○瀬野
委員 江藤政務次官も同じ九州で隣県でありますし、あなたも獣医師をやっておるし、十分含みのある話のようでもあったが、
立場上、歯切れの悪いところが大分ありますけれ
ども、全国の開業獣医師等がこれに対して注目しておるし、猛反対をしいているわけです、一部だけを申しましたけれ
ども。
そういった意味で、このような反対について当局も十分知っているわけですから、先ほど申しましたように、新宿区議会も十一月十一日、第二回目の
委員会を開いて、恐らくこれは否決する、
承認されないという方向で検討されると思うのですが、この点もあわせて十分見ながら、
農林省当局も地域住民のことを考え、また仮に移るにしても、必要最小限のものを適当なところへ移転を検討するように、十分な指導をする、こういうふうに特段の配慮をお願いしたい、こう思います。
そこで、時間の
関係もあるので、少しはしょって申していきますが、大場
局長も先ほど申しましたように新しい
局長になられたわけでありますし、増田大臣官房総
務課長もこのことは余し詳しく御存じないと思うが、政務次官も獣医師としての
立場もあるし、十分ひとつ聞いてもらいたい。
全くこの
日本動物愛護協会というのは、
日本動物愛護協会でなくて、
日本動物虐殺協会であるというふうにいわれております。この動物を虐待する、いわゆる虐殺をしている
実態について、私は若干のことを申し上げたい。
たしか三十年の五月と思いますが、協会内の外人と
日本人の間で、運動をめぐって意見の対立がありました。御存じのようにこれはマッカーサー夫人やら英国外交官夫人等がつくったということで、ただみたいな安い土地を買って始めたといういきさつがあって、外人と
日本人が同居してともに経営をしておったのです。ところが、その協会内で余りにも
日本人がでたらめをやるので、もう耐え切れずに外人は出ていった。いわゆる病院の経営が行き詰まってもきたということで、意見が対立したわけであります。そうしたことから外人は分かれて、
日本動物福祉協会をつくった。だから設立当時から、まさにここらからおかしくなってきたわけであります。そして
日本人が経営した次の日から、いままでは愛護という意味から施療といって無料でやっておった治療を、今度は有料診療に切りかえてきた。これはまさに、施療といって無料でやるのが当然の協会のなすべき本来の姿であります。それがすなわち基本財産が危うくなったので、手っ取り早いから有料診療で金を取るようになって、現在に至っている。維持会員とかいろいろ会員をふやすことなんか
一つもせずに、当然維持会員をふやして愛護思想を普及すべしというのが本来の
仕事でありながら、そういうことはもう
一つもせずに、こういうことをやっている。
このような営業を続けていけば営利団体になるわけです。そこで、営利を
目的とすれば当然経費のかかることは省いて営利に走るために、もうけるようなことだけやる、もうけのないものは虐殺するというふうなことになってくるわけであります。こういったことが動物虐待のいわゆる因になっております。
初期には、動物愛護の見地から、たとえばマンション、アパートなどで飼えなくなった人の動物を引き取る、また
事情があって一度にたくさん生まれた犬やネコを愛護協会に持っていけば、里親を探していただける、かわいがってくれるだれかに、この犬やネコをもらってくれる人に必ずやってくれる、こういうふうに思って、殺すのもかわいそうだし、かといって養うと相当えさ代もかかるし自分が大変だというので、持っていくわけです。ところが、協会内には事実寄付金の箱が置いてありまして、備えつけてある。持っていった人が、かわいそうなものですから、いま言ったようにお世話になるし、また当分の間のえさ代ということで、二千円から三千円、場合によっては五千円というふうなお金を入れて、そしていわゆる自分が持っていった犬の里親が見つかるまでの食餌代、また管理費といったことで置いてくるということだったのです。
四十九年度の決算書を見ると、この動物収容所の寄付金だけでも二百五十六万円の収入になっております。年々これ以上の収入になっております。これはかなり持ち込みがあるということになると思うわけです。このことは移転問題が具体化してまいりました四十九年二月ごろまで続いておるのであります。もちろん移転せずにおればいまも続いておったわけです。収容施設といっても数多くあるわけではなく、この協会の中にはわずかでありまして、特別広くもないのに一カ所に何十頭と入れるので、不衛生きわまりないのであります。しかも、えさは小学校の残飯を与えていることが多いと言われております。大型犬などが持ち込まれますと、場所をとってえさをよけい食うものだからやっかい者扱いをして、愛護協会が愛護するどころか、今度は注射でもって即日殺してこれを葬り去る、こういうことをしておる。これは内部の人の証言です。いやしくも公開の席で私がうそを言うわけがない。ある学生、名前は特に言いませんが、修学旅行で一たん協会に犬を預けに持っていった、ところが都合で旅行を一日繰り上げて早く帰ってきて、翌日犬をとりに行ってみたところが、今度はその次の日にはもうすでに殺されちゃって、あなたの犬は殺しました、こういう言われてがっかりして子供が帰ってきたということを証言しております。生まれて間もない幼熟動物は、病院内規で原則的には一週間置くことになっておりますけれ
ども、
事情によってはその日に殺すと、内部からの証言が出ております。動物愛護協会の看板を掲げたのがこんなことをするとはけしからぬと、
関係者は批判をしております。
そればかりか、あとの犬やネコは、バキュームすなわちドラムかんの中に動物をいっぱい入れまして、養うとえさ代もかかるので、せっかく里親を見つけてもらおうと思って持ってきたものを、今度は愛護どころか虐殺するために、減圧機により、パイプモーターで真空にして一度に何十匹と屠殺をする。むごいやり方をしている。外人が協会を出て、別れて
日本動物福祉協会をつくったが、外人がいなくなったのですぐさまこのようなやり方をした。こういう内部の証言があるのであります。
子ネコなど一匹一匹火葬にするのがたてまえでありまして、外人は一匹一匹毛布に包んで火葬にしておりますけれ
ども、この
日本動物愛護協会では一キログラム幾らで出すという契約でやっておるありさまです。子ネコの場合、五十匹で十五キログラム、これが一箱、こういうような単位になっておりまして、これも証言がありますけれ
ども、世界動物友の会からの報告によると、「
日本動物愛護協会付属病院との取引に関する件」として、一、取引開始年月日、
昭和四十八年八月二日。二、取引実績、期間、四十八年八月二日から四十九年二月十日、取り扱い数九十一箱、単価三千円、全体の金額二十七万三千円で契約しておる。さらにその後、期間、四十九年二月十一日から五十年九月十二日、取り扱い数四百三・五箱、一箱が十五キロというのはさっき言ったとおりです。単価三千九百円。これは四十八年は一箱三千円が、四十九年は物価高騰の折から三千九百円に、九百円上げております。こういうようなことで契約して殺しておる。
バキュームから出したものは今度はどうしているか。火葬している。四十八年八月から五十年九月までの間に七トンも焼いたと言われております。全くあきれたものです。けしからぬ。こういったことを
農林省はどうして知っていないのか。知っておるならば明らかにしてもらいたい。
また、死体処理な
ども手間のかからぬ方法でやっておる。
昭和四十五年ないし四十六年ごろ働いていた人の証言によると、死体をポリバケツに入れてエナ処理場
——エナ処理場というのは、人間の汚物だとかいろいろなおしめ、こういったものを処理するところを言うのですが、ここに捨てている。すなわち、おむつ処理に等しい方法をとっておる。このことは今日まで内密にされておった。私の今回の発言によってこういったことが全部出てきた。動物の愛護を
目的とする協会がこのようなことでよいのか。まことにけしからぬことである。憤りを抑えることができない。
ちなみに、
東京都獣医師会やら現在開業医をやっておる皆さん方は、去る九月のあの動物フェスティバルで、九月二十一日、一日だけでも犬やネコなど五百匹近いものを預って、そのうちの三百四十数頭を里親にやったりしております。また、年間七、八百頭は里親を探してこれを皆さんに提供し、動物愛護の真の精神に沿ってやっておるにもかかわらず、この協会は里親を探すことなどほとんどしていない。たまたまよい犬やネコの子がおれば、人がもらいに来ると今度は逆に金をもらって渡すという。また、いい犬がおると自分で手入れをして自分のうちに持って帰って、今度は自分が売るというようなことをしている。こんなことまで内部の者は言っておる。言語道断である。恐らく年間三千頭は殺していると言われておる。まさに
日本動物虐待協会であると巷間から言われておるゆえんがここにあるわけです。
いろいろ言うと切りがないけれ
ども、こういった
実態を
農林省はつかんでおるのか。われわれもいままで
日本動物愛護協会、名前がいいものですからだまされておった。こういうことではまことに相ならぬ。私はこの協会に猛省を促すために
指摘しているわけですけれ
ども、こういうのをほうっておくわけにいかない。この
実態を
農林省は知っているかどうか、どう見ておるか、お答え願いたい。