○坂井
委員 民法上の問題でございまして、
関係法令等の問題もございますので、確かに
法律的な
一つの成案を得るということになりますと、それは
相当慎重を期さなければいけないと思う。したがって時日を要するということを
理解するに私やぶさかではございません。ございませんが、かなり長い
期間にわたっておる。
その間どういう実態にあるかということを稻葉さん、ちょっとお聞きいただきたいと思いますが、幾つかの省庁を例に申しますと、休眠法人の措置として、行管に対する回答でありますが、防衛庁は二法人の
理事所在不明、今後法制上の措置が講じられるのを待って整理いたします。つまり
法務省さんの法制上の措置を待っているのです。これが回答であります。環境庁、同じく、今後法制上の措置が講じられるのを待って整理、こうです。文部省、同じく、
立法措置を待って整理を進める。農林省、同じく、
立法処置に待つ。自治省、同じく、法的処置の講じられるのを待って整理。いずれも
法務省がこの法制措置、
立法されるのを待ちます、それまでは解散させたいけれ
どもできません、こういう回答であります。しかも、この休眠法人に対しては解散させなければいけないというのが行政管理庁の行政監察、指導であります。
それに基づきまして、前段申しましたように、そのためには何よりも
法務省のいわゆる
法制審議会においてこの
立法措置、これを早くやる、それを
法務省は責任を持って早くおやりなさいということを、これまた行管から行政監察、指導が
法務省に対してなされておる。そういう一連の経緯の中で、実情の中で、何としても急がなければならぬのはこの
立法化だ、こういうことに相なるわけであります。
そこで、実は具体的な問題といたしまして、この
立法措置がなされないために、現在、世間的に、
社会的に見まして、これが果たして公益法人かと大変批判をされる、非難を受ける、そういう公益法人が幾つかございますが、その中の
一つとして、私はこの
決算委員会におきましても、従来何回か実は取り上げてまいりました財団法人日本文化住宅協会、これを
一つの例として申し上げたい。その上で、
法務大臣がそういう実情であるならばということをより深くひとつ御認識いただいて、何としてもこの
立法あるいはこれに
関係する
立法措置ということを、決断をひとつ促したい、まあそういう
意味で申し上げたいと思います。
そこで建設省においでいただいておりますので、お伺いしたいと思います。
この財団法人日本文化住宅協会、長い経緯はさておきまして、現状、いま一体どうなっておるのかということにつきまして、粗々御
説明をいただきたいと思います――建設省お見えでございませんか。では、私の方から現状だけちょっと申し上げたい。
武蔵野市に実は所在いたします。ここに二万七千坪と広大な土地を擁しております。建物もございます。これはずいぶん長い間
裁判で争ってまいりました。最高裁まで参りまして、そして国が負けました。これはもとは国有財産であります。これが日本文化住宅協会の財産に帰属いたしまして、ずっと推移いたしてまいりまして、その後ここに、これがグリーンパークとして米軍宿舎に提供したというようなこともございまして、その間の賃借料等の
請求裁判等もありまして、百数十億の
請求に対しまして、最終二十二億で和解が成立、国は二十二億を払いまして、この土地、建物ももちろん日本文化住宅協会の所有に帰属した、二十二億円をさらに追い銭を打った、こういう経緯がございました。
いまこの土地を東京都に売却する、金額は六十九億、こう聞いております。これをめぐりまして、ずいぶん実は問題がございまして、東京都議会の方におきましても、従来の日本文化住宅協会のその内容、実態等からしまして、これはそう簡単に六十九億という大金、税金でございます。でもって買い受けるわけにはいかぬというようなことで、いま
関係省庁に対しましても、いろいろな問い合わせがあるようであります。
そういう経緯の中から、現状でございますが、最近この日本文化住宅協会、東京都に売却するに際して、この財団法人を解散させなければいけないということでもって、寄付行為の変更を主務官庁に申請されてきております。これは建設省であります。建設省は、この寄付行為の変更届を認可されたようであります。したがって、あとは東京都との間において売買契約が成立いたしますならば、六十九億でこれを東京都に売ってしまうということになるわけでありますが、その前に売り渡し承諾書なるものも、この協会から東京都に入れているようであります。
さてそこで、ここで問題として申し上げなければならぬことは、実はこの解散に伴うこの公益法人の財産
処分、これをどうするか。いずれにしましても、東京都との間に売買契約が成立して六十九億という大金がこの協会に入ってまいりますと、六十九億をどのような形で清算するか、この財産を
処分するか、ここが
一つの実は焦点であります。
実は私の手元に、この日本文化住宅協会の
理事会の議事録がございます。この議事録の一節を御披露したいと思います。その上で御判断をいただきたいと思います。実はこの財産――その前に申しますが、この財産を山分けしようという相談が一口に申しましてなされているということです。
「役職員に対する退職金、功労金、弔慰金は充分に確保したい
考えである。」これは議長さんがそうお述べになっている。続いて「協会の財産を只熨斗つけて、差し上けるだけでは、余りにもあっけないので、頑張りたいと思っています。現在、退職金、功労金、弔慰金を支給する根拠は、協会の規程にもとづいておりますが、これを更に寄附行為に、退職金等の支給に関する
規定を設けて置く必要があると思います。しかし、建設省ではそれは入れないで貰いたいと言っている。協会は、財団法人でもあるし、仕事もしていないし、高い月給を払っている。それが、何でそういうものを出すのか、というのが建設省の
意見です。それじゃ、丸で継子苛めみたようなものだ。そんなにひどい建設省なら、協会としては東京都が公園に指定しても、それに従うことはできない。なんとかして、
理事会で堂々と議決できるように、寄附行為の
改正(退職金、功労金、弔慰金支給に関する
規定を設けること。)を認めて貰うよう折衝を続けている。しかし、今のところ、まだこれを拒んでいるようだ。今後の折衝で、これらの支給が決まったならば、その支給内容については、
理事長代行に一任願いたいと思います。」ずっと続きまして、「
理事会で決めるよりは、
素人が決めてしまって、後で法的に疑義を残さないように公団等の例を調べて、これは専門家でないとよくわからないから、専門家に調べて貰いましよう。また新聞種になって、賑やかになっては困る。これは注文だから、頼みます。」云々。「建設省と政治折衝をすることですね。この位、認めて貰いたいと。」「それでは、そういうことで。」これで終わるわけであります。
つまり功労金、弔慰金あるいは見舞い金、そういうものをふんだんにひとつこの六十九億の中から奮発したい。ところが、建設省はそれに対して反対だ。しかし何とかがんばって、それを認めてもらうようにする、まあこういうことを言っているわけであります。
法務省の見解として、この種の功労金あるいは弔慰金、公益法人の解散に伴う財産
処分であります、功労金、弔慰金、これは認められますか。