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大出委員 直接的な武力攻撃を食った場合、あるいはきわめてそれに近いおそれがあった場合、そういう場合に
防衛出動の下令が行われた、このときに作戦協力、こうなる、こういうわけですな。
次に、簡単に承ります。
いまの山崎
アメリカ局長の
お答えに細かく反論をしたい具体的
資料もありますが、時間がありませんから
長官に承りたいのですけれ
ども、基盤
防衛力、指示を出す云々でお出しになりましたね。この中に括弧して「未然防止」なんて書いてありますが、未然防止というのを調べてみますと、三矢図上研究に出てくるのですよ。朝鮮で戦争が起こって、その場合にどういうふうに対処するかという答解の中に、未然防止、波及防止とこう入ってくるのです。かつて、二次、三次、四次防に至る間に未然防止を使っている場所がありますけれ
ども、その一番根源はそこにある。それで、例の討論のときに私はこだわったわけだけれ
ども、熱い紛争が起こっているというところでそれが
日本に波及してくることを未然に防止するという、そういう発想で未然防止と、こうある。討論が終わってから、あなたは何を言うかと思ったら、未然抑止未然抑止と言うから、そんなことはない、未然防止だと言ったら、そんなことはない、未然抑止だと張り合った。未然防止とちゃんと書いてあるでしょう。
そこらにも絡むのですが、時間がありませんから……。そこで、基盤
防衛力構想がここにある。これは何をねらっているかというと、片一方に日米協力、これは
防衛協力を進めていくわけですね。さっき申し上げたような中身になるということですから、はっきりしたのですから、それが
外務省を通じて
アメリカとやり合ってどうなるか、それはわからぬ。わからぬが、そうしたいというわけですね。そこで、
シュレジンジャー会談をおやりになった。このときに、対潜能力、対空能力、補給、大筋三つある。つまり、向こう側の要請もあり、協力をしたいとお考えになっている
長官の考えは、
日本の自衛隊は対潜能力に欠ける、対空能力に欠ける。これはさっき低空侵入の飛行機の話が出ましたが、低空侵入されれば一も二もないわけですから、そこでその問題を具体的にちょっと承りたい。
まず、対潜能力の面ですが、具体的に言いますけれ
どもP2J、このP2Jは対潜能力、原子力潜水艦についてはまさにゼロなんですな。ほとんど原子力潜水艦には
——偵察探知ということはある程度できるでしょうが、対潜能力という
意味になりますと、P2Jで原潜を見つけても、コンピューター式になっていないのですからすぐ逃げてしまう。ソノブイをほうり込むわけでしょう。あわがたって落っこった場所を明示する。これは目視で見ているわけですから、そうでしょう、まさに原始的なん、だから。言えば切りがないから言いませんけれ
ども、P2Jというのは対潜能力を持たない、原潜の時代になったら対潜能力はない。そこで、いま対潜能力と言っている中心点は対ソビエトでしょう、ほかに原子力潜水艦はありはせぬのだから。そうすると、この原潜に対して能力がない。これは何かで補わなければならぬということになる。
アメリカのP3Cオライオンの場合ならばこれは格段の相違があって、コンピューター式に数字がみな出てきてしまうのですから、頭で考えるのでは、ないのだが、
日本の場合は頭で考えるのですから時間がかかる。その間に走っていっちゃうのですから、時速四十ノットぐらいで走ればいなくなっちゃうわけです。そういう
意味で、そこのところは基盤
防衛力から言うとはみ出しているわけですね。引き上げなければいかぬでしょう。いまあなたが絵を書いておるあれからいくと、対潜能力というものは、あなたがいま考えている基盤
防衛力との関係でどうなるのか、積み上げることになるのじゃないか。そこで私は、P2Jというのはもうスクラップだと思っているのですよ。
日本の全国に魚雷の貯蔵庫というのは一カ所しかないでしょう。抗たん能力なんてありはせぬでしょう。そうすると、これで一体対潜対策というものは立てようがない。全く話にならぬ。原子力潜水艦時代に全くゼロである、こう言い切ってしまっていいと私は思う。
そこで、いま潜水艦は十五隻ですね、そうでしょう、全部ディーゼルですね。長くもぐると言ったって、二週間もぐれぬでしょう。つまり、潜航距離二百メートルだなんて言っていたのでは、とてもじゃないが原潜のようなわけにはいかない。ディーゼルならば二十ノットぐらいですからね、どうにもならない。そうすると、まずP2Jはだめ、それから潜水艦、これがだめ。ここに細かい
資料を集めてみましたが、十五隻ありますけれ
ども、どれもこれもどうも、そして最近つくった新しいものもございます。「たかしお」ですか、これは就航は来年ですか、後で答えてください。これを見ると、おやしお、はやしお、わかしお、なつしお、ふゆしお、おおしお、あさしお、はるしお、みちしお、あらしお、うずしお、まきしお、いそしお、なるしお、くろしお、とこうなっているわけですな、これが十五隻。これに「たかしお」が出てくるのですから、どれも涙滴型、ティアドロップ型にはなっていますけれ
ども、速力その他潜航深度等からいきまして、これは原潜の
対象にはならぬ。偵察探知能力は何がしかありますけれ
ども、その限度。そうすると、ここらのところは本来ならば、原潜を持ってこなければならぬわけですよ、本当の対潜能力を高めるなら。だから、水の中で言うならば、ディーゼル型の潜水艦をつくっても原潜相手にはこれはどうにもならない、対潜能力なし。P2J、これもだめ。ということになると、対潜能力を高めるということはどういうことになるかということ、これが
一つ。念のために申し上げておきますというと、「うずしお」で水上速力十二ノット、水中速力二十ノットですね。
それから、一括して聞いておきますから、次に対空能力。低空侵入の場合、二十八カ所のレーダーがありますね。それで、航空自衛隊のSS、これは
防空監視所ですね。レーダーサイトの捜索だとかコンソール、制御装置。スコープに黄色いのがつくというとアンノーン機、国籍不明機だというわけですな。ここから始まるわけですけれ
ども、まずこの二十八カ所のレーダーサイトその他からながめてみて、低空侵入のものに対しては全く能力がない、わからない。これを一体どういうふうにするか。ソビエトの飛行機が入ってきても、低空で来られたらもうわからない。千五百メートルという低空ならもうわからない、こういうことになる。そうすると、これは空の方は一体どういうふうに一これは指摘されれば確かにそのとおり。おまけに、妨害電波に対応する能力がない。ECCMは持っていない。エレクトロニック・カウンター・カウンター・メジャーですかね。相手はECM、エレクトロニック・カウンター・メジャーを使ってくるわけですね。それをもう
一つカウンターしなければならぬからECCMですけれ
ども、それがない。そうだとすると、電波妨害を食ったらどうにもならない。だから、九百メートル以下の低空侵入ならば七五%まではわからない。これははっきりしている。妨害電波を受ければにっちもさっちもいかない、こういうことになる。そうすると、AEWならAEWを持ってこなければこれはどうにもならぬわけです。しかも、AEWを入れてくるとすれば、
日本は四面海ですからどこからでも入れるのですから、最小限度十四機から十五機なければ
意味をなさない。これでは一体どうするつもりなのか。
それからもう
一つ、レーダーサイト
そのものをみずから守る施設は何もない。この間ヘリコプターで佐渡へ行ってきましたがね、これはレーダーサイトをみずから守る手段はない。せいぜいやっているのが第一移動警戒群、これは三沢ですな。これは、やられるときに困るから、トラックを持っていってそれにぶっ積んで逃げるというわけだ。ほかへ移動していく。ばかな話で、これを幾つかこれからおつくりになるという。入間にもできるんじゃないですか、そうでしょう。こういうことで、それは全くもっておもちゃみたいな話ですね、これは盲同然です。
こういうことで、金をかけて一体どうなるのかという気が私はするのですが、しかし、まともに物を考えて聞いているのですから
お答えいただきたいのですが、そうすると対潜能力というのは、形はいまのディーゼル系統のティアドロップ式になっていても、これでは原潜に対抗はできない。P2Jも、これは全く目視で見て、ソノブイなどほうり込んでやっている状態ではどうにもならない。原潜の速力は早い、すぐにいなくなる、こういうわけですね。しかも、このP2Jというのは非常に環境の悪い飛行機なんですね。やっている人は気の毒ですよ。そうすると、これは一体どういうふうにするつもりかということですな。空と海、そこのところをとりあえず
お答えいただきたい。