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1975-11-12 第76回国会 衆議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和五十年九月十一日)(木曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次のと おりである。    委員長 天野 光晴君    理事 内海 英男君 理事 梶山 静六君    理事 唐沢俊二郎君 理事 服部 安司君    理事 村田敬次郎君 理事 井上 普方君    理事 福岡 義登君 理事 浦井  洋君       小沢 一郎君    大村 襄治君       三枝 三郎君    塩谷 一夫君       田村 良平君    中尾  宏君       野中 英二君    浜田 幸一君       林  義郎君    松野 幸泰君       渡辺 栄一君    佐野 憲治君       阪上安太郎君    清水 徳松君       中村  茂君    山崎 始男君       柴田 睦夫君    瀬崎 博義君       新井 彬之君    北側 義一君       渡辺 武三君 ――――――――――――――――――――― 昭和五十年十一月十二日(水曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 天野 光晴君    理事 内海 英男君 理事 梶山 静六君    理事 唐沢俊二郎君 理事 服部 安司君    理事 村田敬次郎君 理事 井上 普方君    理事 福岡 義登君 理事 浦井  洋君       小沢 一郎君    大村 襄治君       三枝 三郎君    塩谷 一夫君       中尾  宏君    野中 英二君       松野 幸泰君    渡辺 栄一君       佐野 憲治君    中村  茂君       柴田 睦夫君    瀬崎 博義君       新井 彬之君    北側 義一君       渡辺 武三君  出席国務大臣         建 設 大 臣 仮谷 忠男君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 金丸  信君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       粟屋 敏信君         国土庁計画・調         整局長     下河辺 淳君         国土庁土地局長 河野 正三君         国土庁水資源局         長       宮崎  明君         国土庁大都市圏         整備局長    小幡 琢也君         国土庁地方振興         局長      近藤 隆之君         建設大臣官房長 高橋 弘篤君         建設省計画局長 大塩洋一郎君         建設省都市局長 吉田 泰夫君         建設省河川局長 増岡 康治君         建設省道路局長 井上  孝君         建設省住宅局長 山岡 一男君  委員外出席者         住宅金融公庫総         裁       淺村  廉君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 委員の異動 十月二十一日  辞任         補欠選任   新井 彬之君     矢野 絢也君 同日  辞任         補欠選任   矢野 絢也君     新井 彬之君 同月二十八日  辞任         補欠選任   北側 義一君     正木 良明君 同日  辞任         補欠選任   正木 良明君     北側 義一君 十一月十二日  辞任         補欠選任   大村 襄治君     中村 梅吉君 同日  辞任         補欠選任   中村 梅吉君     大村 襄治君     ――――――――――――― 九月十一日  住宅基本法案北側義一君外一名提出、第七十  一回国会衆法第二五号)  建築基準法の一部を改正する法律案内閣提  出、第七十二回国会閣法第七五号) 十一月十一日  昭和五十年度における道路整備費財源特例  等に関する法律案内閣提出第三一号) 九月三十日  琵琶湖総合開発に基づく下水道事業促進に関す  る請願山下元利紹介)(第一一号)  尾瀬分水広域的運用に関する請願赤城宗徳  君紹介)(第七一号)  同(千葉三郎紹介)(第七二号)  同(濱野清吾紹介)(第一二七号)  同(鴨田宗一紹介)(第一九八号)  群馬東村過疎地域指定に関する請願久保  田円次紹介)(第八五号) 十月六日  尾瀬分水広域的運用に関する請願(長谷川四  郎君紹介)(第二六二号) 同月十三日  群馬東村過疎地域指定に関する請願(林百  郎君紹介)(第六〇五号) 同月十六日  尾瀬分水広域的運用に関する請願小平久雄  君紹介)(第六九七号) 同月二十三日  都市計画法の一部改正に関する請願新井彬之  君紹介)(第九五五号) 同月二十八日  都市計画法の一部改正に関する請願河本敏夫  君紹介)(第一〇九四号)  同(戸井田三郎紹介)(第一〇九五号)  同(松本十郎紹介)(第一〇九六号)  愛知県音羽町に東名高速道路のインターチェン  ジ設置に関する請願村田敬次郎紹介)(第  一〇九七号)  東北縦貫自動車道建設促進に関する請願(鈴  木善幸紹介)(第一一六六号) 同月二十九日  国道一七号新大宮バイパスに接する日本住宅公  団田島団地防音構築物設置に関する請願(平  田藤吉紹介)(第一二〇五号)  北九州市下上津役地区土地区画整理事業撤回  に関する請願田代文久紹介)(第一三五七  号) 十一月六日  硫黄島疎開島民の帰島促進に関する請願(宇都  宮徳馬君外九名紹介)(第一六七七号) 同月十日  藤沢バイパス施設改善等に関する請願(平林  剛君紹介)(第一七五九号)  大場川水門の早期着工及び排水機設置に関する  請願小川新一郎紹介)(第一八三四号)  同(竹入義勝君紹介)(第一八三五号)  同(松本忠助紹介)(第一八三六号)  同(矢野絢也君紹介)(第一八三七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十一月十二日  群馬東村過疎地域指定に関する請願久保  田円次紹介)(第八五号) は委員会の許可を得て取り下げられた。     ――――――――――――― 十月二日  太平洋沿岸サイクリング道路建設促進に関する  陳情書  (第一〇〇号)  三角点整備に関する陳情書  (第一〇五号) 同月二十一日  四国開発幹線自動車道建設促進等に関する陳  情書外一件  (第一四七  号)  高速自動車道建設促進等に関する陳情書外二  件  (第一四八号)  九州横断自動車道建設促進に関する陳情書  (第一四九号)  東九州縦貫高速自動車道建設に関する陳情書  (第一五〇号)  九州横断自動車道国道十号の連絡道路建設に  関する陳情書  (第  一五一号)  地方道長崎・野母港線の国道昇格等に関する陳  情書  (第一五二号)  日本道路公団施行の大島大橋架橋に伴う補償措  置に関する陳情書  (第一五三号)  下水道整備事業の推進に関する陳情書外一件  (第一五四号)  砂防、地すべり防止及び急傾斜地崩壊対策事業  費増額等に関する陳情書外一件  (第一五五号)  地下水採取による地盤沈下対策の確立に関する  陳情書外二件  (第一  五六号)  土地区画整理事業に対する助成強化等に関する  陳情書  (第一五七号)  琵琶湖総合開発に基づく下水道事業促進に関す  る陳情書外一件  (第一五八号)  水資源開発促進に関する陳情書  (第一五九号)  過疎対策充実強化に関する陳情書  (  第一六〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  昭和五十年度における道路整備費財源特例  等に関する法律案内閣提出第三一号)  建設行政基本施策に関する件  国土行政基本施策に関する件  群馬東村過疎地域指定に関する請願久保  田円次紹介)(第八五号)の取り下げの件      ――――◇―――――
  2. 天野光晴

    天野委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、  一、建設行政基本施策に関する事項  二、都市計画に関する事項  三、河川に関する事項  四、道路に関する事項  五、住宅に関する事項  六、建築に関する事項  七、国土行政基本施策に関する事項以上七項目について、建設行政及び国土行政の実情を調査し、その運営を適正ならしめるため、小委員会設置関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期調査を進めるため、議長承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、議長提出する国政調査承認要求書の作成及び手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  5. 天野光晴

    天野委員長 次に、請願取り下げの件についてお諮りいたします。  本委員会に付託されております請願中、第八五号、群馬東村過疎地域指定に関する請願について、去る十月二十八日付をもって紹介議員久保田円次君から取り下げ願い提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 天野光晴

    天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  7. 天野光晴

    天野委員長 次に、昨十一日本委員会に付託されました内閣提出昭和五十年度における道路整備費財源特例等に関する法律案議題といたします。  まず、提案理由説明を聴取いたします。仮谷建設大臣
  8. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 ただいま議題になりました昭和五十年度における道路整備費財源特例等に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  今国会提出された補正予算におきましては、景気対策の一環として、八百十億円の道路整備事業費追加が計上されておりますが、この財源につきましては、現下の厳しい財政事情等にかんがみ、できる限り揮発油税等のいわゆる道路特定財源を充てることが必要であると考えられます。  ところで、道路整備費財源につきましては、道路整備緊急措置法の規定により、揮発油税等収入額決算額がその予算額を上回ったときは、当該上回った額に相当する額を決算調整額として翌々年度道路整備費財源に充てることとなっておりますが、昭和四十九年度におきましては、約五百三十四億円という例年にない多額の決算調整額が生じることが明らかとなっております。  このため、本来昭和五十一年度の財源に充てることとなるこの決算調整額昭和五十年度の財源に充てることにより、今回追加された道路整備事業費財源を確保することとし、道路整備緊急措置法第三条の適用について特例措置を設けることとした次第であります。  したがいまして、法律案要旨といたしましては、第一項で、昭和四十九年度の揮発油税等決算調整額昭和五十年度の道路整備費財源に充てることとし、これに伴い、第二項で、この決算調整額昭和五十一年度の道路整備費財源には充てないこととしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
  9. 天野光晴

    天野委員長 以上で提案理由説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  10. 天野光晴

    天野委員長 次に、建設行政基本施策に関する件及び国土行政基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。井上普方君。
  11. 井上普方

    井上(普)委員 私ども建設委員会に籍を置く者といたしまして、過般の大臣青森発言はまことに大きなショックを受けたのでございます。その後、大臣といたしましては、本会議陳謝の意を表されましたけれども関係委員会におけるわれわれといたしましては、この問題につきましては最も重大な関心を抱かざるを得なかったのでございます。一応陳謝をされましたけれども、当委員会に対しまして、その後大臣何か言いたいことがございましたら、ひとつお伺いいたしたいと思います。
  12. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 御指摘を受けるまでもなく、発言の機会を求めたいと思っておりましたが、本会議において陳謝をしたので、慣例もあるからという事務的な問題もございましたので、冒頭にごあいさつ申し上げることを差し控えておりました。  ただいま御指摘いただきました問題は、私にとりましては一生の不覚でありまして、たとえ熱意の余りとはいいながら、ああいう発言をいたしたことは軽率の限りであります。心から反省をいたしておりますし、特にこの委員会皆さん方には、長い間いろいろと御指導、御叱正を賜っておるのでありまして、そういう意味においてもまことに申しわけないと思っております。これからは、もう言いわけをするよりも誠心誠意努力を積み重ねまして、これからの実績によって、私の言ったことが決して真意でなかったことを証明していきたい、体を張って証明していきたい、私はこういうつもりでおりますので、どうぞひとつ温かい御理解をいただきますようにお願いをいたします。
  13. 井上普方

    井上(普)委員 国会における発言というものが重大であることは御存じのとおりでございます。したがいまして、国会での発言は慎重に、しかも、約束されましたことは確実に実行することを強く私どもは要求いたしたい、このことを申し上げておきたいと思います。  続きまして、七月早々からまだ建設行政につきましての質問も行われておりませんので、たくさんの問題が山積いたしておると思うのでございます。  そこで、きょうお伺いします第一点といたしましては、先般も予算委員会において問題になりましたが、住宅金融公庫の貸し出しにつきまして不正がある。このことにつきましては、当委員会におきまして同僚中村君から建設省当局指摘をいたしたところでございます。すなわち、業者一括申し込みをいたしまして、そして先取りをしておくというようなことはけしからぬじゃないかという話をいたしましたところ、そういうことは起こり得ない事柄である、建設省並び住宅金融公庫からこういう御返事があったと存ずるのであります。しかし、新聞紙の報ずるところ、金融公庫でそういうような事件があったということにつきましてはどう考えられておるのか。少なくとも、不正をやった銀行につきましては、私は全部公表すべきであると思いますが、いかが取り計らいますか、お尋ねいたしたいと思います。
  14. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 総裁見えておりますから、後で詳細御報告させますが、これは予算委員会でも御指摘を受けまして、去年の通常国会の際にもいろいろ御指摘を受けた問題でありまして、国民申込者には実質的には実害を与えなかったとはいうものの、手続上きわめて不備な面がありまして、したがいまして、今年度の上期の受け付け等につきましてはそういった面を厳重に指示をいたしますし、注意をして努力をいたしたわけでありますが、結果は一次で十三万戸ほどの申し込みが殺到した。その中に、また公庫指示に反するものができまして、これは本当に申しわけないと思っております。その意味において、私どもは厳重な処置をすべきだということで徹底的に調査をいたしました結果、一応銀行については、出先二行に委託停止処分をいたしました。そのほかについては厳重な処分の通告をいたしたわけであります。  それにいたしましても、前後二回にわたってああいうふうな問題が生じたということ、これはまことに監督不行き届きであって、申しわけありません。したがいまして、これは事務当局にも公庫の方にも厳重に今後の注意を促しまして、今後は二度と再びああいうことをさせないように全力を挙げて努力をするということをお約束いたしておるわけであります。そういう意味で、いろいろと御批判を受けながら、指導不行き届きであったことを私はおわびをいたします。  なお、今後の問題とそれからの処置等の問題につきましては、総裁も来ておるようでありますから、総裁からお答えを申し上げることにいたします。
  15. 淺村廉

    淺村説明員 ただいま大臣からお話しございました件につきまして、責任者の私から詳細御報告申し上げます。  実は本年の一月に五万戸の枠を追加でちょうだいいたしまして、その受け付けをやりましたのですが、その間に大分不正があったじゃないか、たとえば申し込み用紙一括持っていったのがあるじゃないかとかいろいろ御指摘がございました。私ども住宅金融機関を信頼してやっておりますものですから、万々さようなことはないと信頼をいたしておりまして、一月に受け付けが始まって滑り出してしまっておりましたので、徹底的な追跡調査ということも私どももいたしかねておりましたが、そのすぐ後に、四月の二十八日に今年度の第一回の受け付けが始まったわけでございます。もちろん、その前には金融機関に対しまして一括申し込み受け付けちゃいけないとか、間違いのないようにしろとかいう詳細な通牒を出しておったわけでございます。これは建設省からも非常に強い御指示をいただきまして、私ども誤りなきを期したいという考えでやっておりました。この受け付けが四月二十八日に始まりましたところが、実は私ども受け付けの枠は七万四千戸ということで始めましたのが、一日で十三万四千戸程度申し込みになってしまいまして、まことに私どもとしても遺憾なことでございましたけれども、一日でもう受け付けを締め切るということにいたしました。しかも非常に数が多いので、まことに異例なことでございますので、いままでの御指摘もいろいろございますし、ひとつ念入りにつぶさにこれは調査しなければいかぬと、もちろん建設省からもいろいろ御指示も賜りまして、私どもその実態の調査に当たったわけでございます。  それに少し時間をかけましたが、その結果、十三万四千八百三十件の受け付けの中で業者一括、つまりこれにもいろいろございますけれども、本当に名前だけで持ってきたのとか、本当に申込用紙を全部お客さんのものを預って持ってきたのとか、いろいろございますけれども、私の方で、業者一括ということでそういうことはしないようにと言っておりましたものですから、そういうものを全部拾い上げますと千三百四十件出てまいりました。それから、そればかりでなく、金融機関受け付けの仕方に少し最近緩んだようなところが見えましたのでいろいろ調査いたしますと、実は私の方で銀行支店全部を認めておるわけではないので、体制の不十分なところは一つの銀行でもその支店は認めないというようなことでやっておりまして、業務取り扱いを認めておる店と認めていない店とがあるわけでございます。ところが銀行の方では、認めていないようなところも使いまして、そこが受付というようなことで、まあ気楽に考えたのだろうと思いますけれども、そういうものを受け付けておったようなものが出てまいりました。業務取扱店以外で受け付けたということで、私どもはこれに対しても注意をいたしたわけでございますが、これが四百五十六件出てまいりました。そういうことで、その他申込書類が不備であるというものがたくさんございましたが、これは一日で締め切ったということでそういう点にいろいろ同情すべき点もあったかと思いますが、やはり銀行姿勢としてはそういうところも正してもらいたいということで、不完全なものを受け付けたということも今回やはり私の方としては注意の対象にいたしたわけでございます。  それはその程度のことでございますが、その業者一括千三百四十というのは、私の方でその後つぶさに内容を一件一件調べました。全部無効なんということにいたしますとまた善意の申込者に大変御迷惑をかけますから、一件一件全部名前から何から調べまして、七百四十五件を合格にいたしました。残りの五百九十五件というのは、不合格あるいは辞退というようないろいろなことで落ちていったわけでございます。それから業務取扱店以外で扱った四百五十六件は、全部調べましたが、四百四件は私の方で審査して大丈夫だということで、五十二件は落としたということでございます。  そういうことで内容がはっきりいたしましたので、私の方ではこれに対して委託契約に基づく監督者の立場にございますから、どうも一番姿勢が悪いと思われます金融機関二つに対しましては、半年間の金融公庫業務取り扱い停止を言い渡しました。それから七つの機関には、金融公庫総裁名文書厳重注意をいたしました。それから百十の機関、これは申込用紙の不備を受け付けたとか細かいいろいろなものを含んでおりますが、そういうものに対しましては、私の方の支所長名前文書警告を発したり、口頭で注意をしたりいたしたわけでございます。また、そういうことを起こしました業界に対しましても、私ども別監督権限も何もございませんけれども、一応こういうことをやらぬでもらいたいという警告をまた発したわけでございます。  私どもといたしましては、こういうことはまことに監督不行き届きでございまして、非常に責任を痛感いたしておるわけでございます。これから再びかようなことが起こらないように一生懸命やらなければならぬとつくづく感じておるわけでございますが、現在公庫受け付けて動いておりますものは、ただいま申しましたように一応公庫で精査いたしまして、不正なものは一件もないわけでございます。  それから、十月一日から十月十三日までの期間で、また新しく個人住宅建設の枠は九万二千戸、アパートを買う枠が八千戸、合計十万ということで受け付けを始めましたが、これは前回に私ども非常に痛い経験をいたしましたので、一日で締め切るなんということ、これは皆さんに大変御迷惑をかけますので、ちょっと残念な気もいたしましたが抽せん制に切りかえまして、この場合は十月一日から十三日まで抽せん期間を置きまして抽せんをいたしました。こうやって期間のゆとりもございますし、私どもから厳しく申し渡しましたものですから、金融機関におきましては非常に姿勢を正しまして、これは私ども別に広言するわけではございませんけれども、今回の受け付けばきわめて適正に行われたという報告を私は受けておるわけでございます。  かようなことが再び起こりましては国民の不信も買い、金融公庫自体としてまことに不面目でございますので、今後は金融公庫自体体制も強化して、私の方には実はこういう委託業務を扱っております銀行を指導監督する部署というものが少し手薄であったのではないかという反省も持ちまして、特にそういう業務を扱います代理業務課という課を今年度設けましたが、その組織機構も強化するし、そういうことでひとつ誤りなきを期してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  大変申しわけないことであったと、つくづく反省をいたしております。
  16. 井上普方

    井上(普)委員 この問題につきましては、当委員会におきましては再々そういう疑惑があることを指摘いたしているのであります。ことしになってからじゃない。去年あるいはおととしあたりからどうもおかしい。特にプレハブ業者公庫割り当てをやったというようなことも新聞紙上に出ておったし、このことは当委員会においておととし指摘したはずです。去年もまたプレハブ業者に八千戸割り当てがあった。これをプレハブ業者の仲間でどういうようにして処理するかというようなことについても質問しました。そういうことはないはずだ、これは個人申し込みだからないのだということが、いままでの建設省当局並びに公庫からの御返答であった。ことしになりまして、同僚中村君がこの問題については指摘した。特に中村君は、業者の勧誘の仕方についてテープレコーダーをこの場面に持ち込んで、ただ前例がないからこれを皆さん方にお聞かせすることができないということで、住宅金融機関の委託業者と大手業者との密着ぶりを指摘いたしたのであります。その際にも建設省当局は、個人申し込みでございますからそういうことはあり得るはずがない、一蹴いたしたのであります。しかしながら、現にこういうような募集の方法も行われておるではないか、あるいはまた新聞広告におきまして、住宅金融公庫つき住宅であるということを明言した新聞広告がなされておる、これもおかしいじゃないかという指摘で、建設省当局住宅局長は、それじゃ調査いたしますということをこの場でお約束になったと思うのであります。決してこれは建設省当局が自発的に、あるいは住宅金融公庫が自発的に調査されたものじゃない。ここに私は大きな問題が一つあると思うのであります。しかしながら、このような建設業者とあるいは銀行との密着ぶりがはっきりいたしてまいりましたので、一体その実態がどうなのか、われわれは知る権利がある。したがいまして、この不正を働いておった金融業者を全部ここに発表していただきたい。これが一つ。それと、その手口につきましても発表していただきたいと思うのであります。  私どもが仄聞するところ、架空名義で一括して要求いたしておる。ときに大企業があります。これらの問題をひとつわれわれは徹底的に追及する必要があると思う。でなければ、今後の住宅政策につきましては大きな支障を来してくることを私は恐れるのであります。したがいまして、このような不正を働いた金融機関並びに建設業者、これらの名簿を全部公表していただくことを強く要求いたしたいと思います。大臣、いかがでございます。
  17. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 先ほど総裁からもいろいろ御説明を申し上げましたように、確かに事務手続上いろいろ問題のあったことは私ども率直に認めております。しかもこの委員会からしばしば御指摘をいただいたことも、井上委員もおっしゃるとおりでありまして、私はそういうふうな疑惑を受けたり、少なくとも議会で指摘を受けるようなことがあってはならないと思いまして、公庫の方には厳重に申し渡しをして、万遺憾なきを期するようにということでいろいろと注意を実はいたしてまいったわけでありますが、それが御指摘のような結果になって、これはまことに申しわけないと思っております。  ただ、決して言いわけをする意味じゃございませんけれども、あれ全部が、一体すべてが悪意でやったのか、あるいは考え方によりますと、一般の申し込み者の中には、自分でそういうふうな手続をとること自体がまことに十分でないので、頼まれて、そしてその人々のために善意で世話をしてやったという人もあるわけでありまして、たとえば先ほど千何百件ほど調査の結果、問題の件数が出てきましたけれども、その中に七百五十件ぐらいは、これは当然申し込み者の善意と解釈して処置してやらなければならぬというようなものも出てきたわけでありますから、そういたしますと、少なくとも半数以上は善意から出発したものであることも一応理解されますし、一応その中にどこが善意でどれが悪意かという問題の判別も非常につけがたいので、不十分であるかもしれませんけれども、特に公庫指示に反したものの銀行出先二つについては、これはもちろん店名も公表をして委託停止処置をとったのであります。  その他の銀行や業界に対しましても、先ほど総裁が申し上げましたように、総裁名において厳重な注意をいたしたのでありまして、厳重な注意ということは、名前こそ発表いたしませんけれども、二度こういうことが繰り返されたら、あなたも結局指名停止をいたしますよという、そういう意味の厳しい手続であったことは申し上げるまでもありません。  さように考えてみますと、名前を公表してまで、そこまでいかなくても、代表的なものをいわゆる必罰をやって、そうして後は百戒とするということで今後の戒めを厳重にしていく、もし今後二度と再びそういうことがあれば、これは氏名公表もいたしますし、もちろん委託停止もするという形の厳しい態度をもって臨んでおるわけでありますから、今回の措置はぜひひとつその程度で御理解をいただいて、今後の公庫の進め方、銀行や業界の態度についても厳重に監視をしてもらって、二度と再びこういうことを繰り返さないような方法を講じるということに努力をいたしてまいりますから、しばらくひとつ御理解ある余裕をいただきたい、かように思っておるわけであります。
  18. 井上普方

    井上(普)委員 これはいままでの経緯からいたしまして、公表していただかなければなりません。この場におきまして、こういう事例があるじゃないかということを指摘している。そのとき建設省当局は何と言いました。個人申し込みであるから、個別の申し込みであるから、そういう不正は起こり得るはずがございませんという答弁だった。しかし実際に調査すればあった。一割近くもあった。その中には善意のものもあるでしょう。これは私も認めます。しかしながら、少なくとも建設省がわれわれに、個別申し込みであるからあり得るはずがない、こういう答弁だったのですよ。しかし実際には起こっておる。われわれの指摘のとおりであった。なぜこういうような機関の公表ができないのです。私は善意のものまでも要求するわけじゃございません。少なくとも厳重注意をいたしましたところまで全部発表していただきたい。なぜできぬのです。それほどまでなぜ金融機関を保護しなければならないのです。私は、いまの御答弁は納得できません。了解いたしかねます。再度御答弁をお願いします。
  19. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 井上さんのお説、私ごもっともだと思います。決して私どもは特に銀行を擁護して隠さなければならぬというふうな意を持っておりません。おりませんが、もうずばりと処分したものは公表もしておりますし、その後は今後の誓約をさして、そして遺憾なきを期するということで一応このたびはひとまずおさめようという考え方を持っておりましたが、いろいろ御意見もあるようでございますから、これを理事会の方へひとつ御相談申し上げることで、いろいろ今後の対策をお考えいただくようなことにいかぬだろうかと思いますが、いかがでしょうか。
  20. 井上普方

    井上(普)委員 私は公表ができないという理由の発見に苦しむものであります。なぜできない。  委員長にお伺いします。いまこういうようなときでございますので、ひとつ委員長において処置せられんことを強く要求いたしたいと思います。
  21. 天野光晴

    天野委員長 井上君に申し上げますが、事件発覚したのは初めての問題でもあるから、理事会の方で説明をさせるようにいたします。それでひとつ御了承願いたいと思います。
  22. 井上普方

    井上(普)委員 委員長の御処置をお願いするのですが、私はあくまでも公表されることを強く要求いたしたいと存じます。  それから、七月以来質問が行われておりませんので、いろいろの問題が出てまいっておるのでございます。一つ一つやっておっては時間が非常にたちますので、簡単に一つ質問をしたい。  本四架橋につきまして、先国会の最後に福岡君から詳細なる質問があった。そのときの御答弁と今度の建設省処置との間には大きなずれがあるように思われるのでございます。このいきさつはどんなのか。そしてまた新聞紙上伝えられておるところと実際の事務的手続の上との間におきましては大きなギャップがあるように思われます。この点につきまして詳細ひとつ御答弁をお願いいたしたいと存ずるのであります。
  23. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 本四架橋の問題は、これは当時井上議員さんからも、福岡議員さんからの御質問もありまして、私もいろいろお答えをいたしたわけでありますが、現在、こういうふうな高度成長から低成長へ当然切りかわらなければならぬときに三本同時着工は無理だという非常に厳しい世論もありますし、国も財政上の都合で一挙になかなかそこまで持っていけないということから、それかといって二年前に凍結したものをこのままの状態でほおかむりしていくことは政府の責任にもかかわる問題ということで、どういう形でこの問題に一応のめどをつけるかということが政治的な問題も含めてわれわれが一番苦労をしたことでもありますし、また、地元の関係の人々にも大変御無理を言って御理解をいただいた問題であります。だから、当面一本のルートという問題については、これはあくまでも当面でありまして、永久に一本というわけではないことは御理解をいただいておると思います。当面一本のルートはどうするかということは、まず三全総の計画をいま立てておりますから、三全総の決定に基づいてその問題はその時点でひとつルートを決定をしようということになっておりますことも御承知のとおりであります。  さて、それなら三全総が決定され、ルートが決まるまでは何にもせずに放置しておくかという問題もありますが、やはり不況対策等の問題もありまして、二年前にもう請負まで決定をして、着工直前になって凍結しておる橋もございますから  それは大三島でありますが、この間環境庁の方の審議会にもかけてようやくこれを認めてもらったというわけであります。引き続いて私どもは鳴門の架橋についても準備をするようにという指示を地元にはいたしてありますし、その準備ができ次第に着工するという考え方を持っております。あわせて因島も同様であります。そういうような点で地元の方にも御理解を願い、公団の方でもそういうふうな技術的な事務的な手続を進めておる状態であります。  ただ一つ、環境関係の審議会がこの間大三島の問題で決定したときに、それはあくまでも地域開発として認める、そういうような意味で決定をされたようでありまして、私は、そういうふうな面について、公共事業の全体計画とか地域開発とかいったようなところまで環境関係の審議会が立ち入る性質のものかどうかということについてはいささか疑念を持っておるわけでありますが、いずれにしましても大三島は、あの地域に橋をかける場合の環境に対してどういう影響があるかということの御答申をいただくのでありまして、それに基づいてあの地域を開発するために橋をかけたということで、別に異議はないという答申をいただいております。だから、この後次々に橋をかける場合にも、その橋をかけることにおける環境関係の御調査をいただき、答申をいただければ私どもはいいと思っておりまして、別に全体計画のものを審議会へ御相談をしておるわけでありませんから、全体計画ができればできたでその時点でまた審議会の方には御相談をするというつもりを持っております。  そういう意味から考えますと、若干関係のルートの人々には地域開発とか単独橋とかいったようなニュアンスも伝わっておりまして、そういう点においてはいろいろ疑念もあろうかと思うのでありますが、ただ、私どもは従来の計画が四十八年十二月に着工寸前のところが凍結になっておりますから、その凍結を解除することがまず第一段階、かように考えておりまして、凍結解除されて一つの橋が一応着工され完成すれば、引き続きその次の時点のものを考えることは当然のことであって、われわれは将来において三本全部否定しているという考え方は持っておりません。解釈はいろいろありましょうけれども、私どもはそういう考え方を持っておりますが、現時点で着工を凍結しておるものを解除して仕事を進めていくためには、一応環境庁のそういうふうな考え方、あるいは審議会の方針もそれはだめだと言ってはね返すわけにもいかない。そういう問題もありましたものですから、一応あの勧告を私どもは了承した、こういう形に相なっておるわけでありまして、別に最初の基本方針と現実の基本方針とが変わっているとは私どもば思っておりませんし、また変わるべきではないというのが私どもの考え方であります。
  24. 井上普方

    井上(普)委員 私は先般の通常国会の最終に、同僚福岡君と一緒に質問したのでありますが、その質問の際には、国土庁の長官もお二人とも三全総というような言葉は全然出てこなかった。三全総のいきさつを待ってルートを決定いたしますなんということは全然出てこなかった。なぜここで三全総が出てきたのです。突如として出てきたじゃないですか。われわれが質問したのは七月の最終です。八月の終わりごろには決定いたしたい。三橋とルートを閣議で決定いたしたいというのが御答弁であった。ところが一カ月後に、ルート決定は三全総に全部ゆだねるというのは一体どういうことなんです。それと同時に、四十八年の当時に建設省が公団に対しまして実施計画を命令しておる。その前に各県の同意を得て、そうして実施計画を決定しておる。それとの関係はどうなるのです。
  25. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 確かに三全総の問題は、この委員会で御質問のあったときには私どもそういうことも言っておりませんし、実はそこまでの話にまでは行っていなかったことは事実であります。だから、質問をして答弁したのと、後に三全総の問題と違うじゃないかとおっしゃられればそのとおりであります。ただ、あの当時私どもが答弁したときと同じ気持ちで、現在でもその気持ちでありますが、これはやはり財政当局と申しますか、経済企画庁の今後の経済発展計画、低成長計画の中の経済計画というものが政治的にも経済的にも非常に大きく取り上げられているときでありまして、そういう事務当局との最終的な詰め、折衝をする場合に、これは国土庁長官もいらっしゃいますが、いろいろ相談をいたしました。その場合に、これから大きなプロジェクトの問題については、やはり今後の低成長下の日本の経済計画をどうするかという基本的な問題と関連をすることだから、それと全く外れて決定するということはできないだろう、それは国民も承知しないだろうから、やはり基本的な問題については、一応三全総も決まることだから、三全総の方向と合わせて決定すべきであるという意見が出てきまして、それもそのとおりだろうと私どもは解釈をいたしたわけでありますが、しかし、それかといってその三全総によって最初の計画が全部根本的に変わるというふうには考えておりませんし、そういうことはあり得べきことではないと私どもは思っておりますが、工事の今後の進め方については、やはり国の経済計画とも合わせて進めていかなければならぬということには、私どもも決してそれに反対する理由はないと思いますから、そういう意味で三全総は若干ここの答弁とは後先になったことだけは事実であります。その間において説明をしなかったのは、その機会を得なかったことでもありますが、これはぜひ御理解をいただきたいと思います。
  26. 金丸信

    ○金丸国務大臣 井上先生にひとつ私の方から伺いたいのですが、先生は三本の橋をつくることが当然だというお考えですか。——そういう話を承れればなお気を安くして御答弁を申し上げられるわけでございますが、三大臣で決定した当面という言葉が非常に意味深長なものを含んでおると私は思います。第二次新全総の中にこの計画は入っておるわけでありますが、経済成長がこのような状況でありますので、この三本をやるということについてはひとつ考え直そうじゃないかという考え方で見直しを、これはひとつ本四架橋の問題ばかりではなくてすべての計画を見直そう——企画庁の長官は白紙にしようとこういう話もあったのですが、私は白紙ということはまことにいままでの新全総が不見識なものだ、こういうことになるから、これは見直しだということで、それは見直しでよかろうということになったのですが、そういう中で、あれだけの四国あるいは本島の関係の二千万の人たちの悲願である三つの橋という問題について、当面一本ということについてはいまの経済状況の中からやらなければならぬけれども、将来三十年、四十年先の夢まで摘むという必要はないのじゃないか、むしろ、将来日本の経済がそれをつくるにふさわしい経済になったら当然それは対応してその夢を実現する、将来の夢を持たせるべきだというような考えがわれわれの考え方の中にあるわけでございまして、そういう考え方をひとつ御理解をいただきたい。
  27. 井上普方

    井上(普)委員 どうも決定につきましてはジグザグコースをたどっておるように思われてならない。だれかの七月の当初における答弁には三全総なんというのは全然出てこなかった。当時三全総の作業はもうすでに始まっておったのであります。私も国土総合開発委員の一人でございますからよく知っておる。これは当面一本ずつつくるのに三全総に責任転嫁させいというまことにずるい三木内閣のやり方じゃないですか。いままであなた方は、政府としては確信を持ってやらなければならない事柄であるにもかかわらず、ともかく三全総にそれをゆだねるということは、まことに三木内閣らしいずるいやり方だと思うのですが、私はそういうように解釈いたしております。  現にこの委員会において七月早々の御答弁のときには、内閣が責任を持って決めますということまであなた方おっしゃっておるのです。それを三全総にまつというのは、まあ政局を見ますというと御存じのとおりの状況でもあり、瀬戸内海沿岸には大蔵大臣建設大臣あるいは運輸大臣、総理大臣あるいは外務大臣までおる。現に決定するときの三閣僚の話し合いに外務大臣まで出席したということが新聞紙上に載って、われわれは唖然とした。まあともかくこれは三木内閣の性格がよく出た決定であると思うのであります。先へ先へと延ばしてそのうち何とかなるだろうというずるいやり方をとったのだと私は思う。仮谷さんのごとくまことにはっきりと物を言う方には——青森発言は別ですけれども、まことに似つかわしくない決定である。現に福岡君の質問に対しましても明快なる御答弁があったにもかかわらずこれをやられておる。当委員会に対するこれは本当にけしからぬ話であるということを私は指摘しておきたいと思います。  それからまだまだたくさんあるのでございますが、今度公共事業に補正予算追加する、のみならず初年度の予算に際しましても、地方財政がこのような赤字の際に一体どうするのかということが、地方自治体にとりましては大きな問題でございます。この財源を一体どうするのか、御所見を承りたいと思うのです。
  28. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 ただいまの御質問にお答えする前に一言だけ。本四架橋の問題、私ば七月に井上議員ほかの議員さんにお約束した問題、全力を挙げてお約束を実現するように努力いたします。それだけの自信を持って私は努力いたしてまいりたいと思っております。  ただ御理解をいただきたいのは、本四架橋というものは大きな言い方をすると、金丸長官は大変お力をいただいておりますけれども、あとは四面楚歌という中で実はやっておると申し上げてもいいと思います。世論にもいろいろ強い批判の声がありまして、その中で何とか地域住民の皆さん方の従来の御期待に沿えるようにと思って、実は身の細る思いで努力をいたしておるつもりでありまして、そういう意味からいうと、若干迂回があるかもしれません、右顧左べんもあるかもしれませんけれども、到達すべき目標は一つにしぼりながら、道程にはいろいろ紆余曲折のあることも、これは現在の時点ではやむを得ないことでもあるかと思いますが、われわれの強い考え方、信念は、あくまでも約束を守っていこうというつもりで努力をいたしてまいりますので、どうぞひとつ大きな気持ちで御理解と、むしろ御協力をいただくようにお願いをいたしたいと思います。  公共事業の地方の負担金の問題でありますが、今回の不況対策と補正の問題につきましては、われわれが不況対策でいかに推進しようと思っても、地元の受け皿が十分でない、いわゆる地方財政が受け入れができなければ、これは実行できないわけでありますから、今回の補正あるいは不況対策の問題については、地方団体の財源対策は十分講じてあるつもりでありまして、これに関する限りは私どもは実行できると思っております。ただ今回、地方行政の方でもいろいろ地方自治体の財源対策等につきましても法案が進められておるようでありますから、こういうふうな一連の立法が成立をし、対策を立てていかれるならば、私どもも地方団体も余りいままで心配したようなことなしに、ある程度この急場を切り抜けていけるのではないかということを期待をいたしておりますし、そういうために努力をしていかなければならぬと思っております。  ただ、本年に限らず明年も、それから向こうの問題も、地方財政問題はこれからの大きな一つの課題であると思います。そういう点について、特に公共事業の円滑な推進のためには、関係省庁、特に自治大臣とも十分連絡をとりながら私ども努力を進めて、遺憾のないようにしたいと思っておるわけであります。そういった面でひとつ御理解と、これもぜひ御協力をいただきたいと思っております。
  29. 井上普方

    井上(普)委員 本四架橋の問題につきましては、先般わが社会党の委員長並びに、本四連絡対策特別委員会をわが党は設置いたしまして委員長久保三郎さんがしておる、この両名で建設大臣、運輸大臣に申し入れ書を出しておるのでございます。しかしこれは出してからいまだに御返答がない。一体どういうわけなんですか。これは御返答が全然ないということは、まことに公党に対する侮辱だと私は思う。しかもこの内容というものは、御存じのとおり先ほども申しました関係地方自治体の負担の問題、あるいはまた労働者の失業対策の問題、あるいは自然環境の問題、交通体系の問題等々、たくさんの問題について質問をいたしておるのであります。いつ御返答がいただけるのか、この点ひとつお伺いしたい。
  30. 井上孝

    井上(孝)政府委員 御質問の成田委員長からの御質問書はただいま検討中でございますが、近くお返事を申し上げたいと思います。特にその後環境問題に関する点は至急に答弁をせよということでございますので、その答弁はすでにその部分だけ提出をいたしております。あと鋭意進めております。
  31. 井上普方

    井上(普)委員 実は私どももきのう会議を開いたのでございます。しかし、この問題を調べていきますと、労働省、自治省あるいは農林省すなわち漁業対策、あるいはまた環境庁、もちろん国土庁及び建設省には重大な問題があります。こういうように非常に多岐にわたっております。したがいまして、ひとつ窓口を一つにする必要があるんじゃないだろうか、このようにも思われるのでございます。すなわち対策委員会らしきものを政府部内においてつくらなければならないんじゃないですか。これは国土庁がやるべき性格のものかもしれません。一体こういうような本四架橋についての総合的な対策、これはメリットもありますけれどもデメリットもかなりあるのです。そのデメリットをいかにして解消していくかというのがわれわれの今後の務めでなければなりません。それに対する対策を一体どこが中心になってやるんだ。建設省と考えていいんですか、どうなんです。
  32. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 お説のとおりであります。これは特に海運関係、旅客船問題等がありまして、これは運輸省が担当しておる。しかしそれは本四架橋の問題で運輸省だけに任すわけにいかないじゃないかということで、両省から調査会をつくって調査を進めておる。調査を進めておるが、調査ができ上がったら一体どこが窓口で、どこが責任で問題の解決に当たるかということ、これはいろいろ関係者からも言われておるわけであり画して、結局どちらが中心になってやるというよりも、運輸省と建設省と、場合によればひとつ国土庁の方にも力をかりまして、これらに対する対策委員会ですか対策審議会ですかね、何か適当な窓口を、ぴしっと責任のある窓口をつくらなければならぬ、これは当然でありまして、私どもそういうふうにせなければならぬと思っております。
  33. 井上普方

    井上(普)委員 早急に対策を窓口を一本化してやっていただきたい。同時にその返答も、近くというんじゃなくて、いつまでに返答していただけるか、これも明確にしていただきたいと思います。
  34. 井上孝

    井上(孝)政府委員 当面は、御質問で御指摘の旅客船問題が各省にまたがる非常にむずかしい問題でございます。先生御承知のように、運輸、建設両省からの指示で、本四公団の中に旅客船問題に関する調査会をつくっておりまして、この調査会には学識経験者、関係行政機関、それからその他の関係者、船主とかあるいは海員組合も参加いたしております。現在その調査会でいろいろと調査をし、実態調査、問題点の所在等を検討いたしております。この調査会の結論が近く出るものと思いますが、その出た段階で関係各省、御指摘のように労働省、運輸省も含めまして関係各省で対策を確定する、相談をする場所をつくりたいというふうに考えております。  いま申しましたような段取りを考えておりますので、いまの段階でいつまでということは申し上げかねますが、本四公団の調査会はいま非常に精力的に調査を進めておりますので、その結果をまちまして早急につくりたいというふうに考えております。
  35. 井上普方

    井上(普)委員 申し入れに対する返事はいつです。
  36. 井上孝

    井上(孝)政府委員 社会党からの御質問書も、実はいま申しました旅客船問題も含めまして非常に広範な御質問でございますので、ただいま関係各省と事務的に打ち合わせをやっております。なるべく早く全体に関するお返事を申し上げたいと思っております。
  37. 井上普方

    井上(普)委員 旅客船問題についての調査だけではこれは足らぬのですよ、実際の問題としましては。考えてごらんなさい。船だけ考えても、船だけじゃないですよ、船舶だけじゃない。港湾荷役の問題もあるし、それからたくさんの問題を抱えてくるのです。したがいまして、旅客船問題が一番大きな問題なんという認識だから私ら困る。たちまちあなたこのごろ、地方自治体は出資金あるいは縁故債を持たなければならぬのでしょう、この縁故債あるいは出資金をつくるのに地方自治体のいまの財源からしてきゅうきゅう言っておるじゃありませんか。どうするのです、こういうような問題を。これらの対策も、やはり建設省はもうなんですか、出資金にもう出さなくてもよろしい、あるいは地方が持つ地方債は持たなくてよろしい、こうおっしゃるならまことに簡単なんだけれども、どうなんです、そこらあたりは。だから私が言うのは、早く対策委員会をつくって諸問題の解決に乗り出しなさいということを私は言っているのです。旅客船対策などというのはその大きな中の一つですよ。これを私は、早くつくって窓口を一本化していただきたい。これはもう恐らく早くつくる御決意だと承ってよろしゅうございますね。
  38. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 はい。
  39. 井上普方

    井上(普)委員 それはその程度にいたしまして、早くつくっていただきたいことを申し上げておきます。  それから地方自治体がいま非常に困っておりまして、直轄公共事業の地方負担分につきまして、もう建設省へ金を送り込むのが滞っておるんじゃないですか。全体としての話ですが、滞納しておる、こういうことが起こっておるのでしょう。あるいはまた先行投資で、早くおまえら自治体が土地を用意すれば河川工事であるとかあるいはまた道路をつくってやるのだという約束をやっておる。それがたまりたまって七千億円分も地方自治体が買っておるというような問題があります。したがって、地方自治体もこれらの問題できゅうきゅう言っておる。これに対して建設省の考え方としてはどうするのか、ここらひとつ明確にお答え願いたいと思います。
  40. 仮谷忠男

    仮谷国務大臣 まず直轄の負担金の問題ですが、九月、十二月、三月と三期に分けておりまして、九月分の負担の問題ですが、それは完納しておる県が十七県ほどあります。十二月までには大体完納できるという見通しのあるものが十三県くらい、いまのところ見通しが立たないのが七県くらいということに実はなっておりまして、知事会の方からもこの負担金については延納、分割というふうな申し入れもあっておりますが、年度内に若干一期のものが二期へずれ込むとか二期が三期へずれ込むとか、年度内の若干延びるということはこれはやむを得ないことだと思いますが、本年度のものを来年度にということになりますと、これはもう事業計画が根本的に変わってこなければならぬ問題もありますので、そういった面については財政対策もいろいろ今度の国会でできるものですから、そういうものを含めてひとつ努力をしてくださいというふうに、それぞれの地方団体とは私ども個別にいろいろ折衝、相談をいたしておるわけであります。ただ、それを延べるとか分割するといった問題になりますと、まじめに完納した県もあれば、全くそういうことに便乗というわけじゃありませんけれども、厳しいものですから、それが後回しという考え方の県とがありますと、公平の原則を欠くことにもなりますから、行政上そういった面を十分に配慮をしながら努力をいたしていきたいと思っております。  それから先行投資の面はおっしゃるとおりであります。直轄と補助を合わせて七千億余りの公共投資、先行投資がいま行われておるわけでありまして、救済策といえば、一日も早くそれを再取得する、わが方の事業に再取得するということ、これが一番の方法でありますが、これも公共事業の全体の枠が決められておりますから、一挙にそれを解消することは非常にむずかしい。そうすると、できるだけ早く再取得をするということと、これからの新しい先行投資は抑制をしていく、必要以外のものは抑制をしていくということと、それにしても再取得が仮に一年なり二年なり向こうになってきますと、地方では利子負担もなかなかたえられぬと思います。それでせっかくこちらに協力をしてもらって先行投資をさせながら、しかも二年も三年も待たして、こちらが買い上げる場合には、再取得をする場合には損をして逆ざやが出るといったようなことになることは、地方行政に対してもまことに申しわけないことだと思っておりますから、その対策をどうするかという問題は、率直に言って先行投資の問題については、まだそういう現実の問題が出てきておりませんが、しかしもう具体的に出てくるとすればこれは自治省とも相談しなければいかぬ、それから大蔵省とも相談していかなければならぬと思っておりまして、自治大臣とは時折この問題についての対策の打ち合わせをいたしておりますから、現実にそういう問題が出てくればこの問題もわれわれは積極的に取り組んでいかなければいかぬ問題だ、かように思っておるのが現在の段階であります。
  41. 井上普方

    井上(普)委員 地方財政の問題につきましては早急にやっていただかなければいかぬ。現にいままで地方財政がこれほどきゅうきゅう言って、年末の人件費につきましても出せるか出せぬかわからぬというような状況にあるのです。このことばもう御存じのとおりです。しかも、建設省に対して協力の体制から先行投資をやっておる。その先行投資の金が三年も先になって、しかも逆ざやを生じて、その分を地方自治体が持たねばいかぬということになってきたら大変でございます。あなた方建設省の事業に対して協力する者はなくなってくるのじゃなかろうか、このようにも考えられます。したがいまして、これの問題はよりより相談するじゃ意味がなくて、早急にひとつ相談して、そしてこれの対策を講じていただきたいと存ずるのであります。  いずれにいたしましても、地方自治体がこういうように非常に窮屈なときでございます。しかしそのことによって、あるいは先ほども申しました公共事業の直轄分の地方の負担金——これは元来地方自治体にかぶせる問題じゃないんです。国土をつくるのに、地方自治体から四分の一の負担金を取るということ自体が、すでにこれは私は問題があると思う。こういう問題があることを、しかし地方が望むからというので、これは陳情政治の悪いあらわれが一つここにあらわれておると思うのですけれども、そのために地方負担分をともかく取り上げるというようなことは、私は厳に慎んでいただきたいと思います。地方自治体の財政の実態をよく調査して、そして対処していただけることを強く望んでおきたいと思います。  いろいろとまだあと住宅公団、住宅政策等々に質問いたしたいことがございますが、まあきょうは時間が非常にないということで委員長もお困りのようでざいますので、この程度で質問は終えておきますが、私が申し上げたことをひとつ重々実行されんことを強く要求いたしておきます。
  42. 天野光晴

    天野委員長 次回は、来る十四日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十二分散会      ————◇—————