○
村山(達)
委員 その問題に関連して、私もまだはっきり私自身結論が出ておるわけではなく、とつおいつ
考えているのでございますけれ
ども、今度は
日本酒の方の側から申しますと、業界ではやはり生産量がどうしても多過ぎる、それがだぶついておって買い手市場になっておる、こういう問題が
一つあるんじゃないか。それからもう
一つは、戦前までさかのぼるわけでもございませんけれ
ども、昔の
日本酒というのはそれぞれ地酒ごとに特色がありまして、つきぶり歩合からいいましても甘口、辛口ありいろいろあったわけでございますから、かなり多方面の嗜好に応じ得たと思うのでございますが、戦後はほとんど三倍増醸でございまして、極端に言うとどの酒を飲んでもみんな同じような甘口ばかり出ておる。だから、こういったところにも、これはむしろ業界の問題かもしれません。あるいはまた、当時
考えますと、当時は造石税でございまして、どんな酒をつくっても一種の商売の妙味はあったわけでございましょう。それが現在はいろいろな
負担の公平という角度から級別ができ、特にまた従量税と従価税というものができている。そこで嗜好に合わせるという問題とそれから
税制の公平あるいは税収の
確保という問題をどのように調和したらいいのか、私にも余り結論がないのでございますが、その辺が非常にむずかしい問題じゃないだろうか。
特にその辺について感じますのは、たとえば
日本酒で言いますと、いま特級酒でも従価、従量別があるのは御承知のとおりでございます。従価税のかかっておる酒のウエートというものがほとんど伸びない。つまりあそこは妙味がないわけでございますから、みんな従量税いっぱいのところでしか伸びてこない。これは恐らく、ちょうど物品税の免税点と同じような作用をいたしまして免税点以下のところに物が集中する。だから
税制の仕組みもやはり
一つ関係してきやしないだろうか。だから従価税とそれから従量税を置いておるということからなかなか従価税に行かない。この辺がやはり
税制プロパーの問題とそれから消費者の利益の問題とも結びついてくるんじゃないだろうか。
さらばいまどうしたらいいかという結論は私もないのでございますけれ
ども、その辺も
一つ問題点として取り上げていただきたい、これはお答え要りません。希望しておきます。
それから、これは主税局長に伺いたいわけでございますが、
日本の
税制は、御
案内のように、累進
税率とるものありあるいは比例
税率とるものあり、それも従価それから従量、定額と、三つばかりあるわけでございましょう。そして定額税と従量税というものは、やや似たものだろうと私は思っておるわけでございます。言ってみますと、累進
税率、比例
税率、あるいは定額
税率と、三つに分けられると思っておるわけでございます。いままで、
昭和二十五年から
昭和五十年まで、平
年度減税がこんなにあった国はどこの国もないと私は思います。諸
外国はほとんど、増減税出しますと、恐らくプラス・マイナス・ゼロぐらいになっていやせぬだろうか。若干あるところでは
増税、あるところでは減税、ほとんどプラス・マイナス・ゼロぐらいというのがほかの先進国では出ているのじゃなかろうか。
日本は二十五年から五十年で、平
年度計算だけで、たしか直接税ではこの二十五年間で四兆七千億ぐらい国税だけで減税しておったように覚えております。逆に間接税の方は形式的には
増税になっているわけでございまして、恐らく五千億から八千億くらい
増税になっていると思っています。
しかし、
考えてみますと、直間の比率はまさに逆転いたしまして、減税をやっておる方の直接税のウエートがどんどんふえている、それから
増税をやっている方の間接税のウエートはどんどん減っているわけでございますから、そのことから何が言えるかということになれば、当然のことでございますけれ
ども、定額税というものをほっておけば、
国民経済がどんどん伸びていくときには自然減税になっているに違いない。それから比例
税率はちょうど中立でございますし、それから累進
税率は実質的な所得が増加した分にだけ累進
税率がかかるのでなくて、名目的
部分にまで累進
税率がかかるわけでございますから、その当時盛られた、ある時点で決められた累進
税率以降、もし名目所得がずっと伸びるとすれば実質的には
税負担は増加する。自然
増税が起きていると言わざるを得ないんじゃないだろうか。
そういうことで、片方、
増税した方がどんどん比率が減っていき、それから減税した方が逆にウエートが高まっていくということは、そういう
税率構造の持っておる経済的な性質から来ているんじゃないかと私は思っておるのですが、この点は主税局のお
考えはどんなふうに
考えておられますか。