○名本説明員 お答え申し上げます。
興人が
倒産いたしまして更生手続に入ったということでございますけれども、公害防止
対策そのものとしましては、
先生御
指摘のとおりでございまして、
工場が
事業を続ける限り、その
工場から公害を外にまき散らすということがあってはならないことは、全くそのとおりでございます。更生手続中に
事業を進めてまいります限り、公害防止
対策事業をきちんとやっていただくということはぜひとも必要なことであるというふうに考えます。もっとも、更生手続期間中に
工場の操業がかつてのときのキャパシティーのたとえば半分になるとか、あるいは場合によっては閉鎖するとか、いろいろな
事態も考えられるわけでございますけれども、その
事態事態に即しまして、基準で定められました排出基準等がいずれの場合においても守られていきますようにちゃんとした
措置が行われた上で
事業が継続される、その上で更生手続が進行していくということが基本的なことでございまして、
環境庁としてもこのたてまえを崩すつもりは毛頭ないわけでございます。
それから
佐伯工場について申しますと、
先生御
指摘のように二つ問題があるわけでございまして、
一つは来年六月までに完成を要します排水処理の問題、もう
一つはヘドロの問題でございます。
排水処理施設につきましては、新聞等に出ておりますように、四十数億見当が
佐伯工場と
富山工場の二つにおいて必要であるというように聞いておりますけれども、公害防止
事業団の方に対しましては、その融資の申し入れというものは現在のところまだ来ておりません。この間、
興人の更生管財人でいらっしゃいます
早川さんが
事業団の方に一度お見えになったことがあるというふうには聞いておりますけれども、具体的に融資の
申請が出てきておるという段階ではないのでございます。新聞によりますと、もうすでに三十三億の半分の十六億五千万は
事業団が融資をすることを決定したというような話が出ておりましたけれども、現在のところまだ
申請も出ていない段階でございますので、新聞に発表になっておりましたこととは事実が違っております。この問題につきましては、
事業団のお金は、御
承知のように零細な郵便貯金のお金でございますから、
事業団が融資をいたしました後でそれに穴があくということになりますと、これは大変困ったことになりますので、
申請が出てまいりました段階で慎重に検討してまいらなければならないことであろうというふうに考えます。
ただ、
事業団の方の手続といたしましては、すでに貸し付けてありますお金につきましても、その貸付先が更生手続に入ったということになりますと繰り上げ償還をお願いするというような約款が入っております。そういうことでございますので、ごく一般的に申しますと、更生手続に入った
会社につきましてはお貸しできないということになるわけでございますが、その更生手続に入りました際には繰り上げ償還していただくという考え方は、融資先に償還能力がちゃんとあるということが前提でございますので、
興人につきまして償還能力がちゃんとあるかどうかということを、申し込みがありました段階におきまして十分に検討、審査をするように
事業団の方にお願いをいたしまして、それから決定してまいらなければならない問題であるというふうに考えております。
それから
佐伯湾のヘドロにつきましてでございますが、この
佐伯湾のヘドロは主として
興人が排出いたしました排水によって生じたものであるというように言われておりまして、御
指摘のように大分県との間に公害防止
協定ができており、県が指示をいたしましたならば
興人はしかるべき
措置をとるということになっておるわけでございまして、現在御
指摘のように
調査も行われておりまして、その
調査結果を待ちまして県が所要の指示をいたすということに相なろうかと思います。その際、
調査結果によりましてヘドロのしゅんせつが必要であるかないか、そのあたりも含めて検討いたすことになるわけでございますが、仮にしゅんせつを要するというようなことに相なりました場合には、
興人に対して大分県としまして指示をして所要の
措置をとることになりますが、更生手続中でございますので、その債権がどのような形になって更生計画の中にぶち込まれてくるか、これは究極的には裁判所が更生計画の決定の段階において決めることでございますので、最終的には裁判所にお任せいたさなければならないわけでございますけれども、
会社が更生手続に入ります前からありました
協定に基づく義務の履行ということでございますので、私どもといたしましては、更生計画の中に当然のことながら織り込んでいただきたいというふうに考えております。大分県の方においてもそのようなお考えで
興人の方とは接触しているというふうに私ども伺っておりまして、その
方向で更生計画の中で公害
対策がヘドロそれから排水施設の問題も含めて考えられていくということを
希望するものでございます。