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佐々木国務大臣 原子炉、軽水炉
自体の
安全性はどうかというその問題、あるいはそれに対してただいまは研究あるいは実験のサイドで総力を挙げてやりつつありますという、それも決して重大事故とか仮想事故ということはこれはあり得ないと
考えますけれ
ども、小さい故障のようなものは起きておりますから、そういうものもないようにというので、ただいま一生懸命
検討中だということは申し上げたとおりでございます。
ただいま
お話しの点は、その問題はわかった、そうじゃなくて、それを
審査、検査するその
機構に対して
一体この安全局というものはどういう地位を占めるのかと、こういう御質問にしぼられての御質問と
考えますが、それでよろしゅうございますか。——これは
先ほども、また先般も各
委員から繰り返し御質問がございまして御説明申し上げたのでありますが、
有沢機関の答申は、抜本的な
改革案であればあるほど、その答申が出て以来それを実現化するためには、私は法律の面、あるいは予算、人事等を完備するまでには相当時間がかかるものと思います。また、
有沢機関そのものの答申
自体も、
先ほど局長から
お話しありましたように、いまの
段階ではやはり数カ月後までかかるのじゃなかろうかという
見通しでもございますし、答申が出てからそれを具現化するまでの道が、これは大変なものだと思います。そうして、できた新
機構が
行政として定着するまでにはまた相当の時間がかかるわけでございまして、それまでそれではこのままで放置できるかと申しますと、私はそうは
考えません。したがいまして、できるだけ早くこういう少しでも充実した
機構をつくって、そしてよりまた
責任の
所在も明確にしたらいいのじゃないかということでございまして、このもの
自体に、
有沢機関からこういうものをつくっては大変邪魔だ、つくらぬ方がよろしいという反論が出ますれば、これはもちろんこのまま進めるのはどうかと思いますけれ
ども、しかしいまのところは別にこれをつくるからといって障害になるものでなし、むしろ今後充実する過程と受け取って、根本的な
改革論をお進めのようでございますから、まずその一
段階としてこれを進めたいということでございます。
また、
先ほど申しましたように、ただいま申しました略水炉の
安全性いかんという問題ばかりじゃなくて、
原子力の安全問題には、またもっと違った、より重大な安全問題があるのでございまして、それはこの原子
燃料、プルトニウムとか濃縮ウランとかいったようなものを平和にのみ利用する、
原子力の研究開発、利用は平和にのみ使うというそれをどうしてギャランティーするか、保証するかという問題が一番実は国としては重大な問題でございまして、その面におきましては、御承知のように相互条約を各国と結んで、平和利用にのみ使うということで、ウランなりあるいは濃縮ウランなりあるいは機械等各国から提供を受けているわけでございまして、その受けた原料、
燃料、機材等が平和の目的のみに利用されるかどうかということをギャランティーする意味で国際機関に査察を各国ともゆだねまして、そして日本は国際機関から査察を現在受けておるわけでございまして、毎月数名来て、そして年じゅうあらゆるものを無差別にただいま査察を受けているわけでございます。
これが、核防条約ができますと、この査察が、日本が主体性を持って査察するようになります。国連の機関の査察官はいわばオブザーバーのようなかっこうになってまいるわけでございまして、そうなりますと、この核防条約を受けて、自分で主体性を持って自己査察をするためには
一体国内でその査察官の用意があるのか、また国際水準に達したそういう査察
技術を持っているのかといったようなことが国際機関でも非常に問題になっておりますし、また参議院では、特にこの核防批准問題を
中心にいたしまして論議になったところでございます。したがって、あの条約を批准することになれば、一刻も早くそういう査察機関等を充実しなさい、この安全局ができ、そして核防が批准されれば、即座に人員を増加しようという予算上の取り決めも実はできておりまして、私
どもといたしましては、そういう意味を兼ねてこの安全局というものは一刻も早く生かしてもらいたい。
それからもう
一つ、ごく最近になって大変問題になったのは、フィジカルプロテクションという問題でありまして、プルトニウムとか濃紺ウランというものがハイジャックのような盗難に遭う、そしてああいう連中がもしこれを爆弾等に活用して恐喝ないし狂乱の用に具したということになりますとこれは大変なことになりますから、そういう点に対して各国の防護措置は十分かということも実は強く問われておるところで、ごく最近もウィーンの国連機関から、それのための各国の担当官が出まして、レポートが出まして、そのレポートに乗っかって、各国の実情に合うようにひとつ防護
体制を整えろというのでありまして、参議院の
審議では、それこそは一カ所で、
責任を持って窓口を一本にして、そしてそれに対して強力な
体制をしなさい、これは警察のようだこれは調査部門のようだ、それぞれ任務があっても、
責任個所というものについて明確でないと、一切を保障し、
責任を重んずるのだという
体制を明確にしなければ、えらいことになりますよという忠告が、最近、特にこの臨時国会になりましてございまして、それじゃ、いまわが国は
原子力局しかございませんから、したがって、この
原子力局から安全局を分離して、そしてそういう点もあわして至急充実を図るべきだという、反面の、もう一方の
要請もございまして、軽水炉の
安全性いかんという問題も
一つ。それから、いま申しましたような、いわば核兵器あるいはハイジャック等に対する配慮という点も
一つ。またもう
一つ、たって言いますと、いまだんだん国会でも
審議の
中心になっておりますのは
燃料サイクルという面における再処理施設が
一体安全であるかどうか、あるいは廃棄物の処理が海の汚染等につながらないか、そういう点を
一体だれが
責任を持って国としてやっているのだ。これはいま
原子力局がこの任務を負っておるわけでございますけれ
ども、だんだん具体化してまいりまして、大変深刻な問題でございますので、そういう面もあわして処理していただきたい。ということになりますと、この安全局を離すのは、必ずしもさっさの
原子炉そのものの安全という面だけじゃない、広範な任務を持っておるわけでございますから、どうだ一刻も早くひとつ御承認を得られれば、大変ありがたい、幸せだというふうに
考えておる次第でございます。