○野津政府委員 御
指摘のとおり、本日の閣議で地域の新たな
指定を行ったわけでございますが、もう御案内のとおり、この
法律そのものが
一つの地域の
指定ということを行うわけでございまして、一定の場所から線引きをいたしました場合に、その内と外との差が、白と黒というふうな形で明らかについてしまうという
一つの問題がございます。ただ、特に第一種地域の場合でございますと、著しい大気の
汚染が相当範囲にわたってということが
一つの条件になっているわけでございまして、ある地点で線引きをいたします場合に、その上を流れております大気につきましては共通な部分があるわけでございまして、これをどこで線を引くかということが非常に大きな問題であろうかというふうに考えております。
また、
東京都の区の
指定の場合に、今回、四区が
調査地区になっていながら、なおかつ、これが
指定されなかったという場合に、
東京都の二十三区の中で、いわゆる
中心部、さらには東に寄りました部分につきましては、区の面積そのものがそう広くございません。したがいまして、区全体としまして
大気汚染の
状況の
調査あるいは健康の
調査ということを実施することにつきましては、わりあいにスムーズにいってきたと考えておるわけでございます。しかし、実際に相当、広大な面積を持っており、なおかつ、その中にいわゆる固定発生源の少ない地域というのがあるわけでございまして、そういうふうな場合に、それを区全体という
一つの行政区に限っての健康
調査あるいは
大気汚染の
調査というものを実施いたしました場合には、これは当然と言っていいほど薄められてくるわけでございます。
特にいわゆる幹線道路沿線におきましては、自動車の排気ガスの問題というのが相当、大きな影響を持っていることは、私
どもも認識をいたしておるわけでございます。
また、特に昨年の十一月二十五日に中公審でも御審議いただきました中に、いわゆる地域
指定の要件というのがございまして、少なくとも、いわゆる窒素酸化物についての資料というものを考えるべきであろう。また、これの影響というものもあるはずであるというふうな
考え方が流れてきているわけでございましたけれ
ども、正直言いまして、現在の
段階でいわゆる窒素酸化物と健康に対する影響というものが、疫学的に
把握されていないというふうな大きな問題を抱えておるわけでございます。
したがいまして、特にその自動車道沿道というふうな問題につきまして、これからどのような処置をすべきか。また、特に非常に広大な面積を持っております
一つの行政区としての区がある場合に、それをどのように考えていくかという問題がございます。事実、名古屋におきましては、もう御案内のとおり、名古屋の各行政区を区分した形での
指定を実施をいたしておるわけでございます。
したがいまして、私
ども一番、大事なことは、この
法律そのものが
一つの割り切りから出発をしているという大前提がございます。
それから第二番目には、いわゆる
大気汚染物質三つにつきまして考えるべきであるという御答申をいただいておりながら、現在は特に窒素酸化物につきましてはいわゆる参考という形でしか取り上げられない。その他、浮遊粉じんの問題もございます。特に自動車道沿道につきましては相当の浮遊粉じんの問題があるだろうと考えておるわけでございますが、その辺と、いわゆる健康
被害というものとの疫学的な結びつきというものを早く見つけなければいけないというふうに考えております。
したがいまして、この面につきましての
調査につきましては、過去の五年間のいわゆる窒素酸化物あるいは複合
大気汚染という形での
調査を、いま見直していただいておりまして、これと健康影響というものの結びつきをはっきり出していきたいというふうに考えておる次第でございます。また特に自動車道沿道につきましては、いま川崎と兵庫県などにおきまして、騒音から
大気汚染も、いわゆる三物質だけではなく、いろいろな面の相当、幅広い
調査を実施すると同時に、健康面につきましても相当、幅広く、いわゆる呼吸器疾患だけでなくて、いろいろな面の
調査も実施いたしております
段階でございまして、この結果を踏まえて中公審に御審議をいただきまして、この
法律が非常にうまく流れていくような、運営されていくような
方法で進めていきたいと考えておるところでございます。