融資の追加措置を決定するなど、景気を着実な回復軌道に乗せるため、各般にわたる総合的な施策を推進しておるところであります。  以上のような経済運営は、国際的に見ても他の先進国に先んじており、この結果、物価の鎮静と景気の回復とが同時に図られつつありますことは、諸外国においても高い評価をかち得ていることを、特に強調しなければなりません。  第二の理由として挙げられたのは、巨額の歳入欠陥が生じたことであります。  なるほど、本年度の歳入欠陥は多額なものとなっておりますが、これば世界的な不況の中で、景気停滞のために、税収、特に法人税や所得税が大幅な減収になっておることによるものであり、まことにやむを得ないものと考えられます。  しかしながら、政府は、機動的に景気刺激策を講じる傍ら、特例公債の発行によって歳入を補てんし、増大する福祉の充実等、財政に対する各般の需要にこたえる姿勢を示しております。また、地方財政に対しても、資金運用部資金からの貸し付け等特段の配慮をしており、国、地方を通じて円滑な行政が確保されるよう最善の努力を傾けているところであります。このような努力によって、やがてわが国の経済は安定的成長の軌道に乗り、その結果、財政の均衡も順調に回復することが期待できるのであります。  第三の理由として挙がったのは、酒、たばこ歳入法案であります。  酒、たばこの税率あるいは小売定価の改定は、近年の経済情勢の激しい変動の中で、実に昭和四十三年以来据え置かれてきたものであって、嗜好品である酒、たばこについての真にやむを得ない最小限の調整措置であります。一日も早い法案の成立が要請されるととるであります。  次に、預金金利の引き下げが理由の一つに挙がっております。  預金金利の引き下げの面だけとらえてみれば、預金者にとって不利なことは一つの理でありますが、しかし、この方策は、全般的な金利水準の引き下げによって民間経済活動が活力を取り戻し、それによる景気の順調な回復によって、国民経済全体の運営が円滑に進展することによって、国民生活の安定を図るというのがねらいであります。この問題は、より広い全体的な視野でとらえるべきであって、単に預金金利引き下げにライトを当てて考えるということは、まことに一面的な議論であると思われるのであります。  なお、税制における不公正が挙がっております。  税制は常に不公正の是正を目指して、その段階、段階において努力を重ねてきておるのでありまして、ときに、一定の政策目的を実施するために、租税の持つ誘引的機能あるいは抑止的機能を活用しようとするものがありますが、それが固定化、既得権化しないように常に留意してきておるところであります。  以上申し上げましたとおり、この大蔵大臣不信任決議案は、いかなる面から見ても、全くいわれのない不当なものであり、かかる決議案には断固反対するものであります。  わが国経済は、ようやく回復に向かいつつあるとはいえ、現段階でその自律的回復力のみに期待することはなお無理であり、今後とも、財政金融政策の適切な運用が強く要請されるところであります。この現在の困難な状況を真剣に考えるならば、いまこそ、政府が責任と英断をもって施策を遂行すべき時期であり、大平大蔵大臣の果たすべき役割りはまことに重大であり、国民の大きな期待を担っているのであります。この国民的輿望を受けて、同大臣に満腔の信頼と支持こそすれ、不信任など的外れもはなはだしいと言わなければなりません。  したがって、このような時期にこのような大蔵大臣の不信任決議案提出するがごときは、まことに遺憾のきわみでありまして、提案者に対し強く反省を求めて、反対討論を終わります。(拍手
  118. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 山田芳治君。     〔山田芳治君登壇〕
  119. 山田芳治

    山田芳治君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されております大蔵大臣大平正芳君の不信任決議案に賛成の討論をいたします。(拍手)  大蔵大臣は、わが国の財政、金融、税制の責任を有する最も重要な閣僚であり、それゆえに、一層その責任と使命の重大さを痛感されるべきでありまして、常にその頭の中に、国民の立場に立って財政運営をすべきであり、それがまた、大蔵大臣として適否を問う根本的基準になることは、理の当然であると存じます。この立場から言うならば、私どもは、どう見ても、大蔵大臣は、国民のための財政運営担当の大臣としてはまことに不適任であると存ずるわけであります。(拍手)  その理由は、わが同僚議員が財政、税制、金融の各般にわたって述べておられるところであるわけですが、さらに補足する意味で述べてみますと、その第一の理由は、経済の見通しを誤り、それに伴って、税収不足というきわめて重大な事態を招いていることであります。このことはすでに十分述べられておりますので省略することとし、雇用の問題について、その見通しの誤りをここで論じようとするものであります。  高度経済成長政策をとってまいりました歴代自民党政府の経済政策は、一昨年の石油危機を契機に起こった狂乱物価に総需要抑制策をとり、物価の鎮静を最大の課題としてきたと言ってまいりました。  しかし、次に述べる理由によりまして、それがいわゆるオーバーキル、冷やし過ぎで失業者の増大を来しているのであります。本年七月の労働省発表による八十七万人の失業者は有業人口の一・七%、完全失業者であります。日本独自の潜在的失業者を加えれば、優に二百万人を超えると言われております。景気指標とされる八月の有効求人倍率は〇・五五と、七月をさらに下回っているという現状であります。来年、大学を卒業して就職を希望する人は三十数万人と言われておりますが、これらの人々の就職は非常な事態になっております。自民党の皆さん方は、たくさんの履歴書を抱えて非常に困っておるという話が新聞や雑誌に出ております。御同情にたえないところでありますが、そうした状況を現出した大蔵大臣の不信任案に賛成されることを望む次第であります。  総需要抑制策の問題について述べてみたいと思うのであります。  足かけ三年、物価抑制のために総需要抑制を行ってきたことは、目先のことに追われてロングラン的見方に欠如していると言えましょう。たとえ総需要抑制をするとしても、国民生活関連事業や社会福祉政策は、積極的に選択して抑制政策から外すべきであったと思うのであります。それをしなかったために、需給ギャップが二十兆、約二〇%となつております。これはかつての不況時代であった昭和四十年並びに四十六年でもわずか八%であったことを見れば、いかに現在の不況の深刻さが大なるものかがうかがわれるのであります。  不信任に賛成する第二の理由は、第四次不況対策に対して、いわゆる中小企業や自治体中心の政策ではなくて、新幹線や本四架橋や高速自動車道を中心とした大企業優先の政策を出したことであります。  不信任の第三の理由は、赤字国債の発行を企図している責任であります。今年度合計五兆四千八百億。四十九年度末残高はすでに十兆円を超えておるわけであります。したがいまして、五十年末には十六兆円の累積残高となる予定であります。赤字国債の償還も建設国債の利子支払いも、増税なしには行い得ないわけでありますから、今後の国債発行をますます困難にし、国債価格維持のために、日銀は必ず買いオペを行うでありましょう。赤字国債の発行、続いてインフレ、続いてまた金融引き締め、不況、赤字国債の発行という悪循環に陥るおそれのあることは、火を見るよりも明らかであります。それに対して、私どもは、すでに武藤議員が提案をいたしましたように、赤字国債を発行すべきでない、そういう提案をいたしておりますが、大蔵大臣は何らこれに顧慮しなかったことは、まさに大資本、大企業擁護の反国民行為であると言わなければならないのであります。(拍手)  蔵相としての不適任の第四の理由は、先ほどから言われておりますように、酒、たばこの値上げ法案を提案をし、さきの国会で廃案になると、この臨時国会では何が何でも通過させんがために、対話と協調の看板を汚して、真っ先にこの国会提出さしたことであります。歳入増をしたいならば、まず租税特別措置や準備金や交際費や法人間配当等の課税の適正化に手をつけるべきでありますにもかかわらず、大衆課税であるたばこ、酒の増税を安易に求めることは、まさに反国民的な態度と言わなければなりません。  第五の不信任の理由は、今日の地方財政の危機に対して、何ら抜本的な対策を行っていないにとであります。政府の失政から長期化する不況のもとで、ごれまでも三割自治の中で各自治体が財源不足に頭を痛めてきたのでありますけれども、今年度は地方交付税一兆一千億、地方税の減収約一兆一千億円と大幅な歳入欠陥を抱え、一方では、給与改定及び第四次不況対策による財政需要に迫られ、いまや戦後最大の危機に直面しておるわけであります。この原因は、さきにも申し述べましたように、政府の経済政策の誤りと、地方財政の中央集権的構造にあるというふうに考えられます。税収の七割までが国税で、その集中された税は交付税や国庫補助金等の形で地方に配分され、地方は国の下請機関化されているのであります。  今回の地方財政対策の骨子は、地方税の減収一兆一千億円は地方債で補てんし、うち二千億円を資金運用部。国税の収入減に伴う地方交付税減額分一兆一千億円は資金運用部から貸し付ける。その利子は国の一般会計で負担する。第三番目、第四次不況対策の公共事業追加に伴う地方負担額二千億円も地方債で賄う。四十九年度予算の歳入欠陥に伴う地方交付税の渡し過ぎ五百六十億円は来年度予算で精算する。四十九年度の実態調査による超過負担解消は、五十、五十一年度で各二分の一を解消する予定を繰り上げ、補正予算で残る二分の一、百十億円を措置するとなっておりますが、これはきわめて不十分であって、国も金が不足だからできるだけの援助をしたと、地方優遇を大蔵大臣は強調されておりますが、地方税減収を補う地方債の国引き受けが自治省要求の七割、七千七百億に対してわずか二千億しか認められず、追加国債の一八%を引き受ける地方銀行の資金事情を無視したもので、地方債の消化はきわめて困難であると思います。また、交付税などは国債発行と無関係であり、地方財源はそれだけ不足することになっておるのであります。  四十年代に地方財政の危機があったときには、地方交付税率を二九・五%から三二%に引き上げ、返済の必要のない臨時特例交付金の交付、特別事業債の発行で財源措置を行っております。また、四十六年にも交付税減額が起きたときも、千二百七十四億円の減額に対して臨時特例交付金五百二十八億円を出して、残りを資金運用部資金を貸し付けた経緯がありながら、今回の対策は交付税率の引き上げもしないで、臨時特例交付金の要求をも退け、ますます地方自治体に重荷を課すという、場当たり的な借金政策で糊塗しようといたしております。その上、累積一兆円に達する超過負担の解消は、四十九年度調査分に対してわずか二百二十億。一兆円に対して二百二十億円ですべて終わったとする大蔵省の処置は、血も涙もないと言わざるを得ないのであります。(拍手)  さらに、公務員のベースアップで、自治体が国の規定枠を超えて抱える約五十万人、年間給与総額にして一兆円のベア財源は放置されております。なかんずく公営企業に働く職員のベース改定は何ら顧慮されていないのであります。  こうした多くの問題点を残した地方財政対策は今年度限りの急場しのぎで、国と地方の財政関係を抜本的に改善しない限り、地方財政の再建は不可能であり、来年度以降は、今年度にも増して厳しい情勢にあるということは言をまたないのでございます。  以上、五つの理由のほかに、第四次不況対策の先ほど申し上げた大企業優先の問題や、郵便貯金の金利引き下げの問題や、不公正税制の問題等々、枚挙にいとまのないほど、大蔵大臣の不適格性を認めるわけでありますが、時間の関係上、以上の五つの理由を挙げまして、私は不信任決議案に賛成の討論をいたします。  満場の皆さんの御賛同を心からお願いをいたしまして、私の討論を終わります。(拍手
  120. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 永末英一君。     〔永末英一君登壇〕
  121. 永末英一

    ○永末英一君 ただいま上程されました大平大蔵大臣不信任決議案に、民社党を代表し、賛成の討論を行います。(拍手)  大平大蔵大臣不信任案はただいま上程されましたが、それは国民の立場から言えば、むしろ遅きに失すると言わなければなりません。大平大蔵大臣にして、もし国民生活を左右するわが国の財政を預かる政治家としての良心があるならば、われわれの提案する不信任案以前に、みずから大蔵大臣の席を辞すべきものであります。その理由は多々ありますが、ここでは特に目立つものについて申し上げます。  第一に、酒、たばこの値上げ案は、さきの国会で廃案になりました。あなたはその時点で辞任すべきものでありました。みずから責任を持って提案した酒、たばこ値上げ法案審議未了になること自体、あなたに対する国会不信任のあらわれと見るべきではありませんか。ところが、大平大蔵大臣はその責任を痛感するどころか、かえって厚かましくも再び同一内容のものをこの臨時国会に提案し、国民が熱望する不況対策を中心とする補正予算よりも先行して、その審議を急ぐということは、まさに主客転倒だと言わなければなりません。  国民は、いま不況の荒波におぼれようといたしております。大平大蔵大臣、あなたはこの国民に救命のブイを投げかけるのではなく、無慈悲にも値上げの棒で、おぼれかけた国民の頭を不況の海に突き込もうとするのでありますか。われわれは、君に断じてそんなことをさせてはならぬと決意をいたしております。値上げの棒を払いのけ、不況の荒波を経済安定のなぎの海に変えねばなりません。このためには、君が大蔵大臣の座を去ることが何よりも必要であります。  第二に、あなたが国会に提案された昭和五十年度の予算は、半年たたぬ間に三兆五千億円もの歳入欠陥が見通されるに至りました。本年度はあたかも国会開設八十五周年記念の年でありますが、半年間でこれだけの歳入欠陥を生じたことは、わが国憲政史上初めてのことであります。半年後のわが国経済をも見通せない大蔵大臣大平正芳君に対し、歴代の大蔵大臣のあきれ果てた顔が見えるではありませんか。大蔵省出身のあなたは、その歴史に対し恥ずかしいと思いませんか。不況だから仕方がないとあなたは言うかもしれません。しかし、この不況は、君を大蔵大臣とする三木内閣の経済政策によって生じたものではありませんか。三木首相その人は、不況に対する責任感覚を喪失しておりますが、あなたはその大蔵大臣として責任不感症に感染し、この重大な歳入の見込み違い、膨大な歳入欠陥の発生に対して、全く責任を感ぜず、どこ吹く風かというような面持ちをしていることは、国民恒とってがまんできないところであります。この膨大な歳入欠陥の発生に対し、あなたは低くこうべをたれて、国民にその責任の所在を明らかにして、大蔵大臣の席を去るべきであります。  第三に、ただいま審議中の補正予算案では、三兆四千八百億円の国債発行が含まれており、その三分の二、二兆二千九百億円が赤字国債であります。わが国の財政法は、戦前、戦中の赤字国債の乱発という苦い経験にこり、赤字国債の発行は厳に慎むべきことを規定しております。  自民党政府は、これまで、建設国債だから往年の轍は踏まないのだと称して、おずおずと国債を出してまいりましたが、今回、自分の政策の失敗を塗りつぶそうとして、大っぴらに赤字国債を国民に押しつけるに至りましたが、狂乱インフレを昨年経験した直後だけに、大平大蔵大臣の財政感覚には大いに疑われるものがあると言わなければなりません。  さらに、補正予算の審議を通じて明らかになったことは、赤字国債の償還計画が全く明らかでないことであります。一応十年をめどにしているかのようでありますが、いかなる経済見通しで、またいかなる財源でこの償還を行おうとするのか、大平大蔵大臣は、国民に対し全く説明をなし得ない状態であります。何たる無責任かと言わなければなりません。償還計画のない赤字国債を国民に押しつけようとしても、やがてそれがインフレとなって生活を窮迫せしめることを知り抜いている国民は、赤字国債自体とともに、この計画を立てた大平君にさよならを言わなければならぬと決意をいたしております。  大平大蔵大臣、あなたは、赤字国債であなたの大臣のときは予算のつじつまを合わせるつもりかもしれませんが、あなたの後に続く後代の大蔵大臣たちに何を背負わせようとするのでありますか。自分は責任を免れ、後代の者にその責めを負わせようとするのが政治家のなすべきことでありますか。  もともと、三木内閣はクアラルンプール事件に見るように、みずからの政治的決定で現存する法秩序をへこましておきながら、その責任については、口をぬぐって知らぬ顔の半兵衛を決め込むという無責任さが特徴であります。責任を感じない内閣には国民が信頼するはずはありません。大平大蔵大臣は、三木無責任内閣の有力な閣僚として、ひとしお無責任さを発揮しようというのでもありましょうか。  大平大蔵大臣、あなたは象の目のようにやさしい、細い目をお持ちです。常に閉じたようなあなたの目に対し、国民の中には、それで前方が見通せるのかと危ぶむ者もあります。だが、私は期待しておりました。あなたの心眼は大きく見開かれて、視界ゼロではなく、はるかに未来を洞察しておられるものだと。ところが、このたびの酒、たばこ値上げ法案の再提案、半年ならずして生み出した膨大な歳入欠陥、並びに、これを安易に赤字国債でつじつまを合わせようなどという無責任さを見るに至っては、あなたの心眼なるものはついに見開かれず、閉じたままで未来を全く見通す能力のないものと断ぜざるを得ません。有限資源時代の新しい経済への転換を急が、ねばならないとき、このような先見性のない無責任な大平大蔵大臣は、潔くその座を去るべきであります。  よって、私は、ただいま提案されました大平大蔵大臣の不信任決議案に賛成するものであります。  討論を終わります。(拍手)     —————————————   討論終局動議
  122. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 宇野宗佑君外二十四名から、討論終局動議提出されました。  本動議採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本動議に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  123. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  124. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  125. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  126. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百六十九   可とする者(白票)       二百十二   否とする者(青票)       百五十七
  127. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、討論は終局するに決しました。     —————————————  宇野宗佑君外二十四名提出討論終局動議を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    井出一太郎君       伊藤宗一郎君    石井  一君       石田 博英君    稻葉  修君       稻村佐近四郎君    稲村 利幸君       今井  勇君    宇野 宗佑君       上田 茂行君    上村千一郎君       植木庚子郎君    臼井 莊一君       内田 常雄君    内海 英男君       浦野 幸男君    江藤 隆美君       小川 平二君    小此木彦三郎君       小沢 一郎君    小澤 太郎君       小沢 辰男君    小渕 恵三君       越智 伊平君    越智 通雄君       大石 千八君    大石 武一君       大久保武雄君    大竹 太郎君       大野  明君    大野 市郎君       大橋 武夫君    大村 襄治君       奥田 敬和君    奥野 誠亮君       加藤 紘一君    加藤太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       海部 俊樹君    梶山 静六君       粕谷  茂君    片岡 清一君       金丸  信君    金子 一平君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       瓦   力君    木野 晴夫君       木部 佳昭君    木村武千代君       北澤 直吉君    吉川 久衛君       久野 忠治君    久保田円次君       熊谷 義雄君    倉石 忠雄君       倉成  正君    栗原 祐幸君       小泉純一郎君    小坂善太郎君       小坂徳三郎君    小島 徹三君       小平 久雄君    小林 正巳君       小宮山重四郎君    小山 長規君       小山 省二君    河野 洋平君       國場 幸昌君    近藤 鉄雄君       左藤  恵君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 孝行君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君       坂村 吉正君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       志賀  節君    塩川正十郎君       塩崎  潤君    塩谷 一夫君       澁谷 直藏君    島村 一郎君       正示啓次郎君    菅波  茂君       鈴木 善幸君    住  栄作君       瀬戸山三男君    園田  直君       染谷  誠君    田川 誠一君       田澤 吉郎君    田中 角榮君       田中  覚君    田中 龍夫君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       地崎宇三郎君    中馬 辰猪君       塚原 俊郎君    坪川 信三君       戸井田三郎君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾  宏君       中川 一郎君    中曽根康弘君       中村 弘海君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    二階堂 進君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西銘 順治君       根本龍太郎君    野田 卯一君       野中 英二君    野原 正勝君       野呂 恭一君    羽田  孜君       羽田野忠文君    羽生田 進君       葉梨 信行君    橋口  隆君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       服部 安司君    浜田 幸一君       濱野 清吾君    早川  崇君       林  大幹君    林  義郎君       原田  憲君    廣瀬 正雄君       福田 赳夫君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤本 孝雄君    船田  中君       保利  茂君    坊  秀男君       細田 吉藏君    前田治一郎君       前田 正男君    増岡 博之君       松澤 雄藏君    松永  光君       松野 幸泰君    松野 頼三君       松本 十郎君    三池  信君       三木 武夫君    三ツ林弥太郎君       三原 朝雄君    三塚  博君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    村岡 兼造君       村上  勇君    村田敬次郎君       村山 達雄君    毛利 松平君       森  美秀君    森  喜朗君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎平八郎君    山下 元利君       山下 徳夫君    山田 久就君       山村新治郎君    山本 幸雄君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君  否とする議員氏名       阿部 昭吾君    阿部 助哉君       阿部未喜男君    井岡 大治君       井上  泉君    井上 普方君       石野 久男君    石橋 政嗣君       稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君       上原 康助君    江田 三郎君       枝村 要作君    小川 省吾君       大柴 滋夫君    太田 一夫君       岡田 哲児君    加藤 清政君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金子 みつ君    川崎 寛治君       河上 民雄君    木島喜兵衞君       久保 三郎君    久保  等君       兒玉 末男君    上坂  昇君       佐藤 観樹君    佐藤 敬治君       佐野 憲治君    佐野  進君       斉藤 正男君    坂本 恭一君       阪上安太郎君    島本 虎三君       下平 正一君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    竹村 幸雄君       楯 兼次郎君    塚田 庄平君       土井たか子君    中澤 茂一君       中村  茂君    楢崎弥之助君       成田 知巳君    野坂 浩賢君       馬場  昇君    長谷川正三君       日野 吉夫君    平林  剛君       広瀬 秀吉君    福岡 義登君       藤田 高敏君    古川 喜一君       堀  昌雄君    松浦 利尚君       三宅 正一君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八木  昇君       安井 吉典君    山口 鶴男君       山田 芳治君    山本 政弘君       山本弥之助君    湯山  勇君       横路 孝弘君    横山 利秋君       吉田 法晴君    和田 貞夫君       渡辺 三郎君    青柳 盛雄君       荒木  宏君    諫山  博君       石母田 達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       小林 政子君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君       田代 文久君    田中美智子君       多田 光雄君    津金 佑近君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       野間 友一君    林  百郎君       東中 光雄君    平田 藤吉君       不破 哲三君    正森 成二君       増本 一彦君    松本 善明君       三浦  久君    三谷 秀治君       山原健二郎君    米原  昶君       浅井 美幸君    新井 彬之君       有島 重武君    石田幸四郎君       小川一郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    岡本 富夫君       沖本 泰幸君    鬼木 勝利君       北側 義一君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       竹入 義勝君    林  孝矩君       伏木 和雄君    正木 良明君       松尾 信人君    松本 忠助君       矢野 絢也君    山田 太郎君       池田 禎治君    内海  清君       小沢 貞孝君    折小野良一君       春日 一幸君    河村  勝君       小宮 武喜君    玉置 一徳君       永末 英一君    宮田 早苗君       渡辺 武三君     —————————————
  128. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 大蔵大臣大平正芳不信任決議案につき採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本決議案に賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  129. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  130. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  131. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  132. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百七十七   可とする者(白票)        百六十   否とする者(青票)       二百十七     〔拍手
  133. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、大蔵大臣大平正芳不信任決議案は否決されました。(拍手)     —————————————  荒木宏君外八名提出大蔵大臣大平正芳不信任決議案を可とする議員氏名       阿部 昭吾君    阿部 助哉君       阿部未喜男君    井岡 大治君       井上  泉君    井上 普方君       石野 久男君    石橋 政嗣君       稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君       上原 康助君    江田 三郎君       枝村 要作君    小川 省吾君       大柴 滋夫君    太田 一夫君       岡田 哲児君    加藤 清政君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金子 みつ君    川崎 寛治君       河上 民雄君    木島喜兵衞君       木原  実君    久保 三郎君       久保  等君    兒玉 末男君       上坂  昇君    佐々木更三君       佐藤 観樹君    佐藤 敬治君       佐野 憲治君    佐野  進君       斉藤 正男君    坂本 恭一君       阪上安太郎君    島本 虎三君       下平 正一君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    竹村 幸雄君       楯 兼次郎君    塚田 庄平君       土井たか子君    中澤 茂一君       中村  茂君    楢崎弥之助君       成田 知巳君    野坂 浩賢君       芳賀  貢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八木  昇君       安井 吉典君    山口 鶴男君       山田 芳治君    山本 政弘君       山本弥之助君    湯山  勇君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    和田 貞夫君       渡辺 三郎君    青柳 盛雄君       荒木  宏君    諫山  博君       石母田 達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       小林 政子君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君       田代 文久君    田中美智子君       多田 光雄君    津金 佑近君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       野間 友一君    林  百郎君       東中 光雄君    平田 藤吉君       不破 哲三君    正森 成二君       増本 一彦君    松本 善明君       三浦  久君    三谷 秀治君       山原健二郎君    米原  昶君       浅井 美幸君    新井 彬之君       有島 重武君    石田幸四郎君       小川一郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    岡本 富夫君       沖本 泰幸君    鬼木 勝利君       北側 義一君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       竹入 義勝君    林  孝矩君       伏木 和雄君    正木 良明君       松尾 信人君    松本 忠助君       矢野 絢也君    山田 太郎君       池田 禎治君    内海  清君       小沢 貞孝君    折小野良一君       春日 一幸君    河村  勝君       小宮 武喜君    永末 英一君       宮田 早苗君    渡辺 武三君  否とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       赤城 宗徳君    天野 公義君       天野 光晴君    井出一太郎君       伊藤宗一郎君    石井  一君       石田 博英君    稻葉  修君       稻村佐近四郎君    稲村 利幸君       今井  勇君    宇田 國榮君       宇野 宗佑君    上田 茂行君       上村千一郎君    植木庚子郎君       臼井 莊一君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       江藤 隆美君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大石 武一君    大久保武雄君       大竹 太郎君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大村 襄治君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤 紘一君       加藤太郎君    加藤 六月君       加藤 陽三君    海部 俊樹君       梶山 静六君    粕谷  茂君       片岡 清一君    金丸  信君       金子 一平君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    唐沢俊二郎君       仮谷 忠男君    瓦   力君       木野 晴夫君    木部 佳昭君       木村武千代君    北澤 直吉君       吉川 久衛君    久野 忠治君       久保田円次君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       栗原 祐幸君    小泉純一郎君       小坂善太郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小林 正巳君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 洋平君    河本 敏夫君       國場 幸昌君    近藤 鉄雄君       左藤  恵君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 孝行君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君       坂田 道太君    坂村 吉正君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       笹山茂太郎君    志賀  節君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       塩谷 一夫君    澁谷 直藏君       島村 一郎君    正示啓次郎君       菅波  茂君    鈴木 善幸君       住  栄作君    瀬戸山三男君       園田  直君    染谷  誠君       田川 誠一君    田澤 吉郎君       田中 角榮君    田中  覚君       田中 龍夫君    田中 正巳君       高鳥  修君    高橋 千寿君       竹内 黎一君    谷垣 專一君       谷川 和穗君    地崎宇三郎君       中馬 辰猪君    塚原 俊郎君       坪川 信三君    戸井田三郎君       渡海元三郎君    登坂重次郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       中尾  宏君    中川 一郎君       中曽根康弘君    中村 弘海君       中山 利生君    中山 正暉君       灘尾 弘吉君    楢橋  進君       二階堂 進君    丹羽 兵助君       西岡 武夫君    西村 英一君       西銘 順治君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生田 進君    葉梨 信行君       橋口  隆君    橋本龍太郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       服部 安司君    浜田 幸一君       濱野 清吾君    早川  崇君       林  大幹君    林  義郎君       原田  憲君    廣瀬 正雄君       福田 赳夫君    福田 篤泰君       福田  一君    福永 一臣君       福永 健司君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    藤本 孝雄君       船田  中君    保利  茂君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田治一郎君    前田 正男君       増岡 博之君    松澤 雄藏君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    水田三喜男君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    村岡 兼造君       村上  勇君    村田敬次郎君       村山 達雄君    毛利 松平君       森  美秀君    森  喜朗君       森下 元晴君    森山 欽司君       安田 貴六君    保岡 興治君       山口 敏夫君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山村新治郎君       山本 幸雄君    吉永 治市君       綿貫 民輔君    渡部 恒三君       渡辺 栄一君    渡辺 紘三君       渡辺美智雄君      ————◇—————  日程第二 郵便法の一部を改正する法律案   (内閣提出
  134. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 日程第二、郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。逓信委員長地崎宇三郎君。     —————————————  郵便法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔議長退席、副議長着席〕     〔地崎宇三郎君登壇〕
  135. 地崎宇三郎

    地崎宇三郎君 ただいま議題となりました郵便法の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、法律案の内容を御説明いたします。  本案は、郵便事業の運営に要する財源を確保するため、郵便料金の改定を行おうとするものでありまして、その主なものは、第一種郵便物のうち、定形郵便物については二十五グラムまで二十円を五十円に、定形外郵便物については五十グラムまで四十円を百円に改め、また、第二種郵便物の通常はがきについては十円を二十円に改定することといたしております。  その他、取り扱いについて若干の改善を図ることとし、料金不足の郵便物等の納付額の算定方法を改めること、並びに引き受け及び配達について記録を行ういわゆる簡易書留の損害賠償の最高限度額を引き上げることといたしております。  なお、この法律案の施行期日は、公布の日から起算して五日を経過した日からとなっております。  本案は、去る九月二十日内閣から提出され、同月二十七日逓信委員会に付託されたのであります。  委員会においては、十月一日提案理由の説明を聴取した後、政府に対し質疑を行い、同日質疑を終了し、討論もなく、直ちに採決を行いました結果、本案は、原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  136. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 討論の通告があります。順次これを許します。古川喜一君。     〔古川喜一君登壇〕
  137. 古川喜一

    ○古川喜一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました郵便法の一部を改正する法律案に対し、反対の意を表明するものであります。  この法律案は、昨日来論議されておりますとおり、現下の厳しい経済情勢のもとにあって、政府国民の反対を強引に押し切り、郵便料金の値上げを図ろうとするものであります。  本法律案は、さきの第七十五回国会において廃案となったのでありますから、政府国会意思を尊重して郵便料金値上げを断念すべきであって、いまこそ、真の郵便事業のあり方について、事業経営の抜本的改善策及び郵政財政の根本的解決策の確立に積極的に取り組むべきであるにもかかわらず、そのことについて等閑に付し、ただ単に、安易に料金値上げを策し、利用者に負担増を強い、急場をしのごうとするものであって、私は、その政府の政治姿勢に対し猛省を促し、断固反対するものであります。(拍手)  郵政大臣は、郵便事業立て直しに真剣に取り組もうとせず、再度この国会法案提出し、しかも、自由民主党は委員会採決を単独強行し、議会制民主主義をじゅうりんする暴挙をいたしたのであります。全く国民を愚弄することはなはだしく、その罪、まことに重大と言わねばなりません。  三木総理の言う対話と協調は、いつの間にか化けの皮をはいで、いまや独裁政治へと変身し、民主政治の危機を招来しようとしております。三木内閣の本当の姿が露呈されたと言うべきでありましょう。  政府は、郵便料金が家計に占める割合はわずか 〇・一二%にしか過ぎず、さして物価に及ぼす影響はないと答弁いたしておりますが、第一種郵便、すなわち封書で二・五倍、はがきで二倍、第三種に至っては五倍という、いまだかつて例のない大幅値上げが、どうして物価に影響することがないと断言できるのでありましょう。  第三種郵便物の大幅値上げ、それに速達、書留料金等の特殊料金においても、二倍ないし三倍の値上げを強要することになり、しかも、これらの料金は、家計支出に占める計算要素には含まれていないではありませんか。物価指数の魔術というか盲点がここにあり、指数以上の心理的影響が甚大であるばかりでなく、企業通信は当然に原価に算入し、諸物価、新聞、雑誌等の購読料に波及することは明白であります。政府国民に対する無神経、政策の冷酷さを指摘せざるを得ません。  この改正法案の最大の欠陥は、郵便料金の値上げのみをもくろみ、最も基本的課題である郵便事業改善策を何ら講じようとしていないばかりでなく、事業財政の根本的解決策を等閑に付しているという点であります。郵便事業が国営事業として、今後の社会的、経済的発展に即応して不断に国民に対するサービスを改善するため、長期的目標と方法を持ち、これを鋭意実現していくことこそ、郵便事業緊要な課題であります。  しかるに政府は、これらの改善策を何一つ示すことなく、料金値上げのみを固執し強行しようとしておりますが、どうして国民の理解と協力が得られるでありましよう。政府に対し強く反省を促すとともに、本法案の成立を断念し、まず事業改善、財政の見直しをすべきであることを強調するものであります。  すなわち、郵便局舎建設費の問題であります。現在、郵便局舎は約二万二千局あり、この建設費及び維持のための費用を、独立採算制のたてまえからすべて郵便事業特別会計から支出していることが、赤字の大きな要因となっているのであります。郵便がナショナルミニマムとして国の行う事業となっていることから考えても、この局舎建設費は利用者に負担させるものでなく、一般会計において負担するのが当然であります。  また、郵政職員の退職年金制度についてであります。これは、国家公務員の共済組合によって年金に必要な財源は、現在郵政の場合は、国庫負担分についても郵政事業特別会計から全額支出されておりますが、これについても、他の厚生年金制度同様に、必要財源の二〇%相当額を一般会計から支出すべきものであります。  いま申し述べたのは、一、二の例にしかすぎません。これらの諸問題について、事業財政の根本的改善策を立てることなく、安易に郵便料金の値上げのみに頼ろうとする態度は、許すわけにはまいりません。  以上、反対理由の主な数点について申し述べましたが、政府提案のこの郵便法の一部を改正する法律案は、物価政策上からもきわめて不当であるばかりでなく、かかる大幅な値上げは、かえって郵便事業の収入を減少させる結果になりかねないのであります。わが党は、かかる無定見な料金引き上げには絶対反対であります。  私はここに、政府が郵便料金決定の原則を誤り、大衆収奪による料金施策をとることは、今後の郵便事業の発展に大きな禍根を残すことを、深く憂慮するものであります。この際、政府は潔く本案を撤回して、抜本的郵便事業改善策を樹立するため、広く英知を集める努力をなすべきであります。これこそ、物価安定と郵便事業に対する国民の期待に沿う道であると信じます。  私は、このことを強く申し上げ、政府の再考を要請いたしまして、本案に対するわが党の反対討論といたします。(拍手
  138. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 多田光雄君。     〔多田光雄君登壇〕
  139. 多田光雄

    ○多田光雄君 私は、日本共産党革新共同を代表して、ただいま議題となっている郵便法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)  反対理由の第一は、本法案がさきの国会国民の強い反対によって廃案になりながら、再び今国会提出されたものであるということであります。これは国民の声を全く無視し、国会を軽視するものであります。不況、インフレが長引き、中小企業の倒産が激増し、消費者物価が依然として高騰を続けている今日ほど、国民生活防衛のための政治が求められているときはありません。  ところが、三木内閣は、国民が要求する不況対策と生活防衛には全く背を向け、酒、たばとの値上げとともに、郵便料金を大幅に引き上げ、ただでさえ苦しい国民の生活に一層の重圧を加えようとしております。  その上、政府は、国鉄運賃の二倍引き上げ、電報電話料金の五割引き上げ、私鉄運賃、電気料金など、公共料金の大幅引き上げをたくらんでおり、三兆円を超える赤字国債の発行と相まって、これが物価暴騰とインフレに拍車をかけることは明らかであります。(拍手)  しかも許すことのできないことは、三木内閣が、とうした国民生活の困難と不安をよそに、依然として高度成長型の大企業本位の税制、財政、金融の仕組みを温存し、不況対策の名のもとに、高速道路、新幹線、本四架橋など、大企業本位の財投計画を続けようとしていることであります。  反対理由の第二は、本法案郵便法第一条の「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。」という精神を真っ向から踏みにじっているからです。  前国会でわが党が指摘したように、本来、郵便は、国が国民に対して保障しなければならない基本的な通信手段であり、国民の生活に必要不可欠な通信を安い料金で、しかも公平に提供することが義務づけられているのであって、経営については国が責任を負うのは当然であります。ところが、国は、これまで郵便局やポストなどの基礎施設や、本省、地方郵便局、郵政省の医療機関や教育訓練機関など、当然国として負担すべき経費を一切郵便料金に負担させ、何ら財政的責任を果たしてとなかったのであります一これは、国営事業としての郵便事業に対する国の責任を回避したものであり、公共的役割りを本旨とする郵便事業の精神を真っ向から踏みにじるものであります。(拍手)  また、第三種、第四種郵便など、低料金扱いで教育、文化の普及や向上に役立っている郵便物についても、国が当然負担すべき料金の割引分まで郵便利用者に負担させているのであります。  これらの仕組みを抜本的に改めるならば、わが党が前国会で明らかにし、郵政省も認めたとおり、郵便事業の直接経費を郵便事業収入で十分に賄った上、四十九年度でも二百億円を超える黒字になり、今回の値上げは全く必要がないのであります。(拍手)  反対の理由の第三は、大幅な郵便料金値上げは、社会的に深刻な影響を与えるからであります。  本法案による郵便料金の大幅引き上げは、国民各層、とりわけ、通信の大部分を郵便に頼らざるを得ない過疎地域の住民、農山漁村の住民を初め、母子家庭、生活保護世帯、身体障害者、低所得者層に経済的負担を増大させ、これらの人から通信手段を奪い、社会的不公正をますます拡大することになるからであります。社会的交流を主に郵便に頼っている身体障害者、長期療養者などは、本法案について、生きがいを奪うものだと叫んでいるのは当然であります。  さらに、新聞、雑誌などの定期刊行物や通信教育、視力障害者向けの点字物、学術出版物などを扱う第三種、第四種郵便物は、国民の表現と言論、出版の自由、文化の享受、教育を受ける権利など、国民基本的権利を保障するためにこそ低料金扱いになっているのであります。ところが政府は、点字物を除き、逆にこれらを一挙に大幅に引き上げることによって、知る権利を初め、国民基本的権利を侵害し、じゅうりんしようとしているのであります。たとえば、日本青年団協議会、日本スポーツ少年団、日本郵便友の会、日本ユース・ホステル協会など二十団体で構成している社会教育関係青少年団体などにおいても、年間四億三千万を超える負担増になり、団体の存亡にもかかわる大問題になっているのであります。  このような内容を持つ今回の郵便料金値上げ法案であるからこそ、自民党は、わが党を初め多くの国民の強い反対を無視し、委員長職権で強行開会し、自民党単独で強行採決する暴挙を行ったのであります。これらの暴挙は、値上げ法案に対する広範な国民世論に挑戦し、議会制民主主義根本から踏みにじるものであり、これらの行為はとうてい容認できるものではありません。(拍手)  以上述べたとおり、私は政府の今回の措置を厳しく糾弾して、反対討論を終わります。(拍手
  140. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 田中昭二君。     〔田中昭二君登壇〕
  141. 田中昭二

    田中昭二君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました郵便法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手)  質問に先立って、初めに申し上げたいことがあります。それは、政府が今国会を不況克服という主要な目標を掲げながら、開会に当たり、その柱となる不況対策、補正予算案の具体的内容を一向に明らかにしないばかりか、野党がこぞって反対している値上げ法案提出した国民無視の政治姿勢であります。今国会が深刻な経済社会情勢を背景としている以上、政府が速やかにその具体策を国民の前に明らかにするのは当然の責務であります。にもかかわらず、三木総理の所信表明演説、代表質問答弁など、それらが聞かれず、不況克服とは名ばかりの値上げ国会であることが明確となっているのであります。  このような一連の政府の姿勢は、果たして直面する難局を真剣に打開しようとする熱意があるのかどうか、全く疑わざるを得ないのであります。国民の名において、三木内閣にまず猛省を促すものであります。  さらにまた、議院運営委員会において、値上げ法案の扱いについては高度の政治判断を下すとしながらも、酒、たばこ値上げ法案を初め、郵便料金の値上げ法案自民党が単独で強行採決したことは、物価安定を望む国民の願いを踏みにじるものであり、国民に対する背信行為であり、議会制民主主義を破壊するものであります。まさに言語道断と言わざるを得ないのであります。  そこで、反対する第一の理由は、不安定な不況下における経済情勢の中で、国民の反対を押し切って、史上例を見ない大幅な料金の引き上げを行うということは、再び物価高騰の引き金を引くことになり、国民生活に重大な影響を与えるからであります。総理は、物価の安定は経済政策の最重点課題であると言われますが、その舌の根も乾かないうちに、公共料金の中の主要な指標の一つである郵便料金の値上げ法案をごり押しに通そうとすることは、国民政治不信をますますつのらせ、物価高騰におびえる国民の不安感を助長させる何物でもありません。政府の責任は、まことに重大であると言わざるを得ないのであります。  こうした政治姿勢で、果たして他に値上げ必至と見られている国鉄運賃、電報電話料金、私鉄運賃等の公共料金を抑制できるわけがありません。これらの公共料金が値上げされれば、物価上昇率を一けた台とする政府の見通しは、まさに机上の空論となるのは明白であります。  いまこそ政府は、物価の安定を優先させるために、公共料金を抑制し、一般会計からの補てんを行うなどの措置によって物価の安定を図るべきであると考えます。物価の安定を優先させると言われた総理の所信を変えられていないのなら、本改正案を速やかに撤回すべきであります。  反対する第二の理由は、今回の値上げは、郵便法第一条の目的が無視され、忘れられているのであります。すなわち、郵便の持つ公共性を軽視し、企業性、採算性を重視したものであり、このままでは郵便事業の公共的性格が失われることであります。  すでに郵便事業の公共的性格は、昭和四十六年の郵便法の改正に当たり、野党各党の反対を押し切り、郵便法第三条を改悪挿入したときに失われたと言っても過言ではありません。したがって、政府郵便法第一条の「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによつて、公共の福祉を増進する」という法の精神にのっとり、公共料金と郵政事業の独立採算制との関係に抜本的なメスを入れ、郵便の公共性を確保するために一般会計からの補てんを行い、郵便事業における国の負担すべき範囲を明確にすべきであります。すなわち、国が国民に対して保障する通信手段の基礎的施設である郵便局舎などの公共施設の整備、配置は国が責任を持って行うべきものであり、これらの経費までも国民の負担で賄おうとするならば、事業の赤字はさらに増大し、再び料金値上げを繰り返し、第一条の法の目的は永遠に保障されないのであります。  同時に、第三条の企業性を優先する条文を早急に削除すべきであります。  第三の理由は、今回の措置によると郵便業務のサービスの改善策が何もないということであります。  一般化された遅配、誤配、滞留のために、国民が郵便事業に対し大きな不信を抱いていることは、周知のことであります。中でも、遅配、欠配はひどく、四十九年度においては、正常に届かなかった郵便物は、二十七億一千万通にも達しております。これは関東、北陸、北海道各郵政局の郵便物が一年間全部とまった数に相当するのであります。また、四十六年の値上げの際決められた送達日数さえも、達成度は年々悪化の一途をたどっておるのであります。  郵便業務を正常化して国民へのサービスの改善を図るべきですが、赤字を解消するための値上げをすれば通信サービスが徹底するという保証があるのかというと、何ら具体策はないのであります。  また、郵便事業費の多くが人件費であることが示すように、郵便の集配業務が人力によらざるを得ないのが現状であり、したがって、人間関係こそ、サービスの改善と郵便事業を円滑に運用するかきであります。しかるに、今日の郵便事業に携わる職場において、管理職にある者と一般職員との間の相互不信は、まことに深刻なものがあります。これが郵便事業の健全なる運用と国民へのサービスの欠如となってあらわれているのであります。このような相互不信のもとでは、仮に郵便料金の大幅値上げを行って収支のつじつまを合わせたとしても、国民へのサービスの改善はとうてい望めません。この際、年々深刻化しておる労使関係の改善を図るために、政府並びに関係者は誠意をもって取り組み、その円満な解決を図り、正常な業務の運行を国民に確約することが先決問題であります。  第四の理由は、郵便事業における将来の展望と事業改善の長期計画がないことであります。  郵政事業特別会計の赤字額は、五十一年において約三千七百億と言われております。もし仮に今回の大幅値上げを行ったとしても、今後再び独立採算に固執する限り、数年を経ずして多額な赤字を計上することは明らかであります。この深刻な郵政事業の赤字財政について、郵政当局はどのような解決策を持っておられるのか、何ら示されておりません。それなくして、赤字だから料金を値上げするという理論は、赤字幅が拡大すると思われる数年後は全く通用しないのであり、国鉄財政がよい例であろうかと思います。事業改善のための抜本的な対策を国民の前に明示すべきであります。  また、郵便料金の改正に関する答申の中で、「社会経済の変動に即応するよう料金体系その他全般的な問題について長期的な視野に立って調査検討すべき重要な時期に来ていると考えられる」と強調されておりますように、当面する赤字対策のみに終始することなく、長期的な展望に立って、慎重に検討すべきであると考えます。中でも、企業の郵便物が全取扱量の八〇%を超えるに至り、赤字の原因を招いていると言っても過言ではなく、審議会の答申の中でも、企業郵便と私信との間に料金格差を設けることを示唆しております。この企業郵便と私信の料金格差を初め、長年の懸案である公社化案等々その他について、その後いかなる検討がなされたか、確たるものを明示すべきでありますが、何ら具体的な策は出てこないのであります。  以上、数点にわたって反対理由を述べましたが、わが党は、不況と高物価の併存の中で破綻の一途をたどる国民生活の現状から、一挙に二倍ないし五倍以上の無謀な郵便料金の値上げには断固として反対するものであります。  この際、政府に、本法案の撤回を強く要求して、私の討論を終わります。(拍手
  142. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 小宮武喜君。     〔小宮武喜君登壇〕
  143. 小宮武喜

    ○小宮武喜君 私は、民社党を代表し、ただいま提案されております郵便法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。  私が反対する第一の理由は、公共料金値上げに関する厳正なルール、原則を確立しないまま、国民にとって一方的な負担を強いるばがりか、激しい物価高、インフレの引き金ともなる公共料金の値上げを安易に断行する政治姿勢を断じて容認できないことであります。確かに政府がたびたび主張するように、すべての公共料金を一律に長期間にわたって値上げを抑制することは困難でありましょう。それゆえ、公共料金が物価高の起爆剤となってきた従来の経緯にかんがみ、公共料金の値上げに関する原則の確立が必要なのであります。したがって、私は、次に申し述べる原則に基づいた値上げのプロセスを踏まえるべきであると考えます。  その第一の原則は、妥当な必要最小限の値上げ率にとどめるべきだということであります。今回の値上げ案の内容を見ますと、封書が二十円から五十円に、通常はがきが十円から二十円に、第三種が六円から三十円と、二倍から五倍に引き上げるという無謀な大幅値上げ案となっています。国民生活に密着した公共料金のこうした大幅値上げは直ちに撤回すべきであります。  第二の原則は、一般消費者物価の上昇率などとの関連で、値上げの時期を十分に考慮すべきだということであります。わが国の物価高、インフレは、九月の消費者物価上昇率を見ましても、一〇・七%と、依然深刻な事態が続いております。しかも、第四次不況対策が進められようとしている今日、慎重な物価対策が講じられなければ、消費者物価は今後とも大幅に上昇することは必至であります。いまほど物価安定に対する政府の不退転の決意とこれを実現する政策の実行が要求されている時期はないと思うのであります。したがって、政府はみずから公共料金の値上げを抑制し、再び台頭しつつある産業界の製品値上げムードを一掃すべきであります。  民社党はかねてから、消費者物価上昇率が一〇%以下に定着するまでは、すべての公共料金値上げを凍結すべきであると主張してまいりました。重ねて申し上げます。景気を回復させつつ物価安定の実を上げねばならない現時点において、一切の公共料金値上げを凍結するよう強く要求いたします。  第三の原則は、値上げに伴う明確なサービス向上を国民に示すことであります。しかるに、今回の値上げ案は、何らサービス向上に関する改善案が全く盛られていません。これでは、国民を納得させることは絶対に不可能であります。  われわれは、国民生活をますます苦境に陥れる今回の値上げを、以上の原則を踏まえて断固反対するものであります。  私が反対する第二の理由は、政府が相も変わらず、独立採算制を盾にとり、公共負担の投入によって、値上げを凍結しようという姿勢が全く見られないことであります。  郵便法第一条に言われている、なるべく安い料金で、あまねく公平に提供し、公共の福祉の増進を図ることと、独立採算制の論理は、本来矛盾しているのであります。すでに諸外国におきましては、大幅な公共負担が行われており、アメリカでは、採算のとれない地域へのサービス提供や、政策料金による収入不足などは、国庫から財政援助を行っております。また、イギリスにおきましても、インフレ収束までの臨時特別措置として、一般会計から一億三千万ポンドに及ぶ財政援助を行っているのであります。  これに反し、わが国では郵便事業に対しては一般会計から全く支出されず、すべて一般国民の負担によって財政再建を図ろうとしております。これこそ、政府自民党国民生活軽視の姿勢を端的にあらわしたものと言わざるを得ないのであります。  第三の反対の理由は、合理化に対する熱意に欠け、惰性的な経営に陥り、しかも近代的な労使関係が確立されていないことであります。特にこの際、私が指摘したいことは、郵便事業の健全な発展を目指し、まじめに額に汗して働いている者に対するいやがらせや言論、暴力などの不当行為が横行しておるということであります。すなわち、大分県の大分郵便局、日田郵便局、長崎県の長崎中央郵便局、長野県の松本郵便局、大町郵便局、北海道の函館郵便局等々と、全国的な規模にわたって行われており、その事例は枚挙にいとまないほどであります。  こうした不当行為がまかり通っているとともに、合理化に対する理事者側の熱意の欠如や年中行事化した違法ストの横行、それに伴う郵便物の遅配等々によって、国民の間には郵便事業に対する不信感が一段と増大しているのであります。(拍手)  したがって、郵便料金の値上げよりは、今日の職場秩序混乱を解消し、正しい労使関係の確立こそが経営の健全化を図る唯一の道であり、先決であると私は信じております。同時に、労使はえりを正し、国民の福祉向上のため、郵便事業のあるべき姿を真剣に追求すべきであります。(拍手)  以上、政府及び郵政当局の猛省を求めて、私の反対討論を終わります。(拍手
  144. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  145. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 郵便法の一部を改正する法律案につき採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  146. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  147. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  148. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  149. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百五十九   可とする者(白票)        二百四   否とする者(青票)       百五十五     〔拍手
  150. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 右の結果、郵便法の一部を改正する法律案委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)     —————————————  郵便法の一部を改正する法律案委員長報告の通り決するを可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       愛野興一郎君    赤城 宗徳君       天野 公義君    天野 光晴君       井出一太郎君    伊藤宗一郎君       伊能繁次郎君    石井  一君       石田 博英君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    今井  勇君       宇田 國榮君    宇都宮徳馬君       宇野 宗佑君    上田 茂行君       上村千一郎君    植木庚子郎君       臼井 莊一君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       小川 平二君    小此木彦三郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大竹 太郎君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大平 正芳君    大村 襄治君       奥田 敬和君    奥野 誠亮君       加藤 紘一君    加藤太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       海部 俊樹君    梶山 静六君       粕谷  茂君    片岡 清一君       金丸  信君    金子 一平君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       瓦   力君    木野 晴夫君       木村武千代君    北澤 直吉君       吉川 久衛君    久野 忠治君       久保田円次君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       栗原 祐幸君    小泉純一郎君       小坂善太郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小林 正巳君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 洋平君    河本 敏夫君       國場 幸昌君    近藤 鉄雄君       左藤  恵君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 孝行君       佐藤 文生君    佐藤 守良君       斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君       坂田 道太君    坂村 吉正君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       笹山茂太郎君    志賀  節君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       塩谷 一夫君    澁谷 直藏君       島村 一郎君    正示啓次郎君       鈴木 善幸君    住  栄作君       染谷  誠君    田澤 吉郎君       田中 角榮君    田中  覚君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       竹下  登君    谷垣 專一君       谷川 和穗君    地崎宇三郎君       坪川 信三君    戸井田三郎君       渡海元三郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾  宏君       中川 一郎君    中曽根康弘君       中村 弘海君    中村 寅太君       中山 利生君    中山 正暉君       灘尾 弘吉君    楢橋  進君       丹羽 兵助君    西岡 武夫君       西村 英一君    西銘 順治君       根本龍太郎君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生田 進君    葉梨 信行君       橋口  隆君    橋本龍太郎君       長谷川 峻君    旗野 進一君       服部 安司君    浜田 幸一君       濱野 清吾君    早川  崇君       林  大幹君    林  義郎君       原田  憲君    廣瀬 正雄君       深谷 隆司君    福田 赳夫君       福田 篤泰君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤本 孝雄君    保利  茂君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田治一郎君    前田 正男君       増岡 博之君    松澤 雄藏君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    水田三喜男君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    村岡 兼造君       村田敬次郎君    村山 達雄君       森  美秀君    森  喜朗君       森下 元晴君    森山 欽司君       安田 貴六君    保岡 興治君       山口 敏夫君    山崎平八郎君       山下 元利君    山下 徳夫君       山田 久就君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 幸雄君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君  否とする議員氏名       阿部 助哉君    阿部未喜男君       井岡 大治君    井上 普方君       石野 久男君    石橋 政嗣君       板川 正吾君    稲葉 誠一君       岩垂寿喜男君    上原 康助君       江田 三郎君    枝村 要作君       小川 省吾君    大出  俊君       大柴 滋夫君    太田 一夫君       岡田 哲児君    加藤 清政君       勝澤 芳雄君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君       金丸 徳重君    金子 みつ君       川崎 寛治君    河上 民雄君       木島喜兵衞君    木原  実君       久保 三郎君    久保  等君       兒玉 末男君    上坂  昇君       佐々木更三君    佐藤 観樹君       佐野 憲治君    佐野  進君       斉藤 正男君    坂本 恭一君       阪上安太郎君    島本 虎三君       下平 正一君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    塚田 庄平君       土井たか子君    中澤 茂一君       中村  茂君    楢崎弥之助君       成田 知巳君    野坂 浩賢君       馬場  昇君    長谷川正三君       日野 吉夫君    平林  剛君       広瀬 秀吉君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       武藤 山治君    村山 喜一君       村山 富市君    森井 忠良君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山本 政弘君       山本弥之助君    湯山  勇君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    和田 貞夫君       渡辺 三郎君    青柳 盛雄君       荒木  宏君    諫山  博君       石母田 達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       小林 政子君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    田代 文久君       田中美智子君    多田 光雄君       津金 佑近君    津川 武一君       寺前  巖君    土橋 一吉君       中川利三郎君    中路 雅弘君       中島 武敏君    野間 友一君       林  百郎君    東中 光雄君       平田 藤吉君    不破 哲三君       正森 成二君    増本 一彦君       松本 善明君    三浦  久君       三谷 秀治君    村上  弘君       山原健二郎君    米原  昶君       新井 彬之君    有島 重武君       石田幸四郎君    小川一郎君       大久保直彦君    大野  潔君       大橋 敏雄君    近江巳記夫君       岡本 富夫君    沖本 泰幸君       鬼木 勝利君    北側 義一君       小濱 新次君    坂井 弘一君       坂口  力君    鈴切 康雄君       瀬野栄次郎君    田中 昭二君       高橋  繁君    竹入 義勝君       林  孝矩君    伏木 和雄君       正木 良明君    松尾 信人君       松本 忠助君    矢野 絢也君       山田 太郎君    池田 禎治君       内海  清君    小沢 貞孝君       春日 一幸君    河村  勝君       小宮 武喜君    永末 英一君       宮田 早苗君    和田 耕作君       渡辺 武三君      ————◇—————  日程第三 酒税法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第四 製造たばこ定価法の一部を改正す   る法律案内閣提出
  151. 秋田大助

    ○副議長(秋田大助君) 日程第三、酒税法の一部を改正する法律案日程第四、製造たばこ定価法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。大蔵委員長上村千一郎君。     —————————————  酒税法の一部を改正する法律案及び同報告書  製造たばこ定価法の一部を改正する法律案及び   同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔上村千一郎君登壇〕
  152. 上村千一郎

    上村千一郎君 ただいま議題となりました二つの法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  両法律案は、最近における酒及びたばこの消費に対する税負担の推移等に顧み、この際、その見直しを行い、あわせて財政収入の確保に資するため、税率等について所要の調整を図ろうとするものでありまするが、御承知のとおり、この両案につきましては、前国会、本院において修正議決の上、参議院に送付されましたが、同院において審査未了となりましたため、再び今国会提出されたといういきさつがあるのでありまして、施行期日に関する衆議院の修正内容が盛り込まれておりますほかは、前回と同様の内容となっております。  まず、酒税法の一部を改正する法律案は、清酒特級、ピール、ウイスキー類特級及び一級等について二二%程度、清酒一級について一五%程度、それぞれその従量税率を引き上げるとともに、酒税の諸制度につきましても、納期限の延長制度、戻し入れ控除制度等についで、所要の整備を行うことといたしております。     〔副議長退席、議長着席〕  次に、製造たばこ定価法の一部を改正する法律案は、製造たばこの小売定価を引き上げるため、種類ごとの等級別に法定されている最高価格を、紙巻きたばこについては十本当たり十円ないし二十円、刻みたばこについては十グラム当たり十円、パイプたばこについては十グラム当たり二十円ないし四十円、葉巻たばこについては一本当たり三十五円ないし百二十円、それぞれ引き上げる等、所要の改正を行うことといたしております。  両案は、去る九月二十日内閣より提出され、同二十七日大蔵委員会に付託となりました。  委員会におきましては、十月一日大平大蔵大臣より提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、両案を一括して採決に入りましたところ、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  153. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。佐藤観樹君。     〔佐藤観樹君登壇〕
  154. 佐藤観樹

    佐藤観樹君 私は、日本社会党を代表して、再び酒税法改正案及び製造たばこ定価法改正案に、強い抗議を込めて、反対討論を行います。  私は、去る五月の六日、この議場で、社会的不公平の是正を唱える三木内閣が、逆に不公平を拡大する法案をごり押しすることは、三木内閣の公約自体、実は口先だけのものであったことを証明するにほかならないと、鋭く批判をいたしました。また、国民のために何一つ公約を実行しない三木内閣は、夏の朝露のごとくただ消え去るのが運命とも予言をし、さらに、参議院段階でも公共料金値上げ反対の集中砲火を浴び、この悪法がついえ去ることを期待すると述べました。  結果はどうだったでしょうか。七月四日の夜十二時になっても、酒、たばこの値上げ法案は、社会党を中心とする野党の激しい抵抗の中で、参議院を通過しなかったのであります。そして、このような法案を再提出した三木内閣の運命は、いまや風前のともしびになっているのであります。  議員諸君、七月五日、すなわち値上げ法案が廃案になった翌日、選挙区に帰られて、選挙民はどのような反応を示したでしょうか。少なくとも私は、凱旋将軍のごとく称賛の歓迎の中で温かく迎え入れられたのであります。(拍手)  国民はなお、預貯金金利を上回る物価高の中で、疲れたからちょっと一服、夕げにちょっと一杯と心を休めたいと思っているのに、たばこは四八%、酒は二二%の値上げでは、とてもたまったものではありません。  政府、特に担当の大平大蔵大臣は、この値上げ二法が国会で廃案になったという厳粛なる事実を、もっと厳しく考え直すべきであったのであります。前国会廃案になった法案を、施行期日だけを変えてそのまま提案をしてくる、この政治的なセンスが、国会を一カ月余も混乱をさせ、きょうはちょうど二十五日でございますから、会期は来月の二十四日まで、余すところ一カ月にも満たなくなった今日、いまだに参議院を通過させる見通しすら立たない状態ではありませんか。  大平さん、あなたは心の中でこう言っているでしょう、酒、たばこの値上げ法案は、すでに五十年度の当初予算に織り込み済みなんだと。しかし、この五十年度の予算自体が、十七兆三千億円の税収見込みが、何とぞの二三%にも当たる三兆八千八百億も歳入欠陥になるという、前代未聞の予算であったのであります。いまや、五十年度予算の前提が狂ってきたのですから、補正予算の編成時に、もう一度考え直す必要があったのです。たとえ十二月の一日から値上げができたとしましても、たばこで八百余億の増、酒で二百七十億の増、合計千百億程度の増収であります。これぐらいの財源は、後で述べますように、政府にやる気さえあれば幾らでも取れるのです。  さらに、三木首相は、独禁法を今国会提出しない理由として、参議院で廃案になったことを挙げています。独禁法は、廃案になったから提出をしない、値上げ法案は、廃案になっても、施行日だけを変えてそのまま提出してくる、こんな理屈に合わないことが国会を堂々とまかり通っていいのでしょうか。(拍手)  さらにです、九月九日には共済年金法など生活関連の法案を早々と閣議決定をしておきながら提出せずにおいて、値上げ法案のみを提出してくる。この政治的なセンスは、とてもわれわれの常識では理解できません。国民はこんなことを望んでいたのでしょうか。  ここに新聞の投書が一つございます。披露させていただきたいと思います。これは私の地元の中日新聞の十月の十一日でございますが、六十七歳の、いまや無職になられた愛知県瀬戸市、私の選挙区ではございませんが、芝田緑さんという方の投書がございます。これは皆さんと一緒に私は考えてみなければいけないと思うのです。題名は「早く年金法改正を 空転国会 たまらぬ巻き添え」こういう題でございます。   九月には年金法が改正され、八月にさかの  ぼって実施されると聞いていましたが、九月に  なって、それは国会で値上げ法案の巻き添えで  流れてしまったと言われたときには、全くがっ  かりしてしまいました。なんのために値上げ法  案と、年金法が一緒にたたきつぶされなければ  ならないのか。   かつて新聞にあったように、月収百万とか聞  く代議士先生たちにはわからないと思うが、私た  ち年金生活者は、月々乏しい金で生きているの  です。それも在職期間四十年近く、毎月給料か  ら、かなりの額を天引きされて積み立ててきた  金である。その年金も、今の高卒初任給にも満  たない額で一家生きてゆかねばならない。昭和  激動の乱世を生き抜いて、老いてこの始末であ  る。なぜ年金法改正案まで巻き添えにしなけれ  ばならないのか。   しかし今度の国会もまた、値上げ法案を最初  に出して混乱させている。どうして年金法など  重要法案を先に出して、福祉優先国会にしてく  れないのだろうか。また今度も流されてしまっ  たら、年金法の改正はいつになるやら。単独可  決だとか、野党の一斉帰郷だとか、国会の空転  が恐ろしい。政府野党の諸先生、今度こそ年  金生活者必死の訴えを流さないで下さい。  こういう切々とした投書が、何も中日新聞に限らず、各所に出ているわけであります。私たちが主張したように、始めから年金法その他生活関連法案を出しておれば、このような投書は出なかったはずであります。  私は、昭和四十四年十二月、国会に出てから、三代の内閣で五人の大蔵大臣に、大蔵委員会を通して論争をしてまいりました。佐藤内閣末期の水田三喜男氏、田中内閣の植木庚子郎氏、亡くなられた愛知揆一氏、福田赴夫氏、そして現在三木内閣の大平正芳氏、この五人であります。そして、社会党の大蔵部会の評価は、大平さんはこの五人の大蔵大臣のうち下から二番目、それも三位とは大きく水のあいた四位でございます。第一位がだれで、第五位がだれか、ここでは申し上げません。  私たちと政策が違うのは当然でありますが、大蔵大臣は、まず日本丸の船長として、激しく揺れ動く経済に対して、的確な見通しを持たなければなりません。しかし、御存じのように有史以来の歳入欠陥をもたらしたのであります。また、私たちと政策論争をやっていて、野党といえども、必ず建設的な提案、自民党内閣でも取り上げることができることがあるはずであります。特に社会党は数々の具体的な提案をしているのですから、それを幾らかでも取り入れ、政治を前進させていこう、行政に反映させていこう、こういう姿勢がなければ、議院内閣制の大臣は勤まりません。  本来、政治は行政の上をいくべきなのであって、官僚の言うとおり国会で答えているなら、政治家は必要ありません。政権をとろうとする大平大蔵大臣なら、もう少し現状の政治を見回し、いま日本経済が何を必要としているのか、国民生活に何が必要なのかを十分考えて、経済運営をすべきであります。  前国会、廃案になった酒、たばこの値上げ法案を、日付だけ変えて提出してきた大平蔵相の政治的センスを疑うとともに、このような議会意思を無視してごり押ししてくる本法案に、まず強く反対するものであります。(拍手)  次に、三木首相は、十月六日の記者会見で、「政権を担当する党としては、人気とりだけはできず、国民に不人気なこともやらなければならない」と語っています。いま、政治に必要なのは、「国民に不人気な」ではなく、この言葉を、「財界に不人気な」「大企業にも不人気な」に直すべきであります。よしんば、首相が言うように値上げ法案国民に押しつけるなら、十分国民に納得がいくものでなければならないはずであります。  前国会でも述べましたように、第一に、本当に酒、たばこの値上げ以外に、ほかに財源はないのでしょうか。私たちが去る九月十八日、武藤山治議員の質問の形で提案をいたしましたように、法律を改正しなくても増収できる項目は幾らでもございます。  先ほど山田議員からお話がございましたように、金融機関の貸し倒れ引当金の千分の十を、当初大蔵省が考えておりました千分の五に引き下げるだけで二千六百億の増収、機械などの償却資産の耐用年数も、政令、省令の改正で増収することができますので、たとえば、一律一五%年数を延長しただけで三千億程度の増収は見込めるのであります。十二月から酒、たばこの値上げができたといたしましても千百億程度の増収でございますから、これと比べてみますと、国民に不人気なことをやるのではなく、ひとつ、大企業に不人気なこともやってみたらいかがでございましょうか。(拍手)  第二に、間接税の逆進性の問題です。本院でも、予算委員会でも、所得金額の一番少ない第一分位の人々の実質所得が減っている問題が、大きくクローズアップされてきました。第一分位の人たちでもたばこを吸うし、酒は飲むんです。こういう人たちからもさらに税金を取り上げることが現在の政治の使命なのでしょうか。所得の低い人ほど相対的に重くかかる間接税を、このような所得格差が開いていく時期に強化すべきことでしょうか。答えは断じてノーであります。  第三に、物価との関連です。政府は、すでに物価指数に織り込み済みと言っておりますが、成人の八割、三千七百万人が吸うたばこを値上げするということは、心理的な波及効果ははかり知れないものがあります。  しかも、どうしても納得できない第四の点は、専売公社が超黒字だということであります。四十九年度の益金は六千七百八十億円……
  155. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 佐藤君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
  156. 佐藤観樹

    佐藤観樹君(統) もう少しです。四十八年度、最ももうけました民間企業は松下電気ですが、その利益は千八億円ですから、専売公社のもうけは何とぞの七倍という超黒字ぶりであります。何しろ平均五四%という税金が入っているしろものですから、もうかるのは当然であります。  以上の理由からいっても、値上げ二法案は、とうてい国民の納得し得るものではなく、断じて賛成できません。  三木首相は、十月六日記者団に、国会で気に入らないものは絶対阻止というのでは、議会運営はうまくいかない。野党審議を通じて国民に訴えてほしい。与野党の考え方が、選挙の総決算として結論が出てくる、こういう意味のことを述べられております。  私は、私の言う値上げ二法案反対という主張が正しいのか、恐れをなして自由民主党は賛成討論すらもできないわけでありますが、自民党の言う主張が正しいのか、一度国会を解散してみて、国民に問うてみてはいかがでしょうか。(拍手社会党は堂々と受けて立つことを確約をいたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手
  157. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 小林政子君。     〔小林政子君登壇〕
  158. 小林政子

    小林政子君 私は、日本共産党革新共同を代表して、ただいま議題となりました酒税法及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場を表明し、討論を行います。(拍手)  まず第一、本法案審議経過をめぐる問題であります。  改めて言うまでもなく、酒、たばこの大幅値上げ法案は、さきの七十五国会で、国民の強い反対によって廃案になったものであります。わずか三カ月余りも経ていない今日、全く同じ内容のものを再提出してきたことは、そのこと自体、物価安定と生活擁護を求めている国民に対する公然たる挑戦であり、断じて許すことのできないものであります。(拍手)  しかも、今国会での経過そのものも、全く言語道断の一語に尽きるものであります。去る十月一日、大蔵委員会で、自民党は単独で審議強行採決を行ったにもかかわらず、前尾議長の裁定によって、この暴挙を一切不問に付し、いま、しゃにむに押し通していこうとする、こういう状態であります。  さらに重大なことは、補正予算審議の中でわが党の荒木議員が鋭く指摘したように、輸出用たばこの価格が製造原価より低いという重大な疑いがあり、これについて政府も資料提出を約束しているのであります。  これらの点は、値上げの是非そのものにかかわる根本的な問題であり、これをあいまいにしたまま問答無用に強行することは、まさに審議権に対する重大な侵害であり、議会制民主主義を踏みにじる暴挙であり、国民に対する挑戦以外の何ものでもありません。(拍手)  第二に、酒、たばこ値上げ法案自体が、その内容においても絶対に認めることのできないものであります。  まず指摘しなければならない点は、今回の酒、たばこ値上げ法案が、物価安定と生活擁護を求める国民の要求と期待を著しく踏みにじっているという点であります。  今日、国民はインフレと不況のもとで苦しい生活を強いられているとき、政府はこの国民生活の実情を無視して、酒税約二〇%、たばこ四八%の値上げを十月一日から実施して、酒税五百五十億円、そして、たばこは一千三百億円の増収を図り、それを歳入欠陥の解消に充てようとしています。現在のインフレ、不況から生じる歳入欠陥を、公共料金の値上げなど国民の犠牲で賄い、大企業本位の景気刺激策に投入しようとすることは、断じて容認することができません。  政府は、税負担が相当低下していると言っていますが、現に酒、たばこで一兆円を超える税負担を国民に強いているのであります。今回の値上げが、現在の不況、インフレの中で、低所得者に一層重い負担となることは明らかであります。これは、俸給が月額九十万円の大臣も、賃金が月十五万円そこそこの勤労者も、一本のピール、一箱のたばこに対する税負担は同額であります。そのことからも、間接税が所得の少ない層に重い負担を強いる逆進性を持つものであります。酒、たばこの値上げは、直間比率の是正を口実として、一段と勤労者に重い負担を強いる不公正な税制の拡大であることは明らかであります。  さらに、この酒、たばこ値上げ法案は、関連業者の経営上の利益にも何らならないという問題がございます。特に九九%以上が資本金一億円未満の企業である清酒製造業者は、酒税の引き上げを価格に転嫁すれば、売り上げが減少して、いまでさえ不況で倒産寸前なのに、塗炭の苦しみに陥ることはもう明らかだ、こうして、こぞって酒税の引き上げに反対を表明しているのであります。また、酒類小売販売業者やたばこ小売販売業者も、酒、たばこの値上げは、即マージンの引き上げ、即収入増、即生活改善ということにはならない、こういう立場から、強くこの廃案を求めているのであります。  政府は、こうした酒、たばこ関連業者の経営を全く顧みないだけではなく、中小関係業者切り捨ての政策、この転換を強く私どもは要求をするものであります。  さらに、容認することができない第三の問題は、本法案審議の過程における原価の公表、公聴会の開催などのかたくなな拒否に見られる議会制民主主義のじゅうりんの態度であります。  たばこの製造原価や総原価とその構成要素を銘柄別に明らかにし、適正な価格を厳密に検討し、国民に納得のいく価格決定をすることは、国の専売事業としては当然のことであります。しかるに、わが党の再三の要求にもかかわらず、その資料も満足に提出せず、強行採決をするということは、国政調査権を踏みにじるものであり、断じてこれは許されないことであります。その結果、値上げの根拠も理由も全く明らかになっていません。  しかも、国会法五十一条二項では、重要な歳入法案については必ず公聴会を開会して、広く国民の意見を国会審議に反映しなければならないということを義務づけているのであります。公聴会の開会もわが党が強く要求してきたところであるにもかかわらず、これも開かれなかったことは、明白な違法行為であります。私は、国民の切実な声を一言も聞こうとしない反国民的な三木内閣を、国民の名において強く糾弾するものであります。(拍手)  いま国会に対して国民は不況対策を強く求めています。わが党は、国民生活防衛、国民本位の不況対策を進めるための経済危機打開の緊急政策を明らかにしてきました。しかし三木内閣は、補正予算の提出前に値上げ法案審議を優先させるという、そして強行採決をしてきたという、この事実を私どもは見逃すわけにはまいりません。財政危機を国民の犠牲によって解決しようとするばかりか、今後の公共料金や大企業製品の値上げの突破口にすることは明らかであります。  私は、政府が本当に財源を求めるならば、四次防の整備や、不急不要な支出の削減や、貸し倒れ引当金を初めとする大企業のための特権的減免税の仕組みを取り除き、戻し税制度をやめるなど、今日まで優遇し続けてきた大企業、大資産家に対する特権的な優遇税制の改正をすることによってこそ、見出すことができるということを強く主張し、本法案の反対討論を終わります。(拍手
  159. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 林孝矩君。     〔林孝矩君登壇〕
  160. 林孝矩

    ○林孝矩君 私は、公明党を代表して、ただいま報告のありました酒税法及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案、いわゆる酒、たばこ値上げ法案に対し、反対の討論を行います。  酒、たばこ値上げ法案についての具体的な反対理由を述べる前に、私は、対話と協調をことさらのごとく尊重すると言う三木内閣が、対決とごり押しの姿勢をむき出しにして、国民の反対する酒、たばこ値上げを強行しようとする、すなわち、国民に背を向ける政治姿勢を厳しく糾弾せずにはおれないのであります。  酒、たばこ値上げ法案は、前国会において、政府自民党があらゆる成立工作をしたにもかかわらず廃案となった法律案であることは、いまさら言うまでもありません。三木総理は、一体、国会において廃案となりた事実に対して、いかなる受けとめ方をしているのでありましょう。議会の子をみずからもって吹聴する総理であれば、これは国民の厳粛な審判が下されたと、率直に認めるのが当然と考えるのであります。(拍手)  それにもかかわらず三木内閣は、緊急を要する補正予算案や生活関連法案国会提出をおくらせてまで再提出し、のみならず、野党の反対が強いと見るや、不法にも大蔵委員会を一方的に開会し、単独強行採決という議会制民主主義を踏みにじる暴挙に訴えて値上げを強行し、あまつさえ、不況対策の中心施策である補正予算の審議中に本会議を通過させようとしているのであります。  このような国民不在の政治姿勢は、自民党内閣の数を頼みとする力ずくの政治の本質を暴露したものであります。改めて三木内閣の仮面と実像を、国民の前で明らかにしたものと言わざるを得ません。三木総理は、国民の三木離れがどこにその原因があるのか、謙虚に反省する必要があるということを強く指摘しておきます。  以下、酒、たばこ値上げ法案に反対する理由を申し上げます。  第一は、酒、たばこの値上げが、他の諸物価の値上げを誘発し、不況とインフレで破滅寸前に追い込まれている国民生活をさらに圧迫するからであります。  政府自民党は、酒、たばこの値上げが消費者物価に与える影響は微々たるものであるとしているようでありますが、果たしてそうでしょうか.酒、たばこ、さらには郵便料金の値上げが強行されるならば、原油値上げを理由に値上げを待ち構えている大企業製品の値上げに一斉に火をつけることは必至であります。  それでなくても、巨額な国債発行が通貨増発をもたらして、インフレを促進しようとしているのであります。酒、たばこ等に次ぐ公共料金の値上げはメジロ押しの実情であります。三木総理であっても、不況の深刻化による多くの国民の苦しみは知らないわけではないでありましょう。酒、たばこの値上げで国民生活に負担を強いることの是非を御存じのはずであります。このような国民生活を奈落の底に落とそうとする酒、たばこ値上げ法案は、断じて認めることができないのであります。(拍手)  反対理由の第二は、酒、たばこの値上げは、逆進性の強い間接税の強化であり、大衆に犠牲を強いる以外の何物でもないからであります。  三木総理は、社会的に弱い立場にある人に比べ、相対的に有利な立場にある人々に対し、税その他公共負担の増加に耐えてもらうなどして社会的公正を確保すると公約されたことは、今日に至り、失業者、倒産の増大によって、もはやその看板が全く色あせてしまったとはいえ、よもや忘れていないであろうと思うのであります。政府の政策の失敗による不況は、社会的に弱い立場の人たちに、より多くの犠牲を強いていることは言うまでもないのであります。しかし、酒、たばこの値上げは、高額所得者に対しては負担が軽く、低所得者にはその負担を重くするものであり、社会的不公正をさらに拡大するものであると言っても過言ではありません。  第三に、酒、たばこの値上げの理由が、国民にとって全く納得がいかないことであります。  すなわち、酒税の国税収入及び間接税収入に占める比率は、いずれも過去三年間平均値にとどまっていることからも、大幅引き上げをしなければならない積極的な理由は何一つ見当たらないのであります。むしろ社会的公正の確保、物価の鎮静が最大の政治課題となっている今日、これらを据え置くのが当然と言わなければなりません。また、たばこの値上げにしても、たばこ事業益金率を六〇%確保するためと称するものの、六〇%確保するという根拠が全く不明確である上に、四十九年度において五四・三%であるものを、何ゆえに六〇%に持っていく努力をしなければならないかということであります。着実な伸びを示している専売納付金を、より以上にふやす理由は全くないと言ってもいいのであります。  反対理由の第四は、本年度の巨額な歳入欠陥に対する補てん対策としては、まず不公平税制を是正し、歳入を確保しなければならないにもかかわらず、このための積極的な努力を傾けないで、国民大衆の犠牲による酒、たばこの値上げによって歳入欠陥を補てんしようとする不当性についてであります。  大蔵大臣は、歳入欠陥の補てん策について、選択的増税を図ると言明しながらも、実際は、金融機関の貸し倒れ引当金の繰入率を、当面、千分の十を千分の九・五にしたにすぎません。貸し倒れ引当金の繰入率を当初の予定どおり千分の五に引き下げていたとするならば、酒、たばこの値上げによるのと同じ程度の歳入が確保されていたのであります。  政府自民党は、酒、たばこの値上げによって歳入欠陥を補てんしようなどというこそくな手段に訴えるのではなく、まず巨額な歳入欠陥を生ぜしめた放漫財政に徹底してメスを入れるとともに、歳出を見直し、不公平税制の改革に全力を挙げることが、けだし当然と思うのであります。弱い者、取りやすいところがら収入を確保しようとする反国民的な姿勢は、とうてい納得のできるものではありません。  以上、数点にわたり、酒、たばこ値上げ法案に反対する理由を申し上げましたが、いま必要なことは、あらゆる手段を講じ国民生活を守ることであります。三木内閣がこの国民の切なる要望を無視するならば、政治の使命をみずから放棄したと断言せざるを得ないのであります。もはや、国民の三木内閣への不信は、頂点に達すると言わなければなりません。その意味で私は、あくまでも、酒、たばこ値上げ法案の撤回を要求するものであり.ます。  重ねて政府に撤回を求め、反対の討論を終わります。(拍手
  161. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 宮田早苗君。     〔宮田早苗君登壇〕
  162. 宮田早苗

    ○宮田早苗君 私は、民社党を代表し、ただいま提案されております酒税法の一部を改正する法律案並びに製造たばこ定価法の一部を改正する法律案に対し、一括して反対の討論を行いたいと思います。(拍手)私は、一人の国民の立場に立って思うとき、今臨時国会ほど、政府の無責任、与党自民党横暴ぶりが、国民の前に明らかになった国会はないと断言せざるを得ません。  申すまでもなく、今臨時国会最大の使命は、ますます深刻化する経済不況を、一時も早く克服し、国民に将来への展望の足がかりを与えるところにあります。  三木総理御自身、冒頭の所信表明演説で、水平線のかなたにある二十一世紀に通じる展望を持った発想と実行が求められている。このことを強調されておりましたが、その後の三木内閣の政治姿勢はいかがなものでありましょう。不況克服策の確立に国民の大多数が期待していたにもかかわらず、政府自民党が補正予算案を本院に提出したのは、実に召集後一カ月たってからであります。そして、この間十月一日には、ただいま提案されております酒税の増税案並びにたばこ値上げ法案大蔵委員会単独採決したのであります。  臨時国会は何のために開かれたのか、値上げ法案だけのための国会か、三木内閣に失望する声が、国民の間にほうはいとして起こってきたのも、いわば当然のことと言わなければなりません。  政府は、われわれ野党の追及に対し、これらの法案は、通常国会で成立した予算の裏づけになる法案で、緊急を要すると強弁しております。しかし、大蔵大臣、その当初予算自体が、すでに戦後最大、未曾有の四兆円に迫る歳入不足を生じようとしているのであり、いまさら酒、たばこの値上げに固執する理由は、全くと言ってもよいほどなくなっているではありませんか。  私は、ここで、わが国の高騰する物価上昇の原因が、政府が主導する公共料金の値上げ政策にあることを明らかにしたいのであります。  すなわち、七月時点での消費者物価上昇率は、対前年同月比一二%でありますが、公共料金の上昇率は一七・九%であります。他方、工業製品の上昇率はどうかと申しますと、需要の停滞と相まって六・五%にまで低下しているのであります。これは、明らかに現在の物価上昇の原因が公共料金の値上げにあることを如実に物語っている何よりの証拠であります。  民社党は、公共料金の半永久的な凍結を主張するような暴論を振りかざしませんが、当面、酒、たばこ、国鉄の各種料金さらに郵便料金の値上げを抑制するならば、わが国の物価上昇率は、政府の目標とする年度末九・九%から七、八%台まで下げることが可能でありましょう。このことが持つ意味はきわめて重要であり、物価の安定は、現在の異常に停滞した消費需要を正常な状態に戻し、景気対策の面でも思い切った措置を講ずることを可能にするのであります。  このように経済的側面から見ますと、公共料金の値上げは、インフレ心理を持続させ、同時に民間企業の便乗値上げを誘発し、消費支出の回復をおくらせ、ひいては、政府の最大課題である景気回復施策の足を引っ張ることになるのであります。まさに拙劣な措置であることを強調しておきたいと思います。  また、政府のねらいである歳入の確保についても、今度の値上げがどれほど寄与するのか、はなはだ疑問であります。酒やたばこの値上げは、必ずやこれら商品の需要を大幅に停滞させるでありましょう。現に、夏の通常国会期末、値上げを直前にして庶民の多くが、せめて一週間分、せめて一カ月分のたばこをと、買いだめに走っていたではありませんか。政府は小手先の対策を断念し、政府の当初の政策目標値であるところの経済成長率四・三%を実現することに全力を傾け、ひいては全体の租税収入の増加を図るべきであります。  次に、私は国民生活の立場から、この値上げに反対する理由を申し述べたいと思います。  この値上げは、低所得層の人々に多大の犠牲を強いる逆進性の強いものであります。社会的公正の観点から見ても容認できかねるのであります。三木内閣は登場以来、国民の前に社会的公正の確保を公約いたしましたが、低所得層ほど負担が重くなり、社会的不公正をますます拡大させる悪法と言わなければなりません。  世論調査によりますと、三木内閣の支持率は、この十カ月間に四七%から二三%と急落していますが、これは三木内閣のこのような有言不実行、羊頭狗肉の政治を国民が見抜いた結果にほかなりません。  すでにわが党が酒、たばこの値上げにかわる増収対策として、今年初めの予算委員会で予算の組み替えを提出したことは、御承知のとおりであります。すなわち、利子、配当などの租税特別措置の改廃、交際費課税の強化、富裕税の創設などであります。このような措置を講じ、酒、たばこなど公共料金の値上げを抑制することが、社会的公正を確保し、物価の安定にも寄与する方策になるのであります。  以上、私は、今回の酒、たばこの値上げ法案について、その政治的側面、経済的側面、国民生活的側面から問題を指摘してまいりましたが、いずれの観点から見ましても、両法案の成立に断固として反対することを再度明らかにいたしまして、私の討論を終わります。(拍手
  163. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  164. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 酒税法の一部を改正する法律案外一案を一括して採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。     〔議場閉鎖
  165. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  166. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣——開鎖。     〔議場開鎖
  167. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票を計算いたさせます。     〔書投票を計算〕
  168. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 三百七十五   可とする者(白票)        二百十   否とする者(青票)       百六十五     〔拍手
  169. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 右の結果、酒税法の一部を改正する法律案外一案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)     —————————————  酒税法の一部を改正する法律案外一件を委員長報告の通り決するを可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 喜元君    愛野興一郎君       天野 公義君    荒舩清十郎君       井出一太郎君    伊藤宗一郎君       伊能繁次郎君    石井  一君       石田 博英君    稻葉  修君       稻村佐近四郎君    稲村 利幸君       今井  勇君    宇田 國榮君       宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君       上田 茂行君    上村千一郎君       植木庚子郎君    臼井 莊一君       内海 英男君    浦野 幸男君       江崎 真澄君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 通雄君       大石 千八君    大竹 太郎君       大野  明君    大野 市郎君       大橋 武夫君    大村 襄治君       奥田 敬和君    奥野 誠亮君       加藤 紘一君    加藤太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       海部 俊樹君    笠岡  喬君       梶山 静六君    粕谷  茂君       片岡 清一君    金丸  信君       金子 一平君    金子 岩三君       亀岡 高夫君    唐沢俊二郎君       仮谷 忠男君    瓦   力君       木野 晴夫君    木部 佳昭君       木村武千代君    北澤 直吉君       久野 忠治君    熊谷 義雄君       倉成  正君    栗原 祐幸君       小泉純一郎君    小坂善太郎君       小坂徳三郎君    小島 徹三君       小平 久雄君    小林 正巳君       小宮山重四郎君    小山 長規君       小山 省二君    河野 洋平君       河本 敏夫君    國場 幸昌君       近藤 鉄雄君    左藤  恵君       佐々木秀世君    佐々木義武君       佐藤 孝行君    佐藤 文生君       佐藤 守良君    斉藤滋与史君       齋藤 邦吉君    坂田 道太君       坂村 吉正君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       志賀  節君    塩川正十郎君       塩崎  潤君    塩谷 一夫君       澁谷 直藏君    島村 一郎君       正示啓次郎君    菅波  茂君       鈴木 善幸君    住  栄作君       園田  直君    染谷  誠君       田川 誠一君    田澤 吉郎君       田中 榮一君    田中 角榮君       田中  覚君    田中 龍夫君       田中 正巳君    高鳥  修君       高橋 千寿君    竹内 黎一君       竹下  登君    谷垣 專一君       谷川 和穗君    地崎宇三郎君       中馬 辰猪君    渡海元三郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       中尾  宏君    中川 一郎君       中曽根康弘君    中村 弘海君       中村 寅太君    中山 利生君       中山 正暉君    灘尾 弘吉君       楢橋  進君    丹羽 兵助君       西岡 武夫君    西村 英一君       西銘 順治君    根本龍太郎君       野田 卯一君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       羽生田 進君    葉梨 信行君       橋口  隆君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       旗野 進一君    服部 安司君       浜田 幸一君    早川  崇君       林  大幹君    林  義郎君       原田  憲君    廣瀬 正雄君       深谷 隆司君    福田 赳夫君       福田 篤泰君    福田  一君       福永 一臣君    福永 健司君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤本 孝雄君    保利  茂君       坊  秀男君    細田 吉藏君       前田治一郎君    前田 正男君       増岡 博之君    松澤 雄藏君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       三池  信君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    水田三喜男君       水野  清君    湊  徹郎君       宮崎 茂一君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    村岡 兼造君       村上  勇君    村田敬次郎君       村山 達雄君    毛利 松平君       粟山 ひで君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口 敏夫君       山崎平八郎君    山下 元利君       山下 徳夫君    山田 久就君       山中 貞則君    山村新治郎君       吉永 治市君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺美智雄君  否とする議員氏名       阿部 昭吾君    阿部 助哉君       阿部未喜男君    井岡 大治君       井上  泉君    井上 普方君       石野 久男君    板川 正吾君       稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君       上原 康助君    江田 三郎君       枝村 要作君    小川 省吾君       大出  俊君    大柴 滋夫君       太田 一夫君    岡田 哲児君       加藤 清政君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    角屋堅次郎君       金瀬 俊雄君    金丸 徳重君       金子 みつ君    川崎 寛治君       河上 民雄君    木島喜兵衞君       久保 三郎君    久保  等君       兒玉 末男君    上坂  昇君       佐藤 観樹君    佐野 憲治君       佐野  進君    斉藤 正男君       坂本 恭一君    阪上安太郎君       島本 虎三君    清水 徳松君       下平 正一君    田口 一男君       田中 武夫君    田邊  誠君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       竹内  猛君    竹村 幸雄君       楯 兼次郎君    塚田 庄平君       土井たか子君    中澤 茂一君       中村  茂君    中村 重光君       楢崎弥之助君    成田 知巳君       野坂 浩賢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 吉夫君       平林  剛君    広瀬 秀吉君       福岡 義登君    藤田 高敏君       古川 喜一君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    三宅 正一君       美濃 政市君    武藤 山治君       村山 喜一君    村山 富市君       森井 忠良君    八百板 正君       八木  昇君    安井 吉典君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山本 政弘君       山本弥之助君    湯山  勇君       米田 東吾君    横路 孝弘君       横山 利秋君    和田 貞夫君       渡辺 三郎君    青柳 盛雄君       荒木  宏君    諫山  博君       石母田 達君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       木下 元二君    栗田  翠君       小林 政子君    紺野与次郎君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君       田代 文久君    田中美智子君       多田 光雄君    津金 佑近君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       野間 友一君    林  百郎君       東中 光雄君    平田 藤吉君       不破 哲三君    正森 成二君       増本 一彦君    松本 善明君       三浦  久君    三谷 秀治君       村上  弘君    山原健二郎君       米原  昶君    浅井 美幸君       新井 彬之君    有島 重武君       石田幸四郎君    小川一郎君       大久保直彦君    大野  潔君       大橋 敏雄君    近江巳記夫君       岡本 富夫君    沖本 泰幸君       鬼木 勝利君    小濱 新次君       坂井 弘一君    坂口  力君       鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君       田中 昭二君    高橋  繁君       竹入 義勝君    林  孝矩君       伏木 和雄君    正木 良明君       松尾 信人君    松本 忠助君       矢野 絢也君    山田 太郎君       池田 禎治君    内海  清君       小沢 貞孝君    折小野良一君       春日 一幸君    河村  勝君       小宮 武喜君    佐々木良作君       玉置 一徳君    永末 英一君       宮田 早苗君    和田 耕作君       渡辺 武三君      ————◇—————
  170. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会い たします。     午前十時五十七分散会      ————◇—————  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 大平 正芳君         郵 政 大 臣 村上  勇君      ————◇—————