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淺村説明員 ただいま
大臣からお話しございました件につきまして、
責任者の私から詳細御報告申し上げます。
実は本年の一月に五万戸の枠を
追加でちょうだいいたしまして、その
受け付けをやりましたのですが、その間に大分不正があったじゃないか、たとえば
申し込み用紙を
一括持っていったのがあるじゃないかとかいろいろ御
指摘がございました。私
ども住宅金融機関を信頼してやっておりますものですから、万々さようなことはないと信頼をいたしておりまして、一月に
受け付けが始まって滑り出してしまっておりましたので、徹底的な
追跡調査ということも私
どももいたしかねておりましたが、そのすぐ後に、四月の二十八日に今年度の第一回の
受け付けが始まったわけでございます。もちろん、その前には
金融機関に対しまして
一括申し込みを
受け付けちゃいけないとか、間違いのないようにしろとかいう詳細な通牒を出しておったわけでございます。これは
建設省からも非常に強い御
指示をいただきまして、私
どもは
誤りなきを期したいという考えでやっておりました。この
受け付けが四月二十八日に始まりましたところが、実は私
どもの
受け付けの枠は七万四千戸ということで始めましたのが、一日で十三万四千戸
程度の
申し込みになってしまいまして、まことに私
どもとしても遺憾なことでございましたけれ
ども、一日でもう
受け付けを締め切るということにいたしました。しかも非常に数が多いので、まことに異例なことでございますので、いままでの御
指摘もいろいろございますし、ひとつ念入りにつぶさにこれは
調査しなければいかぬと、もちろん
建設省からもいろいろ御
指示も賜りまして、私
どもその実態の
調査に当たったわけでございます。
それに少し時間をかけましたが、その結果、十三万四千八百三十件の
受け付けの中で
業者の
一括、つまりこれにもいろいろございますけれ
ども、本当に
名前だけで持ってきたのとか、本当に
申込用紙を全部お客さんのものを預って持ってきたのとか、いろいろございますけれ
ども、私の方で、
業者一括ということでそういうことはしないようにと言っておりましたものですから、そういうものを全部拾い上げますと千三百四十件出てまいりました。それから、そればかりでなく、
金融機関の
受け付けの仕方に少し最近緩んだようなところが見えましたのでいろいろ
調査いたしますと、実は私の方で
銀行の
支店全部を認めておるわけではないので、
体制の不十分なところは一つの
銀行でもその
支店は認めないというようなことでやっておりまして、
業務の
取り扱いを認めておる店と認めていない店とがあるわけでございます。ところが
銀行の方では、認めていないようなところも使いまして、そこが受付というようなことで、まあ気楽に考えたのだろうと思いますけれ
ども、そういうものを
受け付けておったようなものが出てまいりました。
業務取扱店以外で
受け付けたということで、私
どもはこれに対しても
注意をいたしたわけでございますが、これが四百五十六件出てまいりました。そういうことで、その他
申込書類が不備であるというものがたくさんございましたが、これは一日で締め切ったということでそういう点にいろいろ同情すべき点もあったかと思いますが、やはり
銀行の
姿勢としてはそういうところも正してもらいたいということで、不完全なものを
受け付けたということも今回やはり私の方としては
注意の対象にいたしたわけでございます。
それはその
程度のことでございますが、その
業者一括千三百四十というのは、私の方でその後つぶさに
内容を一件一件調べました。全部無効なんということにいたしますとまた善意の
申込者に大変御迷惑をかけますから、一件一件全部
名前から何から調べまして、七百四十五件を
合格にいたしました。残りの五百九十五件というのは、不
合格あるいは辞退というようないろいろなことで落ちていったわけでございます。それから
業務取扱店以外で扱った四百五十六件は、全部調べましたが、四百四件は私の方で審査して大丈夫だということで、五十二件は落としたということでございます。
そういうことで
内容がはっきりいたしましたので、私の方ではこれに対して
委託契約に基づく
監督者の立場にございますから、どうも一番
姿勢が悪いと思われます
金融機関二つに対しましては、半年間の
金融公庫の
業務取り扱いの
停止を言い渡しました。それから七つの
機関には、
金融公庫の
総裁名で
文書で
厳重注意をいたしました。それから百十の
機関、これは
申込用紙の不備を
受け付けたとか細かいいろいろなものを含んでおりますが、そういうものに対しましては、私の方の
支所長の
名前で
文書で
警告を発したり、口頭で
注意をしたりいたしたわけでございます。また、そういうことを起こしました業界に対しましても、私
ども別に
監督権限も何もございませんけれ
ども、一応こういうことをやらぬでもらいたいという
警告をまた発したわけでございます。
私
どもといたしましては、こういうことはまことに監督不行き届きでございまして、非常に
責任を痛感いたしておるわけでございます。これから再びかようなことが起こらないように一生懸命やらなければならぬとつくづく感じておるわけでございますが、現在
公庫で
受け付けて動いておりますものは、ただいま申しましたように一応
公庫で精査いたしまして、不正なものは一件もないわけでございます。
それから、十月一日から十月十三日までの
期間で、また新しく
個人住宅の
建設の枠は九万二千戸、アパートを買う枠が八千戸、合計十万ということで
受け付けを始めましたが、これは前回に私
ども非常に痛い経験をいたしましたので、一日で締め切るなんということ、これは
皆さんに大変御迷惑をかけますので、ちょっと残念な気もいたしましたが
抽せん制に切りかえまして、この場合は十月一日から十三日まで
抽せんの
期間を置きまして
抽せんをいたしました。こうやって
期間のゆとりもございますし、私
どもから厳しく申し渡しましたものですから、
金融機関におきましては非常に
姿勢を正しまして、これは私
ども別に広言するわけではございませんけれ
ども、今回の
受け付けばきわめて適正に行われたという報告を私は受けておるわけでございます。
かようなことが再び起こりましては
国民の不信も買い、
金融公庫自体としてまことに不面目でございますので、今後は
金融公庫自体の
体制も強化して、私の方には実はこういう
委託業務を扱っております
銀行を指導監督する部署というものが少し手薄であったのではないかという
反省も持ちまして、特にそういう
業務を扱います
代理業務課という課を今年度設けましたが、その
組織機構も強化するし、そういうことでひとつ
誤りなきを期してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
大変申しわけないことであったと、つくづく
反省をいたしております。