○小濱
委員 山本部長さん、横浜の
消防艇が何十トンが何隻、川崎が一隻、東京が——ああいう船は海面火災になったら働けないのですよ。ストップしてしまうのですよ、機械はとまるのですよ。あなたはその感覚で海面火災というものを想定して救済策を講じていかなければならないのですよ。走れますか、四十トンや五十トンの船が。そういうところでそうなったら、
東京湾で活動できる船は
一つしかないのですよ、あなたのところのあのでっかいのしか。そういうことで、あなたは一万トンの想定をやっているけれ
ども、一万トンの
タンクなんというのは京浜地区でも何千本とあるのですよ。五百トン以上の
タンクだけ
ども六千本ぐらいあるのですから。京浜地区だけですよ、千葉は入れませんよ。そういうことで想定が一万トンでは小さい。一万トンではもう海なんかに落とさないで防油堤でとまってしまうのです。そうじゃないのですよ。五万トン、十万トンの
タンクがだだっと押し出していったときには防油堤など役に立たない。だあっと海にあらゆるものを押し流していってしまうのです。そのときに、その途中でばっとついたらば海面火災はどういうふうになるのか、それが今度は違う
タンクにこう波及していったらどういうふうになっていくのかという最大の想定ぐらいして、対策を講じていかなくちゃならないと私は考えるわけです。ところが先ほ
ども世界一のそういう船があるという話をしていたから、それでどれだけの対策ができるのか。
そういうことで、私はあなたをいじめるつもりはないけれ
ども、もう少し海上というものについて、海面火災で酸素が補給を断たれれば、それはどういうふうに波風が起こるのか、また火勢がどう変わっていくのか、船の機械はどういうふうになっていくのか、そういう立場から想定をしていかなければ救済なんかできないのですね。そういう点で設備が非常に幼稚ではないのか、もう少し
海上保安庁も、金のかかることだけれ
ども、これは人命にはかえられないから、そこで設備に力を入れていくべきであるということをぼくは申し上げたいわけです。いまのようなことで満足しておったんじゃ全然だめなんです。しかもこの
東京湾一帯がどういう形になって海面火災になっていくのか、恐ろしいような気持ちもわれわれはするわけですね。
そういう点で、この指揮権の競合ということについても、知事さんが指揮をとるのですね。これは
消防庁長官、知事さんが陸、海あわせて指揮をとるのですね。そうすると知事さんは海上のことを果たして御存じかどうか。
山本部長、陸上で百の物を持ち上げられたといたしますけれ
ども、海上ではそれが何分の一に力が発揮されていくのか。もう足元も定まらないわけですからね。そういう点で船の作業なんかできないわけです。
状況の判断がなかなかむずかしい、そういう海上の指揮を知事さんがとろうというわけですから。そこでこの指揮、命令、号令の複雑なそういう発言が出てきて、競合しないかどうか私
どもは心配しているわけです。指揮場が
一つあって、そこからすべてがだあっと流れていくならいいですよ、応急指揮場。そうじゃないでしょう。指揮場は定めたにしたって、そこへ電話か伝令か何かが飛ぶのでしょうけれ
ども、そんなことで急に応じられるかどうか。こういう点で、必ずこの競合ということで現地ではもう複雑多岐なそういう現象が起きてくるなということを私
どもは心配するわけです。
指揮権の競合について
消防庁長官いかがでしょう。ないと言われるか、お答え願いたいと思います。