○土井
委員 関係住民の方々や特にこの
訴訟について原告団の方々が、何回となく東京に上京されまして、
運輸大臣にもお目にかかっていただくという時間をつくっていただいたことが再三再四にわたります。そういう席にも私も同席をいたしておりまして、いつもつくづく感ずることは、
運輸大臣というのは全国の
空港についてよく御承知のはずなんだけれ
ども、
大阪国際空港に対しての実態を、いまだ事実を事実として御存じないのじゃないか。あそこで飛んでいる
飛行機にお乗りになったはずであります。また何便あそこに
発着陸しているかという
便数は御存じであります。また
飛行機の発する
騒音の度合いをホンで書いてある数字は御存じのはずであります。しかし実態を、事実を事実として御存じないのじゃないかという気分が、私はいつもしてきた。ただいまの御
答弁を聞いておりましても、運輸
行政というのは
飛行機を飛ばさなければならぬ、このことが至上命題だ、これは私もわかりますよ。わかりますけれ
ども、その
飛行機が飛ぶことによって、人の命や健康というものがないがしろにされるということは絶対にあってはならない、これこそ最も至上命題であります。この点を忘れられちゃならないと思う。
そういうことからいたしますと、このたびの差しとめ請求に対して、
判決がこれを全面的に認めたという
意味は、私は大きいと思うのであります。高等
裁判所の
判決なんですよ。高等
裁判所というのは国の機関じゃありませんか。
司法権の独立ということを言われながら、この
司法権で
行政裁量に関与することは許さないぞというふうな物の言い方を、この
裁判の進行中にもるるなすったいきさつもあるけれ
ども、しかし最終的には、この高等
裁判所の
判決というのが、
司法権というものの
立場を守って、
住民のいろいろな事実をつぶさに
調査をした結果、こうなんだという
判決を出しておられる。私はそれに対して、もっともっと謙虚な気持ちで臨んでいただきたいなあという気がするわけであります。
一つは、しかし国内便に対して九時以降の
発着便を廃止するように、十二月十二日から午後九時過ぎに
発着する
国内線の
ダイヤは認めないこととして
関係航空会社を指導なさる。これは私は、中身について具体的にこれを実現させようとしたときに、努力がどれくらい必要かということも、わからないじゃありません。だから、その努力は多といたします。大変な御努力がこれには必要だったということも、よくわかるのです。けれ
ども、あそこに住んでいる
住民の
生活からすると、来る日も来る日も
騒音にさいなまれて、不健康な、まことに健康で文化的でない
生活を強いられているということを、ひとつ念頭からお忘れないように私は努力の継続を切に希望するわけであります。
そういう点からいたしますと、あの十二月二日、国が
上告に踏み切られた日に
運輸省見解が出ておりますが、この
運輸省見解の中には「
国際線については、これが世界的慣行にも反することから外交問題すら惹起しかねない惧れがある。」ということで、九時以後にあの
大阪国際空港を使用しなければならない
国際線については、これをいま除外して考えていらっしゃるということになっております。この「世界的慣行にも反すること」と書かれている中身は、どういうことなんでございますか。