○中川(利)
委員 私は今回の問題についても、政府の
指導監督やらふだんのあり方についても
責任は免れない、こう思うわけであります。いま労働省からそのような
お答えをいただきましたが、今回の
工事につきまして、たとえば安全
対策費が
工事予算の中に積算
基礎として算定されておったのかどうか。つまりそういう
発注者が、予算のいろいろな制約がありますから、そういう点で非常に不備になるという一連のつながりもあるわけだろうと思うのですね。そういう点で、皆さん方がそこまで、労働省だとか――労働省が直接チェックするわけではないと思いますけれ
ども、
建設省にいたしましても、そういう点の
検討は当然あの
事故の中でなされなければならない、そういうふうに思うわけでございます。もっとも直接的には県そのもののチェックになるわけでありますが、いろいろな不備が重なってこうなった。したがって、先ほどお話もありましたように、市原市におきましてだけでなしに、あの森林法が改正になりましてから、いろいろな林地開発許可申請の処理状況がいまの
国土庁からも出されておりますけれ
ども、これを見ましても、
ゴルフ場の設置が一番多いのですね。森林法が改正になりましてからのいろいろなちょっとした
資料があるわけでありますが、これを見ましても総面積八千六百五十ヘクタールのうち、その五五%に当たる四千七百六十二ヘクタールが
ゴルフ場の設置、こういうことになっておりまして、私は林野
行政の監督
指導並びにそのあり方について大きい疑問も感ずるものでありますけれ
ども、きょうは林野そのものが
質問の相手ではありませんので、非常に残念なことだと思うわけであります。
それにつけましても、私の方の出かせぎ農民が二人もこの中で命を失っているわけですね。一人は湯沢というところの高橋さんでございますが、この方は二十歳の息子さんがおりまして、並木宝石という誘致工場に勤めておるのです。その下は小学校五年の女の子と、寝たきりのお母さんがおりまして、この寝たきりのお母さんを見るために奥さんが働けない。たんぼはわずか二反歩しかないというのですね。だから、毎年出かせぎの中で一家の支えとして暮らしておった。もう一人の松岡さんという方は五十一歳で、これはもうたんぼが三反か四反しかなくて、子供がまだ小さい、十歳と八歳なんです。一家の柱としてがんばっているわけでありますけれ
ども、この方々がなぜ出かせぎに行かなければならないか。いろいろな問題があるわけでありますが、時間の
関係上私割愛いたしますけれ
ども、こういう方のこのような悲惨な、出かせぎで死んだといいますけれ
ども、実態的には殺された、こういう受けとめ方が私たちの地元の中で一般的に考えられているわけであります。特にいま死んでしまいましたので万全の補償をすべきであるということです。この点について先ほど何かいろいろありましたけれ
ども、一般的な補償以外に、たとえば労災補償だとかそういうものがあるわけでありますが、とりわけ政府の側として会社側に一定の上積み
措置をとらせるとか、そういう出かせぎ者の実態に見合うようなかっこうで
指導することを考えているのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。