○
渡辺(武)
委員 いま
大蔵省のお答えでは、欧米諸国と比べてまだまだ
負担をしていただかなければならないというような、特に燃料税等についての
お話があったと思いますが、あなたは税額だけを比較をしておられるのではないか。税額だけを見ればわが国はヨーロッパに比べて燃料税は確かに低い。しかし実際には、そのもとになるべきガソリンの値段そのものが大変に高いということですね。非常に遠くから運んできます船賃が加算をされておったり、いろいろなことで現実にはヨーロッパで買うよりもうんと高いものになってしまう、一面ではこういう現実があるということですね。さらに
自動車自体にかけられておる税金は、欧米諸国と比べてみましても日本が低いなどというような資料は、調べてまいりましても出てまいりませんよ。わずかにフランスがやや高いかなと思われる点がありますけれ
ども、あるいは西ドイツにいたしましても、イギリスにいたしましても、アメリカにいたしましても、日本に比べて
現状自身で大変に低いわけですよ。さらに間接税総
収入の中で見る
自動車税というものを見ていきますと、これまた世界でも最高水準になっておる。どうして日本だけがそれ以上納めなければならぬか、こういうことに実はなってまいるわけでございます。
これは私が発言しますと、何か変なあれになりますけれ
ども、いわば
自動車税というものは使っておる国民が納めておる税金なんですよ。私はこの前税金のときにいろいろ発言しましたら、
新聞等で批判をされましたけれ
ども、何も
自動車税というものはメーカーが納める税金ではないのです。すべてが使っておる国民が納めておる税金なんですよ。その普及度を見ていきますと、大半の国民がもう車をお使いになっておる。そうして相当高い過酷な税金に悩まされておる。しかも非常に
道路が悪いから、
道路を直すために何とかがまんをしてくれというような、そういう理由はある
程度納得性はある。実際に自分が車に乗って
道路を走るわけですから、国民としても納得性がある。先ほど他の
委員からの発言をちょっと聞いておりますと、
道路だけが国際比較的に悪いのではないのだ、下水も大変おくれておる、なぜもっと解釈を広くして、下水にも使わぬかというような御発言がありますけれ
ども、
自動車に乗っておる国民から見れば、自分たちが乗っておる
自動車、そのために何で下水を直さなければならぬか、こういうことになってくるのですよ、目的税というものは。
自動車に乗っておる人は、
道路を整備するために過酷な税金を取られてもある
程度やむを得ない、こういう納得性はありますけれ
ども、他の社会資本投資がおくれておるから、下水の普及がおくれておるから、だから一般税に回すのだ、そうなってまいりますと、何のために、
自動車に乗っておる人、
自動車を使っておる国民がその特定の
財源を、下水道の修理、普及に使われなければならぬか、こういう素朴な疑問が当然出てくる。
しかも
道路そのものが本当に完全に整備されておるならばともかくも、いろいろ調査をいたしていきますと、まだまだおくれておる。しかもいま実際の投資そのものは、いわば生活
道路としてあるいは奥地の開発用地としての開発
道路、こういうものに全体の
道路総額の三五%が実は
投入をされておるのです。
そういうふうに見ていきますと、いわば
特定財源プラス一般税
投入率がもっとうんとふえてもよさそうだ、先ほど来の討議の中でも明らかにされておりますように、
道路投資そのものはもう九九%も
特定財源で賄われておるというふうに御
説明になっておる。
〔
委員長退席、
服部委員長代理着席〕
そういう中で、国策として奥地開発を進めていく
道路あるいは生活関連
道路、本当に国民が生活のために整備をしなければならない
道路、そういうものに三五%も実は
投入されておるのですから、そうだとするならば、
特定財源プラス
一般財源の
投入率というものがもっともっと高くても当然ではないか。これも国際比較をしてみるならば、いわばモータリゼーションの進行過程における一般税率の
投入額というものはわが国ほど低いところはないのです。これを言いますと、
大蔵省は、だから
特定財源から
一般財源に直したいのだ、こういう答えが当然返ってくると思いますが、その
考え方であるならば、それならば徴収するのは一体どこから徴収するのかという、そこの源までさかのぼって、そしてお
考えにならないと大変なことになる。先ほど言いましたように
自動車を使っておる国民だけがなぜその過酷な税金を取られなければならぬのか。広く社会資本に投資するならば、
自動車から取って鉄道にもあるいは下水にもいろいろな社会福祉施設にも充当するのだ。こうするならば、一体その税金はだれが納めるのが至当なんだ、こういうことに当然ならざるを得ないのですね。したがって、私はいま本当に
自動車に乗っていらっしゃる国民の皆様方が担税能力というものがまだまだあるのか、どういうふうに一体
大蔵省としてはお
考えになっているだろうか、こういう疑問を持たざるを得ないのです。それはどのようにお
考えでしょうか。