○佐々木国務大臣 「むつ」の今後の
処理の問題でございますが、先週の金曜日に一応総点検あるいは改修等の
計画ができました。これは、安全に環境を汚染することもなしにできますという結論を、いわばレビューの結果、
事業団でつくったものをさらに丁寧に検討した結果も同じ結論になっておりますので、事務的な
技術的な検討はほぼ終わったものと
考えまして、今度はこれをどういうふうに
処理していくか、言うなれば修理、点検港をどうするかという問題に入ってくるわけでございます。
そうなりますと、従来の私
どもの役所だけで
処理するには非常に広範囲な問題も含んでくると思いますので、去年「むつ」問題を
処理する際に設置されました「むつ」問題閣僚懇談会、これを数回開きましてそれであの問題を
処理したわけでございますけれ
ども、それがそのまま残っておりますから、必要な関連する閣僚の諸氏と、今度は自民党の三役の
皆さんにも御参加いただきまして、金曜日の朝、いままでの青森側との話し合いの結果をどういうふうに実施したか、それから修理、総点検の
計画はこういう
計画であって、これは安全であるといういままでの経過、あるいは
計画の内容を具体的に詳細に御報告申し上げまして、結論といたしましては今後のいわば政治的な折衝と申しますか、主として地元側との折衝になりますけれ
ども、それに関しましては
官房長官、運輸大臣と私、この三人に御一任いただきたいということで、交渉する先並びに交渉する時期、アプローチの仕方、方法等まで含めて御一任をいただいた次第でございます。したがいまして、この問題の
処理は、党と内閣を挙げて行うという体制をこの際整えまして今後進めてまいりたい、こういうふうになっております。
それから、修理、点検の安全はどうかという問題でございますけれ
ども、これは
石野さんも青森に何遍も行ってごらんになっているはずですからよくおわかりでございましょうが、いまの「むつ」は、原子炉は御承知のように稼働しておりません。稼働しないようになっております。しかも、あの中に第一次冷却水と申しますか、これな
ども、ほとんど出力を上げていないのですから、放射能を持った状態ではございません。これはほとんど飲料水と変わらないとこの報告書にも出ておりましたとおり、何でもないものでございます。したがって、いまの「むつ」の
原子力船は、青森であれほど騒動を起こしてそういう結果になったわけでございますが、それ自体は別に危ないことも何もない。したがって、青森側もあのまま存置しておくことは別に異論がない。問題が生じていないわけでございまして、海を汚染するわけでもなし、乗組員がそれによって障害をこうむるというおそれも全然ない、そういうのが
現状でございます。
今度、別の港に持っていく場合に、そのままの状況で持っていくのですから、ただの船でございまして、それで稼働するためのエンジンあるいは蒸気等はどうするかと申しますと、これは原子炉を使ってのものでなくて、補助エンジンで普通の船と同じに持っていくわけですから、これは普通の船と何ら変わりません。したがって、いまのまま「むつ」が移動する場合には、移動する途中においても何ら問題はございませんし、入っていった場合も、ただの船でございますから、これは問題がないはずでございまます。
入った以後、修理、点検はどうかと申しますと、ただいま申しましたように、これは全然安全なものであるという
技術的な検討ができましたし、そうして三年ぐらい修理、総点検にかかるわけでございますが、その総点検の仕方等は後で詳しく必要であれば局長なり担当官から御
説明を申し上げますが、これはたとえば
東海村等でモックアップ等の操作をして、
実験を重ねて、今度は絶対大丈夫だ、そういう丹念な経過を経て、そして修理、点検の
作業を終わるわけでございまして、それが終わりました後からがいわば母港というかっこうになるわけでございますけれ
ども、その間まだ二年か三年ございますので、その間にそういう安全の
問題等十分御理解いただいて、立地に適した所があれば、しかも受け入れていただければ、それはお決めいただけるのではないかという実は構えでございます。