○
田中(六)
委員 その
炭鉱に応じて
炭量をやっておるというのだけれども、私は、
石炭審議会でああいうふうに
答申が六次まで出ておるわけですが、果たして本当にそういう観点を含んで検討して、二千万トンとかあるいは五千万トンとかいうふうなことを、過去に出してきたのかどうかということを、最近少し疑問に思い始めたのですが、それはあなた、そういうふうにやっているというのだが、果たして
石炭鉱業審議会の四十名の
委員が、本当にそういうところから
出炭量を割り出して
答申しているのかどうか。これは私もその
審議会にいたことがないからわかりませんが、そういう点の
配慮を、これからもう少しやってみて、ただ
出炭すればいいというようなことでないように、気をつけてもらいたいと思います。
それから、
天災か
人災かということ、これは非常にむずかしいのですが、
高島の場合も、これは
人災だというふうに強い印象を受けて帰った人が多いのです。まだ
調査中だから結論はわからないのですが、そういう点、特に私が
人災というようなことが多少頭にひらめくのはなぜかというと、
高島の場合、行って見ますと
跡方ガスのチェックが足りなかったということは認めているわけです。それで、残っている
跡方ガスと
異常発破のそのプラスで爆発したということなんですが、
跡方ガスのチェックが足りなかったということは、本当にきわめて初歩的なもので、当然やっておくべきことがやられてない。それからもう
一つ、死んだ人に気の毒だが、二十七名の
罹災者のうち二人死んでいるわけですが、一人の人は救命具を持っておったけれども、それをつけなかった、そういう
説明を組合の
委員長はしておりましたが、疑えば切りがないのですが、本当に救命具を持って入ったのだろうか。救命具を持って入っても、マイナス五百五十メートルのところですから、普通の常識が働かなくなる、それから何か
事故だということで瞬間的に動転する、ノーマルな考えが吹っ飛んでしまってアブノーマルになるということを計算しても、命が助かりたいということが本能ならば、本能的に救命具とかそういうものにまず手をつけるのじゃあるまいか。それがどこか、かけておったところが近くにあったというような
説明で終わったのですが、果たしてそれがそうだっただろうか。つまり、なれによってそういうものを怠る。私は戦時中、飛行機に乗っておったのですが、落下傘を必ずつけなくちゃいかぬというのですが、多少、節約する意味もあって、落下傘をつけなくて飛行機に乗ったりしておったこともあるのですが、そういう意識することは別に、なれというか毎日毎日、毎日じゃないけれども、二日に一回入るとしても、方番によっても違いますから、そういうふうになるのでしょうけれども、そういうところの
訓練ですね。というのは、まだ疑問に思うのは、二十七名の中で古い人が二十七年の経験、新しい人でも十七年間、
坑内に入っているという
説明を受けたのです。それから、年齢が一番古い人が五十三歳、一番若い人で三十五歳ですね。そういうような人が、本当にこういう初歩的な爆発
事故で、そういうことになるのだろうか。やっぱり日ごろの心構えが、いつかこう、なれになってしまって、
事故を起こしているのではないかというような気もしますし、その点の
保安当局の
訓練のやり方あるいは
経営者の
訓練のやり方、あるいは組合自身、命というものに対して、法規がどうとか
政府がどうとか、
監督局がどうだ、
経営者がどうだとか言う前に、やっぱり自分の命ですから、組合が、もしもあれだったら労務者そのものの
訓練とか、そういうものでも、もう少ししておったら何とかなったのではないだろうかという点もあるのですが、最近の各
炭鉱のそういう
訓練についてのことを、これは
対策として、この「最近の
石炭鉱山における
主要災害事例」の中には、
訓練をあっちこっちに書いていますが、ただ文字で書いているだけじゃないのだろうか、本当にそういうことをやって身につけておるのだろうかということなんですが、その点はどうでしょう。