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1975-11-13 第76回国会 衆議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十一月十三日(木曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 藤尾 正行君    理事 越智 伊平君 理事 奥田 敬和君    理事 加藤 陽三君 理事 木野 晴夫君    理事 上原 康助君 理事 大出  俊君    理事 中路 雅弘君       笠岡  喬君    竹中 修一君       林  大幹君    三塚  博君       吉永 治市君    和田 貞夫君       鬼木 勝利君    鈴切 康雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      佐々木義武君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     小山  実君         科学技術庁計画         局長      安尾  俊君         科学技術庁研究         調整局長    伊原 義徳君         科学技術庁振興         局長      木下  亨君         科学技術庁原子         力局長     生田 豊朗君  委員外出席者         内閣官房内閣審         議官      安仁屋政彦君         警察庁刑事局捜         査第二課長   平井 寿一君         大蔵省主計局主         計官      迫田 泰章君         文部省学術国際         局研究機関課長 植木  浩君         資源エネルギー         庁公益事業部開         発課長     松尾 成美君         自治省税務局固         定資産税課長  川俣 芳郎君         会計検査院事務         総局第一局長  高橋 保司君     ————————————— 十一月十二日  兵庫山崎町内山崎町等の寒冷地手当引上げ  に関する請願河本敏夫紹介)(第一九一四  号)  金鵄勲章制度の復活に関する請願黒金泰美君  紹介)(第一九一五号)  同(地崎宇三郎紹介)(第一九一六号)  同(古屋亨紹介)(第一九一七号)  同(武藤嘉文紹介)(第一九一八号)  同(大野明紹介)(第二〇二六号)  同(佐々木秀世紹介)(第二〇二七号)  同(中川一郎紹介)(第二〇二八号)  同(松野幸泰紹介)(第二〇二九号)  同(粟山ひで紹介)(第二〇三〇号)  兵庫県一宮町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(河本敏夫紹介)(第二〇三一号)  兵庫県波賀町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(河本敏夫紹介)(第二〇三二号)  兵庫県千種町の寒冷地手当引上げ等に関する請  願(河本敏夫紹介)(第二〇三三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五号)      ————◇—————
  2. 藤尾正行

    藤尾委員長 これより会議を開きます。  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので順次これを許します。木野晴夫君。
  3. 木野晴夫

    木野委員 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案、その内容は原子力安全性確保するために、その責任体制として原子力安全局をつくろうという法案でございますが、実は前の国会におきましてこの法案が当委員会におきまして可決、さらに衆議院において可決になったのでありますが、参議院におきまして廃案となったものであります。そのときの論議を考えてみますると、わが国としましては水力以外にエネルギー資源がない、しかも石油問題をきっかけといたしましてこのエネルギーの問題が大きくクローズアップされてきた。その場合に原子力の問題と言いますものは、わが国にとりましても非常に大きな課題であり、しかも緊急を要するものである。これにいかに対処すべきであるかということが論ぜられたわけであります。それを背景といたしまして、そういった問題と取り組む場合にいろいろ問題がありますが、安全性確保ということが絶対の要件である、このように私たちは考えたわけであります。そうして、この原子力安全性をば確保いたしまして、それを基盤といたしまして国民の信頼を得る、協力を得るということでなければならぬということで、原子力安全性ということが何よりも大事な前提である、このように思うのであります。  原子力の安全の問題でありますが、技術的にも問題もありましょうし、いろいろ問題があるわけでありますが、当時「むつ」の問題が起こってまいりました。また各府県から、知事の方からそういった問題がありますが、その責任体制をとるという意味から原子力局の独立ということを考えろという要望があったと思うのでありますが、先ほど申しました原子力安全性確保、その一つ問題点としまして、安全を確保するための責任体制を、数ある問題のうちの一つであると思うのでありますが、その一つとしてこの問題を考えたわけであります。そうして、その場合にちょうど原子力行政懇談会と言いますもので、原子力全体につきましての問題を議論いたしておりますので、本当を言いますとその答えを待ってと思ったのでありますが、何分にも問題が根本的な問題にわたって時日を要する、そこで、たしか佐々木長官からの話だったと思いますが、緊急の課題としてこの問題を決めたいという、何回も何回もそういった要望がございましたので、私はそういった問題を背景といたしましてこの問題に賛成をしたことを思い出すのであります。  そこで、この問題を再び議論するに当たりまして、原子力の安全というものをどのように政府は考えておるか、そうして、原子力安全局をつくるということだけで問題は解決しない、もっと根本的な問題があると思う。このことは先ほど申したとおりでありますが、その体制一つとして、私は今回の問題を考えておるんじゃなかろうかと思うわけであります。その体制の問題と言いましたときに、私はさらにもっと大きな根本的な問題がある、こう思うのでありますが、その緊急、さしあたりの問題としてこれをつくりたい、こういうふうに理解しておるのでありますが、こういった問題点につきまして、初めに佐々木長官の御意見を聞きたい、このように思います。
  4. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 全くお説のとおりでございまして、この春に皆様に御審議いただきましたときと情勢は一つも変わっておりません。その中で特に原子力開発には安全問題が一番重要で、その安全を確保するためには、一つは、ハードウエアそのものが安全であればこれは一番いいわけでございまして、したがって、安全な原子炉をいかにしてつくるかということが根本にあるのでございます。第二点は、そのできたものが果たして安全であるかどうか、またつくるための設計等が必要な十分な要件を満たしたかどうかという審査あるいはできたものの検査等が、これまた必要なことは申すまでもございません。そしてそのできたものが実際発動する場合に、地域住民等の御理解、御支援をどうして得るかという、まあ判断の問題に分かれるのじゃないかと思います。  そこで、一番この問題で問題になりましたのは、安全研究の特に軽水炉に対する安全研究がどうなっておるかという点が非常に中心問題でございました。同時にまた、お話のございましたように審査検査等をどうするか、また事故が起きた場合、その最終責任者はだれかとかいったような問題が中心でございまして、それにこたえる意味で、開発審査検査等のいわば規制する部分とが同居しているということは、どうも事態を不明確にする根本じゃなかろうかという御議論もございまして、それではそれを分離して、そして研究開発等の問題と同時にその規制をする分野とを分けて、そしておのずから責任を分担し合ったらいいじゃないかということ、同時にまた役所として一体だれが最終責任を負うかという点を明確にすべきだという御議論もございました。私は調べてみますと、もう明らかにこれは科学技術庁長官最終責任であることは申すまでもないのでありまして、原子力委員長である科学技術庁長官最終責任者であることは明瞭でありますが、しかしそれを補佐すると申しますかやはり機構が、役所としてもいま申しましたように少なくともそれを補佐している科学技術庁の内部がはっきり責任を負うような体制になるのが、この問題を解決する一つの道程だというふうに考えますので、御承知のようにことしは局の新設は一切許さぬという中で、これだけは特別に新設してもらいたいというので、唯一の例外として内閣にお認めいただきまして、提案、御審議をお願いした次第でございまして、趣旨木野先生のおっしゃるとおりのことでございます。
  5. 木野晴夫

    木野委員 今回の法律原子力安全局をつくるということでありますが、ただいま佐々木長官から話がありましたとおり、その前にいろいろな問題があるわけであります。そうしてそのまた後にまたいろいろな問題があるわけであります。そうして、その問題一つ一つが非常に大きな問題でありまして、原子力安全局をつくる、その前にハードウエアの問題があると言われましたが、そのハードウエアの問題一つとりましても、これまた大きな問題であり、またそのまた前提といたしましてウラニウム確保、そういった問題にもなってくるわけであります。御承知のとおり、わが国ウラニウムの鉱石が出ないわけでありますから、外国からこれを買う、そういった場合に、平時はいいわけでありますが、そういったものが不足した場合にどうするかというふうな問題にも絡んでまいります。そういった点から、核融合というものを積極的に研究すべきじゃないかという強い要望もあるわけでありまして、その前提をたどっていきますと、またこれは非常に深くかつ広い問題になってくるわけであります。また、後の方を見てまいりますと、原子力ハードウエアがしっかりした、そうして機構整備がなったといいましても、今度は立地問題その他で住民協力理解というものが必要であるわけでありまして、そういった問題をはさみまして、前と後ろに非常にいろいろな問題が起こってくるわけであります。  私は、原子力行政懇談会といいますものがこういったもろもろの問題を取り上げて研究していると思うのでありますが、実はこのいまの原子力安全局機構の問題につきましても、懇談会意見としましては、これで十分だというわけではないと思うわけであります。また、前の国会のときに佐々木長官の話にありましたが、この問題はいま原子力行政懇談会検討している、ただそれには時間を要するので、緊急の問題として原子力安全局をつくって、知事要望住民要望にもこたえたいということでありましたが、この原子力行政懇談会といいますものが最近どの程度開かれ、そうしてこの問題についてどのような検討をしておるか、その概略を報告願います。
  6. 生田豊朗

    生田政府委員 原子力行政懇談会でございますが、先生承知のように、ことしの三月に第一回を開きまして、現在まで約八カ月間に十九回会合を開いております。十月には座長の有沢先生から有沢試案というものが提示されまして、現在その有沢試案をめぐりまして、委員のほかの先生方からいろいろ意見が出されまして、審議している段階でございます。  ただ、非常に長時間そういうことで審議はいたしておりますけれども、実は実質的な審議に入りましたのが十月に有沢試案が出されてから以後でございます。それまではどういうことであったかと申しますと、これは率直に申しまして、十数名の委員先生がいらっしゃいまして、その中には、有沢先生初めかつて原子力委員経験のある先生、あるいは原子力委員経験はおありにならなくても、原子力あるいは原子力行政に非常に経験の深い先生もいらしゃいますけれども、他方、ほとんど原子力そのもの、あるいは原子力行政についての知識をお持ちにならない先生も多うございまして、まず基礎的な勉強ヒヤリングから始めようということで、それから始めたわけでございます。それで、私ども事務当局も御説明申し上げましたし、原子力関係各界の代表も来ていただきましてヒヤリングをいたしました。このヒヤリングが夏ごろまで続いたわけでございます。夏ごろからそのヒヤリングをもとにしまして、問題点別検討をしたわけでございますが、勉強会のような傾向が非常に強うございました。有沢試案が出ましたのは十月でございまして、やっとそこで一つのたたき台として有沢先生試案をお出しになりまして、それから実質審議に入ったわけでございます。したがいまして、八カ月間、二十回近く行っておりますけれども、実質審議の回数はまだかなり少ない、始まって一、二カ月という段階でございます。  それで、ただいま先生指摘のようなことでございまして、必ずしも行政機構だけではございません、先生指摘のいろいろな原子力政策上の問題もここで検討しようということでございますけれども、その点もまだほとんど議論されておりませんし、機構それ自身につきましても、原子力委員会あり方、あるいはそれに伴います事務局あり方につきましては、有沢試案をめぐりまして現在議論されておりますけれども、たとえば地方自治体との関係でございますとか、あるいは公聴会、それから電源開発調整審議会、そういう関連いたします制度との関係、それについてもまだ討議が行われておりませんので、今後まだ若干の時間を要するかと思います。  発足いたしますときの大体のめどといたしまして、早ければ六カ月あるいは一年、大体六カ月ないし一年ぐらいというめどで出発いたしております。六カ月というのはもうすでに過ぎてしまったわけでございまして、一年ということに相なりますと、明年の三月ということになるわけでございます。私ども事務当局といたしましては、なるべく早く結論を出していただきまして、なるべく早く実施に移したいということでお願いしてございますけれども、ただいま申しましたように、いろいろむずかしい問題がございまして、まだ余り煮詰まっておりませんので、もうしばらく時間を要するかと考えております。
  7. 木野晴夫

    木野委員 この原子力安全局をつくるということで済む問題でないわけでありまして、野党の各委員からもいろいろ議論がありましたときに、小手先だけの機構いじりではだめだという問題がありました。そういった指摘を受けたという理由は、この問題は非常に大きな問題である、そうして原子力委員会科学技術庁全体の問題、そういったものを含めて検討しろという意見もあったのであります。アメリカではこの安全性に全力を挙げてやっておるじゃないかというふうなことで御指摘があったりしまして、私もこの原子力安全局だけで決して事足れりというものでない、この問題を議論するときにそれが一番大事であると思っておるわけでありまして、長官からこの原子力行政懇談会結論を待っておるのだという話もあったと思いますが、これをばひとつ早く結論を出して、そして抜本的に対処するという姿勢でいってもらいたい、こう思うのであります。  それで、この関係資料はひとつ私ももらいたい、できるならば、この議論をするときに内閣委員会の各委員にも、そういった原子力行政懇談会機構についてはこういった問題があるのだと、参考までに配るというふうな配慮も願いたいと思うのでありますが、早急にこの原子力行政懇談会において、科学技術庁もいろいろ意見を言う機会もあると思いますが、ひとつ根本的にこの原子力安全という問題に対応してもらいたいと思いますが、長官の御意見はいかがですか。
  8. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 ただいま局長からお話ししたとおりでありまして、私は実は批判される側でございますので、審議会に私自体が出向いて発言するということは控えてございます。したがいまして、事務的に委員皆様の御要望に応じて資料等を提出したいと存じますが、木野先生お話のように、いままで審議した実態等資料は出せるものはできるだけ出すように取り計らいたいと思います。これは何しろ懇談会の問題でございますので、委員皆様の御了承も得なければいかぬだろうと思いますから、その点は局長からでもいろいろお願いして、出せるものは出すというふうにしたいと思います。  それから、いまお話しのように、この問題は単に機構をいじって済む問題ではなくて、原子力行政実態あるいは原子力そのものの今後進める上における諸問題等が根底にあって、そういう問題を処理していくのにどういう体制がよろしいかというのが本論になるという御指摘は、私もそのとおりだと存じます。いまの安全局をつくって機構をいじったらそれで済むかというと、そんなものではございませんので、そういう問題を含めて広く深くいま懇談会において研究しておると思いますので、余りせかせまして拙速では、これ、一遍つくりますと何十年も変わらぬ性格のものでございますから、少し早くという希望はありますけれども、慎重の上にも慎重にという希望もまたございまして、お話のように少し延びておるんじゃなかろうかというふうに考えております。
  9. 藤尾正行

    藤尾委員長 官房長に申し上げますが、ただいま木野委員から御要望のございました原子力行政懇談会検討資料その他内閣委員会に御提出いただけますか。
  10. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま木野先生の御要望でございますけれども、この懇談会事務を担当しておりますのは内閣審議室でございますので、至急内閣審議室と相談いたしまして、できるだけ御趣旨に沿えるように取り計らいをさせていただきたいと思います。
  11. 木野晴夫

    木野委員 資料提出につきましては、どうも委員長ありがとうございました。  この原子力安全局ができた場合、長官はこれからが大事だということでありますが、全体としてこれで事足れりとなってしまうおそれがあるのではないかと思うので、そういったことのないようにひとつ科学技術庁においては、これの前と後とに大きな問題がある、しかも機構をつくりましても、その機構を活用するということが大事である、しかも今回の機構は、そういった行政懇談会結論を待たずに緊急の問題としてやるわけでありますから、そういう点は十分に頭に入れてやっていただきたいと思うのであります。ところが、よく法案が通ってしまいますと、それでもうやれやれとなってしまうのは政府の態度でありますので、私、そういったことのないようにひとつお願いしたいと思うわけであります。  実は、法案が通りまして、その後通達が一月おくれるんじゃなしに二月、三月、半年おくれたというようなものもあるわけであります。また、通達が出てまいりますと、初めの法律説明のときと少し違うというふうな政令が出る場合もあるわけであります。それがまた政令を受けまして省令また通達となってまいりますと、また初めの考えたときと大分違うというふうなことになってくる場合があるわけであります。さらにまた、行政指導の面になってまいりますと、少し違うのじゃないかというふうな場合もあるわけでありまして、そういったことのないようにお願いするわけでありますが、法律が通りまして、その後政令が出た、その後省令が出た、そういった段階では当初と少し違うのじゃないか、もう少し立法者の意思を織り込んでもらいたいと思う点がありますので、一例を発電用施設周辺地域整備法といいますものにつきまして少しお聞きしたいと思うのであります。  この周辺地域整備法は、御承知のとおり原子力発電所が各地にある。その場合に、その所在地周辺の町にいろいろな恩恵を与えて、そうして地域福祉を図ることによって設置が円滑にいくように資したいということでできた法案でありますが、当初原子力発電所について、われわれも議論しておったのでありますが、途中から火力水力につきましても同じことが言えるのじゃないかということで、法案としましては、原子力火力水力発電所につきまして福祉向上を図ることによって設置円滑化に資したい、こういうことでつくられた法案であります。当初私たち考えましたときに、このことによって積極的にプラスを与えたい、こう思っておったのでありますが、どうもその後の通達を見てまいりますと、積極的プラスではなしに消極的プラスプラスプラスでありますが、われわれから見ますると、消極的なプラスとしか思えないというふうな点がありますので、この点について、所管が通産省でありますから、通産省にお聞きしたいと思いますが、この法律趣旨と申しますか、それを初めに説明してもらいます。
  12. 松尾成美

    松尾説明員 ただいま先生の御指摘の中にもございましたとおり、この法律をつくりました目的は、第一条にも述べられておりますが、発電用施設周辺地域公共施設整備を促進するということを通じまして地域住民福祉向上を図るというようなことにより、発電用施設設置円滑化を図ろう、先ほど御指摘の中にありました原子力発電所を初め火力あるいは水力発電所設置が、地元福祉向上という見地から発電所設置というものはそれほど効果的でないという地元の不満がございまして進まなかったという事態を打開しようということでつくられたのがこの法律趣旨でございます。
  13. 木野晴夫

    木野委員 ある町へ行きますと、非常に町の施設がいい。なぜだというと、ここに実は火力発電所があって、そういったことから特別に交付税が出てこのとおり学校がりっぱなんだ、このとおり道がりっぱなんだ、こういうことかと思うのでありますが、この法律の四条を見てまいりますと、道路港湾漁港都市公園水道その他政令で定める公共用施設について交付金をやるんだ、こう書いてあるわけであります。それで私たちはこの法律を見ますると、ああさすれば道がりっぱになっているんだ、さすれば漁港がこのとおりりっぱになっているんだ、港湾がこのとおりりっぱになっているんだと思うのでありますが、実はこれを受けました施行令を見てまいりますと、七条に国が補助しておる事業は除くのだ、こうなっておるわけであります。そうすると、道路といいますと、国が補助金を出しておりますから対象にならない、港湾も、これはほとんど補助を出しておりますから入らない、下水道補助を出しておりますから入らない、こうなってくるわけでありまして、それでは道路というと何かといいますと、市町村道、これは国で法定補助を出しておらない。予算補助をしておるが、国では法定補助を出しておらないからこれはよろしい。水道公営企業だから、補助法定しておりませんから、水道事業はよろしい、こういうことなんであります。しかし、それでも国が予算補助をしておるじゃないか、予算補助をしておるものについてはこのただし書きで、科学技術庁通産大臣とが認めたならばよろしい、こういうふうになっておるのでありますが、先ほど申しました、実は私たちはこの法案をつくりますときに、道路がよくなっておる、学校がよくなっておる、これはそのためによくなっているんだ、こういう気持ちで書いたわけでありますが、法定補助事業はだめだ、こうなっておりますから、道路市町村道だけだ。それも予算補助があるので本当はだめなんだが、ただし書きの規定で特にこれを許しておるんだというふうなことで入っておる。学校法定補助が出ておりますからだめなんで、わずかに特別教室だけがよくなっておるというふうなことでありまして、これは制度の問題として歳入のこともありますからそうなったと思うのでありますけれども、しかし実はつくりますときに、学校はこのようにりっぱになっておる、こういうことを考えておったわけであります。そういった意味からいきますと、私はいま補助事業について言いましたが、できた条文はそういった制限はないわけでありますが、政令段階で入っておるということで、これから議論するときにそういったことを含めて議論しなくてはいけないと思いますとともに、先ほど申しました立法者気持ちが、もし政令段階であるならばそういった点がもっと加味されておったであろうと思うわけでありまして、その一例として挙げたのであります。  通産省にお伺いしますが、この補助事業はどういう仕組みになっておるのか、法律政令との絡み合い、どの程度の金をどういった事業にやっておるのか、それから補助事業をなぜ省いたのか。そういったことを検討したことはあるのか。検討したならば、理由があったと思うのでありますが、あなた方の方で議論した問題点補助事業はなるほど国道であります。大きい。これは予算のことでありますから、歳入がこれだけだからこういうふうにしたんだということであると思いますが、その点。  それから政令の方で公民館とかプールとか書いてあるのでありますが、公民館とかプールだったら何も大げさに整備計画という問題じゃないんじゃないか、こう思うわけでありますが、ただいま言いました、法律段階ではずっと書いてある、政令段階で実は狭まっておる、こう思うのでありますが、この一連の点につきまして回答を願いたい。
  14. 松尾成美

    松尾説明員 まず第一点の、法律補助率を定めている場合に、これが法律上は道路等々の事業につながっていても、国の補助金が出る場合にそれとあわせてこの交付金を使うことはできないという点については先生指摘のとおりでございます。これは政令で定められておるわけであります。なぜこういう定めをしたかという点でございますが、これは理由として二つばかりございまして、一つは、先ほど申しました法令で補助率を定めているという場合にはその残りの部分は地元負担でやるということを立法されているわけでございまして、これについて、交付金というような、地元の裁量で、一定の額の中で自由に使える金を自由に使えるということになりますと、法律で定めた補助率を法律によらずして引き上げるというような形になるということで、各種の補助率のかさ上げなども法律で定められておるわけでございますし、その辺法令上の均衡を失するという議論がございます。  それから第二点といたしましては、これは御存じのように電源開発促進税という特別税を財源にした特別会計で経理処理しておるわけでございますが、こういう特別会計で経理処理をしているものと一般会計で経理処理をしているものとあわせて使うのは、特別会計で区分経理をした意味等を失わせるのでどうも好ましくないという二点の理由があったということでございます。法令で定められましたものについてはそういうことで問題があろうということでございまして、予算補助の場合ですと、この点の理由というのははるかに弱いだろうということで、なるべく弾力的に使えるようにということから、予算補助のものについては内閣総理大臣、通商産業大臣が認める場合には交付金を交付することができるということで運用上これができるように政令上しているわけでございます。  以上のような制度のもとで実際に運用がどうなっているかという先生の御質問の第二点でございますが、私どもは、この制度四十九年に発足いたしましてからこれまで三回ほど整備計画の承認というのをやっております。この制度道路とか港湾等々の公共事業をやる計画につきましては、まず地元で計画をおつくりになる。なるべくその地域住民の意思を尊重する。都道府県知事整備計画をつくりまして、これを国が承認するという仕組みになっているわけでございますが、この承認というのはこれまでに三回やっております。第一回目が五十年一月二十五日でございまして、第二回目が五月二十四日、第三回目が九月十七日。すべての計画の中で各種の事業、件数で挙げますと千五百七十七件のそれぞれの個別の事業、いろいろな計画が入っております。この件数で申しますと大体五七%程度——件数で五七%というのは実は道路でございまして、大きなものを申し上げますと教育文化施設関係がそれに次いで一二%程度、金額でまいりますと道路が大体三割、教育文化施設が二割、あと大きなものとしては水道でございますとかスポーツ関係、環境衛生関係といったものが並んでおります。ですから、法律政令でいろいろな項目が並べられておりますけれども、地元住民の方がどういうものをつくりたいかということで自発的にお選びになったものというのは、これまでの実績を見ますと大体そういったものが最も御要望の強いものである、それらを取り込んでおるという実情になっておるということでございます。
  15. 木野晴夫

    木野委員 いまの説明で、これの歳入と申しますか、それが電源開発促進税だ、それから特別会計を設けてそうしてやっているんだという話がありましたが、電源開発促進税の歳入と使った金額、それを説明してください。
  16. 松尾成美

    松尾説明員 この制度は四十九年十月から発足いたしましたので、四十九年度はいわば一年完全な平年度ではございませんので、五十年度の予算で御説明いたしたいと思いますが、五十年度の予算で電源開発促進税の収入見込み三百五億ということになっております。この特別会計は発足してまだ余り間がございませんので歳入はもっぱら促進税でございます。これに対しまして、地元に対する電源立地促進対策交付金が幾らになっているかというところでございますが、二百二十八億八千百万ということになっております。これは特別会計法で定められておりますが、そのほかに地元住民が安全問題あるいは環境問題で不安を持っているということが立地阻害要因になっておるわけで、これのために特に支出することができる原子力発電安全等対策費、こういった地元住民の方に安全問題等々について不安なからしめるような対策費ということで六十五億四千六百万というものが計上されております。あとは事務費的な細かいものでございますが、大宗以上のとおりでございます。
  17. 木野晴夫

    木野委員 いまの説明によりますと、促進税が歳入になっておってそれで賄うんだということで、その法律、特別会計法それと整備法とが三つセットになっておるのでありますが、そういった意味からいろいろ制約も出てきたと思うのでありますけれども、私はさっき言いましたとおり、周辺整備法をつくろうというときには、その町へ行きますと学校がよくなっておる、学校の校舎がこのとおりりっぱになっているのは火力発電所があるためだ、原子力発電所があるためだ、そういうことで地域住民福祉にもプラスになり、そして文字どおり円滑化、こう思っておったわけであります。また、法案が出てまいりますと、「道路港湾」と、こう出ておりますから、まことにいいと思っておったのでありますが、先ほど申しました法定補助事業は除く、予算補助事業は特例をもってこれを認めるというふうなことでありますので、私はこういった点につきましても、できるだけ当初の立法趣旨というものが出るようにひとつお願いしたい、こう思うわけであります。  そういった意味から言ってまいりますと、実は交付金の交付限度、これにつきましても私はいろいろ問題があるように思うわけであります。と申しますのは、交付金交付規則、告示二号でありますが、それの第二条を見ますと、いろいろ書いてありますが、交付金を渡すときに、一つはキロワット当たり三百円、これで掛けて出てきた金額、二番目に発電用施設の予定建設費に一定の率を掛けた金額、このいずれか低き方をもととして計算する、こうなっておるわけであります。  私は、発電所ができた、そのために、その地域住民希望もいろいろあるだろう、それをかなえてやりたいという意味からいきますと、一番の発電所のキロワット幾ら、金額はいろいろ問題がありましょうが、その一番の条件をもとにしてやっていく、こういうことがいいと思うのでありますが、二番の発電用施設の予定建設費、これをもととしていろいろ議論を展開しているようでありますが、これは私はなくもがなのものじゃないかと思うわけであります。一番だけでいいんじゃないかと私は思うのでありますが、なぜこの二番が出てきたか、この点について開発課長はどのように考えておられますか。
  18. 松尾成美

    松尾説明員 この法律に基づきます交付金につきましては、ただいま先生指摘のとおり、たとえば原子力発電所でございますと、その発電所の出力、キロワット数に三百円を掛けるということで計算したものと、それから予定建設費、その発電所の着工のときに見込まれた建設費でございますが、これに固定資産税の税率と同じ標準税率、百分の一・四を掛ける、それを四分の一するという算式と、そのいずれか低い方で交付金を計算するということになっております。  なぜそういう二番目の固定資産税の税率を利用したような、特に頭打ちと言っていますが、というものを設けたのかという御質問でございますが、この点につきましては、大体原子力発電所などができますところは非常に過疎地帯でございまして、非常に財政規模も小さい市町村でございます。そういうところに発電所ができたときに、余りに巨額な財政収入が一時的に入る。それが以後また急激に減少するということになりますと、市町村財政の健全性あるいは公平性という見地から見て、これが行き過ぎるのは適当ではないという判断であったようであります。  したがいまして、先ほどの予定建設費を基礎にした頭打ちと申しますのは、大体、発電所ができたときに入ってくる固定資産税の額は、それによる地元市町村の実際に使える、自由になる資金の額とほぼ合っているわけでございます。発電所ができますと、その財政収入というのは安定的に入ってくるわけでございますが、それと同じぐらいの額が年々交付されるというような形であれば、余り急激な変動がなくてよろしかろうということで、固定資産税収入に着目いたしまして限度とするという考え方をとったものであるというふうに理解しております。
  19. 木野晴夫

    木野委員 私はこれがおかしいと思うわけであって、現在発電用施設を建設中である。そこでこの交付金が出るわけでありますが、そういった場合に、一番目の基準で金をやると、今度固定資産税に移り変わったときにがたっと落ちる、だから頭打ちをつくって減らすのだというふうなことはおかしいと思うわけであります。その交付金を交付する事業はちゃんと市町村が立てて、知事が認め、それに対してやるわけでありますから、十分そういったのを頭に入れて事業をするわけであります。どんどん入ってくるというつもりでやるわけではないのでありまして、そういったことまでの気を使っておるのだということは、私はこれは無用の気遣いだと思うわけでありまして、この制度は、こう考えてまいりますと、この一番の基準で分けるというのが理論的にも一番すっきりするのではないか、また、この法案を通したわれわれ、また、この法案ができて読んだ人たち、そういった人からいきますと、この頭打ちの規定といいますものは、本当になくもがなの制度ではないかと思うわけであります。こういった制度ができておりますと、先ほど申しました、法律が通ってよかったと思っておりますと、後で、そうでもなかった、こうなってくるわけでありまして、ひとつ、法律をつくったときの気持ちに立ち戻って考えていただきたいと思うわけであります。  それで、この頭打ちといいますものは、一番の規定で金が出てまいりまして、二番で頭を打つ、これをいま頭打ちと言われましたが、逆にまた、二番の規定で金が出て、一番で頭を打つという場合もあるわけであります。私はこの二番目の頭打ちの関係は設けてもと思いますが、私がいま言っておりますのは、この一番目の規定で金が出てまいりまして、二番目のところで頭打ちになった、この頭打ちであります。この頭打ちは即刻やめるべし、やめた方がいい、このように思うわけであります。  ところで、この頭打ちの規定といいますものの適用を受けているものは相当あるのですか。
  20. 松尾成美

    松尾説明員 頭打ちの適用を受けている範囲でございますけれども、来年度の予算要求で現在いろいろ要求中でございますが、これの全体の地点数は大体九十二地点でございます。その中で頭打ちのかかる地点というのは九つでございます。  それから、先ほど申しました電源立地促進対策交付金の要求額でありますが、大体二百三十五億円ということになっておりますが、この中で頭打ちの対象になるものというのが十億七千万円、十一億弱ということになっております。
  21. 木野晴夫

    木野委員 頭打ちの関係は、九十二地点のうち九地点だ。これは恐らく建設費が安かった地域について起こっておる、こう思うわけでありまして、最近のように、最近また下がってきておりますが、最近から後のものは私も頭打ちの適用がない、こう見ておるわけであります。だから、地点で申しますとわずか九地点、こう言っていいのではないかと思うわけであります。  金額的に十一億と言われましたが、促進税の歳入が三百五億でありますから、十一億というのはやりくりできると思うのであります。そこで先ほど申しましたように、私もこの三つの法律が絡まっておる、そうして将来のことも考えなければいかぬ、こうは思います。しかしながらこの金額を見、またこの地点を見ましたときに、法の趣旨からちょっと引き下がったようなこの頭打ちの制度、これは一刻も早くやめてもらいたい、やめるべきじゃないか、こう思うわけでありますが、通産省はこういった法律を扱っておられましてどういうように考えておられますか。
  22. 松尾成美

    松尾説明員 この制度の可否につきましてはいろいろな議論があるわけでございますが、私ども電源促進という見地で仕事をするという立場でございますので、地元の御要望もいろいろございます。それで私ども、今年度の予算要求ではこの建設費による頭打ちというものは撤廃する、これは財政状況には頭打ちというものがございますが、これについて改善措置を講ずるということを要求に織り込んでおりますが、まだ予算編成段階でございますので、目下政府部内で検討中でございます。
  23. 木野晴夫

    木野委員 この点につきましては十分に検討して、そうしてできるだけ早い機会に関係各省とも折衝して、ひとつ善処願いたいと思うわけであります。  そのほか、この条文を見てまいりますと、整備事業は認めるわけであります。整備事業を認めますと、案をつくって持ってくるわけであります。そこで一つの年度計画というのが出てまいりますと、それに応じて交付金を支給してやる。ただ国に金がないときには均等とする。本来ならばその事業に応じて支給してやる、事業のカーブにおいて支給してやるというたてまえで、もし皆さん方の方で均等ということを言うならば、金がないからひとつ均等にしてくれ、こういうふうなのが仕事遂行の上の常識と私思うのであります。ところがこの条文を見てまいりますと、交付規則の第六条に「交付金は、できる限り、各年度に均等に交付するものとする。」こう書いてある。私は、交付金の支給のやり方としましてはこれはおかしい。整備計画に応じて金を交付する、もし金がなくて均等にしてもらいたいというときには、「均等に交付するものとする。」じゃなしに、均等に交付することをお願いしますというふうな言い方であるべきであって、そしてまたどうしても均等にやりたいというならば、整備計画が均等であって、そしてそれに応じて出すという、まあ事柄は同じにしましても、そのアプローチの仕方、考え方、こういった点はこの六条にも出ておると思うわけでありますが、この六条の規定をどのように考えておられますか。
  24. 松尾成美

    松尾説明員 六条の規定は、確かに表現上は先生指摘のように交付金を均等に交付するというように書いてありますが、私どもこの規定を置きましたときの気持ちは、整備計画を毎年度均等な形でつくっていただきたい。と申しますのは、年年の財政——電源開発促進税千キロワット当たり八十五円という金額は、実は整備計画で、大体三年なり五年にそれぞれの整備計画でばらして事業が行われるということを考えて、長期的に収支が引き合うようにということで計算したものだものでございますから、すべての市町村が初年度に全部ほしいということになりますと、これは特別会計として収支が成り立たないということがございまして、整備計画をつくるときに三年なり五年なりという期間にわたってこういう事業を行う。それは地方の実情に応じまして多少それを動かさなければならない場合、実情に応じて承認段階で御相談をしておりますが、そういうことでやっていただく、それをこの六条に書いたつもりでございまして、そういったことで交付金はできる限り各年度均等に交付する、整備計画でそこら辺の事情があるということで、ややばらつきがある場合にそれをしも排除しているというものではないというふうに解釈しております。
  25. 木野晴夫

    木野委員 だから、いまの話を聞きますとあなた方の事情もわかり、それならばこれを施行するところの市町村もわかりました、こうなるわけでありますが、この条文だけを見てまいりますと、交付金は各年度均等に交付するものとする、交付するものだ、そうしてできる限りそのように持っていけ、こういうふうなことに読めないわけじゃないのであります。まあ法律を受けて政令が出てくると、そういった点が一人歩きをするわけでありまして、十分にひとつ考えてもらいたいと思うわけであります。  先ほど申しましたとおり、この周辺整備法ができましたときに、これで周辺の人がよくなる。ほかの町よりも何倍もよくなっておる。これはなぜか。原子力発電所があるためだ。安全性の問題その他ありますよ、ありますが、それとともにそういうふうに地域福祉にも役立っておるのだ。そういうふうにして円滑化の一助にしたい、こういうことでありますが、この法律ができまして政令、告示となってまいりますと、いま言いました法律にはずらっと書いてあるのですが、政令段階でよく読んでみると、補助対象事業を除くのだ、こうなっておる。港湾とか書いてありますが、本当はこれ適用がない。ところが読んだときには港湾もこのとおりよくなった、こう思うわけでありまして、そういった点のないように、ひとつ補助事業その他の採択につきましても、まあ予算補助は除いたという点は読めますが、そういった運用につきましても十分に考えてやってやる。  それから交付限度でありますが、ただいま申しました頭打ちの撤廃、こういったものは第一の基準でこれをやっていく、これが理論的にも正しい。ところが第二の基準が出て、いずれか低きをと、頭打ちが出ておるわけであります。こういったのは私はおかしいと思う。特にいま聞いてみますと、九十二地点のうち数地点でありますから金額も全体としましてまだ金があるわけでありますから、こういったものは早急に撤廃する、そうしてできるだけそういった地域住民福祉に最大限の努力を払って円滑化に資しておるのだ、こういうふうにやってもらいたい、こう思うわけでありますが、重ねて通産省のこの全般についての考え方、それを伺います。
  26. 松尾成美

    松尾説明員 私どもとしてはこういう先生の御指摘のような点を考えまして、来年度の予算の中でこの問題を解決したいというふうに考えております。帰りまして私も上の方にも先生の御趣旨を伝えまして、私どもとしても努力いたしたいと思っております。
  27. 木野晴夫

    木野委員 私は、こういった問題は一刻も早くという意味であって、予算の策定にかかりますが、通産省として重点事項としてこういったものに当たるということもお願いしたいし、それよりも早い機会においていろいろまた検討する点があったら検討して、法の趣旨、そういった点がはっきりするようにひとつ考えていただきたい、こう思うわけであります。  それから佐々木長官にお伺いしますが、私は、いまこの周辺整備法が円滑化に資するためにこういうふうにしたのだと出てまいりましたが、法律が通りまして政令段階になる、政令が通りまして省令段階になる、それが通りまして今度は各地の通達段階になってまいりますと、その気持ちが薄らいでくるという点がなきにしもあらず。趣旨がさらに強調されるようにひとつ持っていくというような配意を、法律が通った後の段階においてこれは皆さん方の責任でありますからひとつやっていただきたいと思うわけでありまして、いま一例を円滑化という問題について、果たして円滑化の精神が生きているように法全体が運営されているかということを一、二の点について質疑したわけであります。これは制度の問題もありますから、私も金がないのにやれと言っているわけではないのでありまして、そういった仕組みもありますからそれはわかりますが、できるだけそういった点は配意するようにやっていただきたいと思うわけであります。  そこで、安全局設置するわけでありますが、先ほど申しましたように、この法案が通ると、これでよしというのではわれわれの意図とかけ離れたはなはだ遠いものがあるわけでありまして、原子力安全という問題は機構をつくってそれでいいというものでは決してないのです。むしろこれをつくる、これに対してよろしいと言いますとともに、実はもっと大きな問題があるんだ。原子力全体の問題、そしてまた資源確保の問題、そういった前の問題もあれば、実はまたこの原子力安全局をつくりまして、それによって体制確保する、それとともにまたハードウエアの面でも皆さん方が一生懸命やる、そうしてさらにまた住民協力を得る、そういうまた後の問題があるわけであります。したがいまして、先ほど申しました円滑化といいますものも、それを受けて出てきた立地の問題でいまの問題が起こってくるわけであります。円滑化と言いました場合にも、通産省段階科学技術庁段階ないしは役人の段階では円滑化に資しているんだと思っておりましても、実は住民段階ではもっとしてほしいという問題もありましょうし、そういった意味で一例を挙げて質問したわけでありますが、安全につきましてはどうかそういった意味でこの問題を幅広く、そして根本的な問題でありますから拙速はいけませんが、できるだけ早くやるように重ねてお願いいたしまして私の質問を終わりますが、最後に佐々木長官の全体についての御所見を承ります。
  28. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 まことに広範なしかも適切な御指摘をいただきまして、お説を体しまして今後とも誤りないようにしてまいりたいと存じます。
  29. 藤尾正行

    藤尾委員長 午後零時三十分より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午前十一時三十三分休憩      ————◇—————     午後零時三十四分開議
  30. 木野晴夫

    木野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長が所用のため出席がおくれますので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  31. 大出俊

    ○大出委員 私は、この設置法改正案は取り下げていただきたいと実は思っているのです。それで抜本的にこの考え方を変えて、改めて提案をすべきである、これが私どもの考え方でありまして、藤尾委員長以下佐々木長官も大変御熱心でございますから、やむなく質疑をすることになっているわけでございますけれども、国会終盤で混乱をすれば、その機会にはひとつ参議院でつぶしてくれと言おうかといま思っておるわけなのであります。  というのは、いろいろ問題が実はございまして、表街道から一つ物を申し上げておきますと、日本の科学技術行政の出発は、いわばアメリカ式な方式で出発をしているわけでありますけれども、その本家のアメリカの側がすでにそのシステムを変えているわけでありまして、行政組織の変更を大幅に行っているわけであります。これはなぜかと言うと、アメリカでもラルフ・ネーダー氏の提言だとかいろいろなことがありまして、原発に対する住民パワーが非常に大きくなっている、そういうことで組織変更しているわけであります。  ただ単に科学技術庁の中に安全局をつくってみたところで、内容は四つばかりありますけれども、本質的には意味がない、こう私は考えているわけでありますが、その根本についてどうお考えなのかをひとつ承っておきたいのであります。
  32. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 この発想が生まれましたのは、この前の春にも御説明申し上げましたとおり、私が就任いたしました当時は非常な混乱をきわめておった時代でございまして、特に去年の暮れ、原子力発電所等を設置する関係県の知事さんを集めまして、私も交えていろいろ懇談の機会がございました。その際、何といってもこの問題を進めるためには安全問題が中心であるし、それに対する政府の姿勢というものをこの際示してもらいたい。単に口頭でしっかりやりますと言うだけでは困るので、とりあえず安全問題に対する責任個所、いまでも責任個所はあるわけですけれども、しかし開発と両用でやっているわけですから、それを分けて行政部局ではっきりしてもらえれば大変自分らとして問題を進めるのにやりいいという強い要望もございました。  そうこうしている間に、「むつ」問題の反省といたしまして、内閣に、原子力委員会そのものまで含めて抜本的に原子力行政の改革をしたらどうだろうという案もございまして、そこで、それでは、その抜本的な案が出てくるのは、これはなかなか複雑な問題ですから相当時間がかかるだろうし、仮に対案が出ましても、それが行政として定着するまでには相当長い時間を要するであろう。その間いまのままで放置するということは、大変国のため、将来のためによくないことだと思うので、今年度は一切の部局はつくらぬという閣議の決定をした直後でございましたが、私は、総理、中曾根幹事長等にもよくお願いして、この際はどうしても安全局というようなはっきりしたものをつくって、そうしてまず、いままでの安全に対する不信感と申しますか、に対して、少しでもこれを整備あるいは前向きの姿勢で取り組んだぞという体制をつくってもらいたいというお願いをいたしまして、それではそうしようということで、大変紆余曲折はございましたが、この部局が生まれたわけでありまして、皆様に篤とその経過なり意のあるところを訴えて、そして各党の皆様の御賛同を得た上で一日も早く実現に移したい。地方でもまた大変期待しておりまして、これが流れたこと自体が、またこういう問題について手を緩めるのじゃないかという心配もあるやに承知しております。  そういうことでございますので、との前の通常国会では、衆議院をお通しいただいたけれども、不幸、参議院では廃案になりました。まさしく時間切れそのものの結果であるように私は考えております。どうぞこのたびもひとつ、そういう趣旨でございますので、慎重審議の上、ぜひ通過させてくださいますようにお願いいたしたいのでございます。
  33. 大出俊

    ○大出委員 参議院の方に行きますと、この場所は野党の数が多いわけでありまして、ですから、防衛二法の後にでもやっていただいて、廃案にしてもらおうかと実は思ったりしてもおるのであります。それはなぜかと申しますと、二つあるのですが、一つは、いまの機構そのものについての問題、もう一つは、汚職だとか、不正事件だとか、さらに不祥事件だとか、こんなものばかり起こしている科学技術庁なんというものは、この際根本的にぶち壊してつくり直さなければだめだという私は実は実感を持っておりまして、そういう二つの観点で私はこの法律を通したくない、率直に申し上げてこう思っているわけなんです。  そこで、まずもって承っておきたいんでありますが、機構そのものについてですが、アメリカは原子力の規制を担当する規制委員会、NRC、それからエネルギーの研究開発庁、頭文字で言えばERDA、これに分離をし、おのおの独立させているのですね。ここに至る経過というのを少し読んだり調べたりしてみましたけれども、なるほどこれはもっともなことでありまして、日本のように、今度の安全局をつくって、その中に原子力安全課であるとか、原子力規制課であるとか、核燃料規制課であるとか、放射線安全課というふうなものをつくる。つくっても全くこれは開発も規制もみんな一緒くたにほうり込んである科学技術庁ですから、全く意味がない。まして、これは皆さんが怠慢だと思っておりますのは、労使代表で、また学識経験者も入っておりますが、中山伊知郎さんが責任者でございますから、社会経済国民会議だとか、あるいは原子力産業会議であるとか、こっちの方は議長さんが有沢さんでありましょう。あるいは全国電力労働組合連合会、これは稲垣さんが会長でありますが、おのおの重要な議論をして提言をしておりますが、これはそろって言っている中身は、いま私が言いましたように、規制をするところというのはきちっとした独立した機関にして厳しい規制をする。こちら側に原子力の研究開発というものをもう一つ機関をつくる、そうすべきであるというのが大筋なんですね。それがわかっているのに、しかも先般のように分析化研のとんでもないようなことがたくさんあったりしているのに、「むつ」であれだけの騒ぎが起こったりしているのに、またまたこの国会に、さきの国会と同じものを出してくるなどという、まさに国会の認識を問われると私は実は思っているわけです。したがいまして、これは抜本的に賛成できない、こういう考え方であります。  これは、この間私が動燃事業団の件を承ったら、長官えらい開き直ったのだけれども、きょうは事と次第によっては私も開き直るつもりで質問しているわけでありますが、開き直ったって見ちゃいられぬ、めちゃくちゃで、でたらめで。私は口にいたしましたから、この間のこと念のためにもう一遍言っておきますが、いま不正事件、汚職事件、不祥事件と言ったのですが、これは明確に汚職事件なんですから、こんなふざけた、これは何としてもしゃくにさわるのですよ。あなた方からみんな下の方まで実はやめてもらいたい。  これは四十八年五月十八日の警視庁の書類です。これを見ますと、科学技術庁原子力局政策課課長補佐兼庶務室長松田義治さん、四十六歳、五月十八日逮捕、起訴、こうなっているのですね。そして次官が出てきたわけですからね、科学技術庁事務次官梅澤邦臣さん、五十六歳、六月三日検挙、起訴猶予——起訴猶予というのは、起訴事実はあるけれども猶予するということなんですからね。  この中身を見て、いま私がちょっと言いましたけれども、金額にして五千五百三十万円。「同庁の委託により放射能測定調査、原子力平和利用研究などに当たっている日本分析化学研究所の専務理事から、同法人の設立許可と放射能分析調査費の請求交付について便宜な取り計らいをした謝礼として、東京都中央区銀座七の六クラブ(M)外四十数店における個人遊興飲食費の支払いとして、総計五千五百三十万円を各クラブの預金口座に振り込み送金をさせて、同額相当の利益を得て職務に関し収賄した。」その次は、「自己の遊興費等の支払いに充てるのであるのにこれを秘し、同局の所管事項につき、それぞれ会議を開催し、飲食代等の経費を要した旨内容虚偽の関係書類をつくり、情を知ったクラブの名義の飲食代等の請求書とともにあたかも会議に要した経費の支払い請求のように装って支出官に提出し、合計千五百万円、日本銀行を通じて前記クラブからの個人口座に振り込み送金させて騙取したものである。」以下梅津次官の金をもらったやつが入っているわけですね。  私は最近、官庁の関係の汚職事件というのが相次ぎまして、中曾根さんが通産大臣で一生懸命おっしゃるから、資源エネルギー庁をつくることをこの席で認めたら、とたんに大汚職事件に発展をした。建設省もまた河川局の川田さんの大きな事件が起こる。また科学技術庁はいまの事件が起こる。そうかと思うと、また最近は、建設省の汚職事件がまた出てきている。そこへ持ってきてまたまた環境庁なんというところにまた汚職がある、こういうことで切りがない。  そこで、私はここでひとつ承っておきたいのですが、この東海村に動燃の本拠があるわけでありますが、ここは昭和三十一年に初めての原子力研究所ができたところですね。ここは、日本原子力研究所建設以来、動力炉・核燃料開発事業団東海事業所、科学技術庁放射線医学総合研究所、日本原子力発電株式会社、電電公社茨城支所、これも放射能の研究でありますが、これがずらりあるわけであります。ここは動力炉・核燃料開発事業団、通称動燃、このいわば城下町ですな、大変な金を使って大変な規模なんですから。ここで本年の七月十六日、動燃本社が、石原敬一東海事業所長、大谷武寿同総務課長、これを同日付で東海事業所管理部付に格下げをした。所長の後任には渡辺孝章さん、これは理事さんですね、この人を事務取扱ということで任命をした、これは一体どういうわけでございますか。七月十六日に石原所長をやめさせた、これはどういうわけでやめさせたのですか。
  34. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生の御指摘のような事件がございました。繰り返させていただきますと、動燃事業団東海事業所の会計検査中に当たります本年七月九日の夜に、水戸市内におきまして動燃事業団東海事業所の幹部と会計検査院の調査官が会食した事実がある、先生指摘のようなことでございます。ということを聞いております。またそれを聞きまして調査いたしました際に、さかのぼりまして昨年六月の検査中にも同様なことがあったということが判明いたしました。科学技術庁といたしましては、私と大臣と別に動燃事業団の首脳部を呼びまして、厳重に注意をした次第でございますし、動燃事業団といたしましても、その責任者でございます二名を解職処分にしたというように承知いたしております。
  35. 大出俊

    ○大出委員 私は当時の地元の新聞その他も取り寄せて全部調べてありますが、この人事は載っていない。何で首にしたのかわからぬ。いやしくも所長ですよ。いまのお話では水戸市内で会食した。会計検査院の皆さんと会食ぐらいしたからって何で所長がやめなければいかぬのですか。はっきりしてくださいよ。
  36. 生田豊朗

    生田政府委員 その会食の程度あるいはその時期の問題であろうかと考えますが、会計検査院の会計検査中にその検査官と会食したということは不当であろうかと考えております。動燃事業団の首脳部といたしまして同様な解釈をして解職したものだと承知いたしております。
  37. 大出俊

    ○大出委員 会計検査官と会食をしたその程度というのですけれども、どんな程度ですか。
  38. 生田豊朗

    生田政府委員 私どもが報告を受けておりますのは、東海事業所長、その事業所の総務課長ほか二名、これは動燃側の人間でございますが、これが会計検査院の上席調査官ほか四名と水戸市内のレストランで会食いたしました。費用は合計約五万円でございますが、各自頭割りということにいたしまして、検査院側の分につきましては後日動燃が受け取っているというように報告を受けております。  また、昨年昭和四十九年六月にやはり同様のことがございまして、これは水戸市内の料亭で十数万円の費用で会食いたしまして、その費用は動燃が負担しているそうでございます。こういうことが新聞にも報道されまして、ただいま先生からもおしかりがございましたようないろいろの疑惑を招くおそれがございますので、その責任をとるという意味で解職したものと承知をいたしております。
  39. 大出俊

    ○大出委員 この水戸市内のレストランというのは、これはあなた方の方が関係の警察の方に話しているのは西洋堂というレストランです。その関係の方に調べたかと聞いてみたら、西洋堂に行ったと言うんです。動燃の人が来たかと言って。そうしたら、九日の午後六時半ごろおいでになりましたというところからすらすらとお話しになったという。食事とお酒三本ほどお飲みになりました、合計で四万三千円でございましたと言って。これは食事して酒三本飲んで、何人もいて四万三千円で、何でりっぱな所長さんをこんな程度で首にしなければいかぬのですか、あなたの方は。そんなことあるじゃないですか。東海村から水戸へ行ったって一つも悪くないですよ。東海村の動燃の事業所から水戸までどのくらい時間がかかりますか。後の関係があるから答えてください。
  40. 生田豊朗

    生田政府委員 東海村から水戸は、私どもの方も正確に承知いたしておりませんが、非常に近い距離でございます。  それから解職と申しますのは、首にしたのではございませんで、東海事業所の所長の任を解いたということでございまして、たしかただいまは本社の総務部付になっているかと思います。
  41. 大出俊

    ○大出委員 私の言っているのは、所長を首にしたというのは、所長をやめさせたという意味ですよ。所長じゃないのでしょう、いま。それは営々と長年お勤めになって、りっぱな動燃の事業所の所長におなりになっている人間が——家族もあるじゃないですか。長年勤め上げてそこまできた人を、そんなあなた、四万三千円みんなで西洋堂というレストランで酒三本だという。水戸へ東海村から行くのはわけはないじゃないですか。うまい食堂がありますから食べに行きましょうと言って食べに行ったって何も悪くはないじゃないですか、そんなことは。そんなものを何で所長をやめさしちゃうのですか、あなたの方は。逆にこれはおかしいじゃないですか、そんなばかなことがあっては。そんな人事がありますか。無責任きわまる、そんなことぐらいで。それは人間なんだから、会計検査に来られた方御苦労様でした、いや、この東海村は余りうまいところがないから、私どもうまいところを知っていますからそこへ連れていきましょうと言って、水戸市内へ連れていって、西洋堂さんというのだから洋食屋さんなんだ。それは昼間から酒を飲む人だっているのだから、きのう二日酔いだったら一杯ひっかけておいてやらなければ目がぱっちりしない人もいるんだから、三本ぐらい飲んだってどうということはないじゃないですか、何人もいるんだもの。そうでしょう。そんなことであなたの方は何で所長をやめさせなければいかぬの。それだったらこんなものは全くふざけ切った人事だ。そんなべらぼうなことがあなたできますか、一人の人間を、所長さんを。西洋堂の大将が言っているような、そんな程度のことであなた方は首にするのですか。冗談じゃないですよ。一体どうなんです。大臣、ここのところは。いいかげんなことを言っちゃいけませんよ。首にしなければいけないのはいっぱいいるんだ、ここに。そんな程度で一々所長を首にしてどうするんだ。
  42. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 動燃の理事長さんが私のところに見えまして、実は会計検査院の皆さんが見えて会食をしたのが、会計検査院規則と申しますか、そういうものに照らして大変よくないことのようだ、役所の方にも迷惑をかけるといけませんので、真相をお話ししながら御報告に参りましたと言いますから、ああそうですか、自後そういうことのないように、いささかでも指弾を受けるような行為のないようにという注意をして私帰しました。どういう処分をしたのかといったところまで実は知りませんでした。
  43. 大出俊

    ○大出委員 それもずいぶん無責任な話じゃないですか。状況を説明に来た、自後そういうことのないように注意した、どういう処分をしたかは知らなかった、そんな、自後注意するなら、どんな処分をしたかぐらいなことは聞かなければ、あなた、自後の注意にも何もなりやせぬじゃないですか。あなた、そんな無責任な話がありますか。これだけべらぼうな国民の税金を扱っているのに。科学技術関係の予算の六〇%、本年なんというのは六三%じゃないですか。べらぼうな予算じゃないですか。そういう動燃の、さっき私が申し上げた東海村というのは動燃の城下町だ、そこの所長さんだ。日本の将来の科学技術行政のまさに中心的な存在です。所長さんというのは。それを、御迷惑をかけるといけないから状況説明に来た、ああそうですか、今度は注意してくれ、今度こういうことのないようにしてくれと言って帰したけれども、どんな処分をしたか知らなかった、そんなべらぼうな大臣ありますか。無責任きわまるじゃないですか。まことに非科学的じゃないですか。科学技術庁がそんなに非科学的なことをやるのですか、あなた。
  44. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 綱紀粛正を叫んでいる折からでございますので、恐らく動燃側でも、一罰百戒と申しますか、お話のように解職というのは少し行き過ぎかもしれませんが、それによって今後の戒めにしたということではなかろうかと私思います。
  45. 大出俊

    ○大出委員 会計検査期間中に検査官の方々五人なら五人連れていって、皆さんも出て、十七、八人で水戸市内の有名な料亭で芸妓さんをはべらしてやれば、これは所長をやめさせていいですよ。そんなことはやめさせるのがあたりまえだ。私もだてや酔狂で調べたんじゃないんだ。いいかげんなことを言っちゃいけないよ。この前の国会で私が質問して物を言ったばかりじゃないですか、これは一体何だと言って。四十数軒のバーに五千五百三十万円も——それで異常放射能が出たって何が出たって、適当な前のデータを使って出しておくだけで、分析化研は何を分析しておるか。これでは銀座の夜を分析しているようなものだ。寄ってたかってみんな飲みに行っちゃって、そのあげくの果てにクラブMなんというところの支配人名義で日本銀行から千五百万ばかり個人口座に振り込ましている。これは詐欺だ。詐取をして何をやったかと言ったら、会議を開催したとか飲食をしたとか、そんなことでみんなつじつまを合わしている。しまいには次官まで金をもらっている。こういうふざけたことで科学技術行政ができるかと言ったばかりじゃないですか。私が質問したのは本年の六月二十日ですよ。余りと言えば、やっていることがずさんであり、でたらめであり、めちゃくちゃだ。だから私はこれをわざわざ読み上げたのですよ。こんりんざいそんなことないようにするなんて言っておって、実際あなた方は科学技術行政の責任を負う立場の人間としての価値がないですよ。西洋堂の大将が言うようなことならば、所長をやめさせる理由なんか毫もない。洋食食って酒三本飲んで何が悪いんだ。供応もへったくれもありゃせぬじゃないですか。これでいけば全部で四万三千円しか払っていない。そんなことで所長を一体首にできますか。世の中には常識というものがある。たまたま水戸市内の一流料亭に乗り込んで、そこに地元のマスコミ関係の人がいてはち合わせしている人もいるんだ。そういういいかげんなことをやってごまかそうたってだめですよ。しかも処分したのがふるっているんだ。事件は九日だ。あなた方はこの所長さんをやめさせたのは一体いつなんですか。
  46. 生田豊朗

    生田政府委員 解職処分を行いましたのは一週間後の七月十六日付でございます。
  47. 大出俊

    ○大出委員 これは手際がよ過ぎるよ。この辺はまことに科学的なんだ。あっという間の出来事なんだ。普通建設省で事件があったって、環境庁周辺で事件が一いま環境庁というのは、環境を大切にしなければいかぬところが、その周辺がいろいろなことになっているけれども、一週間でぱっぱっと、そんなうまいぐあいにできやしない。一件落着で逃げようたってそうはいかない、こういう問題は。一体どっちなんですか、西洋堂だというならば、この御主人が言ったとおりなら、そんなことで処分するならこれは裁判ものだ。ふざけ切っている。そういうでたらめを言っちゃいけませんよ、あなた方は。話ができ過ぎているじゃないですか。私は現場に電話もしてみたし、いろいろ人を介して聞いてもみたし、地元のマスコミの諸君にも話を聞いてみた。こんないいかげんなことは通りません。  ところで、会計検査院の方に承りたいのですが、四十七年の動燃に対する会計検査報告書、この中身をひとつ聞きたいのですが、ここで言うところの工事契約金額の二重積算というのは一体どういう中身のものですか。
  48. 高橋保司

    ○高橋会計検査院説明員 「昭和四十七年度決算検査報告」の百五十一ページに記載してございますが、これは四十八年の十二月一日付で動燃理事長あてに出したものでございますが、原子炉建家などの建築並びに土木工事九件を検査した結果、その中に積算資料の調査が十分でなかったり、あるいは積算が施工の実態に適合していないというようなことなどがございまして、工事の積算費が十分実勢を反映していないような事実があったということで御指摘申し上げまして、今後そのようなことのないように改善をしていただきたいという御注意を申し上げたものでございます。
  49. 大出俊

    ○大出委員 工事代金の二重積算などというばかなことが、国民の税金を扱っている動燃で、これだけのべらぼうな金を使っていて、あっていいはずがない。私は改めてその問題は質問しますから、四十七年、八年、九年、本年、会計検査をおやりになって、一杯飲んでしまっているんだからわからぬけれども、報告書を全部私のところに出してください。来週質問します。
  50. 高橋保司

    ○高橋会計検査院説明員 お出しいたします。
  51. 大出俊

    ○大出委員 それにもいろいろと問題がある。改めて資料に基づいて聞きます。つまり二重積算などというばかげたことが行われておって、会計検査に指摘されている。以来動燃の側というのは会計検査の方々が来れば検査期間中に連れていってもてなしをしている。去年の件なんというのは明確になっているのだ。これは恐らく警察の方も捜査しているんだから、捜査上も明らかになっていると私は思う。私の方でも明らかになっている。  そこで、会計検査院にもう一遍聞きたいのですけれども、二年続けてこういうことがあるのですけれども、会計検査というのはちょいちょい方々でこんなことをやっているんですか。これはどんな事件だったんですか。
  52. 高橋保司

    ○高橋会計検査院説明員 私どもの検査につきましては、事務総長から、実地検査の公正を期するためにその実地検査先などにおきましては言動を厳に慎み、一般世間の疑惑のないような振る舞いをするように厳命を受けておるわけでございますが、ことし並びに昨年でございましたか、こういう事態があったことを深く遺憾に思い、反省しております。
  53. 大出俊

    ○大出委員 これはおいでになった方々は会計検査院の第一局の井上隆夫上席調査官ら五人、動燃側が四人、幹部の方々ばかり、計九人、こういうわけです。私は実は本年、ついこの間の六月二十日にこの席で質問したときに、将来動燃というのは大変なことになると御注意を申し上げた。これはメーカーと電気関係の諸君とが集まっての国民の税金の分け取りじゃないか。内部告発だってないわけではない。これは速やかに改めるべきだと私は申し上げた。そうしたら長官は私に開き直った。去年の件はよほど口から出かかったけれども私はがまんしていた。そういうでたらめじゃ困りますよ。  ここでひとつ検察庁の方から、今回の事件は私は私なりに調べておりますから言うべきことはきちっと申しますが、ひとつ捜査結果——捜査と言うからには調査じゃないのですから、はっきり申し上げておきますが、どうなっているのか。事国会ですから概要を御説明いただきたいのですけれども、いかがでございますか。後でこんなことがあっては困る。最近は憂えるばかり。
  54. 平井寿一

    ○平井説明員 ただいまお話しの件につきましては、茨城県の警察におきまして本年の七月にお話しのような事案を認知いたしまして、以後動力炉・核燃料事業団東海事業所や飲食の場所などにつきまして調べを進めてまいったわけでございますが、その結果、動燃東海事業所の幹部らが、本年の七月九日に会計検査院の職員と水戸市内のレストランにおいて飲食をともにしたという事案、あるいは昨年六月末ごろでございますけれども、同様に、水戸市内の料亭におきまして会計検査院の職員らに対して飲食のもてなしをした、こういう事案が判明したわけでございます。  この内容について現在さらに調べを続けておるわけでございますけれども、現在判明している事案だけで直ちに刑事事件としての立件はまだ十分じゃないとは思うのですが、いろいろ関連する問題もございますので、今後こうした点をあわせましてさらに引き続いて捜査を進めてまいりたい、かように考えております。
  55. 大出俊

    ○大出委員 捜査の支障があってはならぬと思いまして、この間おたくの担当の課長さんにもお見えをいただきまして非公式なお話を承りました。私が知っておりますことをその課長さんも御承知でございました。したがいまして、水戸市内の料亭の名前も私も知っておりますが、その方も知っておりました。ただ、私は電話までかけておりますが、そのことが皆さんの捜査上ぐあいが悪いとおっしゃられるならば、決してこれは御迷惑をかける気はないので、私の方から申し上げなくてもいい。つまり、いかなる料理屋であったかということを皆さんの方でお話しいただけるならば、この席で明らかにしておいていただきたい。皆さんの方でそれができないとおっしゃるならば、私もそれは言いません。いかがでございましょう。
  56. 平井寿一

    ○平井説明員 ただいま申し上げた本年七月と昨年六月、二回の件につきましてはお話ししておきたいと思います。  七月九日の飲食という問題は、これはレストランの西洋堂というところでございます。昨年の六月二十日の飲食の問題は料亭きくち、この場所でございます。その他の問題につきましては、なおいろいろと捜査の都合がございますので、ひとつ詳細は御容赦いただきたいと思います。
  57. 大出俊

    ○大出委員 これは警察庁の皆さんに要望申し上げておきたいのでありますが、内部告発というのは比較的正確なものであります。私は前後三回電話をいただいておりますが、地元の記者の方々がこの問題を知って聞きに行ったという時点から問題が起こるわけでありますけれども、あわてて西洋堂さんなるところの領収証であるとか、料理をどうしたとか何時ごろとかいう打ち合わせをされている。だから恐らく、皆さんが調べに行ったらすらすらすらっとお答えになったはずです。きちっと、聞きもしないことまで。領収証の改ざん、つまり領収証を新たにこしらえた、そういう問題まで実は内部の方は私に話しております。  したがいまして、そこらの点を含めて、私はなぜこの問題をこの席でずけずけ申し上げているかといいますと、最近あり過ぎるのですよ。それは今日のこの種の問題が次々と出てくることは、官庁不信のみならず一種の政治不信でもある、つながっていきます。政党政派の問題じゃない。一体何をやっているんだということになる。環境庁周辺までいろいろなことが起こったり、建設省でまたまた問題が起こったり、河川局であれだけの問題があったというのに。国民の側から見れば、どこからどこまでが本当のことなのかということに対する大変な疑問を持っている。一課長さんなら課長さんにできることじゃないようなことが新聞には出てくる。そこで首になるのは決まってとんでもない下の方、そういうことになっていると、これは氷山の一角ではないのかという疑惑を持つことはあたりまえなんです。だから、私は、それであってはならない、つじつまを合わせて、西洋堂さんなら西洋堂さんで、六時半に皆さんお見えになりましたというところから領収証の四万三千円まできちっとできていて、これこれお支払いになりましてこうでございます。つくられたものであることは、専門屋が見れば一遍でわかる。そこから先は申しません。私は非公式に承りましたが申しません。申しませんが、いまの答弁は、何が出てくるかと思ったら、その仕組まれた形のものだけが出てくる。  だから、私は逆に、それならば酒三本で、四万三千円で、たくさんの数の方が会食をしただけで、この所長さんがずばり首が切れるのかと反論しているわけです。そんなことで首が切れやしませんよ。そこに問題がある。きくち、ここでやった例などというのは、芸者さんも、みんなお出になっておる。全然別なプライベートな段階なら私は何も言う気はない。検査期間が決まっている検査の真ん中でやっている。しかも、その前、四十七年には契約の二重積算などという問題があって、それも会計検査院はずいぶん気をつけて書いている節がある。しかも、これはほとんど全部が国民の税金なんです。これは将来大変なことになる事業団なんですから、そういうことがあったんではこれはえらいことになる、こう私は思って、実はさっき私が読み上げましたこれも、このときも科学技術庁が分析化研との関係原子力潜水艦の安全性の問題で国民が沸いて、大変な心配ですよ。私も佐世保の異常放射能で現地まで行ってみたり、横須賀に行ってみた。高圧線が三本入っていて、入ってきた冷却水が冷えてしまわないように高圧線で温めておいて出ていくシステムを初めてとった、愛知さんが科学技術庁長官のときに。愛知さん自身が私的に私のところに来られて、幾ら言ってもアメリカ側が言うことを聞かなかったんですよという話もなさった。その時期に私は放射能のデータをこの内閣委員会で出しました。予算委員会じゃないから、新聞には載りましたが、大変大きな騒ぎにはならなかったが、いまになってみれば、その背景というのは一体何だったと言えば、五千何百万も銀座の夜で飲んじゃった。千五百万も会議をやったの、やれ飯食ったのということで、そういう名目で日本銀行から払い込ましておいて、みんな遊興費に使っちゃった。ふところに入れたのもあるんでしょう、大きな金だから、五千万からの金なんだから。四十軒のバーだ。そういうふうなことをやっておって、安全局もへちまもあったもんじゃない、私に言わせれば。だから、私は捨ておけぬから物を言っている。会計検査院も会計検査院だ、本当に。  私は、皆さんの捜査の状況というものがございますから、調べるものはほとんど調べてありますけれども、後刻ひとつもう一遍物を言わしていただこうと思っております。皆さんの方の支障になっても困る。そういう意味でおいでをいただいて私はお話を承った。だから、皆さんのおっしゃれる限度をいまおっしゃったわけですから、それ以上私の方から物を言うことはやめます。やめますが、これはぜひはっきり決着をつけていただきますようにお願いをいたしておきたいわけであります。これは明らかに表面をとりつくろうという形のことが行われている。私に電話もかかってきている。そういうわけでありますから、これはぜひひとつお調べをいただきたいのであります。  ところで、一体この種の問題は、そこの所長だけの責任に終わらせるおつもりですか、大臣。
  58. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 事柄は動燃の職員に関することでございますし、第二次的には動燃の理事長でございますか、が責任者だと思いますけれども、私ども監督の責めにある官庁が全然責任はないというふうには申されないことだと思います。
  59. 大出俊

    ○大出委員 私は、けさの理事会で納得いただけぬ限りは、資料がないのではないので、引き続き質問を申し上げるということで御了解得てありますから、その間は法律は通していただいては困る、次々に質問をする、こういうふうに実は考えているわけなんでありまして、きょうはその一部をいま申し上げたわけであります。  そこで、この際、動燃なるものの性格をもうひとつ明らかにしていただきたい。  動燃というのは何年にできて、ここの予算の構成というものは一体どういうことになっておりますか。
  60. 生田豊朗

    生田政府委員 動燃事業団は、昭和四十二年に動燃事業団法によって設立されたものでございます。  予算は、動力炉の開発に関する予算が大部分でございまして、そのほかは再処理施設の建設及び運転、それからウラン濃縮施設の建設及び運転がそのほかの重要なものでございます。
  61. 大出俊

    ○大出委員 昭和五十年の動燃の予算等がここに書いてあるのですが、動燃の予算は、設立時十三億七千九百万円だった、そうでございますか。まず……。
  62. 生田豊朗

    生田政府委員 申しわけございませんが、手元に四十六年以後の数字しかございませんので、四十二年の数字がないわけでございます。が、これから推定いたしましてその程度の比較的小さな金額ではなかったかと考えております。
  63. 大出俊

    ○大出委員 四十六年以後の数字がおありになるというのは、私が四十六年以後の数字を出せと申し上げたからだ。それは私も全部持っています。設立時は十三億七千九百万円。その後ぐんぐんふえ続けて、五十年度には五百三十六億七千万円の巨額にふくれ上がっている。もう一つ私が持っておりますものには、五十年度で見ると、総額八百五十五億九千万円というのが原子力関係にかかわる予算の総額である。このうち動燃が占める予算は五百三十六億七千万円、何と全体の六三%も動燃が占めているのであると、こう書いてありますが、これは一体どういうことになりますか。
  64. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたとおりでございまして、原子力予算の半分以上が動燃の予算でございます。これは御承知のように、動燃事業団の事業が、先ほども申し上げましたとおりでございますが、動力炉あるいは再処理施設、ウラン濃縮施設というようなかなり規模の大きい開発をやっておりますので、当然経費が非常にかさむと考えております。
  65. 大出俊

    ○大出委員 いまお話ございましたようなべらぼうな額の予算を持っていることになって、御指摘のとおりというお話でございますから、ということになりますと、原子力関係予算が五十年度で——財政欠陥だの云々だのという、二兆二千九百億も補正予算の中に赤字国債を発行するというわけで、特例法までいま出てきておるわけですが、この時期に、何と総額八百五十五億九千万円もの原子力関係の予算が組まれているのですね。しかもその六三%を占める五百三十六億七千万円にもなるものが動燃なんですね。動燃事業団と、こう略していまおたくがおっしゃいましたが、動力炉・核燃料開発事業団法に基づいてつくられたこの正式名称は、だから動力炉・核燃料開発事業団、こう言うわけですな。これが六三%も原子力関係の予算を占めている。つまり国民の税金を五百三十六億七千万円も割り当てられ、割り振られている機関であるということなんですね。そこのところをぜひひとつ、これは会計検査院の側の皆さんの側も、事件があったわけでありますから、警察庁関係皆様方の方も、おだやかなことでないので、ぜひひとつそこらのことも御留意いただきまして——国民の側とすれば、これらの国民の税金が日本の将来のためにいかに正しく使われるかというところにやはりこれは注目の焦点はあるのですし、あるいは国会といえども同じでございまして、そういう意味で国民に責任を負わなければならぬ立場でございますから、そこらを御考案いただきまして問題の処理にお当たりをいただきますようにお願いを申し上げておきたいのであります。  大変お忙しいところをお呼びいたしまして恐縮でございましたが、私は始まって以来十何年かになりますけれども、会計検査院の方をお呼びしたなんということはないのですけれども、何ともどうも腹に据えかねるのでお出かけいただきましたので、お忙しいところ大変恐縮でございましたが、後ほど先ほど申し上げた資料はお出しをいただきますようにお願いを申し上げて、御両所に対する私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。  そこで、役員構成でございますけれども、これは実は将来とんでもない問題がございますので、きょうそこまで触れさせていただきたいのでありますけれども、この役員構成は一体どういうことになり、任期切れの方々もいろいろおいでになりますが、どういうふうにお考えになっておられるのかという点を皆さんの方からひとつ御説明をいただきたい。私も資料を持っておりますが、皆さんの方からひとつ御説明をいただきますように……。
  66. 生田豊朗

    生田政府委員 動力炉・核燃料開発事業団の役員でございますが、一人一人申し上げます。  清成理事長は、日立製作所の副社長を経まして動燃事業団の副理事長、後ほど理事長に着任された方でございます。  副理事長のうちの一人の河内副理事長は、中部電力の副社長を経まして副理事長に就任された方でございます。  もう一人の副理事長の瀬川さんは、通産省公益事業局の技術長で退官されまして、その後動燃事業団の理事を経まして副理事長に就任された方でございます。
  67. 大出俊

    ○大出委員 これは日本電気協会の専務理事さんでしょう。
  68. 生田豊朗

    生田政府委員 通産省を退職しました後、一時日本電気協会の専務理事もやっておられます。
  69. 大出俊

    ○大出委員 それもちゃんと言っておいてください。
  70. 生田豊朗

    生田政府委員 あとは理事の方でございますが、長沼理事、中部電力の東京支社長を経まして、事業団の総務部長、後ほど理事になった方でございます。  それから田中理事、これは会計検査院の第四局長から理事に着任されました。  鵜木理事は、東京電力の原子力開発研究所長から理事になられた方でございます。  それから大山理事、東京大学工学部教授から理事に就任されました。  それから島理事、日立製作所中央研究所の王禅寺支所長から動燃事業団に入られまして、後に理事に就任されました。  それから神山理事、古河鉱業の監査役を経まして原子燃料公社の理事、さらに動燃事業団設立後理事に就任されております。  それから岡野理事、関西電力の原子力部長、同社美浜原子力発電所建設事務所長から動燃事業団に入って理事に就任しておられます。  渡辺理事、三菱原子燃料株式会社の常務から動燃事業団の理事に就任しておられます。  以上が常勤の理事でございまして、非常勤の理事は、原子力研究所の宗像理事長、関西電力の伊藤副社長、東京電力の田中副社長、三名が非常勤理事になっておられます。  監事は二名でございまして、山下監事、これは警察庁の警務局付から退官されまして監事に就任しておられます。  もう一名小野監事、この方は原子燃料公社当時の総務課長、財務部次長を経まして、動燃事業団ができましてから財務部長、さらに監事に就任された方でございまして、旧満州国昭和製鋼所に勤めておられた方でございます。  役員の略歴は以上でございます。
  71. 大出俊

    ○大出委員 そこで承りたいのですが、大臣、いま読み上げていただきましたが、理事長さんは日立製作所の副社長までおやりになった方なんですね。     〔木野委員長代理退席、委員長着席〕  この予算の分配に直接利害を持っている会社の御出身でございます。そこをはっきりさしておいていただきたいのでありますが、そういう意味で承りたいのですが、この五百何がしの予算の中で幾つかに予算費目からすれば分かれてまいります。それもこの際申し上げておきますが、研究開発費という費目がございます。施設費がございます。実験炉の建設費がございます。実験炉の運転費がございます。それから原型炉建設準備費がございます。こういうふうな予算の分け方になっておりますが、この予算の落ちつく先、行く先は幾つかのグループに分かれております。そのグループをまず挙げていただきたい。それからそのグループとの契約の——私は、ここには四十四年から四十八年までの契約高を持っております。これは後から申しますが、四十九年、五十年の契約高をグループ別にお話をいただきたい。つまり、国民の税金が五百何億もありますけれども、さっき警察庁の方が、会計検査院の方々との検査中のいきさつはお認めになりました。私は捜査の関係がありまして、この間、非公式においでいただいて話し合いましたが、支障になってはならぬという点は気をつけて、いま差し控えさせていただきました。会計検査院の四十七年の工事契約の二重積算、この問題については資料をお出しをいただくことにいたしました。したがって、これは改めて質問いたしますが、ひとつ後ほどまた警察側とも私話しまして、捜査に支障ない範囲でもう少し申し上げる点が出てまいりましたら、そのときにあわせて申し上げます。グループ別に、四十四年から四十八年までの契約金額は私持っておりますが、四十九年、五十年の契約金額を述べていただきたいのです。  と申しますのは、この役員構成と著しくかかわり合いを持ち過ぎている。たとえば、清成さんは日立でございますが、この清成さん——理事長の御出身は日立の副社長でございますが、御出身の会社が、この五十年度で言えば原子力関係の総額八百五十五億九千万円という膨大な予算です。この財政欠陥と言われる時期に八百五十五億九千万円原子力関係に予算をつけている。このべらぼうな金の六三%が動燃事業団に行っているわけであります。つまり五十年度五百三十六億七千万円、原子力関係予算の六三%、これが行って、いま私が申し上げた費目は契約という形で各グループに流れていっているわけでありますから、それと役員の方々とは全部関係している。この中に御丁寧に会計検査院の第三局長をやった方がおいでになったり、あるいは警察大学御出身の警察の方がおいでになったりしますけれども、それと学者が一人おいでになりますが、そのほかは全部電力あるいは原子力関係の機器のメーカー、この枢要な地位の方々だけでありますから、ひとつその意味でグループ別にお話をいただきたいと思います。
  72. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生、四十九年度、五十年度という御質問でございますが、五十年度はただいま契約進行中でございまして、集計した数字がございませんので、四十九年度で御説明させていただきます。  まず、日本原子力グループ、これが四十九年度十二億九百万円でございます。東京原子力グループ十六億一千六百万円、三菱原子力グループ十四億九千二百万円、第一原子力グループ十億七千九百万円、住友原子力グループ三千九百万円、以上合計が五十四億三千五百万円でございます。これは動力炉部門でございます。
  73. 大出俊

    ○大出委員 四十六年、四十七年、四十八年、四十九年、ここで動力炉・核燃料開発事業団の高速増殖炉、これはFBRですね、この開発予算というものがございます。これなんかを見ましても、合計だけ申し上げておきますと、四十六年が百六十三億、四十七年が百九十七億、四十八年が百七十五億、四十九年が百二十一億、五十年が百三十六億、これは大変な金ですね。いま申し上げたのは動力炉・核燃料開発事業団の高速増殖炉、FBRの開発予算です。これはべらぼうなことになる。これは、いまグループ別にお話がございましたけれども、つまり電力会社とそれから原子炉関係開発のメーカー、この方々しか利害関係は率直に言ってない。ところが、ここに集まっている役員の方は学者さんが一人おいでになって、それから理事の方で会計検査院の第三局長さん、さっきの話の接待の席にこの方が出ているとすれば、これはあなた、行った会計検査院の方々はみんな頭を下げているわけですよ、大先輩なんですから。元会計検査院の局長さんなんですから。うまくできているのですね。そこへ今度は、ここにはおまけに監事さんでございますけれども、警察大学の御出身の方までおいでになる。これは警察大学の校長さんです。この方は警察庁の交通局長もおやりになった。そうすると、関係のオーソリティーは全部入っちゃっているわけですね。動力炉の方はどうも危なくてしようがないのだけれども、何が起こったって、めったなことで壊れぬようになっている、五百億から金を抱えちゃって。原子力関係予算の六三%を抱えておる。五百三十何億。こういう役員構成というのは、この間あなた開き直ったけれども、こんなばかげたことが起こっているという世の中に、あなたまだ開き直るのですか。大臣、いかがですか、かえなさいよ。
  74. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 私、この前六月に申し上げましたのは、動燃の性格上、原子力研究所あるいは大学の研究所と違いまして、これはほとんど応用、実用に近い実験、試験の段階でありまして、しかも性格は、近代科学のいわばシステムエンジニアリングという範疇に属する開発でございまして、各国ともこういう開発に際しましてはそれぞれネックがどこか、どこをどういうふうに研究すればもっと早く進めるか、そういう点で、従来ありましたような研究法と非常に違った進め方をしているのが各国の通例だと私思います。ずいぶん私もアメリカなどに行きまして、そういうシステムエンジニアリングとはどういうふうなやり方をしているかと言いますと、大概アメリカでもほかの国でも同じようなことでございまして、そういうことから考えますと、いまの動燃の人事の配置がそういう実業家出身と申しますか、各会社出身の方々が占めているということ自体が決していい悪いということでなくて、もし御指摘があれば、本人に責任感なりあるいは公正にやる人格者であるかどうかといったような問題は、それは問題が起きますれば責められることはあるにしても、しかし、そういう応用的な部面に入った者を、各界の人あるいは経験のない人、官庁とかそういう人だけで進め得るかというと、これはとても進めない問題でございますので、お話ではございましたけれども、私、一人一人の理事はもちろん丹念に調べておりませんけれども、お話をちょうだいいたしまして、そういう趣旨でその道の一番のシステムエンジニアリングに適する人を理事にしたのではないだろうかというお話を申し上げた次第でございます。
  75. 大出俊

    ○大出委員 ここで一つ別な問題を承っておきたいのでありますが、これだけ金を大変に使ってきて、一体、動燃はこれまで大体どの程度のことをやってこられたのか。たとえば、茨城県東海村の再処理施設であるとか大洗の高速増殖炉であるとかいろいろございましょう。一体今日までこれだけの国民の税金を使って、しかも利益関係のある企業、電力会社の出身の方がぞろぞろいっぱい集まって役員になって、警察大学校長さんをやっていた方だとか会計検査院の第三局長をやった方などを入れておやりになっているわけだが、一体どんなことをやってきたのですか。
  76. 生田豊朗

    生田政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、動燃の事業は大きく分けまして動力炉開発と核燃料関係の技術開発と二つでございます。  その動力炉開発の中でございますが、二つの大きなプロジェクトを推進しておりまして、一つはただいま先生も御指摘になりました高速増殖炉でございます。この高速増殖炉の実験炉の建設をただいま大洗におきまして進めておりまして、ほとんど完成いたしております。明年臨界に達する予定でございます。  高速増殖炉の次の段階でございます原型炉につきましては、まだ建設予定地の確保が完全に終わっておりませんので建設に着手はいたしておりません。  それからもう一つは、俗称ATRと申します新型転換炉でございます。これは燃料といたしまして天然ウランとプルトニウムを使います新しい型の炉でございますが、これは実験炉の段階を飛びまして初めから原型炉の建設に着手いたしております。場所は福井県の敦賀でございますが、これも着々建設が進みまして、明後年には臨界になる予定でございます。  以上が動力炉部門でございますが、核燃料部門につきましては、まず再処理施設の建設でございます。これは茨城県の東海村に建設を進めておりまして、これも建設が完了いたしましてただいま試運転の第一段階でございますウランテストを実施中でございます。  それからもう一つ、ウラン濃縮でございますが、これも東海村におきましてパイロットプラントの建設を進めておりまして、第一段階の建設が完了しその運転に入っている段階でございます。
  77. 大出俊

    ○大出委員 茨城県東海村の再処理施設、大洗町の高速増殖炉、これは実験炉ですね、出力五万キロワット、発電はしない、これがいまお話しの完了間近である。それから福井県敦賀市の新型転換炉の原型炉、「ふげん」というのでしょう、これが出力十六万五千キロワット。  ここで一つの非常に大きな危惧がある。ここにも書いてありますが昨年、例の「むつ」の海上実験の異常放射能の事件がありました。で、来年の夏稼働する、しない、いろいろなことになっております再処理工場がございますね。それから、この問題をめぐっては、使用済みの核燃料でございますから、プルトニウムだけでなくて、ストロンチウムもあればセリウムだとかセシウムだとかいろいろなものがあるわけですね。非常に数多い放射性物質を含んでいる。数十あるわけですね。しかも、こしらえられるものはまさにパイプのジャングルといわれるような——私は横浜ですからパイプのジャングルをたくさん見ておりますが、それの比ではない、大変なことになる。だから、何かしらぬがここで一つの事故があると、それは「むつ」どころの騒ぎではないというわけですな。大変なことになるのではないかと危惧の声もあるとここに書いてありますが、確かに大変なことになりはせぬかと思っているわけでありまして、そこらの問題。  それから、いまお話しのATR、現在建設中の新型転換炉ですね、この「ふげん」との関係などから五つの原子力グループがこれに参加しているわけであります。日立と東芝、これが三〇%ずつぐらい分け合っているわけですね。清成という理事長さんは日立なんです。そして日立の方は何をやっているかといえば、原子炉そのものですな。新型転換炉のいわば心臓部である原子炉、それから東芝がタービンその他の部分、そういう分け合いをやっておりますね。だから、日立の方が原子炉をやっていますから優位にあるわけでありまして、私はそれだけにつまり日立の副社長さんまでおやりになった方をてっぺんに乗せて、中心である日立——この形は日立中心なんですから、その人をてっぺんに乗っけて、この五百三十六億七千万円の金をどうするかということを考えていくというこのあり方は、私は私ならずともやはりいかがなものかと疑問を持つのはあたりまえだと思っているのですよ、率直に言って。  そして、これはあとの方の時間もありますから、きょうはそんな長い時間かけるつもりでなくて、さっきも簡単な質問にしておきましたが、またこの次の機会にでも申し上げますけれども、一体転換炉というものは将来の問題としてどう考えたらいいのかという、諸外国の例もございます。諸外国の例を調べてみますと、余り転換炉には乗り気でないのですね、むしろ転換炉素通りでさらにその先の高速増殖炉、さっき申し上げたFBR、こっちの方に一気に進んでいくという趨勢に見えるわけであります。だから、そういった議論わが国内にないわけではない。そこでいよいよこれから新型動力炉開発専門部会というものを、これはもう設置したのですか——そこで検討していくわけですね。そうなりますと、これは一つ間違うとFXじゃありませんけれども、政財界入り乱れての生臭い話になりかねぬ面だってある、率直に申し上げて。それを危惧する記者の方々もいる。で、六月二十日に私は質問いたしましたが、六月二十日に九電力と電源開発会社十社の首脳会議が開かれております。そこで新型炉は国が中心になって開発を受け持つ、国がやれというわけですよ。だから当面、いまお話のあった敦賀市の動燃が建設をしている高速増殖炉の原型炉の、これは「もんじゅ」というのですかな、この出資はお断りをする、こういうわけですね。これはあなた方は一体何がねらいだとお思いになりますか。これは最初は民間が半分出すことになって進んできたのじゃないですか。国がやれとこう言う。で、建設費を見直してみたら、この建設費が何と千五百億から千八百億、このくらいのものになってしまいそうだというデータが出ていますね。これは大変な額なんですね。半分出すとしても大変です。国が半分持つといったらこれまた大変です。そこへもってきて全部持つといったら千八百億円国が持つことになるのですよ、この財政欠陥だ云云だと言っている世の中に。将来の問題としてこの辺のことは一体どうなっていくのですか。あなた方は一体どうお考えなんですか。改めた機会にもう少し詳しく質問いたしますが、とりあえず聞いておきたいのですが、いかがでしょうか。
  78. 生田豊朗

    生田政府委員 まず今後の新型動力炉の開発のスケジュールあるいは方向でございますが、これはただいま先生指摘になりましたように、新型動力炉開発専門部会を設けまして、稲葉先生が部会長でございますが、ただいま鋭意検討中でございまして、明年の比較的早い時期に結論が出るものと考えております。  いずれその結論を待つわけでございますが、大体の方向を申し上げますと、世界の大勢といたしましても、現在の原子炉の主力でございます軽水炉に続くいわば本命の原子炉と申しますのはやはり高速増殖炉、FBRでございます。ただ、そのFBRのほかにいわゆる転換炉、日本のATRと同様な炉の開発を各国でも進めておりますが、これがやはり資源的に見まして濃縮ウランを使わないという点に非常に特徴がございます。そういう点を一つのポイントにいたしまして、各国ともいわば本命のほかの、一種の特殊な形の炉といたしまして開発を進めているわけでございまして、特にわが国におきましては天然ウラン、濃縮ウランとも供給力にかなり問題がございますので、新型転換炉の開発はそういう点からも今後ともぜひ進めてまいりたいというように考えております。  次に、開発の費用の分担の問題でございます。これは、従来の基本的な考え方といたしまして、実験炉につきましては一〇〇%国が負担して開発し、原型炉につきましては国と民間とが半々の負担をするという原則に立ちまして、現在開発を進めております高速増殖炉の実験炉は全額国庫負担でございます。新型転換炉の原型炉につきましては国と民間半々ということで進めております。この原則でまいりますと、次の段階の高速増殖炉の原型炉につきましても国と民間が半々ということになるわけでございますが、問題はその開発費の額でございまして、これが、日本だけではございませんで、世界各国とも当初の見積もりと比べまして非常に大幅な値上がりをしております。わが国の場合、三百五十億円程度と考えておりましたのが、ただいま先生お話もございましたように、二千億円近くになるのではないかということになります。これを折半いたしますと民間の負担が非常に大きくなるので、政府の負担の割合をふやしてもらいたいという要望がかねがね寄せられております。世界各国の例を見ましても、たとえば、ドイツのごときは八〇%ぐらいを政府の負担におきまして新型炉の開発を進めておりますので、各国まちまちでございますが、財政事情も、先生指摘のとおり非常に困難なものがございます。民間の負担力が乏しいからといって全部国にしわ寄せするというふうには必ずしもまいらないと思いますので、合理的な分担割合の比率がどの程度であるか、その辺も新型動力炉専門部会の非常に大きなテーマといたしまして、ただいま御検討願っておる段階でございます。
  79. 大出俊

    ○大出委員 いま国際的なというお話でございましたが、また、お話しになりました軽水炉というのは、私調べてみましたが、ウラン資源のうちに〇・七%しか含まれていないウラン二三五というのを使うということになっているのですね。そうすると、軽水炉を使っていけば、ウランが幾らあったって足らぬことになる。そして、佐々木さんがこの前私にお答えになりましたような、大変な原子力発電計画をお立てになって進めるとなると、日本にはウランはない、アメリカの実情を見たって、フランスの実情を見たって、ドイツの実情を見たってそうですけれども、資源というものには限りがあることが石油等で明らかです。そしてウラン二三五というのはウランの中に〇・七%しか入っていない。軽水炉ではこれを使うのですから、これはまさに大変むだなウランの使用になる。日本には資源は全くない。だとすると、転換炉云々どころじゃない。まさに、さっき私申し上げました、一足飛びであっても、恐らくその道の専門家が物を考えればFBRの方に中心が移るというのはわからぬわけではない。そうすると、さっきの「もんじゅ」といっておるこれを握る、これが実はこれからの原子力産業そのものの心臓部を握ることになる。だから、生臭い話も出かねないということになる。そうすると、いまの動燃の人事構成というものも非常に問題が出てくることになる。しかも任期は四年でしょう。清成さん初め三年やっているはずなんですから、清成さんは井上さんがおやめになった後ですね。そうすると、これはぼつぼつおやめになる時期でしょう。この辺をめぐって何となく底流に、だれをどこに持っていくかということで次の時代の原子力産業の心臓部を握り得るか否かという政財界を含めた生臭い話になる根源なんですな。私はそれだけに、この間佐々木さんがお話しになったようなことをそうでござんすかと聞いているわけにはまいらぬという気がする。将来必ずとんでもないことが起こる。私もこれに注目していきたいと思っておりますが、そこらのところを原子力局長、一体どうお考えでございますか。
  80. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたような点は私どももかねがね心得まして、その種の疑惑を受けることのないように十分注意してまいったつもりでございます。今後とももちろんそういう方針で進めることには変わりはございません。ただ、動燃事業団の業務の性格から申しまして、専門家を集めてまいりますと、先ほど大臣が御答弁になりましたように、どうしてもこういう形にある程度はならざるを得ないということもやむを得ないことでございますけれども、今後この開発の進捗状況あるいはその内容によりまして、先生が御指摘になりましたような疑惑を受けないような人事構成を考えることももちろん必要でございますし、また、従来役員を派遣しておりました企業あるいは企業グループ、業界がそれを既成事実として受け取ることのないように、むしろ従来の経緯にこだわらないで広く人材をこの際集めるべきであるということにつきましては、先般数名の役員の再任が行われましたときにも私と清成理事長と話し合いまして、基本的な考え方といたしまして御同意を得ている次第でございます。
  81. 大出俊

    ○大出委員 フランスの例などからいきますと、高速増殖炉、すでに実用炉と言っていいのでしょうね、百二十万キロワットというのですから。スーパーフェニックスというのですか、こういう計画がどんどん進んでいる。いろいろなものにそこにいく経過について書かれています。アメリカなんかだって、たとえば飛行機を売り込むんだって、議会が問題にしているように大変な金が実は流れているわけですね。各国の例がそうなんだから、日本も同じ資本主義国なんですから、やがてそういうことになりかねない。しかも、日本には原料がない。そうなると、さっき私は二つの問題でいささか厳しく物を言いましたが、これは科学技術庁そのものがよほどしっかりした機構制度そのものをきちっとつくっていかぬと——住民パワーもこれだけ激しくなってきている世の中でしょう。幾つもつくったって稼働しているのは二つしかないんだから。これも現実でしょう。それは関電の役員を佐々木さんや局長がえらいけんまくでしかりつけてみたってそれで事が済むんじゃない、そう私は思うのですよ。既成事実と受け取ってくれては困ると言ったって、既成事実ができてしまった。だから、受け取ってくれては困ると言うのなら、既成事実にならぬような人事配置を考えなければならぬことになる。間違いないところでしょう。分析化研にしても、あんなでたらめなめちゃくちゃな汚職事件が起こってしまって、国会指摘されて初めて明るみに出る。いまの動燃だって、こんなに金を抱えていて、会計検査官を五人も水戸市内の料亭きくちへ連れていって飲ましてしまう。しかもその理事の中には会計検査院第三局長をやった先輩までおる。おまけに警察の交通局長さんから警察大学校の校長さんまで監事に入っておる、こういう疑惑を持たれるような形の人事配置というものはお考えを願わぬといかぬ、冷静に考えてそう思っているのですよ。この点はぜひお考えおきを願いたいのです。なぜならば、世の中には、たとえば原子力船の「むつ」の洋上実験等について、稲葉さん初め二人の方が責任をとって原子力委員をおやめになる、そういう発言をなさった。しかし、実際問題として洋上実験にゴーのサインをお出しになったのは原子力局長さん、生田さん、あなたなんだ。そうでしょう。そうすると、世の中大騒ぎになって、膨大な金を使った。しかも「むつ」に使った原子炉のメーカー、三菱さんの方とも契約が切れているから遮蔽その他に使った金は賠償義務はないと言うのですね。こんなばかなことになっている。これまた国民の税金ですよ。そうだとすると、その局長さんの方は責任をおとりになってはいないわけですね、そうでしょう。私は、人材がない科学技術庁だというお話なんだから、生田さんに責任をとってやめろとは申さぬけれども、科学技術行政というものはよほど抜本的にお考えいただく必要があると私は考えている。だから、これはただ単に安全局をつくって四つの課をつくればいいなんという筋書きのものではないのだ、根本的にいま私が指摘をしている先の先までを考えて、科学技術行政というのはいかにあるべきかという姿を国民の納得する形で、少なくとも野党であるわれわれが納得する形でお出しをいただく責任とその必要がある、こう私は考えている。これは思いつきで言っているんじゃない、そこまで調べてみてそう思うからなんですよ。  それは〇・七%しか含まれていない235を使ってやっているわけなんだから、こんな資源のむだ使いはない。再処理過程にしたって、高速増殖炉をつくればいろいろなやり方が出てくるわけでありますから、そうなってくると、もっと根本的な問題を検討して所々方々納得するような形のものにしていかぬと、また癒着だ、ちょうちんだという騒ぎが起こる。またこの種のことが起こりかねない、こう私は思うので、この間ああいう言い方をいたしましたが、あらためて質問をしている、こういうわけでありますから、この辺ひとつ御答弁をいただきたいわけであります。これは私だけの危惧じゃないはずでありますから……。
  82. 生田豊朗

    生田政府委員 先生の御指摘はまことにごもっともでございます。  ただ、一つ申し上げておきたいと思いますのは、「むつ」の原子炉につきましての三菱原子力工業との責任関係でございますが、これは契約面では確かに先生のお説のとおりに保証期限が切れておりますので、契約上三菱原子力には保証責任がないことになっております。ただ、これは私もそれから大臣も繰り返し国会で御答弁を申し上げておりますように、契約のいかんにかかわらず三菱原子力工業の企業としての道義的責任から言って、少なくとも三菱原子力の責めに帰する部分の改修の費用については、当然三菱が負担すべきであるというように繰り返しお答え申し上げてきておりますし、現在でもそう考えております。したがいまして、三菱も当然企業としての責任を感じると思いますので、今後改修計画の進捗状況あるいは実施の状況を考えまして、そのように私どもも指導してまいりたいというように考えております。
  83. 藤尾正行

    藤尾委員長 この点、非常に重要な点でございますから、科学技術庁長官からも御答弁をいただきます。
  84. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 大出さんにちょっとお願い申し上げたいのですけれども、人事の問題等に関しましては、お説のとおり今後注意してしかるべきだと思いますので、いろいろ工夫をこらしたいと存じます。  いまの増殖炉等をなぜ日本が、あるいは各国が力を入れてやっているか、特にわが国がこれにおっしゃるような非常な大金をつぎ込んで、人材を動員して、国を挙げて進んでいるかと申しますと、天然ウランの〇・七%の235だけで、他からこれを仰いでやるということでは将来の日本のエネルギー問題としても問題でございますので——十分御承知だと思いますが、235が燃えている、と言ってはおかしいのですが、連鎖反応を起こしている最中に、残っている九九・三%の郷がプルトニウムに変わりまして、そのプルトニウムがまた燃料になる、いわば純国産になるわけでございまして、したがって石油とか石炭であれば、燃やせばそれで済んでしまうわけですけれども、原子力はそうじゃなくて、その分がまたプルトニウム燃料に変わっていく、いわゆる自分で燃料を増殖していくわけでございますから、これは日本のように資源のない国には非常に結構なことじゃなかろうか。しかし、それには世界を挙げて大変な研究、実験を必要としますので、御承知のように大変国費を投入いたしまして、大変な研究を進めておるわけでございますが、その研究そのものは、私はやっぱり進めていくべきじゃないかと思います。ただ、それを進めるに際しての仕組み等に関しまして、ただいま御注意もございましたので、これはひとつよく考えまして、過ちのないようにいたしたいと思います。
  85. 大出俊

    ○大出委員 原子力発電、石油に対する代替燃料として、将来それはだれが考えたって核融合なんでしょう。そこまでいかなければならぬという理想はあるのでしょう。しかし、まあともかくいまやっていく筋合いとしては、軽水炉ではならぬ、転換炉、あるいはさらに高速増殖炉、FBRまで進まなければならぬという趨勢にある。そうだとすれば、スーパーフェニックス、百二十万キロワットのフランスの例を挙げましたけれども、これは莫大な金がかかるわけですね。まして原料は日本にない。アメリカは日本に投資せよと言うに違いないのだ。そうでしょう、アメリカだって財政事情は悪いわけだから。そうなると、ますますもって国民の税金を大変に使わなければならぬことになる。半分民間に持たせる約束だったわけでしょう。持たぬと言うのでしょう。政府が持ってくれと言うのでしょう。千八百億にもなるんだからといって。そうでしょう。そうすると、べらぼうな国民の税金をつぎ込まなければならぬことになる。しかも、現在の過程は研究の過程、試運転の過程です。何も国民にもたらしてはいない。騒ぎが起こっているだけだ。それだけに原子力行政というものの根本に触れて考え直さなければならぬ時期ではないのか。ただ単に安全局、四つの課を出してきて済む筋合いではないではないかと私は言っているわけですよ。将来を否定しているわけではない。あなたにそういう御答弁をいただかぬでも、さっき私が申し上げたですよ、そんなことは。それだから、簡単に安全局だなんて言って出してきて通してくれと言ったって、そうはいかぬじゃないかと申し上げているわけで、アメリカだってそういう将来展望を持っているから、そしてどこに行っても住民パワーが起こってきているから、規制の部分と研究開発部分とを機構を分けているわけでしょう。なぜそこまでいく気にならないかと冒頭から申し上げているわけです。  それともう一つは、最初二つ申し上げましたが、これだけの金を扱うことになるとすると、これは国民の税金なんだから、妙な不祥事件、不正事件、汚職事件が起こっちゃ困る。だから、これは幾ら厳重に言ったって言い過ぎることはないと私は実は思っている、あってはならぬことがあるわけだから。その点を申し上げておる。  それともう一つは、いま「むつ」の話が出たから申し上げるのですが、言いわけにもならぬ、生田さん、あなた。契約上はないけれども道義的責任で会社に責任を負わせると言っても、それはあなた方のミスなんだ。なぜ一体契約上の責任を負わせるように初めから契約をしないのですか。契約上の責任として責任を負わせないのですか。国会へ出てきた責任者、社長さんは、契約上当社に責任がございません、とこう言っているじゃないですか。大臣もあなたも道義的責任を負わせると言うが、道義的責任というのは契約上の責任じゃない。いまの世の中の政治機構からながめてみて、下手に片方で道義的責任を負わせれば、これは国民の手前負わざるを得ない。負わざるを得ないが、そのかわりこっちの仕事を三菱にさしてくれなんて言いかねやしませんよ、そんなことぐらい。また妙なことが起こりますよ、そんなことをすれば。あなた方は責任官庁として、国民の税金を使ってやってきたのだから、契約上の責任を負わせるように、なぜ初めからやらない。ミスじゃないですか。  あわせて承りたいのですが、「むつ」の話が出てきましたからこの際承っておきます。いまの点は、ここに私は当時の新聞記事を持っておりますが、三菱原子力の社長さんの答弁がここにちゃんとある。石原栄太郎さん、三菱原子力工業社長。これは六月十八日の衆議院科学技術対策特別委員会です。放射線漏れの直接の原因となった高速中性子についての知識が未熟だったのは反省している。遮蔽改修に伴う費用分担についてはすでに日本原子力開発事業団との契約期限が切れており、補償責任はないと述べたと書いておる。契約上ない。道義的責任をあなた方負わせようとすれば——民間の企業というのは営利企業です。一つ間違えば見返りの話が出かねない、政治的に物を言えば。だからこういうものは、不明朗な道義的責任などというのではなしに、ぴしっとその意味では契約上の責任を負わせられるようにしておかなければならぬ筋合いでしょう。そこで大臣、「むつ」は一体どうするつもりなんですか。あそこにつなぎっ放しで、国民の税金を大変にかけた船が使いものにならぬで、陸奥湾のホタテ業者のところにばかり置いて、魚のえさか何か知らぬけれども、ブラジルに売るとか何とか言うが、これは売ってしまうのですか。こんなものいつまで置くつもりなんですか。これはどういうことになるのですか。
  86. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 「むつ」自体を修理すれば、放射線の漏れ等も起こさずに、実験船としての使命を達するかどうかという点で、御承知のように、工業大学の学長でありました大山義年教授を首班にいたしまして、半年以上かかりまして、検討を進めたことは御承知のとおりでございます。  その結論は、改修をしあるいはどうせ改修をするのであれば、原子炉そのものをもう一遍総点検させる。そうすればこの船はりっぱな船になりますという結論が出ました。しからばその修理とはどういう修理をしたらよろしいか。総点検とは何々をどういうふうに点検したらよろしいかという計画を綿密に事業団がいたしました。そして大体結論がつきましたので、そのままではまたああいう事故が起きては大変でございますので、私どもの役所と運輸省が中心になりまして、学界あるいは経験者の皆様にお入りいただいて、事業団の修理計画あるいは総点検計画をただいまレビューしている最中でございます。近くそれができますれば、自信を持って修理、点検が安全にできますよという証明になりますので、それを待ちまして、まず修理、点検をする港を日本のしかるべきところに求めまして、そして船を完全にするというふうにいたしたいと存じてただいまその計画を進めつつございます。
  87. 大出俊

    ○大出委員 何か私のところの石橋書記長の地元に持ってくるという、まことに迷惑な話なんですけれども、これはどうなったですか、佐世保というのは。何か請願が、漁協を含めて民間団体から五つぐらい出て、いずれも継続審議で決まらずというのじゃないですか。佐世保はどういうことになるのですか。あなた方あきらめたのですか。
  88. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 したがいまして、国といたしましては、去年青森との話し合いのときには、まず初め第二母港を指定して、その第二母港で修理、補修を、総点検をいたした方がよろしいというふうに考えておったのですけれども、やはりそれじゃなしに、いま申しましたような、順序で、修理、総点検をして、これで安心してくださいということで母港に回すのが国としては当然のことじゃなかろうか。また受ける方もその方がよろしかろう。「むつ」自体にとっても早く修理、総点検をして、完全な船になるのが望ましいことでございますから、そういう点を考慮してただいま先ほど申しましたような措置をしておるわけでございます。  さて、それじゃ修理、点検のためにどこへ持っていくつもりだという問題になりますけれども、いまのところ修理、総点検の港は、私の方では、どうですかと言って、直接正式に申し入れをしておるところはございませんけれども、佐世保市ではそういう非常にありがたいおぼしめしを持っておるようで、新聞あるいはテレビ等にもしばしば報道されておりますし、私どももそういう時期が来ますれば、こちらから現地の情勢もいろいろ踏まえましてお願いするときが来ればお願いしなければならぬのじゃないかというふうに実は考えております。
  89. 大出俊

    ○大出委員 そうすると、いまのところはどうしても佐世保に持っていくというのですか、あなたの方は。あなたの選挙区の秋田なんかにはないのですか。どうですか。わざわざ佐世保まで「むつ」を持ち込むのですか。まだそう思っておるのですか、あきらめないで。
  90. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 実は母港を選定する際には、日本じゅうずいぶん丹念にあらゆる条件を吟味しましてやってみました。しかし、母港の問題はなかなか一遍にというわけにいきませんので、いま申しましたように、まず修理、総点検をしまして、そうしてその上で母港を自分のところにというところがあれば、さらにそこを考えなければいかぬでしょうし、修理、総点検がすぐできるわけではなくて、恐らく二年、三年とかかる問題ですから、その問題はゆっくり考えていったらいいのじゃないかというふうに実はしております。
  91. 大出俊

    ○大出委員 そうすると、これはちょっと疑問があるのだが、いまの青森県のむつから長崎の佐世保に持っていって、佐世保で二年か三年かかって修理するのですか。そうして今度またどっかに母港を見つけるのですか、それから。
  92. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 佐世保の方へは私まだ正式に交渉したわけじゃないのですから、すぐ母港にという考えじゃなくて、修理、点検の港がないようであれば、自分の方で修理、点検をしたらどうですかというおぼしめしのようでございますので、こちらの方の計画ができて、これで自信を持って修理、点検が安全にできますということがはっきりいたしますれば、それでもってお願いしようか、こういう段階でございますということを申し上げたのであります。
  93. 大出俊

    ○大出委員 時間の関係もありますからやめますが、これは佐世保だって反対運動が起こってしまって、請願が五つ出て、各党含めて、これはみんな継続審議にする、いまというわけにまいらぬということになった。したがって、あなた佐世保、佐世保と言うけれども、現地の方は受け入れ反対の請願がたくさん出て、その処理について、漁協その他の反対が大変強くなっておるものですから、皆さんのところを含めて、これはどうもぐあいが悪いというので継続審議にしたわけですから、これはちょっと決まらない。  そこで、ここに「船体腐食の恐れ」と書いてありますけれども、これはますますもって腐食度が高くなれば高くなったように価値は下がるのだろうし、金はかかる。科学技術庁責任ますます重大なんですけれども、しかし、方法がないんだからしようがないと、こういうわけですか。
  94. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 しようがないのじゃなくて、せっかく国でつくったものであり、また世界的にも四番目にできた原子力船でもあり、将来原子力船というものは意味のないものだというなら別でございますけれども、この春以来日本の大家の連中に集まっていただき、あるいはアメリカの大会等にも参りまして、そうして世界の情勢を観察いたしますと、少なくとも十年後には世界は原子力船時代に入ります。こういう結論を得ておるわけでございますから、世界一の造船国であり、海運国である日本がその事態に備えないでおるということはおかしいじゃないか。しかも、この実験船は修理、点検すればりっぱになりますというお墨つきがあるわけでございますから、この際、これを生かして国民の負託に沿うということを考えるのは、私は責任政治家として当然の任務だと思っております。
  95. 大出俊

    ○大出委員 幾ら思ったって、受け入れるところがなければ、これは魚のえさみたいなものになってしまっておるわけですからね。それでも科学技術庁はどうも責任をおとりになる方がいないという不思議なことになっている。だから私は、この種の法案は抜本的に練り直して出し直していただいたらいい、先ほどの理由を含めまして、こう申し上げておくわけでありますが、後の時間の関係もございますから、いまの点は途中になりましたが、これで終わらしていただきます。
  96. 藤尾正行

    藤尾委員長 鬼木勝利君。
  97. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 ただいま大出議員から御質問があっておりましたが、私も同じようなことをちょっと最初にお聞きしたいのです。  いまの長官の御答弁では大出議員も御了承なさっていないと思うが、どうも私も納得ができない。三木さんが先日私どもの福岡に参りまして記者会見をされた。そのときに「むつ」の母港について発言をされております。簡単に申しますと、現時点において佐世保市と折衝する段階ではない、政府としては十一月中にでも安全性審査を終えて、その結果を待って確信を持って折衝したい、この問題は慎重に進めて、安全性を第一にしたい。もっともなことでありますが、こう述べておられるのですよ。ところが、いまの長官お話では、大体その話の順序はよく似ておるようですけれども、総理は十一月中に何とか安全性確保という点について答えを出したい、そして折衝したい。果たしてそれがそのとおりになるかならないかは別として、非常に明快な記者会見をして答えを出している。いまあなたのお話では、時期的にいつごろとも何とも言われない。ただ不信を払拭して、皆さんが納得するようにしてからお話をしたい。それじゃ、それはいつごろのことやら、あるいは先ほどもお話があったように、いつまでたったって「むつ」の行方はと、こういうことになるのですよ。もう少しはっきり的確な目安、見当というものがあるはずですね。総理は現にそういうふうに話しておられる。そういう点について長官はどのようにこれを受けとめていらっしゃるか。
  98. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 先ほども申し上げましたように、ただいま「むつ」の修理、総点検計画を技術的に最終の仕上げをする最中でございます。この計画を遂行すること自体が、安全の問題では何ら心配ありませんよ、修理、総点検が済んだ暁にはりっぱな安全な船になりますよ、こういう計画をただいま最終的に詰めているところでございまして、それが済みますれば私どもも確信を持って、こういう計画で修理、総点検いたしますからひとつそれでお引き受けいただけませんかというふうにしてお願いしたい、確信を持ってお願いしたらどうだろうというのが私どもの考えでございまして、しからばその時期はいつかと申しますと、ぴたり十二月の何日とか十一月の何日とかというふうな日にちはただいまのところはまだ決めておりません。ただ、おおよそその計画のめどがつくのは今月の下旬でございますので、その後の現地の状況等も勘案して、正式にお願いするのは恐らくは十一月の下旬から十二月の初めというふうな時点になるのじゃなかろうか、こういうだけでございまして、総理も恐らく同じことを申したのだろうというふうに考えております。
  99. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 総理は十一月中というよりも、十一月中旬をめどにと発表しておるのです。ところが、いまの長官お話では、はっきりしためどはわからない、恐らく十一月下旬か十二月になるであろうというようなすこぶるあいまいな御返事ですが、これは総理の独走ですか。勝手に総理が発言したのですか。そういうことならこれは問題ですよ。
  100. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 独走でも何でもないのでありまして、先ほど来言いましたように、十一月の中旬から下旬に恐らく計画は私どもといたしましてこれでレビューが済みましたという段階になりますので、それを踏んまえまして、そして現地の情勢等も勘案してお願いいたします。こういうことでございますから、行政処分として何月何日どうという問題ではないのでございまして、私は総理も同じように言ったんだと思います。
  101. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 それは結論として、佐世保市と折衝なさって、それがどういうふうになるかわかりませんけれども、少なくとも折衝を始められるのは十一月中旬から下旬にかけてがめどで、総理の言ったことと食い違っていない、われわれもそのように準備を進めておる、かように理解してようございますか。
  102. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 一応その目途でございます。
  103. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そうしますと、局長にお尋ねしたいのだが、「むつ」総点検・改修技術検討委員会というのがあるようですが、どのように検討されて、先ほども話があっておったように、皆さんを納得させる、これは言いかえれば国民が納得のできる、説得するところの用意があるかどうか。十一月下旬と言えばもうすぐですよ。わざわざこういう「むつ」総点検・改修技術検討委員会なんというものがあるが、そういうところでどういう検討をしておるのか。安全性という点についてどのように皆さんを納得させるのか。これは、私どもにここで簡単にあなた方が都合のいい答弁をなさったってだめですよ。十一月下旬と言えばもうすぐですよ。総理との話は食い違いないとおっしゃっている。いやしくも総理が地元に来まして記者会見してはっきりしたこういう発言をしておるということは、これは簡単にいきませんよ。ですから、どのようにあなた方はその安全性という点について納得をさせるか。説得するだけの用意があるか。どのようにいま検討しておるか。こういうことをお尋ねしたいのです。
  104. 生田豊朗

    生田政府委員 「むつ」総点検・改修技術検討委員会でございますが、これは本年の八月十二日に科学技術庁と運輸省が共同で設置したものでございます。この目的は、日本原子力開発事業団が実施いたします「むつ」の安全性の総点検及び原子炉の改修に関しまして技術的な検討を行うことを目的にしておりまして、東大の安藤先生を座長にいたしまして、あと十数名の専門家を網羅しております。これまで三回この検討委員会を開催いたしてきております。本月の二十五日に第四回を開催する予定でございまして、でき得ればこの第四回目で審査を終わるようにいたしたいというように考えておりますので、先ほど大臣が御答弁になりました本月下旬というのは、その二十五日の第四回の委員会を指して言われたことでございます。  この検討の内容でございますが、原子力事業団が作成いたしました安全性確認のための総点検のスケジュール、これは三つの点に分かれておりまして、一つ原子炉及びそれに関連いたします機器のハードウエアと申しますか、つまり機器類そのものの点検でございます。それからもう一つは、設計それ自身をもう一度全面的に見直す、それと同時に事故解析、関連実験なども行うということで、いわば全く白紙に返した状態から、原子炉の設計につきましてもそれからでき上がった原子炉そのものにつきましても全面的に総点検をするということでございまして、現在のところ約三年間、昭和五十三年度いっぱいをこれに要するという予定でございます。それからもう一つは、昨年の放射線漏れの原因でございます原子炉の遮蔽につきまして改修を行いたいということでございまして、これもやはり約三年間かかるわけでございますが、この遮蔽をやはり根本的に検討いたします。改修の設計にまず着手いたしまして、その後遮蔽に使います材料の試験、それから遮蔽のモックアップ、実物大の模型をつくりましての実験、さらに構造試験その他を経ました上で、昭和五十三年度から改修の工事に入りたいという計画でございまして、先ほど申し上げましたように、この計画を従来三回審査し、さらに四回目を今月の二十五日に開きたいという予定にいたしております。  もちろんこの事業団の計画をそのまま了承するということでは当然ございません。あらゆる観点から検討をいたしまして所要の修正は加えるわけでございますが、これを全部終わりました段階では、政府といたしまして、まず第一に、この「むつ」の原子炉を今後動かすことについての安全性については十分の自信ができる。それから第二に、問題の原子炉の遮蔽部分につきましての改修修理につきましても、まずその修理が安全にできるということはもちろんでございますが、修理いたしました後、その遮蔽の効果が十分であるということを確認できるわけでございまして、先ほど大臣も御答弁になりましたように、この検討の結果が出ますと、そこで政府といたしまして地元の方を初め国民の皆様にこの「むつ」の安全性について確信を持って御説明できるということになると考えております。
  105. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 過去において三回そういう検討会をやって、二十五日に第四回の検討会、それで終わりだ、それによって結論を出す、だから安全性の問題について十一月下旬にははっきりした説得のできる自信が十分ある、こういうことですね。そのように理解していいですね。  そうしますと、佐世保の方では、とてもあなた方のお考えになっておるような雰囲気ではないのです。私も先般現地視察に行きましたが、非常に反対が強い。猛烈に反対をしております。ですから、私の考えるところによると、あなた方は簡単に、結論を出すからそれで地元の方を納得させる用意がある、こういうことを言っていらっしゃるようですが、地元の方々や一般の方々を納得させるというあなた方のお考えなら、それではなぜ「むつ」の発足のときにそういうことをなさらなかったか。     〔委員長退席、木野委員長代理着席〕  つまり、原子力の基本である自主、民主、公開、そういう点が非常におろそかであった。ただ開発開発開発だ。総合エネルギー問題の対策として原子力の平和利用ということは、これは時代の趨勢かもしれません。が、しかし、そういうことに悪乗りして、ただ開発開発だ、それで原子力の基本精神である自主、民主、公開という点を忘れておった。まあ忘れておったと言うと語弊があるかもしれませんが、おろそかにしておった。軽視しておった。結局開発が先で行政面が後からついていった。後追いをした。その行政の非常におくれておる面をあなた方は簡単に、説得するとか納得させるとか言っておられるけれども、われわれでも納得できません。ですからもう少し——この法案の問題でもそうですけれども、ただ安全局をつくってくれ、安全局をつくってくれなんと言ったって、安全局をつくれば国民は全部納得しますか。安全局をつくったからといって、何も納得するわけじゃありませんよ。それよりも、この原子力の問題について本質的な、もっと根本的な問題をあなた方は抜かっているのじゃないか。後でまたお話ししますけれども、原子力懇談会の方からもはっきりそういうことを指摘されておる。しかも安全局なんというものをあなた方はつくってくれ、つくってくれと言っておるけれども、どうしてその安全局をつくれば国民を納得させることができるか、その点ひとつ。長官でなくて局長でもいい。
  106. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 まず、安全問題に対する組み方が原子力基本法の自主、民主、公開の原則に反するのじゃないかというお話でありますけれども、私どもは実はそうは考えておりません。自主、民主、公開の原則のままこの問題を進めたつもりでございます。この「むつ」の開発は国産技術でやるというので大変大胆な企画でございましたけれども、国の技術を総動員いたしましてつくり上げたものでございます。それから民主というのは、私どもの解釈では、従来の官庁の独善でやるのではなくて、新しい技術でもあり、また将来民族の興亡にもかかわる大きい問題であるから国の各界、各省の総意でもってこの問題を進めなさい、一官庁の権限だけでやるということはいけませんよという趣旨原子力委員会等ができたものと存じております。したがいまして、この船の設計、建造を進める場合には、原子力委員会を初め英知をしぼって民主的につくったものというふうに解釈してございます。それから、できた資料の公開の問題でございますけれども、これは御承知のように、できるだけ各メーカーその他の今後の業務にも役立つように、技術の進歩に役立つようにできるだけの公開をしているつもりでございます。  そこで、後段の問題の原子力安全局をつくればすぐ安全になるのか、こういうお尋ねでございますが、もちろん安全局をつくったからすぐあした目が覚めてみれば原子炉は安全だったというふうになるとは私ども考えておりません。原子炉の安全そのものは、何といっても技術的に積み上げて、そして研究実験の結果これであれば安全であるというふうに、まずそのもの自体の研究実験を何回も繰り返してこれが大丈夫だというのが本筋でございまして、それを国で審査、検査をして、これは間違いありませんよといういわばお墨つきをつけるわけでございます。ですから、安全の問題といいますと根本は何といっても研究開発がもとでございます。そのできたものが安全かどうかということが一般の皆さんは御心配でございますから、国としてこれであれば大丈夫だという認定をするのが審査、検査でございます。それをさらに、大変新しい技術でございますから住民の皆さんが御理解いただけない面もあるでしょうということで、住民の皆さんの御理解協力を得るようにいろいろ努力することもこれまた当然のことでございまして、その中でこの安全局というのは何を担当するかと申しますと、いま申しました安全全般にわたる問題点をここで扱って、そして国としての責任の所在を、いままでももちろん原子力局がございましてそこで扱っておったのですけれども、さらにこういう事態になったものですから、分別して、そういう規制面は規制面としてはっきりさせようじゃないか。  それからもう一つは、原子炉の安全というのは、第三者あるいは環境等を何かの事故で汚染するおそれありや否やという安全問題のみならず、この炉が軍用に転化されはしないか、あるいは燃料等が核兵器等に転用されはしないかという査察——、日本は現在国際査察を受けておりますから、核防条約をいま出しておりますけれども、今度承認されれば日本自体がこの検査、審査を自主的にやらなければいけません、そして国際機関が立ち会うように逆転したかっこうになります。そういう場合に、だれがこれを責任を持ってやるかと申しますと、この安全局責任を持ってやります。これは新しい形式でございます。  もう一つ問題になってきているのはハイジャック的な問題でありまして、いま世界で問題になっていますけれども、プルトニウム等の盗難、これでひそかに爆弾をつくったりして悪用するというそのおそれありやなしや、そういうものに対する監視監督等はどうしたらよろしいか、こういういろいろな問題がございまして、そういう面でいままでの体制のままではまだ不十分でございますから、せめてこの安全局をつくりまして内容を充実すると同時に、責任の所在もさらに一層明確にしようじゃないか、こういう意味でございまして、安全局をつくったからすぐあしたから原子炉が安全になり、あるいは核兵器の転用のおそれもありません、盗難のおそれもありません、こう言っているのではございません。それに対処する意味で少しでも国としての責務を果たそうじゃないか、こういう意味でございます。
  107. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 いま長官から御答弁いただいたのでございますが、いずれも万全の処置をとったようにおっしゃっているけれども、いずれも不徹底ですね。自主、民主、公開の三原則にいたしましても決して国民の総意でない。公開という点につきましても国民には周知徹底していない。あなた方は安全だ安全だ、絶対に安全だとしきりに口をついておっしゃっているけれども、国民はいささかも安全だということを理解していません。不信を持っている。だから長官は、われわれは三原則は十分尊重してやったとおっしゃっておるけれども、現実にはそうなっていない。だからこういう問題が起きている。  先般原子力船の懇談会から報告書が出まして、これはことしの三月に発足したのだと思いますが、原子力委員会のもとに原子力懇談会というのがあって、九月にこれは廃止になったのですか、私も全部読ましていただきましたが、三点に要約できるようでございます。その第一点は安全確保のための措置、結局組織の体制強化、これを第一にうたってあるようでございます。最も重要な点としてこれも先ほども論議があったようでございます。それから第二点は、先ほどからお話があったように、総点検・改修技術検討委員会というのが科学技術庁と運輸省とで国の機関としてつくられて、ことしの八月に発足しておるようですが、その安全確保の第二点として、安全性確保を最重点とした検討があらゆる角度から行われることを期待する。それから第三点として、内閣原子力行政懇談会において現在検討が進められておるが、その結論を待っておる、その結論によって考えなければならぬ。この三つのことが、大体要約すればこの本旨のようでございますね。  そこで私がお尋ねしたいのは組織体制の強化、この懇談会の報告によってどのように組織体制の強化が今日できておるかということですが、局長いいですか。それから第二点、第三点、いま私が申し上げたこの三点について局長にお尋ねをしたい。  それから、先ほど長官がおっしゃっておったけれども、地元住民理解協力、「むつ」の開発推進にあたっては、定係港近隣の地元住民を中心とする国民の理解協力を得ることが大前提である。このため、政府および事業団は、きめ細かな対応を通じて地元住民理解協力を得るよう最善の努力をすべきである。なお、「むつ」を所期のとおり完成させ、運航経験を積み重ねることが原子力船に対する国民の不安を取り除く最上の道であると考える。」これは後の問題になると思いますが「地元住民理解協力」こういうことも報告をしてあるようでございます。  そうしますと、やはり私が先ほどから申しましたように、自主、民主、公開などということを十分やっていないからこういうことが報告にも出ている。いいですか。それが十分できておればこんなことがあるわけはない。できていないからこういう問題が起きている。そして懇談会からもこういう報告が来ている。みんなそういう手が抜けておる。  しかも、あなた方の答弁を聞いているとなかなかうまいことをおっしゃっておるようだけれども、こういうようなものが全部ことごとく後追いなんだ。なぜもっと前に、こういう問題が起こる前にこれをはっきりやらなかったか、自主、民主、公開なんて言っているけれども。こういう事故が起きて、全部これは後追いなんだ。こういう機関をつくるのも全部後追いだ。そういう点について、まずこの三点について局長のお答えを願いたい。  この前の私への答弁にもあなたははっきり言っているんだ。「今度こそ間違いのないように原子力事業団の全体としての体制の強化を図ってまいりたいというように考えております。」では、どのように強化するようにあなたは考えていま計画を立てておるか、それをひとつ……。
  108. 生田豊朗

    生田政府委員 お答え申し上げます。  先生の御質問の三点でございますが、まず第一の事業団の強化、特に原子力懇談会の報告書に書いてありますような技術水準の向上でございますが、この点につきましては、まず第一が役員の総入れかえを実施いたしまして、理事長以下強力な布陣をもって新しい役員を任命いたしております。それから第二に、特にこの技術問題につきまして、原子力開発事業団の技術部の陣容を強化するということで新しい人材も多数導入をいたしましてこの技術部門の強化を図っております。この二点が第一の事業団の技術水準の向上、組織体制の強化でございます。  それから第二の点につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、科学技術庁と運輸省の共同で技術検討委員会を設けまして、すでに三回審議をいたしております。四回目が二十五日の予定でございますので、この懇談会結論どおりにあらゆる角度からこの点検、改修計画を検討審査している段階でございます。  三番目の安全審査を含みます原子力行政あり方でございますが、これは先生承知のように、内閣原子力行政懇談会が本年三月に設けられまして、有沢先生が座長に就任しておられますが、三月以来最近まで十九回の審議を行っております。かなり議論が煮詰まってきている段階でございますが、何と申しましても非常に重要な問題でございますので、委員先生方が当初からまず基礎的な勉強から始められるというようなことで、私ども事務的な御説明、あるいは関係の各界の代表からのヒヤリングをおやりになりまして、それで相当の時間を要したわけでございます。  十月になりまして、有沢座長のたたき台という形で有沢試案が提示されまして、それからやっと実質的な審議に入りまして、現在有沢試案をめぐります幾つかの問題点につきまして、ほかの委員先生からも対案が出されまして、非常に精力的な検討が行われている段階でございますが、まだその骨格の問題につきましてもかなり論点が分かれております。煮詰まっていない点が多うございますし、その他それに関連いたします。たとえば地方自治体と国との関係であるとか、ほかの制度、たとえば電源開発調整審議会との関係であるとか、あるいは制度関係のない一般的な行政のやり方であるとか、そういう問題につきましてはまだほとんど議論されておりませんので、その点十分議論を尽くしますと、もうしばらく時間を要するというふうに考えておりますけれども、私ども政府といたしましては、なるべく早く結論を出していただいて、なるべく早く実施に移したいというように考えております。それではこの安全審査に間に合わないではないかという御指摘があるかもしれませんけれども、今後のスケジュールは、先ほども御説明申し上げましたように約三年かかるわけでございます。したがいまして、この原子力懇談会結論にもうたってありますように、具体的な安全審査あるいは工事の検査という段階になってまいりますと、当然この新しい機構で実施するというようなことになろうかと思いますので、この点もややスケジュールはおくれておりますけれども、この原子力懇談会結論に沿った方向で実施できる、かように考えております。
  109. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そこで、いまあなたのおっしゃったように、役員の総入れかえをやるとかあるいは技術部門の強化をするというような組織体制の強化を図るんだ、そのように考えておるといういまのあなたの御説明で、第二点、第三点は大体私の考えと同じような考えでございますが、第一点の役員の総入れかえあるいは技術部門の強化ということによってこの事業団の延長をしていく、つまり、御承知のとおりこれは時限立法ですから、来年の三月にこれが切れるのをまた延長していくんだというようなお考えであろうと思います。それではこの事業団の時限立法をいつまで延長されるのですか、それをちょっと承りたい。
  110. 生田豊朗

    生田政府委員 先生承知のように、原子力事業団法は明年の三月三十一日をもちまして廃止する規定になっております。しかし、先ほど来御説明申し上げておりますように、これから非常に重要な段階に差しかかるわけでございまして、当然事業団の存続期限を延長しなければいけないわけでございます。で、この原子力懇談会も含めまして、いろいろその点につきまして検討を重ねてきたわけでございますが、現在のところ私どもの考えといたしましては、少なくとも原子力船が研究開発段階にある間、すなわち、逆に申しますと原子力船が完全に実用化の時期に到達するまでの間、これは相当長期間になると思いますが、その間は原子力開発事業団を存続させるべきである、したがって、そういう方向での法律の改正をお願いしたいというように考えております。
  111. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 そうしますと、実用化に至るまでというのは、どの程度で、十分研究期間を経てもう大丈夫、これを自由に、あなた方のお気持ちで言うならもっと第二船、第三船とつくって、そして十分航海して回ることになるのか。これはまた問題もありますけれども、どこの国ともまだあれを結んでいない限りはどこにでも行かれるわけじゃないけれども、それは後の問題として、実用化ということは、ほぼどの程度で実用化までにいかなければならぬという大体のあなた方の計画ですね。これは原子力開発利用長期計画というのがあるが、そういう長期計画という点もこれは大分手直しをしてこなければならぬと私は思う。これは大分変わってくると思うのだ。これも一度聞きました。いろいろ拝見しましたが、こういう点も十分手直しをしてもらわなければならぬと私は思う。こんなものをいつまでも出しておって、われわれのところへやっておったってこれは死文化すると思うのですね。そういう点についても大体の見通しというものはなければならぬと思うのですね。実用化に至った時点においてやるんだなんて、事業団を廃止するんだとか——時限立法ですからね。延長するならば、時限立法ですからきちっといつからということを決めなければならぬですよ。あなた方はそういうお考えもまだないんだな。おれのところは一体どこへ行くんだということじゃ原子力安全性も何もありゃしませんよ。それは言えなければ言えぬでいいです。そのようにわれわれは解釈しますから。
  112. 生田豊朗

    生田政府委員 この原子力懇談会の報告書でございますが、その中にもいまの先生の御質問の点がこの結論で示されております。これは私ども同じ考え方でございますが、原子力船の実用化の時期を一九八〇年代の後半というように見込んでおります。一九八〇年代の後半と申しますと、一九八五年が昭和六十年でございますから、昭和六十年代の半ばごろということに相なろうかと思います。つまり、いまから計算いたしまして十年ないし十数年後に恐らく原子力船の実用化時代が到来するであろうという見通しでございます。これは世界的な動向としてそういうふうになろうかと思いますので、それまでの間は原子力船の研究開発のための組織を存続させ、開発を積み重ねていくことが必要であろうというように考えております。
  113. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 それを聞きたかったのですよ、ちゃんとここに出ているから。だが、あなたは全然わからぬようなことを言っている。おれはどこへ行くかわからぬと言うが、ここにちゃんと書いてあるんだ。あなた、少しは勉強しているのですか。もう少し勉強しなきゃだめだよ、本当に。  そこで、まだ私いろいろ聞きたいのだけれども、いま私がお尋ねした原子力開発利用長期計画、これはもう四十七年の六月に出ているのですよね。これはずいぶん古い話なんだ。こういう長期計画というものも、これは自然手直しがずっとできてくると私は思うのですがね。こういうまとまった、はっきりしたものを、あなた方は断片的なことを言わないでもう少し系統立った、少なくともこれを読んだ人は一応原子力安全性ということに対しては大丈夫だとわかるような長期計画というものをはっきりお出しになるお考えはありますか。手直しをして現時点に即応した、しかも将来に向かってのビジョンをね。そうしてわれわれにわかってもらう。こういう三日前の古新聞じゃなくして。これは三年も四年も前のあれなんだからね。これは私も簡単にちょっと読ましてもらったけれども、余り役には立たぬですよね。そういう点についても御計画がありますか。
  114. 生田豊朗

    生田政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、この昭和四十七年度の原子力開発利用長期計画を改定すべき時期に来ていると考えております。それで、本来長期計画は従来大体五年ごとに改定してきておりまして、この前は昭和四十二年に長期計画をつくったわけでございますので、この五年後、つまり昭和五十二年に改定すればよいわけではございますが、先生承知のように、最近の原子力をめぐります情勢の変動は非常に激しいものがございますので、五年と言わずなるべく早い時期に全面的な改定をすべきだというように考えております。  それで、そのための準備といたしまして、この基本計画の中の大きな柱になる項目が幾つかございます。原子力船もその柱の一つでございますが、特にその全体の中核になりますのは動力炉の開発計画でございます。そこのところをまず固めませんと全体の計画の大黒柱ができないわけでございますので、そのためにまず動力炉開発専門部会をつくりまして、ただいま検討をお願いしている段階でございますので、その結論を待ちまして、後ほかの要素、項目の再検討も並行して行いまして、先生の御指摘のように、なるべく早い時期に全面的な改定をいたしたいというように考えております。
  115. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 次に、有沢さんが試案として提案されておるのですが、これも正式には、先ほどのお話のとおり十一月の下旬に最終的なものを答申される、報告される。ところがそれを受けて一これは私、少々問題があるんじゃないかと思うが、その中で特に私の目を引いたのは「現行の原子力委員会のほかに、新たに「原子力規制委員会」を設置することにある。首相の諮問機関である現行の原子力委は自主、民主、公開というわが国原子力平和利用三原則の“お目付け役”として諮問機関のまま残し、原子力委の安全、環境部門を新設の原子力規制委員会に移管するというものである。」無論これは試案ですが、これはまた十一月の下旬に結論として答申、報告されると思いますが、さあそうなった場合、いまあなた方は安全局をつくってくれ安全局をつくってくれと言っておられるが、どうも近ごろ、この最近になったら安全局をつくってくれという意欲が非常に喪失しておるように思うし、知らぬ顔して、前国会のときなんかにはやあやあ言って私らのところに迫っておられたが、どうも今度は余りそういうふうな意欲もないようだが、こういうことを踏まえて、これは安全局をつくってもまたどうなるかわからぬぞ——これは私の悪い考えかもしれぬけれどもね。なるほどアメリカあたりは、私の聞くところによりますと、安全、規制というのは別になっておるようでございます。そうなりますと、原子力委員会はそのままで、安全、規制、つまり環境安全というのとは別に規制委員会というものをつくって、それで開発と別にする。そうすると安全局というのは一体どこへ入っていくか、どうなっていくか。安全局と規制委員会との連携といいますか、ちょっとそこは一体どうなるか。いまやあやあ言ってあわてて安全局をつくる。原子力に対しては当然安全の確保ということが最重要な、一番大事なことなんだから、それにいままで安全局をつくっていなかった、今度は事故が起こったところが安全局をつくってくれというぐあいに、にわかに安全局安全局と言う。ところが、今度有沢さんの試案によると、環境安全というのと別に規制委員会というものをつくってやれと……。そうなりますと、やはり原子力行政ということの、これは先ほども言ったが、長期計画というようなこともまたつくり直さなくてはならぬ、手直しをしなくてはならぬ、また、あなた方がいま考えていらっしゃる点も考え方を変えなければならぬ、そういう有沢さんの原子力行政改革のこの試案、下旬に出る報告、答申、そういうことに対してどのようにお考えになっておるのか。  いまにわかに安全局はつくらなくても、これはちょっと待っておったらどうかという気持ちもわれわれの方にはあるんだ。ですから、そういう点については、どうも最初から安全局安全局なんてあなた方はおっしゃるけれども、局をつくろうがつくるまいが、原子力行政ということに対しては安全が第一なんだ。これ以外にない。ただ形の上で安全局をつくれば原子力行政はもう完璧だというような、そういう平易な考え方は私らは受け取られない。どういうふうにそういう点をお考えでございますか。
  116. 生田豊朗

    生田政府委員 初めにおわびいたしたいと思いますけれども、私ども、安全局をなるべく早くつくりたいという意欲は全く衰えておりません。さらに強まっていることはありましても、衰えておりません。ただ、先生に余り同じことを何回もお願いするのは恐縮でございますので、その辺、あらためておわび申し上げます。  それから、有沢試案安全局との関係でございますけれども、有沢試案は、ただいま先生が御指摘になりましたように、原子力委員会を二つに分けまして、原子力委員会と規制委員会に分けるという構想になっております。安全局はそれの事務方を受け持つわけでございます。で、有沢試案におきましては、その事務局をどういうふうにするかということが必ずしもまだ明確に示されておりません。今後の検討課題ではございますけれども……。  一つ、その有沢試案の非常な特徴になっておりますのは、安全審査をいま科学技術庁なり通産省がやっております形ではなくて、もっとダブルチェックの形をはっきりさせるということがその試案に示されているわけでございます。その方が国民の信頼をより高めるのに有効であろうということでございまして、まずその事務当局におきまして安全審査を完了して、その安全審査報告書を原子力規制委員会審査するという形で二重に安全審査をする。いまは原子力委員会の安全専門審査会と私ども科学技術庁原子力局とが一体になって審査をやっているわけでございますが、これを二つの段階に分けまして安全審査を二重にやって、さらに国民の信頼を高めるべきであるという点が非常に重要な点でございます。  これはなかなかすぐには実行がむずかしい、行政ベースにおきましての技術的な人員の整備、増強も必要でございますが、ということも書いてございますけれども、そういう観点から考えますと、安全を担当いたします新しい局というのは、これはどうしても必要になってくるわけでございまして、むしろ有沢試案のその部分の線に沿って行政機構整備をいたしてまいるということになりますと、安全局というものがありませんと、行政府がまず最初に行います安全審査責任を持って行い得ないということになってまいるかと思いますので、有沢試案はまだ全くのたたき台でございますけれども、少なくとも有沢先生がそれをお書きになりました全体の構想の中には、この私どもの安全局の構想は非常にうまくはまってくるというように考えております。
  117. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 無論これは試案であって、たたき台だとは思いますが、あなた方ももうすでに御承知になっておると思うから、それに対してどういうように対処しようとなさっておるのかをちょっとお伺いしたわけなんです。  それで、有沢試案で——これはもう御承知と思いますけれども、原子力委員会はなぜ必要であるかということ、これがはっきりしていない。「原子力利用が平和目的に限られるよう監視すること。」まずこれが第一点。「原子力利用が計画的効率的に行われるよう国全体の原子力活動に関し、計画の策定し、調整すること。」これが先ほど長官もおっしゃったけれども、どうもわれわれは納得ができない。「国全体の原子力活動に関し、計画を策定し、調整すること。」これができていない。これは長官が何とおっしゃっても、できていないから、こういうふうに有沢さんから出ている。できていないから国民が納得しない。非常な不信を持っておる。「原子力利用が安全確保前提として行われるようチェックすること。」この三点をやるから原子力委員会は必要である、この三点を十分に実行しなければいけないということのこれは報告なんですよね。  それから「現在の原子力委員会体制の批判」「原子力行政責任体制が明確でない。」これはもうたびたびこの前も私はここでも言った。先ほど大出委員も言っておられた。責任のなすり合い、これは重大な問題です。それから「規制と推進が同一組織で扱われているために、」これなんだ、これは大事なことですよ、いいことを言っているんだ有沢さん、さすがにね。「規制と推進が同一組織で扱われているために、安全性が犠牲にされているのではないか、との疑念がある。」これは大変な問題ですな。こういう点があるからどうしろという点も、後に載っております。  そういう点に対して、局長は、先ほど言ったように、それはたたき台でございます。試案でございます。決定的なものじゃございませんと、いとも簡単にあなたは考えておられるが、それじゃ有沢試案なんて、こういう組織は要らぬじゃないですか。これをあなたは否定するのですか。原子力行政懇談会というものをあなたは否定するのですか。長官どうですか。
  118. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 局長からもお話しございましたように、有沢機関は非常にエネルギッシュにこの問題を進めつつございますが、恐らくはこの答申が出京して、それが行政として定着するのは相当先だと思います。その間、去年の「むつ」の問題が起きて以来私は長官を拝命したのでございますけれども、それが定着するまで何もせずにこれでよろしいか、そういうわけにはまいりませんので、協定は継続性がございますし、責任も明確にしなければいけません。そこで、ことしの初め行政の部局を一つもふやさぬという閣議があったにもかかわりませず、とにもかくにも開発と規制とが混在しておるということがこの問題を混迷さす一つの原因でもあるやに言われておりますし、また責任の明確化もこの際はっきり図るべきだという感じがいたしましたので、総理にもとくとお願いして、それでは閣議決定ではございますけれどもこの安全局だけは特別に一つつくってもらえませんか、そうしませんと「むつ」そのものの後始末あるいは原子力発電等の推進も、これは事実上できませんよということで安全局を出しまして、地方の知事さん等はこれの実現に期待しております。私どもも何とかして早く通したいと思ったのでございますけれども、御承知のような事情で通常会には残念ながら参議院で時間切れで廃案になりました。そこで今度こそはぜひ通していただきたい。そして、来たるべきこの有沢答申が活動を開始するのはそれとの調整をとればいいのでございまして、その間は私が長として、安全問題に対する最終責任は明確に私にありますという体制にし、いままでの法律でもそうなっておるのでございますけれども、たって言えば不分明な点もあったかもしれません、しかし今度は私が最終的な責任者であるということを明確にし、それと同時にさっき申しましたように、安全問題は原子炉あるいは原子力船の安全問題のみならず、平和に稼働するためにはどうすればよろしいか、これは盗難等のみならずたくさんの問題がございますので、そういう点に対する内容の充実も図ろうじゃないか、こういうことで安全局を出したのでございまして、決してその間には矛盾はないと考えております。そうしませんと、現実の行政は行政でどんどん進んでおるのでございますから、一刻も早くそういうきちっとした明確な体制に一歩でも推し進めるべきだという意味でございますので、御了解のほどをいただきたいと思います。
  119. 鬼木勝利

    ○鬼木委員 いま長官がじゅんじゅんとお話しになりまして、これ以上どうだこうだ私は文句——文句と言うと語弊があるが、いろいろ申し上げたくないのでございますが、結局私どもが前国会から、あるいはまた本日こうして申し上げている点が、有沢試案としてはっきりわれわれの手元にこうして来ておるわけなんですよ。     〔木野委員長代理退席、委員長着席〕  結局私どもは、開発開発開発が先走りして行政面がおくれておる、ずれておる、後追いしているじゃないかということを指摘して、再三こういうことを申し上げた。その点がはっきりここに有沢さんの試案に、先ほど読み上げましたとおりでございます。むしろ安全性の方が犠牲になっておる、これはもう本当に的確な報告である、私はこう思うのです。犠牲になっておるところの疑念がある、これはうまい表現だと思うのです。われわれの言っているとおりなんです。それから責任のなすり合いの点も、はっきり原子力委員会体制に対する批判として「責任体制が明確でない。」こういう点を私どもはもうくどいように、前回から今回申し上げておるわけなんですよ。その他、申し上げた点多々ありますが、そういう点につきましても十分お考えを願いたいと思うのです。  それで、これは十一月末には大体話がまとまるというようなお話でございますので、それによってやはり国民の不信を払拭する、そして納得させる、こういう努力がなくして、ただ安全局をつくったからこれで万事オーケーだというような安易な考えでは、私は賛成できないのです。まあ長官はまことに円満福徳の相を備えておられる非常な人格者でございますから、あなたの温容に接したならばだれでも説得ができると思いますが、根本的に原子力安全性という点について国民がこぞって納得するように、これが私は一番大事なことだと思うのです。たとえ、あなたたちが安全は絶対だ絶対だと言っても、説得力がない、その根拠がない。こういうことでは説得ができるわけはないと私は思うのです。そういう点につきまして、まだいろいろ申し上げたい点がありますけれども、私のお約束の時間が参りましたので、これで御無礼したいと思いますが、長官、どうぞよろしくお願いをしておきます。  局長には御無礼な点もいろいろ申し上げたと思うけれども、その点はひとつあしからず。
  120. 藤尾正行

    藤尾委員長 和田貞夫君。
  121. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 いまの鬼木委員の御質問の中にも触れられておった点に重複するかもわかりませんが、原子力行政懇談会結論が、私、先ほど聞いておらなかったのですが、今月の末に出るわけですか。
  122. 生田豊朗

    生田政府委員 現在、先ほど鬼木先生に御答弁申し上げたような次第でございますが、まだ一番中心の全体の骨組みの点につきまして十分煮詰まっておりません。かなりいろいろ議論が分かれている段階でございますので、全体の骨組み、骨組みと申しますのは、原子力委員会の基本的な機構及びそれに付随いたします事務局機構というような点でございますが、それらの点につきましての議論が煮詰まりますのに、まだ多少時間がかかろうかと思います。あと、そのほか残されておりますそれと関連いたします点、たとえば地方自治体との関係でございますとか、電源開発調整審議会との関係でございますとか、公聴会あり方でございますとか、あるいは機構と直接関係のない原子力行政全般の進め方、考え方の問題でございますとか、そういう問題につきましてもまだ若干の時間を要するかと思いますので、今月の末に原子力行政懇談会結論に到達するのは、ちょっと無理ではなかろうかと考えております。
  123. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 そうすると、いつごろになりますか。
  124. 生田豊朗

    生田政府委員 これは、私どもは事務方でございまして、有沢座長及びほかの委員先生方のお考えによるかと思いますけれども、少なくともあと二、三カ月くらいは要するのではないかと思います。
  125. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 この間の審議の過程では、大体秋ごろ、十一月ということを言うておられたので、私は、議会制民主主義というのは、やはり政府側の方も余りこだわらないで、議会の方もやはり余りこだわらないで、接点を見つけて審議をする限りにおいては一やはり今日の原子力行政というものは何としても国民の不安というのが解消されない、疑惑が持たれておる、根本的にその原子力行政というものは洗い直さなければならないのだ、そういうところから行政懇談会が持たれたわけですから、私たちは私たちなりに行政懇談会の推移というものを見守っていきたいわけなのです。それについて、この行政懇談会が十九回か二十回持たれているわけなのですが、政府委員室等を通じまして、いままでの行政懇談会の議事録があれば議事録をひとつ見せてほしい、あるいは有沢試案については、骨子なるものは新聞紙上で拝見しましたけれども、有沢試案なるものを見せてほしい、こういうことを要請いたしましても、そういう議事録はないのだ、いままでも、言われても外へ出したことがないとか、こういうことで全くつまはじきという姿なのですが、そういうような中で、私たちは、なぜ出せないのか、なぜ見せてもらえないのか、なぜ明らかにしてもらえないのか、これもまた疑心暗鬼を抱くわけなんですね。そういうあたりはどうなんですか。審議の内容を明らかにするということはできないのですか。それはどうですか。
  126. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 原子力行政懇談会の運営につきましては、三月に開かれました第一回の会合におきまして、会議の内容は非公開とするということに決定いたしたわけでございます。その理由といたしましては、資料の提出あるいは発言の自由を確保する、そういった見地から非公開とする、そのように定められましたので、資料の提出はお許しいただきたい、このように考えております。
  127. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 資料は出せないというのに、なぜその骨子が新聞に出るのですか。われわれが要求しても出せないのに、新聞にはなぜ出るのですか。
  128. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 私ども事務局といたしましては、懇談会の運営につきましての懇談会での申し合わせの線に沿いまして、厳格な運営をいたしておるつもりでございます。
  129. 藤尾正行

    藤尾委員長 安仁屋審議官に申し上げますが、先ほども実は木野委員の御質問の過程で、原子力懇談会関係資料、差し支えないものについてはできるだけ委員会に御提出をいたします。こういう趣旨政府側の答弁がございました。あなたはそれを否定されますか。
  130. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 議事録等につきましては、はっきり外に出さないという申し合わせがございますので、生の議事録をお出しするわけにはいきませんけれども、座長とも相談いたしまして、明らかにできる範囲内の資料であれば、関係方面とも相談いたしましてお出しするようにしたいと思います。
  131. 藤尾正行

    藤尾委員長 結構ですがね、この内閣委員会というのは国会委員会でございます。その国会委員会におきまして政府側の答弁といたしまして、関係資料をお出しをいたします。極秘にわたるべきものは別として原則としてお出しをいたします。そういうことになっている。あなた方事務当局がもし私どものこの委員会におきます政府側の御答弁と違ったお取り扱いをされるということになりますと、内閣委員長として黙っていられなくなる。私は総理大臣にかけ合ってでも出させます。よろしゅうございますか。
  132. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 いま内閣の側から御説明がありましたように、秘密会でやっている由でございまして、御承知のように有沢会長が委員でございますから、どの程度の資料を出せるか、先ほど審議官からも御説明ございましたように有沢先生とも御相談の上、出せる限りのものはできるだけ出すように前向きで検討したい、こういう意味でございますので御了解いただきたいと存じます。
  133. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 こだわるようですが、いまの科学技術庁長官の御答弁で了解しますが、資料が、骨子なるものが新聞に出たから、われわれの方は審議の過程を見守りたい、どうなっているんだろうということで試案なるものがあればひとつ見せてほしいということですが、出せないと言うわけです。出せないということを言いながら片方では新聞に出るわけでしょう。秘密秘密といって秘密を厳守しているんだというそういう委員会が、あるいは事務当局が、片方では新聞に公然と出る。一紙じゃないですよ、これは。それは正々堂々と公式に新聞記者会見をやったかやらないかはいざ知らず、新聞には出るのですよ。要求しても出ない。ここらが私はおかしいと思うのですよ。
  134. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 想像で私が御答弁して大変申しわけないのですけれども、委員会は多数の委員がございまして、私もかつて原子力委員会の初期の時代、原子力局長として事務局長を務めたことがございますが、この資料は絶対出しちゃいかぬという資料が漏れちゃったりして、大変委員会の運営というのはむずかしいのでございます。恐らくはいま審議官からお話がございましたように、事務の方としては委員会の申し合わせどおり厳重に管理したに違いございませんけれども、しかし新聞等はどういうふうに取材したか、正確かどうかも私は関係しておりませんから知りませんけれども、事務当局をおしかりになるのはこの際は少し酷じゃなかろうかというふうにも、弁護するようで恐縮でございますけれども考えられます。したがいまして、責任者は事務局というよりはむしろ委員会の座長でございましょうから、有沢先生とよく相談の上、出せるものはできるだけ出すということで御了承いただければ大変ありがたいと存じます。
  135. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 それじゃ資料をいただいていろいろと——私ら別にその資料をいただいてどうこうするということじゃなくて、やはり政府もせっかく懇談会を持たれて、何とか国民の疑惑をぬぐい去ろう、不安を何とか解消しよう、考え方が異なっておってもやはり目的は同じことだと思うのですね。私たちは悪意で言うているわけじゃないわけですから、その点御理解いただきたいと思います。秘密である以上は秘密を厳守する、どこにも出ないということで、われわれの方には、言えば秘密だということで出さない、ところが片方では出るということであれば、これは何か隠し事があるのかな、そういうところからさらに疑惑というものが深まってくるわけですから、その点はひとつ御注意申し上げておきたいと思うのです。  そこで、それがいまの段階では出せないということであれば、新聞紙上によるところの試案の骨子というものを見てまいりますと、行政機構の面にわたってかなり深く掘り下げられて一つ試案というものが出ているわけなんですね。まあしかし懇談会がつくられた目的というものは、「むつ」に始まって、機構だけじゃなくて行政全般にわたって、まず開発推進ということよりも国民のそういう不安を一掃しよう、何とか原子力行政を前向きに進めるためにいい結論を出してもらいたいということで、わざわざ総理の諮問機関としてつくられたわけですね。ようやく試案も出た。まとまっておらないにしても、行政機構の問題については一定の考え方というものが、骨子にしても明らかになってきた。しかしながら、原子力行政を全般的に見直すというためにはかくあるべきであるという結論が出ておらない。しかしながら、一応今週あるいはこの十一月末というような目測も一つ立てられておった。しかしきょうお聞きすると、あと二、三カ月ずれるということでありますが、きわめて近い将来に懇談会結論が出ようとなさっておられるわけですからね。この前の通常国会のときには、それまでにはなお期間があったので、長官が言われたように、だからといって黙っておれないのだから、少しでも前向きになってということで安全局を分離するようにしたんだということだったのですが、もう間近にその結論が出ようとしておるときに、この前の国会で廃案になったとはいうものの、それと同じ考え方をいまの臨時国会でもう一度踏襲するというような考え方、そういうのは余りにも固執し過ぎておるんじゃないか、こういうように思うのですが、その点はどうですか。
  136. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 先ほども繰り返し同様の趣旨の御質問がございまして、私からお答え申し上げたのでありますけれども、抜本的な根本的な改革であればあるほど、問題は非常に複雑で広範囲にわたりますから、これが実際法案になり、予算が組まれ、人事を決定し、行政として動き出すまではそう簡単なものではございません。法案が出たらすぐ明くる日から出発というわけにいかぬのです。ですから、根本的な改革をやろうとするならするほど、私はむしろこの際は慎重に御審議をいただいたらどうでしょうかと……。  一例を挙げますと、アメリカはなるほど原子力委員会をやめて規制委員会をつくりました。しかしその規制委員会をつくった結果がよろしいかといいますと、これは他の国でございますから私から何とも申せませんけれども、しかしアメリカからこの種の関係の人たちもたくさん日本に来ますから聞いてみますと、明らかにこれは問題がある。それは非常に私は問題があると思います。なぜかと申しますと、規制というのは要するに、できたものあるいはこれからつくろうと思うものが安全かどうかということを検査するだけである。実際はそのものが安全であることが一番大切なわけです。そのものが安全だということはどうしてかというと、それは研究、実験を重ねる以外にしようがないのであります。したがって、実験、研究とうらはらになって規制というものが進まなければ意味がないのでありまして、ただ規制だけしますといってそれだけ強化していきますと、今度は逆に開発研究というものがおろそかになってくる。新しい開発というものがなかなかできかねるというふうなかっこうになってきまして、ここら辺の兼ね合いは、こういう新しい世紀の科学技術を開発するという場合には非常にむずかしい問題であります。いまアメリカほど進んだ国でも、もう軽水炉は大丈夫であろうとああいうふうに分けても、なおかつ問題が残って、規制委員会だけにしては大変問題があるじゃないかという実は批判もあるやに聞いております。  そういう際でございますので、抜本的と言えば言うほど、根本的にこの行政を進めるにはどうするかという問題は、極端に言えば、明治以来いままで、日本の科学技術、そういう技術を本当に自分で身につけて進んでいったかどうか。ただよそから開発したものを入れてくる、それだけではこれからの日本はいけないのでありまして、今後少なくとも原子力時代に入るためには、本当に自分で研究もし実験もして、身につけたものをこれから開発していくといったようなそういう事態を踏んまえて、果たしてそういう単に分けるというだけでよろしいかという問題すら、私は、恐らくは大家の皆さんがそろっておる委員会でございますから、深刻な議論をしているのじゃないかと思います。ただ安易に、早く出せ、約束じゃないかというだけで出せば、これは恐らくそんなものはのめるかというふうなことになりかねない状況にもあります。そこら辺を踏んまえますと、この問題は私どももできるだけ早い方が望ましいのでありますけれども、しかし、行政機構というものは一たん改革いたしますと相当長きにわたります。現在の機構でも、私どもがつくったのですから、もう二十年たちます。一たんつくりますとこれはなかなか動かせるものじゃございません。ですから、やはりやるときには慎重に考えて問題を処理するのがいいんじゃなかろうか。  ただ、それでは、それが定着するまで何にもせぬでよいかといいますと、そうはいきません。また客観情勢もそれを許しません。ですから、いまの安全局をとりあえずつくって、そして先ほど申しましたように、NPTを批准した場合には、査察の任務も今度は日本自体が持つのですから、軍用、核兵器に転用するかしないか、あるいは盗難の防止をどうするとか新しい問題も出てきていますし、あるいはいま言ったように、軽水炉の安全性をどうするか、これから新しく開発していく炉、利用形態をどうするか、しょっちゅういま問題になっている燃料サイクル、核再処理の段階あるいはできた廃棄物の処理の問題をどうするか。これだって、海への捨て方を一歩間違えば、あるいは将来人類のためにえらい禍根を残すかもしれません。ですから、決して原子炉だけではないのでございまして、非常に広範囲な問題を含んでいる問題の処理でございますから、私は、そう半年くらいでやっつけ仕事でどんどん出してくれと言うのは、これはちょっと少し考えてみると酷じゃないかと、実は心ひそかに憂えております。聞いておりますと、どうもやはり委員会自体もそのようでございまして、議論すればするほど大変むずかしい問題ではなかろうかという感じがいたします。  さらばといって、それを待つまで私どもは何もせぬでいいかと申しますと、それはそうはまいりませんので、ただいまこの安全の面に対しては何が一番大事かというと、当面の問題は三つあると私は思います。  一つは、軽水炉——ほとんどの炉が軽水炉でございますから、この軽水炉の安全性というものをどういうふうにして確保するか。この問題は、いまやむしろ検査あるいは審査段階よりは、アメリカのをそのまま入れた軽水炉を、ドイツがやるようになぜ日本は自分でそれをそしゃくして、そして自分の技術としてこれを開発していかなかったか、いま遅まきながら、二、三年前から、総力を挙げて電力会社、メーカーあるいは原研等で、その軽水炉の安全はいかんと……。そうして大体いま落ちつきつつあるのは、これは世界的な現象でありますけれども、第三者に被害を与えるとかあるいは環境を汚染するとかという重大事故というのは、事柄の性質上、あるいは軽水炉の厳密な安全性の装置からしてまずあり得ない、いま起きておるのはそういう事故じゃなくて故障である、これは未熟な技術であるから故障は起こります。それはすぐ発見できるようにしてありますから、炉をとめて直せばまたやれますというのが現在でございまして、しからばその故障のようなものは何ぼ起きてもよろしいかというと、そうはまいりません。やはり炉がとまりますと、一般の人は不安に思います。ですから何も経済性あるいは電力の安定供給という面ばかりでなしに、やはり国民の皆様の安心を得られるためには、わずかの故障でもないにこしたことはございません。  それが一体どういうところに起きるのか。いま総力を挙げて日本は詰めておる最中でございます。原子力委員会を初めとして通産省でも。それがもうほぼ煮詰まってきておりますから、あるいは材料なのか、あるいは回しておる水の性質なのか、その中の薬品なのか、その問題をいま詰めておる最中でございます。そうなってきますと、審査、検査の体制もさることながら、むしろ問題の焦点は研究あるいは開発あるいは原因を究明してそれを改善していく、そのところに焦点があるんじゃないかといったような問題とか、あるいは再処理、このものこそは使用済み燃料を処理してプルトニウムをつくるのですから、これは非常に高レベルの放射能を持った物質が出てきます。これに対する安全の措置をどうするか。これはまことに大きい問題です。それから最後には、それを将来廃棄物として処理する場合にはどうするかといったような問題、同じ平和利用の安全の問題だけでもそういう非常に複雑な問題が介在しておりまして、これを一歩間違えると、肝心のことがどうなるのだということになりますから、ですから私は、非常に大事をとっていま検討しておるのじゃなかろうかと思います。  私どもといたしまして、それじゃたとえば一つの廃棄物の処理の問題を考えましても、低レベルの、いま発電所や何かで使っておる手袋とかあるいはくつ下とかいうものに放射能がついておった、それをどうして処分するかといったような問題まで全然ほうっておけますかというと、やはりこれはそうはいきません。そういう問題はそういう問題で一つ安全というものを方式を立てまして、そうして処理するものは処理していこうじゃないかということで事務的に進めるものは進めてまいりませんと、これはやはり行政にはなりませんので、そういう点を考えまして、くどいようでございますけれども、そういう根本策は国の大本でございますから英知をしぼって慎重にひとつやってくださいよ、さらばといって、私どもはそれを待つわけにいきませんので、こういう安全局というものをつくって、そうしていまアップ・ツー・デートに要求されておる行政的な事務、そういう点をひとつ進めようじゃないか、こういうことでございますので、どうぞ御理解いただければありがたいと存じます。
  137. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 まあせいては事をし損じるということで、せっかく三木内閣が発足して行政懇談会を持った。そうすると、何か改めて根本的に原子力行政について見直す政府の新しい姿、方針というものが、結論は別として、出てくるんだろうなと。そうすると、大事なのは将来にわたってこの原子力行政をやはり前向きに進めていくためにもいまが一番大事であって、その間に無理をなさって開発推進の方に力を——いまほうっておくわけにいかぬからやはりやっていかなければいかぬ、そのためには機構いじりがここで必要であるのだというようなことで無理をなさると、何だか形だけの原子力行政懇談会というのは持ったけれども、それはそれとしてやはり既存の考え方で原子力行政というのはさらに進めていくのだという、こういう姿が国民の目の前に映ってくるわけです。私は、この原子力行政懇談会結論を早く出してどうせいと言うておるのではないわけです。担当者としてはやりたいという面が多々あっても、やはり結論を出すまで、新しい形で、国民の皆さん御安心ください、こういう洗い直した新しい角度で原子力行政というものはこれから進めていきますということでやっても遅くないと私は思うのですね。ところがそういうようなことでなくて、機構いじりがされる、あるいは従来の方針によって開発推進がさらに進められていく。「むつ」の問題もそのとおりでありますが、佐世保に要請する、佐世保の市長が、母港であれば反対だけれども修理施設であればいいというようなことを言う。現地では同じことじゃないかということで反対運動が大きくなるというようなことを繰り返すわけですね。そこらがやはり、せっかく行政問題懇談会が持たれたんだから、そう五年先、十年先にならないと結論が出ないということじゃないわけですから、おくれても二、三カ月たてばその結論が出るわけですから、それまでの間は、やはり技術面を高めるとかあるいは研究段階にもっと力を入れるとかというような行政の姿というものを国民の前にあらわすということが必要じゃないかというように私は思うわけです。したがって、この機構いじりについてもそれからでも遅くないじゃないかということを私は言っているわけなんです。
  138. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 私がさっきから大分説明したような気がいたしますけれども、御理解いただけないのは大変残念でございます。私の本旨は、申しましたように、懇談会結論が出たからすぐ右から左というものではございませんぞ、これが各省間に固め、そして順序を整え、予算をといいますと、これはなかなか、抜本改革であればあるだけ大変なものだと思います。また一方、アップ・ツー・デートの問題として、たとえば核防条約などは各党でこれを早く批准しろという声もあります。今度は大変むずかしいようでありますけれども。しかし、あれを批准する前提条件としては、参議院の皆さんでこれに詳しい人は、それじゃ国内の査察はどうするんですかということになりますと、どこでそれを引き取りますか。それから盗難等、ハイジャックなどが起こってプルトニウムその他が盗まれたといったような措置に対して、一体どこで責任を持つのですか。どこかでひとつ一本にして、大変な問題ですから厳重に監視してくださいよ、どこがやるんですかという場合、現在ではこれは私どもの原子力局で扱います。原子力局というのは開発もやっているじゃないですか、計画も立てるじゃないですか、各省の総合もやるじゃないですか、そういうところでやったんじゃやはり片手間になるから、どうでしょうか、ひとつ新しい局でもつくって、そういう体制責任はここでやりますということをはっきりしたらどうですか、こういう議論も客観的に要請があることは事実だと私は思います。したがって、それをつくること自体が、既成事実ができて大変将来の展望に障害になるというものであればこれは別ですけれども、いまみんな強めるというときなんですから、それをつくることが強める原因にこそなれ弱める原因にはならないんじゃないかと思いますので、お説のように実際はこの春にこれが通っていただけば大変実はありがたかったのですけれども、しかし、参議院でああいう状況で時間切れのようなかっこうになりましたので、大変残念でございました。今度は遅まきではございますけれども、しかし一応そういう体制を整えて、そして来るべき根本改革に備えようじゃないか、こういうことでございますので、御了解いただけると大変ありがたいと思います。
  139. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 原子力行政懇談会委員の酒井さんというのが十月の九日か十日に辞任されているのですね。やめておられるのですが、これはどういう原因ですか。それも秘密ですか。
  140. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 酒井委員は、第十五回の会合でございます十月九日に開かれましたその席に見えまして、冒頭、辞任したいという申し出がございました。その際酒井委員が言われた理由は、第一に、本懇談会ではこれまで主として原子力行政機構が論議されているが、その間における政府原子力行政を見ると、反省の色が不十分であり、国民の不安は解消されていない。それから第二点としまして、したがって、自分が本懇談会に参加していることは、このような政府の姿勢に不満を持っている人たちの運動の障害となっている。そういう二つの大きな理由で辞任したい、こういう申し出があったわけでございます。
  141. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 酒井委員原子力行政懇談会委員に参加するに当たって、原子力行政についての意見書というのが出されているわけですね。その意見書が出されておるにもかかわらず、いま御答弁がありましたように、機構の面についていろいろと論議されておるけれども、行政全体の問題については全く見せかけのポーズだけで、国民の不満というものがそれによって一掃されるというような行政懇談会になっていくようなあれでない、そういうことでやめられておるわけですね。そういう中でも、やはり酒井委員が辞任に当たってということでその理由として挙げているのは、いま言われたようなことでありますが、つけ加えて言わしてもらうならば、有沢座長の試案が出た、それは新聞にも出ておりましたように、機構について確かに一つの案というものは出ておる。それについて論議が深まっていく。しかし、行政懇談会結論が出るまでにやはり既存の方針で、「むつ」の問題にしてもあるいは処理施設の問題にしても——処理施設の問題については、当の労働組合の安全性の問題が解決されないままに強行されたというようなこととか、あるいは「むつ」の問題についても、佐世保の市長に働きかけて修理を何とかさすようにせいという政府の動きの中で、佐世保市長が党派を超越して、市長だけが孤立している、こういう姿、あるいは地域住民が反対運動に立ち上がるというような姿が起こってきているわけです。  確かに、長官が言われた、行政をストップするわけにいかぬわけです。この時期というのは国民の不安というものを一掃していく、疑惑の念というものをなくしていく。そのためには、少しおくれてでもやはり隠忍自重の精神にのっとって、推進していく、解決していくというようなことはこれはもう極力避けるようにしていって、そして行政懇談会結論が出るまでひとつ原子力行政は一時後退するというようなことがあっても、それの方がかえって前進をしていくのだという気持ちになってやられる姿がないというところの不満から、やめておられるわけなんです。そこらがいま一番原子力行政について大事なところじゃないかと私は思うのですがね。そのことをさっきから私は言うておるわけです。
  142. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 原子力発電が、日本だけが特殊な装置で、ほかのものと全然違いまして、日本のものだけが大変危険であるということでありますと、これは事が大変めんどうだと思いますけれども、御承知のように、世界ではいま建設中のものまで合わすと、日本でやっております軽水炉だけで四百七十何基、海で使っておるものが、軍用まで合わすと倍以上あると思います。そして同じ軽水炉で、PW、BWと二つのタイプがありますけれども、いずれにしても、たとえば油の問題が起きて以来、フランスは今後の発電は一切油を使っちゃいかぬ、全部原子力に切りかえなさい。イタリアしかり。ドイツはどうかと申しますと、石炭の豊富な国でございますから、半分は原子力に切りかえる。米国は御承知のように大変資源が豊富です。その米国ですら十カ年に二億八千万キロ、日本の現有発電の大体三倍近くのものを、この十カ年で原子力発電でやります。それは日本の炉と同じ炉なんですね、そのまま買ってきているのですから。ソ連はどうか。ソ連でも同じ軽水炉を使っている。  きのうでございますか、ブルガリアの科学大臣が来ました。御飯を食べながらいろいろお話をしました。ブルガリアはどうですか。私の方は軽水炉です。今度は二基目をやります。何か住民がいろいろ問題を起こしませんかと言うと、何にもありませんということです。同じ炉でも国柄によって違います。これは認識の相違といえば相違ですけれども、しかし日本ほど資源がなくて、そして油オンリーではいけないぞというように国民ともどもいま認識している際に、ほかに何があるかというと、少なくとも現状では原子力発電を一番中心に据えなければいかぬのじゃないかというのは、私、常識だと思います。しかし、それが各国のようにすくすくと進められるかと申しますと、進められないのが現状であります。それじゃ、なぜ進められないのかといいますと、それは立地の問題だとか安全の問題だとか、いろいろあります。しかし、その同じ安全でも、先ほども申しましたように、軽水炉の安全に関しては、同じことでも、各国では問題にならぬような故障的なものでも日本では大変問題になりますよ、それすらないようにわれわれはいま努力している最中です。こういうことで、やはり日本としては、エネルギー対策という面から見ますと、進めるものは進めていかなければならぬというのが国情だと私は思います。  ただそれにしても、おっしゃるように、原子力委員懇談会結論が出て、それが行政として定着して、根本解決を得るまで一切やめなさい、こういうことが許されるかといいますと、それではやはり私など要りません、原子力委員長だ、科学技術庁長官なんというものは。そうでなくて、船にすれば「むつ」のような問題があったにしろ、少なくとも十年後には原子力商船時代が来ますよ。それに対して日本は何も用意せずに、その時代になってただ買ってくるということになったら、一体日本の造船業などどうなりますか。世界一の造船業がどうなりますか。あるいは発電の問題にしても、これはいろいろ国民の皆さんには不安の点があっても、なるべくそういう小さい故障はなくするように努力しつつ、国民の不安というものを解消していこうじゃないかというふうに努力するのが、私どもに与えられました原子力委員長としての任務だと思いますので、原子力委員会そのもののファンクションはいまのような法律でよろしいか、権限でよろしいか、あるいは規制委員会を併置したらよろしいか、そういう問題はそういう問題としてあります。ありますけれども、それができるまで何にもせぬでよろしいかというと、私は現実はそうじゃないのじゃないかと思いますので、そのためには、一歩でも進める意味で、いまの科学技術庁原子力局だけでは不十分で、新しい問題が出てきておりますので、私はこの際分別して、そうしてそっちはそっちで強化して、根本的な対策が出るまでつないでいこうじゃないか、それが出れば、それにプラスになりこそすれマイナスになるものでないと私は考えますから、別に原子力行政懇談会ですか、その方からも、それはつくるのはおかしいよという話は聞いておりません。それはそれで進めなさいというふうに私は承知しておりますので、それはそれで進めていっていいものではなかろうかと実は解釈しております。
  143. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 技術の面も向上するように努力していかなければいかぬし、研究の面もやはり深めていかなければいかぬし、それとあわせて、やはり国民の不安、国民の不満、そういうようなものもやはり解消していく努力をしていく必要があると私は思うのです。  そこで私は、私の地元の大阪に、京都大学の原子炉実験所というのがある。大阪の泉南郡熊取町にあるわけです。昭和三十九年ですかから稼働しているわけです。いまではかなりの規模になってきているおるんですが、文部省、来てもらっていると思いますけれども、これは京都大学の単なる研究機関なんですかどうですか。
  144. 植木浩

    ○植木説明員 ただいまお尋ねございました京都大学の原子炉実験所は、京都大学に付属されております研究所ではございますが、全国的な研究者がいろいろとこれを共同利用できるようにという意味での共同利用型の研究所でございます。
  145. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 ほかに国立大学でこの種の研究所というのはどっかにありますか。
  146. 植木浩

    ○植木説明員 研究の分野はいろいろと違いますが、十幾つかの共同利用型の大学付置の研究所はございます。
  147. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 京都大学の原子炉実験所というようなこういう施設というのは、国立大学にほかにありますか。
  148. 植木浩

    ○植木説明員 原子炉実験所という形での共同利用の研究所はございません。
  149. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 これは御案内のように、共同実験所であるわけです。直接科学技術庁の所管する研究所なり実験所じゃないわけですが、やはり大きく言えば同じ範疇に入るんですね。技術者、研究者が共同実験する、そういう場所であるわけですから、京都大学の機関ではありますけれども、単なる京都大学限りの施設じゃないわけです。  ところで、形としては京都大学の付属する施設になっておるために、もちろん教育施設でありますから、所在する市町村に固定資産税にかわる交付金、納付金、これが全然交付されておらない。いまそれに値するということにはならないと思いますが、この施設は大体どのぐらいの規模ですか。
  150. 植木浩

    ○植木説明員 敷地で申しますと約三十万平米、建物の敷地分が一万三千平米と承知いたしております。
  151. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 それだけの建物、土地という面積であれば、仮に固定資産税を地元の町がいただけるものだとすると、どのぐらいの金額ですか。
  152. 植木浩

    ○植木説明員 固定資産税の方の専門ではございませんが、かつて四千万ぐらいという話を地元から承ったことがございます。その後いろいろ施設などもふえたりいたしておりますので、正確な金額は私ちょっと持っておりませんが、現在恐らく数千万円台ということではなかろうかと思っております。
  153. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 自治省来ておられますか。——自治省の方にお尋ねしますが、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律ですか、長ったらしい法律ですが、どういうように解釈されても、この施設についてはその法律に基づく交付金なり納付金というものを所在町当局に納付する、交付するというようなことはできないですか。
  154. 川俣芳郎

    ○川俣説明員 御案内のように、固定資産税の場合は、国あるいは都道府県、市町村等の公共団体に対しましては、これらの団体の公共性にかんがみまして非課税ということになっておるわけでございます。ただ、国あるいは地方団体が所有をいたします固定資産の中でも、その使用収益の実態が私人が所有しております場合と異ならない、たとえば国が国家公務員に宿舎を提供しておりますとか、そういったような場合はその使用収益の実態が一般の私人と変わらないというわけでございまして、そういうものにつきまして市町村交付金の対象に現在いたしておるとろうことでございまして、交付金の性格からいたしますと、ただいまお話しのようなものにつきまして市町村交付金の対象にいたすというのは困難ではなかろうかと思います。
  155. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 先ほど文部省が言われたように、大学の施設であるが大学の教授や助教授や助手や学生が使うという施設じゃなくて、大学の施設になっておるのだけれども全国の研究者の共同実験施設であるという性格の施設なんです。それでもだめですか。
  156. 川俣芳郎

    ○川俣説明員 お話しの機関につきましては専門でございませんものですからよくわかりませんけれども、やはり国立大学の付属機関という性格の機関だと承知しておるわけでございまして、そうでございますれば、まさに国自身が公用の用に供しておる資産であろうというふうに考えるわけでございます。
  157. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 形式的には大学の施設である、しかし実質的には技術者の共同実験施設である、こういうことなんです。法律的に解釈ができないとするならば、これは私はやむを得ないと思いますが、自治省としても一回研究してもらいたいと思います。  文部省、そういうような中で地元の町が、町のことですから財政というのはことしの予算を見ましてもわずか二十三億、こういうちっぽけな財政規模の町なんです。確かに昭和三十六年、三十七年、反対運動がありまして、その間にいろいろとやりとりがあって、ようやくまとまって三十九年から稼働するようになった、実験の用に供しておる、こういう施設に対して地元からいろいろ要望があったことに対して漸次解決している面もありますが、いま固定資産税も取られない。そして国有資産等の所在市町村に対する交付金という形でも町がいただくことができない。何とかということでそれにかわるようなものが出ておらないということはわかりますが、文部省として地元に大体毎年見返りの財源をどの程度差し上げておりますか。
  158. 植木浩

    ○植木説明員 ただいま和田先生がおっしゃいましたような形で毎年幾らというような計算はちょっといたしかねるのでございますが、先生指摘のように、この原子炉実験所に関しましてはいろいろ地元から要望が出まして、逐次、私どもとしてもでき得る限りその要望につきまして解決を図るべく努力をしてまいったわけでございます。  そういうわけで、本年度におきましても、従来から地元で御要望のございました原子炉応用センターの設置というものがございましたが、これも今年度すでに敷地の購入も終わりまして、これを設置すべく努力をしておるというようなことのほか、若干まだございますが、毎年幾らという計算は、申しわけございませんが、ちょっといたしかねるわけでございます。
  159. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 先ほど、仮に固定資産税ということで評価したら数千万円と言われましたが、ことし見積もりましたら九千六十八万円。九千六十八万円に相当する土地建物の施設があって、文部省の方から町当局がいただいておる財源というのは、その施設の中におる研究者の宿舎の固定資産税にかわる交付金、これはわずか年間七万三千九百円です。九千六十八万円の固定資産に評価するその支出の中で、宿舎の部分だけ交付しているわけですね。それが七万三千九百円。それから安全性確保のためということで、その周辺の監視区域ということで池がありますね。その監視区域の管理補償金というような名目で文部省が町に差し上げている額が、去年まで四百二十万円だった。ことしは千四百万円になっておるのですね。去年までは、施設ができてからずっとこの方が四百二十万円、ようやくことし千四百万円、こういう姿であります。  そこで私、科学技術庁の方にお尋ねしたいのですが、電源三法ができまして、もちろんこの施設は電源三法の施行以前の施設であります。そこで、電源三法が施行されてから後の原子力発電所あるいはそれに付随する諸施設というようなことにつきましては、この電源三法の適用を受けて財源措置をなさっておられますが、法施行以前の施設であって、あなたの方の所管しておる施設であって、この法の適用を受けさして、今後少しでも周辺整備のために市町村に交付、納付をしていこうというような施設がおありですかどうですか。
  160. 生田豊朗

    生田政府委員 先生の御質問は、電源三法の施行以前に完成された原子炉の取り扱いという御趣旨かと思いますけれども、これは先生承知のように、電源三法の規定によりまして、法律の施行後に着工あるいは建設の過程にあるものだけが交付金の交付対象になるわけでございます。現実問題といたしまして、原子力発電所その他の地元の町村長の方あるいはその他の地元住民の方からはいろいろ御注文が参っております。特に、ただいま先生指摘の既設のものと新設のものとに差別が出るではないか、むしろ既設のものにつきましては地元として一種のパイオニア的な意味でいろいろ苦労もしているのに、これは既設のものだからといって交付金の対象から除外されて、新設のものだけ交付金が交付されるのは非常にアンバランスであるというような御要望が繰り返し出されております。私どもそのお気持ちは非常によくわかるわけでございますけれども、全体の法律のたてまから申しまして、現状のところ非常に困難でございますので、いまのところ私どもの方ではさかのぼって適用ということを、気持ちとしては十分理解するわけではございますが、すぐに法律を改正して、そういう形にしたいということは考えておりません。
  161. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 原子力発電所はそうだとしても、あなたの方の所管されておる動燃開発事業団等の所管をしておる施設であって、この法律の施行以前の施設の中で、少なくとも来年あたりから何とかしなければいかぬなというようなお考えの施設はないですか。
  162. 生田豊朗

    生田政府委員 電源三法によります交付金につきましては、いまのところ考えておりません。  ただ、先ほど来先生御質問の固定資産税でございます。これは私どもが所管しております原子力研究所、動燃事業団の原子炉等が地方税法の特例の適用対象になっておりまして、最初の五年間は三分の二が免除、次の五年間が三分の一免除という形になっております。これを、電源三法の成立、施行とほとんど時期を同じくいたしまして、発電所につきましては、先生承知のように、やはりこの特例を廃止いたしまして、地元に均てんするようにしたわけでございます。そのときに、ただいまの御議論と同じような理由によりまして、原子力研究所、動燃事業団の施設につきます固定資産税については特例がそのまま存続いたしております。したがいまして、たとえば大洗町でございますとか東海村でございますとか、地元の町村長の方からは、これも不公平だという非常に強い御要望がございますので、この点につきましては、私ども予算要求をいたしておりまして、自治省と御相談いたしまして、でき得ればこの特例を廃止するような方向でぜひお願いしたいというように考えております。
  163. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 その見通しは予算折衝の中ですからわからぬわけですが、一応そういう姿勢であるということはわかりました。  そこで、いま私が言っておる施設、これは直接あなたの方の所管施設じゃございません。しかし、先ほどからお聞き取りになっておられるように、形式的には京都大学の付属施設ということになっておるけれども、これは全国の研究者の共同の実験施設ということなんですよ。しかも、地元の町というのは、いま申し上げたように、二十三億程度の予算規模の財政の町です。しかもその施設というのは約一億に近い。本来固定資産税が町に転がり込むということであれば、それだけの財源が入るか入らぬかというところが、文部省が努力されておっても、ことしあたりで千四百万そこそこの財源しかいっておらないということで、町当局としては、あるいは町の住民としては、その他いろいろと安全施設の問題であるとか、あるいは不安の解消のためにということで、文部省にいろいろ言うておられます。たとえば放射線の測定地点というのをいま三カ所つくっておりますが、これをもっと五カ所、六カ所ぐらいに増設をしてほしいというような要望あたりも出ておりますが、しかし何としてもそれだけの研究施設、実験施設ができたわけでありますから、その周辺の住民というのは、やっぱりもともと反対運動があってどうにかおさまったところでありますから、あなたの方の所管ではございませんが、一応文部省と話し合いをしてもらって、あなたの方がそういうような形で前向きになって予算折衝もされるということであれば、ひとつ文部省にもいまお話をしているような施設があるのだということで話し合いをして、同じようにのせてやってもらうような、こういう気遣いというものは科学技術庁の方にはございませんか。
  164. 生田豊朗

    生田政府委員 先生の御説ごもっともでございます。私どもも原子力の全般的な研究開発ということで責任を持っている官庁でもございますので、文部省と十分相談いたしまして、私どもが原研、動燃に対しましていま考えておりますことを御説明いたしまして相談させていただきたいと思います。
  165. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 文部省、自治省、いいですか。いま言われたようなことでありますので、同時にひとつ上司に伝えてもらって、前向きになって——いま予算要求はしていない。片方科学技術庁の方は予算要求をされておるのだけれども、文部省はまだされておる段階ではないわけですが、ひとつ話し合いをしてもらって、同じようにそれにのせてもらう努力を文部省、してもらえますか。
  166. 植木浩

    ○植木説明員 私どもの研究所は大学の付置研究所という性格がございますので、いろいろ簡単にはいかない面があるいはあるかとも思いますが、ただいま科学技術庁の方のお答えがございましたように、御相談がございますれば、私どもとしてもいろいろ検討はいたしてみたいと思っております。
  167. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 自治省の方もひとつ後押しをしてやっていただきたいと思いますし、せっかく長官がおられることですので、いま局長の方からお答えいただきましたけれども、閣僚の一員としてぜひともひとつ、この実情を訴えさせていただいた質問になったわけでございますので、ひとつ閣僚の一員として前向きになって努力してもらえますか。
  168. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 そうしたいと思います。
  169. 和田貞夫

    ○和田(貞)委員 それではこれで終わります。
  170. 藤尾正行

    藤尾委員長 次回は来る十八日火曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十九分散会