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松本(操)
政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、アメリカの連邦航空局が出しました指示というものは、貨物室に穴があいたときに床が壊れないように考えればよろしいというだけのことでございまして、
通常、このような改善命令が出ます場合には、別添の図面によりとか別添の仕様書によりとか、明確に改造の方法を指示してやるのが世界各国の通例でございます。このような形の、
やり方について何ら触れてないというふうな
やり方は、きわめて異例でございまして、しかも、先ほど申し上げましたように五十二年の十二月の末までに直せばいい、こういうことでございますので、私
どもは早速FAAに対して照会をいたしまして、この趣旨は何であるのか、現在の、これら
エアバスというものが耐空性上、問題が多少なりともあるということを前提にして改造を指示したものであるのか、もし、そうであるとするならば、なぜ具体的に改造の方法が示し得ないのかということを
指摘したのでございますが、これに対します連邦航空局からの返事は、現在、耐空性に問題があるというふうに認識しているわけではない、しかしながら過去に、先ほど
先生も仰せられたように、二回も事故があったということを考えれば、まあ非常に少ない確率だとは思うが、もし何かあった場合に、二度とこのようなことを繰り返さないための用心という
意味である、したがって、どのように改造するかについては、三社ございますので、これから三社と十分に技術的な検討をした上でやるのである、こういう返事でございます。
そこで私
どもの方といたしましては、このような改善命令が適切に出されております以上、直ちにわが方としても該当機に対して改善命令を出すというのが当然でございますけれ
ども、ただいまのFAAの返答から見ましても、直ちに出そうと思いましても改造の方法がわからない。それからまた非常に問題がございまして、仮に貨物室の床に穴があいて圧力が下がった場合に、どうするかという方法論になってまいりますと、いま考えられておりますのは、客室と貨物室との間に特殊な仕掛けを置きまして、貨物室の圧力が下がったら、なるべく早い時間内に客室の圧力も下げてしまう、そうしますと両方とも同じ圧力になりますので、床が壊れないのだ、こういうことを考えておるようでございます。こういたしますと、今度は客室にはお客がおるわけですから、ここが急に圧力が下がってしまうわけで、この場合に
一体お客の方はどうなるのだという問題が出てまいります。そういう点についてFAAは何にも答えを用意しておりません。そこで私
どもといたしましては、ことしの八月、広胴機改修検討委員会というものをつくりまして、そして
関係者が集まりまして、すでに二回ほど
議論を重ねておりますが、こういうふうな点を十分きわめ、かつ、いずれFAAの方から、このような改造方法がよろしかろうというのが出てまいると思いますが、それをわが国
において取り上げて改造する場合に、的確にできるかどうかという検討をした上で改善命令を出したい、このように考えております。