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植木国務大臣 ただいま議題となりました
恩給法等の一部を
改正する
法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この
法律案による措置の第一点は、
恩給年額の増額であります。
これは、実施時期を昨年よりさらに一カ月繰り上げまして
昭和五十年八月から、
昭和四十九年度における
国家公務員の
給与改善率により二九・三%増額するとともに、
昭和五十一年一月から、
恩給と公務員
給与との水準差の補てんを完結するため、さらに六・八%を上乗せすることとし、この両者を合わせ、
恩給年額を三八・一%増額しようとするものであります。
その第二点は、普通
恩給等の最低保障の
改善であります。
これは、今回の
恩給年額の増額措置に伴いまして、長期在職の老齢者の普通
恩給の最低保障額を三十二万一千六百円から四十二万円に引き上げる等、普通
恩給及び普通扶助料の最低保障額を大幅に引き上げようとするものであります。
その第三点は、扶養加給額の引き上げであります。
これは、
傷病恩給及び公務関係扶助料に係る扶養加給額を、現職公務員の扶養手当相当額に引き上げようとするものであります。
その第四点は、八十歳以上の高齢者の
恩給の算出率の特例であります。
八十歳以上の高齢者の普通
恩給または扶助料の年額を計算する場合には、普通
恩給の最短年限を超える実在職年の年数が十年に達するまでの一年について、基礎俸給の三百分の一に相当する額を普通
恩給年額に加えることによって、その
処遇の
改善を図ろうとするものであります。
その第五点は、六十五歳未満の傷病者の併給普通
恩給に対する最低保障の適用であります。
六十五歳未満の傷病者の併給普通
恩給で、これまで最低保障の適用を受けていなかった者についても、六十五歳以上の者と同様に最低保障を適用することにより、傷病者の優遇を図ろうとするものであります。
その第六点は、旧軍人に対する一時
恩給の支給範囲の拡大であります。
引き続く実在職年が三年以上七年未満の旧軍人またはその遺族に対する一時
恩給または一時扶助料は、下士官以上として六月以上在職することが支給要件とされておりますが、この支給要件を廃止し、その対象を兵にまで拡大することとし、引き続く実在職年が三年以上ありながら、従来一時
恩給等を支給されなかった旧軍人またはその遺族に対し一時
恩給または一時扶助料を支給しようとするものであります。
その第七点は、旧
軍人等の加算年の年額計算への算入要件の緩和であります。
現在、七十歳以上の老齢者、七十歳未満の傷病者または妻子に給する普通
恩給または扶助料の年額を計算する場合には、旧
軍人等の加算年を年額計算の基礎在職年に算入いたしておりますが、今回は、七十歳以上という年齢要件を五歳引き下げ、六十五歳以上七十歳未満の老齢者の普通
恩給または扶助料についてもこの措置を及ぼすことにより、戦地等で
勤務された方々に対する
処遇の範囲を広げようとするものであります。
その第八点は、特別加給の増額であります。
増加
恩給受給者の中でも特に重症である第二項症以上の受給者に対しては現在、年額七万二千円の特別加給が支給されておりますが、重症者という特殊事情を考慮しまして、その額を十二万円に引き上げようとするものであります。
以上のほか、準公務員期間の通算要件の緩和、低額の仮定俸給年額の引き
上げ等所要の
改善を行うことにしております。
なお、以上の措置は、さきに述べましたように六・八%の増額を
昭和五十一年一月から実施するほか、すべて
昭和五十年八月にさかのぼって実施することとしております。
以上が、この
法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この
法律案は、前国会に提案しました内容を変更することなく提案するものであります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
次に、ただいま議題となりました
一般職の
職員の
給与に関する
法律の一部を
改正する
法律案、及び
特別職の
職員の
給与に関する
法律及び
沖繩国際海洋博覧会政府代表の
設置に関する
臨時措置法の一部を
改正する
法律案について、一括してその提案の理由及び内容の概要について御説明申し上げます。
まず、
一般職の
職員の
給与に関する
法律の一部を
改正する
法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
本年八月十三日、
一般職の
職員の
給与について、俸給表及び諸手当の
改定等を内容とする人事院勧告が行われたのでありますが、政府としては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり、本年四月一日からこれを実施することとし、このたび、
一般職の
職員の
給与に関する
法律について、所要の
改正を行おうとするものであります。
次に、
法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一は、全俸給表の全俸給月額を引き上げることとしたことであります。
第二は、医療職俸給表(二)に特二等級を新設することとしたことであります。
第三は、初任給調整手当について、医療職俸給表(一)の適用を受ける
職員に支給する支給月額の限度額を十三万円から十四万円に引き上げるとともに、医療職俸給表(一)以外の俸給表の適用を受ける医師または歯科医師で、医学または歯学に関する専門的知識を必要とする官職を占める
職員に対し、支給月額の限度額を二万五千円から三万円に引き上げ、同時に支給期間の限度を二十年から三十五年炉延長することとしたことであります。
第四は、扶養手当について、配偶者についての支給月額を五千円から六千円に引き上げるとともに、配偶者以外の扶養親族についての支給月額を二人までについてはそれぞれ千五百円から二千円に引き上げ、この場合において、
職員に配偶者がない場合にあっては、そのうち一人については四千円とすることとしたことであります。
第五は、住居手当について、公務員宿舎の入居者等を除き、月額五千円を超える家賃を支払っている
職員に住居手当を支給することに改め、その支給月額は、月額一万千円以下の家賃を支払っている
職員にあっては家賃の月額から五千円を控除した額とし、月額一万千円を超える家賃を支払っている
職員にあっては、家賃の月額から一万千円を控除した額の二分の一を六千円に加算した額に引き上げ、この場合においてその加算した額が九千円を超えるときは、九千円とすることとしたことであります。
第六は、通勤手当について、交通機関等を利用して通勤する
職員に支給する全額支給の限度額を月額八千円から一万円に引き上げるとともに、最高支給限度額を月額九千円から一万千五百円に引き上げることとしたことであります。このほか、自転車等を使用して通勤する
職員または交通機関等と自転車等を併用して通勤する
職員についてもそれぞれ通勤手当の支給月額を引き上げることとしております。
第七は、義務教育諸学校等に
勤務する教育
職員に支給する
義務教育等教員特別手当について、支給月額の限度額を月額九千円から一万百円に引き上げることとしたことであります。
第八は、非常勤の
委員、顧問、参与等に支給する手当について、その支給限度額を日額一万五千五百円から日額一万六千五百円に引き上げることとしたことであります。
以上のほか、附則において、この
法律の施行期日、適用日、俸給表の
改定に伴う所要の切りかえ措置、住居手当の経過措置等について規定しております。
次に、
特別職の
職員の
給与に関する
法律及び
沖繩国際海洋博覧会政府代表の
設置に関する
臨時措置法の一部を
改正する
法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この
法律案は、ただいま御説明申し上げました
一般職の
職員の
給与改定に伴い、
特別職の
職員について、所要の
改正を行おうとするものであります。
次に、
法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一は、
特別職の
職員の俸給月額を引き上げることとしたことであります。その内容を御説明いたしますと、内閣総理大臣及び国務大臣等の俸給月額は据え置くことにするとともに、
内閣法制
局長官等の俸給月額は七十八万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、
一般職の
職員の指定職俸給表の
改定に準じ、六十八万円から五十八万五千円の範囲内で
改定することとしております。
また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使の俸給月額は据え置き、大使五号俸は七十八万円とし、大使四号俸及び公使四号俸以下については、
一般職の
職員の指定職俸給表の
改定に準じ、六十七万円から五十二万五千円の範囲内で
改定することとしております。
なお、秘書官については、
一般職の
職員の
給与改定に準じてその俸給月額を引き上げることといたしました。
第二は、
委員手当について、
委員会の常勤の
委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を二万八千五百円に、非常勤の
委員に支給する手当の支給限度額を日額一万六千五百円にそれぞれ引き上げることとしたことであります。
第三は、
沖繩国際海洋博覧会政府代表の俸給月額を六十七万円に引き上げることとしたことであります。
以上のほか、附則においては、この
法律の施行期日、適用日等について規定しております。
以上が両
法律案の提案理由及びその概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。