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1975-11-12 第76回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十年十一月十二日(水曜日)     午後一時四十六分開議  出席委員    委員長 八木  昇君    理事 伊藤宗一郎君 理事 田川 誠一君    理事 竹中 修一君 理事米内山義一郎君    理事 瀬崎 博義君       加藤 陽三君    梶山 静六君       中尾 栄一君    羽田  孜君       藤波 孝生君    近江巳記夫君       内海  清君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      佐々木義武君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     小山  実君         科学技術庁研究         調整局長    伊原 義徳君         科学技術庁原子         力局長     生田 豊朗君         科学技術庁原子         力局次長    山野 正登君  委員外出席者         内閣官房内閣審         議官      安仁屋政彦君         科学技術庁原子         力局核燃料課長 元田  謙君     ――――――――――――― 十月二十一日  長崎県に原子力船むつの新母港設置反対に関す  る陳情書外一件  (第一六五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  科学技術振興対策に関する件(原子力安全性  確保に関する問題等)      ――――◇―――――
  2. 八木昇

    八木委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  この際、使用済み核燃料処理工場ウランテストにおける従業員被曝の問題について政府より発言を求められておりますので、これを許します。生田原子力局長
  3. 生田豊朗

    生田政府委員 動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設におきますウラン試験につきまして御報告申し上げます。  現在動力炉・核燃料開発事業団が茨城県東海村で試運転を行っております使用済み燃料の再処理施設は、わが国の原子力開発利用における核燃料サイクルのかなめとなるものでございまして、昭和四十六年六月より建設を開始いたしました。  再処理施設建設に当たりましては、原子力委員会におきまして設計基本環境への影響等について慎重な審査を行っており、さらに設計及び工事の段階におきましては、原子炉等規制法に基づく厳重な規制実施いたしております。  本施設は、昭和四十九年十月に建設を終了し、その後化学薬品のみを用いました化学試験を行い、引き続きウラン試験ホット試験等試運転段階を一年半以上かけて慎重に進めることとしており、現在はウラン試験段階にあります。  ウラン試験は、使用済み燃料を用いるホット試験の前に天然ウラン及び劣化ウランを用いまして機器、装置の性能を確認いたしますとともに、化学試験等において実施されました従業員教育訓練をさらに反復徹底してホット試験に備えることを目的といたしております。したがいまして、ウラン試験の間にふぐあい個所をできるだけ発見し、それを直すことによりまして使用済み燃料を用いるホット試験安全性が一層高まると考えております。  また、教育訓練につきましても、座学などだけではなく、実際に機器を操作する実地訓練を行うことがその重点でありまして、ウラン試験実施することによって飛躍的に訓練成果が高まるものと考えております。  ウラン試験の開始に当たっては、原子力委員会におけるウラン試験に係る試運転計画環境放射線モニタリング計画等の審議を経まして、昭和五十年八月七日に保安規定の認可を行いますとともに、動燃事業団に対しまして、ウラン試験実施については支障がないものと認められる旨を通知いたしました。  これを受けまして、動燃事業団は、ウラン試験に入るべく諸般の準備を進めるとともに、動燃事業団労働組合交渉を重ね、本社における団体交渉を三回、東海事業所での労使協議会を八回実施いたしまして、そのほか事務折衝を十九回にわたって行いました。動燃事業団労働組合との間で問題になりましたのは労働条件、安全問題、教育訓練の三点でございまして、このうち労働条件につきましてはほぼ妥協点に達しました。しかし、安全問題と教育訓練につきましては、動燃事業団として十分意を尽くして説明を行いましたけれども、最後には労働組合側団交等に応じない状況に至りました。このような状況下におきまして、一方動燃事業団といたしましては、安全問題と教育訓練について所要体制整備が完了したとの判断のもとに、九月四日にウラン試験を開始したものでございます。  これに対しまして、政府といたしましては、九月四日に原子力局長名の文書をもちまして、ウラン試験実施期間中は安全確保に遺憾なきを期するとともに、教育訓練関連施設安全確保の問題について、引き続き誠意をもって労働組合と協議するよう動燃事業団指示をいたしました。  以上の経緯を経ましてウラン試験は開始されましたが、これまでのところ二、三のマイナーなトラブルは発生しておりますものの、試験そのものはほぼ順調に実施されております。マイナーなトラブルの例といたしましては、分析課員の手の指にウラン溶液が付着した事例あるいはくつの底の汚染などがございますけれども、これらはいずれも軽微なものでありまして、もちろん人体に放射線障害を与えるおそれのあるものではございません。これらのマイナーなトラブルは、放射線安全管理上、放射性物質取り扱い施設における通常業務として処理すべき性質のものでございますので、動燃事業団が直ちに所要対策を講じたところでございます。  ウラン試験期間は、約七カ月間を予定しておりますが、政府といたしましては、今後とも従業員及び施設安全確保を第一に考え、できるだけ慎重に試験実施に当たるよう動燃事業団を指導してまいる所存でございます。  以上、御報告申し上げます。     —————————————
  4. 八木昇

    八木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米内山義一郎君。
  5. 米内山義一郎

    米内山委員 きわめて簡単に申し上げますが、こういう性質仕事というものは粗末に扱ったら後が恐ろしいということは、原子力船で十分御体験のことだと思うのです。いまの報告を聞くと、問題にするに足りないようなトラブルだ、まあその性質上きわめて初歩的なものかもしれません。しかし、こういうことがなぜ起きたかということがぼくは一番重要じゃないか。設備の問題なのか、設備と人の接点である技術の問題あるいは訓練教育の不十分なのか、あるいは外国から輸入した設備であるから、それに対する、いわゆる機械構造に対する物の考え方の相違、こういうふうないろいろなところからこれは考えてみなければならぬと思います。いずれ明日は、参考人からいろいろ聞いた上で、私としてのいろいろな意見も申し上げるつもりなんですが、きょうのところは、本当に軽微で問題にするに足りないものと政府は考えておるかどうかという点をお尋ねしたいと思います。
  6. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、軽微なもので問題とするに足りるか足りないかということにつきまして、二とおりの意味があろうかと考えております。  まず第一は、先ほども御報告申し上げましたように、この二、三の事例、たとえば作業員の手の指の汚染した問題、あるいはくつの底が汚染した問題、この汚染それ自身が重大な問題であるか重大な問題でないかということになりますと、私どもはごく軽微なトラブルであって重大な問題ではないというふうに考えております。  ただし、ただいま先生が御指摘になりましたように、このウラン試験目的先ほども御報告申し上げたとおりでございまして、このウラン試験によっていろいろの問題が起きましても、その影響は軽微にとどまるものでございますので、その間の期間を利用して施設機器点検整備なりあるいは従業員教育訓練なり、これを進める、そこに問題がございますので、そういう点では、仮にその現象として軽微でありましても、ただいま御指摘がございましたように、その原因を究明いたしまして、そういうことが二度と起こらないような適切な対策を講ずるべきものでございます。まさにそのためにウラン試験実施するものでございますので、そういう点につきましては、先生指摘のとおり私どもは重要なものだと考えております。したがいまして、汚染それ自身現象は軽微でございましても、そういう問題が起きますつどその原因を解明いたしまして、その対策を十分講じまして、今後ホット試験あるいは本格運転に入りましたときにさようなことの起きないように十分対処してまいりたい、かように考えております。
  7. 米内山義一郎

    米内山委員 聞くところによると、分析資料を採取するときに指か何かに触れたということなんだが、これは設備の不十分ですか、訓練の不十分ですか。それから被曝をした作業員はどの程度経験者なのか。年齢は幾らで、どの程度こういうむずかしい仕事訓練を経た経験者かというようなことを御存じだろうと思うが、明らかにしていただきたいと思います。
  8. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいまの御質問と同じような趣旨のことを、この問題が発生いたしましたときに私ども考えたわけでございます。したがいまして、手の指の汚染いたしましたことがどういう原因で起きたのか。ただいま先生のおっしゃいましたように、機器あるいは施設欠陥がありまして、その結果そういうことが起きたのか、あるいは教育訓練が不徹底であったのか、あるいはその作業マニュアルその他が不十分であったのか、そういう点につきまして動燃事業団指示をいたしまして調査をしたわけでございます。特に、先生承知組合とのかねがねの交渉がございまして、組合からは要修理個所についての指摘もございますので、その要修理個所指摘とあるいは合致した点があるかどうかという点につきましても検討させたわけでございますけれども、要約して申し上げますと、要修理個所に該当はいたしておりません。したがいまして、機器あるいは設備欠陥あるいは未修理によるものとは考えられないわけでございます。次に、作業マニュアルその他が不備であったかどうかということにつきましても、それも不備であったとは考えられないわけでございます。したがいまして、問題は教育訓練の問題に尽きるわけでございます。この教育訓練の問題につきましては、これはいろいろな判断があるわけでございまして、そのときやっておりました分析作業保安規定あるいは放射線管理基準安全作業手順、それからウラン試験計画に添付されております安全対策書、そういうような基準類、あるいは上司の指示に従って行われたものでございますので一概に本人のミスだということは言い切れないかと考えております。ただしかし、この溶液をこぼしましたこと自体はやはり作業員といたしましての不手際があったということも言わざるを得ないわけでございます。  そういうことでございまして、先ほど来申し上げておりますように、幸いこの汚染それ自身は非常に軽微なものでございます、ほとんど影響ないものでございますので、今後ともこの発生の状況を十分考えまして、将来ホットテスト以後の段階におきましてこういう問題の起きることは許されないわけでございますので、今後ともこのウラン試験の機会を利用いたしまして、その点の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
  9. 米内山義一郎

    米内山委員 そうすると、改善の要点というのはどういう点等を考えておりますか。
  10. 生田豊朗

    生田政府委員 非常に細かい点になるわけでございますけれどもびんふたでございますけれども、このびんふたをあけます際に、ふたのあけ方がやや乱暴になりまして、中の溶液がはねて指についたということでございます。この辺のふた構造についてさらに改善する必要があるかどうか。それからゴム手袋の着用でございますけれども、これも作業手順あるいは作業を順調に行うための必要性その他との関連もございまして、これは作業員意見も十分聞かなければいけないわけでございますので、その問題。さらにマニュアルと申しますか、全体の作業手引書あるいは作業計画全体の中で、今回起こりましたことが繰り返されないような、何らかの注意事項を盛り込む必要があるかどうか。そういうことにつきまして、十分検討してまいりたいと考えております。
  11. 米内山義一郎

    米内山委員 まあ、びんふたの改良とか、注意して解決するならば、あえて国会で問題にするに足らない問題だと思うのです。問題は、考え方の問題に重要性があるのじゃないか、私はそう考えるのですが、いずれ明日、参考人から詳しく聞いた上に、この問題の処理に対して意見を述べたいと思います。  きょうは、これで終わっておきます。
  12. 八木昇

  13. 瀬崎博義

    瀬崎委員 まず初めに、少しばかり原子力船むつ」の問題についてお伺いをしておきたいと思います。  八月の十一日の本委員会のときに、佐々木長官は、佐世保市長発言について、ありがたいことだと思っている、しかし原爆記念日直前、直後などにとやかく政府側から物を言うと誤解を招くので、一定の期間を置いて政府の方から申し入れをしたいというふうな趣旨発言がありましたね。その後の新聞報道等によれば、政府側から長崎県あるいは佐世保に対する正式の要請をしようと思っていたけれども、若干延期をするような話が出ておりました。この間、長崎あるいは佐世保に対して政府側がどのような働きかけをしたのか。またどのような経緯で今日に立ち至っているのか。ひとつ委員会で明らかにしていただきたいと思うのです。
  14. 生田豊朗

    生田政府委員 お答え申し上げます。  先生承知の、昨年「むつ」が漂流から帰港いたしましてから以後でございますけれども、事務的な段取りといたしまして、大山先生によりますいわゆる大山委員会放射線漏れ調査委員会による調査……(瀬崎委員「八月以降のことでいいのですよ。」と呼ぶ)原子力船懇談会におきます結論を踏まえまして、八月以降におきましては原子力船事業団修理点検計画の作成、さらにそれを受けましでの政府すなわち科学技術庁運輸省での技術検討委員会によりますその点検修理計画審査、これを進めている段階でございます。したがいまして、現在技術検討委員会は三回開きまして、近々、今月下旬に四回目を開く予定でございますが、この修理点検計画審査技術検討委員会において完了いたしますと、政府といたしまして、修理点検計画を安全に行い得るということにつきましての確信が得られることになるわけでございますので、それを踏まえまして、次にこの修理をどこで行うかという段取りになってまいるかと思います。  先ほど先生指摘大臣の御発言は、その間におきまして、たまたま長崎原爆忌が参りましたので、それに関連する御質問大臣が答弁されたものでございますが、事務的な段取りといたしましては、そういう積み重ねを現在進めている段階でございます。
  15. 瀬崎博義

    瀬崎委員 私が聞いているのは、その以後、九月の十二日かの記者会見で、「むつ」の修理港を佐世保要請するため十月半ばには政府から特使を派遣したいというふうなことが出ておるのですね。これはまた大臣のように、本意であったとかなかったとかいう問題になるのじゃないかと思うけれども、しかし何らかの正式の要請をしたいということは国会でも意思表示をしていらっしゃった。それが現在なされているのか。まだなされていないのか。なされていなければ、なぜおくれているのか。そこを話してくださいと、こう言っているのです。
  16. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 いま生田局長から御説明ございましたように、政府としては修理点検、その計画自体技術的にどういうふうになるのか、それがまた計画に従って修理点検をした場合、特に修理そのものが安全であるかどうかという問題を、念を入れて事業団のつくりました計画をさらに政府としてレビューしている段階でございます。これができてから、自信を持って修理をする個所の、皆様にかくかくの根拠でこれは安全なものでございますから、どうぞ修理点検をやらしてくださいと、こういうようにお願いするのが一番筋だと思っております。したがって、それができるまでは政府としては別に活動いたしておりません。その間、いまのお話長崎にしぼってのお話でございますけれども、いろいろ新聞テレビ等で、県会が開かれたりあるいは市会が開かれたり、あるいは賛成反対というふうないろいろの動きがあるようでございまして、私どもといたしましてはそういういわば公表された段階の話をちょうだいしているのでありますけれども、直接その衝に当たっている県当局あるいは市当局とはまだ正式に折衝しておりません。
  17. 瀬崎博義

    瀬崎委員 一応政府なり長官なりの頭の中には、常に佐世保を描きつつ今後の新定係港問題を考えているように一連の言動から思えるのですけれども、いま言われました伝え聞いている公式の地元態度、たとえば県知事や佐世保市議会態度表明を留保しているとわれわれも聞いておるし、県漁連などは大変反対だというふうにも聞いておるし、また、長崎県下十五カ町村では「むつ」の受け入れ反対決議をしている、こういうふうに聞くわけなんですが、現状でこのような地元の反応を見て、長崎県民意思政府側としてはどのように理解していらっしゃるわけですか。
  18. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 政府として、いま申しましたような計画等にもうこれで完璧だという自信を持って現地にいろいろお願いするという段階に来た場合には、そういう点も踏んまえまして情勢判断しつつお願いするものはお願いするという段階になると思います。
  19. 瀬崎博義

    瀬崎委員 私が聞いているのは、現在政府側長崎県民の感情、気持ちというものをどのように受け取っているのか、これを聞いているわけなんです。
  20. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 先ほど申しましたように、県会ではこういう決議があったとか、あるいは佐世保市会ではこういう動きだったとか、あるいは賛成派動きもあり、あるいは反対陳情に私どもに見えた人もいます。反対もありますし、そういう点を踏んまえて、なかなか複雑な状況であるというふうには考えておりますけれども、いま申しましたように、まだこちらから正式にお願いするという段階でございませんので、新聞あるいはテレビ等の情報を通じまして、あるいは反対に来られました人たちの話を聞きながら複雑な情勢であるという認識をしているだけでございます。
  21. 瀬崎博義

    瀬崎委員 いま長官の言われた県議会決議、よくこれが受け入れ促進決議だとも言われるのですが、それでも内容をしさいに見ますと、原子力行政欠陥を是正しろとか、あるいは原子力基本法の精神にのっとり安全性の確立と国民コンセンサスを得た上で国民の不安を解消しつつ原子力平和利用をされるならそれには協力しようと、こういうふうになっていますね。こういう点は大臣よく御承知だと思うのですが、理解していらっしゃいますね、そういう前提のあることを。
  22. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 私どもはすぐ第二母港云々という考え方よりも、むしろその以前に欠陥のあるところはこの際直して、健全なものとして引き取ってもらう方が地元皆様不安解消に役立つゆえんじゃなかろうかと思いまして、いままでの春以来の経過はよく御承知のとおりでございまして、そういうことで、むしろこの際余りあわてずに、その安全性をびっしりかためようというのに主力を注いでおりまして、それが済んでからお願いする節があれば、その筋をたどってお願いしようということで、まだ情勢判断等的確にどうのこうのという段階には実は政府としては至っておりません。
  23. 瀬崎博義

    瀬崎委員 いま政府側のやっていることを見ていると、遮蔽改修計画などは相当に進めてきて、事業団ではすでに三案か何案かあったのを一案にまとめて検討委員会にかけるというところまでいっているし、検討委員会もどうやら結論を出したのか出しつつあるのか、そういうところだと思うのですね。ところが、いま爼上に上っている長崎佐世保の方の状況を見れば、いま言った県議会促進決議と言われているものについてさえ国民コンセンサスを得ることが前提だ。そのためには技術的な問題だけではなしに、原子力行政欠陥も是正してほしい。この方がどれだけ政府によって真剣に進められているかどうかに依然としてわれわれは疑問を持たざるを得ないわけですね。  原子力船懇談会報告が九月十一日付で出ておりますが、この中でも「設計及び施工については、綿密な計画のもとに一貫した責任体制により実行される必要があり、」このようにも述べているわけですね。それから同じその報告書の中には、各段階規制一貫性確保も強調されているわけなんです。つまり、このような一貫した責任体制あるいは規制一貫性確保といった行政改革が一体どこまで進んだのか。これがいろいろな話をしていく上の大きな前提になってくる。長官技術行政は別だとよく言われるのですけれども国民の側はそこを求めているわけなんですね。それにどうこたえようとされるのか。それを抜きにして、どうしてもどこへ「むつ」を持っていくという話が先行するのでおかしくなる。この点では大体大山報告もそうであったし、懇談会報告もやはりそういう点を強調している。具体的に、一体長官はどのようにこれにこたえていこうとされるのですか。
  24. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 これは予算委員会でもしばしば私がお答えいたしましたとおり、単純明瞭でありまして、疑う余地もございません。ですから、いまの法規の解釈からいたしましても、この実験船に関する責任は、最終的には原子力委員長、したがってまた科学技術庁長官である私にあることは明瞭であります。  その間、従来のやり方を見ますと、必ずしも審査、検査の仕方等関係者が緊密な連絡をとってやったかどうかにつきましては、いささか不十分な点もあったのではなかろうかという点も反省いたしまして、先ほど申しましたように、事業団がやっただけでは不十分でありますよということで、私どもの方と運輸省と一緒になりまして、そしてこれに学者の皆さん、あるいは専門家皆さんに加わっていただいて、さらにそれをレビューしていただきまして、これが済みまして、これで大丈夫だということになりますれば、私は原子力委員長といたしまして全責任を持ってそれで進みますということでお進めしたいということになっておりますので、別に疑問の余地はないと思っております。
  25. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そうすると、俗に安藤委員会とも言われます検討委員会があるでしょう、いま遮蔽改修計画検討を依頼している委員会。あれが設計及び施工までの一貫した責任体制機関だ、こういうことなんですか。
  26. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 役所の責任というものは、諮問機関諮問に答えるわけでございまして、あくまで責任行政法の決めに従いまして科学技術なら科学技術庁長官がこの責めを負うということは当然のことだと思っております。
  27. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そこが結局「むつ」問題ではあいまいであって、基本設計に問題があったのか詳細設計に問題があったのか。そういうところから科学技術庁所管責任を生じているのか、運輸省所管責任が生じているのか、こういう議論が結局結論のつかないまま今日に及んでいるわけでしょう。こういうところから、この責任体制一貫性が、少し良識ある報告書ならすべて強調される、こういうことになったのだと思うし、地元もそれを望まれる。  そこで、私が聞いているのは、いまの原子力船懇談会指摘している一貫した責任体制の具体的な行政機構としてはどのような改革を、もし法制上の改正を含むものならそれを含めて、考えているのか、準備が進んでいるのかどうかということを聞いているわけなんです。
  28. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 責任の所在は前から明確でありまして、実験船でございますから、その実験段階事業団がみずから責任を負うべきであって、その事業団を監督しているのは私ども科学技術庁でございますし、また原子力委員会でございますから、その起きた事故に対する第一次的な責任あるいは最終的な責任はどうなっているかということはおのずから明瞭で、したがって原子力委員長として、あるいは科学技術庁長官として私は責任を負いますというのはあたりまえのことでございますから、予算委員会でも私は責任を負いますとはっきり申し上げた次第でございます。
  29. 瀬崎博義

    瀬崎委員 では、一応今度その事業団が立案して最終的に、上部は厚さ八十センチの重コンクリートで覆う、下部の方も補強するというふうな遮蔽の改修案を出しましたね。この改修計画そのものは、結局やはり基本設計かあるいは詳細設計に間違いがあったからこういう改修計画になったと理解していいわけなんですね。
  30. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 この前のときには、そういう解釈と申しますか、それぞれがまちまちでございましたので、私どもはそれを反省して、今度は二度とその愚は繰り返すまいということで、基本設計はもちろんあるわけですから、これは総点検でもちろん洗い直すでございましょうけれども修理その他は、これは修理計画そのものを、さっき申しましたようにいま検討中で、さらに修理の実際的な段階に入ってまいりますれば、科学技術庁運輸省事業団も一緒になって、その修理をさらに完璧なものにするという検査はもちろんいたしますし、その結果、責任がどこにあるかと言えば、さっき申し上げたように私が最終責任を負います。
  31. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そうすると、結局遮蔽でとにもかくにもそういう改修計画事業団としては確定したということは、だれが考えたってもとの計画は間違っておったということを意味すると思うのですが、これは一体詳細設計に間違いがあったと見るべきなんですか。それとも基本設計にかかわる問題で間違いがあったと見るべきなんですか。どっちなんですか。
  32. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 いまの御質問は、これから修理するという問題ではなくて、過去の問題でございましょうか。
  33. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そうです。どこの訂正に当たるのか。
  34. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 いわゆる大山委員会報告にございましたとおり、私自体責任の所在はまことに明確だと思っているのですけれども、あの当時はああいう混乱した事態でもございましたので、その責任はどこにあるかといったような点は必ずしもまだ分明でなかったかと思います。しかし、法の真実に照らしてずっと追っていきますと、国家の責任の最終責任はどこにあるかということのない行政というものはありようがございませんので、それはどこでどうあろうと、最終的な責任科学技術庁長官にあります、原子力委員長にありますということで、私はきちっと割り切れると思っております。
  35. 瀬崎博義

    瀬崎委員 質問していることにもっと具体的に答えていただきたいのですが、とにかく今度遮蔽についてはいまのままではいかぬので、改修計画になったわけですね。改修する個所も決まりましたし、方法も決まったということは、見方を変えれば、もとの設計計算に誤りがあったからこういう改修計画実施せざるを得なくなったということになると思う。では、そのもとの計画は、大きく分ければ基本設計とそれから詳細設計とに分かれておったわけなんです。一体これはどちらの訂正を意味するのですか、こう聞いているわけなんです。
  36. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 そこが詳細設計段階なのか、あるいはさらに工事云々なのか、あるいは工場自体の問題なのか。いろいろその原因はどこだと言っても、原因究明に大変むずかしい問題があるので、大山委員会報告にもありますように、今後は責任の所在を明確にしなさいよという結論になっているのは瀬崎先生も御承知のとおりでございまして、したがって予算委員会でも再三この問題は問題になりまして、私は最終責任は行政府としては科学技術庁長官にありますというふうに答えているわけでございます。
  37. 瀬崎博義

    瀬崎委員 行政府としてはそれでいいですよ。とにかく、いままではまちまちであいまいだったということを認めた上で、科技庁長官責任を負うのだといまやっと言われたのだからそれはいいですよ。もう一つ問題は、今度は技術的な問題になるのですよ。  今度の改修計画がとにかく一応でき上がってきたということになれば、この改修を必要とするに至った原因基本設計に問題があったのか、詳細設計に問題があったのか、これは原因が複雑で究明できないのだといまおっしゃるのだけれども、そのまま済ましていくのか。とことん技術的に究明しようとするのかどうか。この点はどうなんですか。
  38. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 御説明をしましたように、事業団でいままで改修計画あるいは総点検計画を立てまして、本来であればそれを役所で、言いかえれば運輸省と私の方で共同してこれをよく調べて、これでよろしいじゃないかということで進めばそれでいいはずなんですけれども、しかしやはり念には念を入れるべきだというので、両省で委員会をつくりまして、経験なり学術のすぐれた人たちに集まっていただいてさらに念入りに再点検をしていただいて、これで大丈夫でございますというお話を得ればこれは科学技術庁として自信を持ってお進めします、何か問題があった場合には科学技術庁長官は最終的に責めを負います、こうなっているのですから、それではっきりしているのじゃないですか。
  39. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そうじゃないですよ。先ほど大臣は重大なことを言われているのですよ。  今度の改修計画技術的に見て本当に完璧なものかどうかは別として、とにかくこういう改修が必要になりますという計画は出たわけですね。なぜそれが最初から実行されていなかったのかということが問題になるわけですね。つまり設計計算上どこかに欠陥があった。したがって、いま改修が必要になったわけです。その原因はなお不明です、こうおっしゃっているわけですね。だから、それをきちっと明らかにするのかどうか。これはやはり詳細設計上の問題だったのか、あるいは基本設計上の問題であったのか。これによって原子力委員会責任も生まれてくるし、今後そういうことを繰り返さないように技術的な検討も加えねばいかぬということが起こるだろうし、詳細設計なら運輸省責任は当然問われてくることになるし、またこの間の集中審議などで明らかになったように、これは三菱原子力工業のきわめて重大な責任もはっきりするのです。  だから大臣責任を持つのだと言う限りは、ひとつどこにもとの間違いが発生しておったのか、ということはとことん突き詰めてもらわなくちゃ困る。いまは不明だとおっしゃっているのだから。これをやるのですか、やらないのですか、ということが私のいまの質問なんですよ。はっきり答えてください。やるのか、やらないのか。
  40. 生田豊朗

    生田政府委員 整理いたしましてお答え申し上げます。  まず第一は、先生承知のとおり、昨年の放射線漏れを起こしました段階が、船舶安全法によります海上公試の段階であったことが第一でございます。それから法令的な段階といたしましては、したがいまして船舶安全法に基づきます詳細設計以降の段階、つまり検査の段階で発生したものだと申し上げられるわけでございます。それから技術的な原因といたしましては、大山委員会報告書にも明らかにされておりますように、いわゆるストリーミング現象につきましての認識が必ずしも十分でなかったために遮蔽構造に問題があった、それが原因かと考えられます。  ただその改修計画でございますけれども、この改修計画をただいま大臣の御答弁にもありましたように審査中でございますが、それではその基本設計の安全審査にはね返ってこないかということになってまいりますと、これはまだ最終的な結論ではございませんけれども、多少やはり安全審査段階にもはね返ってこざるを得ないだろうというふうに私ども考えておりますので、そうなりました場合には当然基本設計につきましての審査のやり直しということになってまいろうかと考えております。したがいまして、今後の改修計画実施段階におきまして基本設計の変更ということに相なりました場合には、その安全審査をその部分につきましてやり直すということは当然でございます。  そういうことが法令的な解釈でございますが、それとただいま大臣責任問題でおっしゃいましたこととはまた別でございまして、そうであっても、いわゆる原子力行政の総括官庁である科学技術庁、あるいは原子力行政の総合的な企画審議決定機関である原子力委員会といたしまして、その法令的な適応の段階のいかんを問わず当然責任はあるということを大臣がおっしゃったものだと考えております。
  41. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そうなりますと、原子力船懇談会報告の中にこういう個所があるのです。「原子炉設置変更に伴う安全審査を受けることが予想される」、いま局長もそういう設置変更に係る安全審査必要性が起こってくるであろうと言われた。われわれが素人考えで思うのは、もとの基本設計はそれなりに正しかったけれども、新たにいろいろ追加の技術的処置が必要になってきたからいわゆる変更が起きたというケースではなくて、もとの基本設計欠陥があった、これのいわゆる訂正である、したがってそういう欠陥のある安全審査を通した原子力委員会の安全審査にも問題があった、こういうふうなケースではないかとわれわれは考えるのです。このことについては、いまはまだ原因が明らかでないと大臣おっしゃるからそれは私は詰めない。そのことが明らかになったときでもいいけれども、そこは最終的にきちっとけじめをつけるのですか、こういうことなんですよ。つまり、設置変更と言える性質のものなのか、欠陥のあった、きずのあったもとの基本計画を正しいものに改めるという安全審査のやり直しなのか、一体どっちなんですか。
  42. 生田豊朗

    生田政府委員 それはただいま先生指摘の二つのケースの前の方でございます。すなわち点検、それに続きまして修理を行います結果といたしまして設置許可の変更を要する個所が恐らく出てくるであろう、その場合には設置許可の変更の申請に基づきましてその部分の安全審査をやる必要が出てまいるというように考えておるわけでございまして、基本設計の安全審査そのものが全く誤りに満ちたものであったというようには私どもは考えておりません。
  43. 瀬崎博義

    瀬崎委員 それじゃ結局どうなるのですか。今度の改修計画というのは基本設計にかかわる改修なのですか。基本設計は正しかったけれども、しかし全然かかわり合いのないところの改修だったということになるのですか。
  44. 生田豊朗

    生田政府委員 その基本設計に結果として関連してくるであろうということを申し上げたわけでございまして、基本設計そのものからまず白紙に戻して見直すということを考えているわけではございません。詳細設計段階から始まりまして、それの改修をいたします場合に、基本設計審査いたしました項目の一部につきまして変更を要する個所が出てまいるかもしれないということでございます。
  45. 瀬崎博義

    瀬崎委員 そうすると詳細設計の側に誤りがあったことはもう明確だ、ただし見直していけばそれがはね返って基本設計欠陥ということになるかもしれない、そういうことなんですね。
  46. 生田豊朗

    生田政府委員 そのとおりでございます。
  47. 瀬崎博義

    瀬崎委員 それじゃ大臣、これはまだ原因がはっきりしないとおっしゃるのだから、とことんそれは大臣が全部責任を持つとおっしゃったのだからやってくださいよ。
  48. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 はい。
  49. 瀬崎博義

    瀬崎委員 時間の関係があるので私も簡単に先ほど生田局長の再処理工場の事故問題についての釈明について質問しておきたいのですが、その前に先ほど理事会で結論が出ないでいま留保されている問題、これは重大だと思うのです。というのは、あす動燃の理事者側並びに労働組合のそれぞれの代表においでをいただいて、実は再処理工場のテスト問題について、われわれは真相を究明して国民コンセンサスを得る一助にしたい、こう思っておったわけなんですが、理事者側の代表と労働者側の代表を切り離して、時間帯を分けて別々に呼ぶべきであるという主張が自民党さんの方から出てきたわけですね。  今回の問題をこのような労使紛争という見方、これが非常に問題だと私は思うのです。これは本来、日本で初めての再処理工場技術開発をしていくに当たって、その手法だとか体制だとか将来展望について、大きく実際に作業をやっている技術者とこれを管理している理事者側と意見の違いがあらわれているようなので、これでは日本の原子力平和利用は危機に直面する、暗礁に乗り上げるという心配から、われわれはそれぞれの意見を聞いて、ひとつこれをぜひ国の施策にも反映してもらいたい、われわれも正しい判断をしていきたい、こういうことなんですね。  生田局長先ほどの釈明を貫いている精神は、一体、今回の問題を労使紛争というふうな見方をしているのですか。技術開発をしていく上で両者にいろいろと認識の違い、見解の違いが生まれていることは、何らかの形でやはり議論をして、一致点を求めていかなければならない問題だという高度の認識に立っているのですか。どっちですか。
  50. 生田豊朗

    生田政府委員 私どもはこの動燃再処理工場の今回の問題を一般の労使紛争の枠内の問題であるというようには考えておりません。先生指摘のように、技術開発の途上におきまして、こういう種類の問題はとかく起こりがちでございます。そういう問題を解明いたしまして、なるべく労使双方間の合意のもとに進めることが一番望ましい方向ではなかろうかと考えております。
  51. 瀬崎博義

    瀬崎委員 それなら、当然あすの集中審議はやはり参考人が全員同席の上で、国会議員としては自由にどなたにでも質問できるという通常の体制がとられることが、結論としては当然ですね。  それから先ほどの事故そのものの評価について、これは非常にささいなことだ、もちろん人命にも影響ないしという話なんですが、もし小さいことでも同じようなことが繰り返し繰り返し起こってくるとした場合、それは単なるささいなものと見ていいのでしょうか。
  52. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします前に、先ほどの労使紛争の点でございますけれども、私が申し上げましたのは、いわゆる労使紛争そのものだけではないということを申し上げだわけでございまして、ただ現象的には確かに労使紛争になっているわけでございますので、その点についての御議論かと思います。技術開発上の問題点から発生した問題でございますが、現象としては労使紛争の形になっておるというように申し上げたわけでございます。  それから第二の点でございますけれども、繰り返し起きました場合には、繰り返し起きましても現象的にささいな問題はささいな問題であろうかと思います。ただ、繰り返し起きるということは、その起きました原因につきましてより十分に解明すべき必要があろうかと考えます。
  53. 瀬崎博義

    瀬崎委員 これは当然あす当事者の方からお話があると思うのですね。繰り返し起こっているわけなんです。だからそこに原因を究明する必要が生まれてくる。  次に、先ほど、今度のあの事故も一般の放射性物質の取り扱いをしているところではしょっちゅうあることだからそれに準じた処置をとっているのだ、こういうお話なんですが、じゃ、これは日本で初めての、しかもほとんど外国から輸入した技術である再処理工場というこの特殊性の一部として起こっているという認識があるのか。それでもなおあの事故はあくまで一般的な放射性物質取り扱いに準じた考え方でいいのだ、こういう考え方なんですか。どうなんですか。
  54. 生田豊朗

    生田政府委員 先ほど現象とそれから原因との御質問、御議論でございましたのと同じことでございますけれども現象は非常に軽微でございまして、その点につきまして、先ほども御報告申し上げましたように、一般の問題として処理して適当なものだというように考えております。ただ、まさにウランテストと申しますのはそういうことの解明を通じましてより十分な体制の整備を図るというところに目的があるわけでございますので、しかも先生指摘のようにわが国で最初の再処理工場でもございますので、特にその原因の究明、それからその対策につきましては十分意を尽くしてまいりたい、かように考えております。
  55. 瀬崎博義

    瀬崎委員 もう一つ、従業員教育訓練の問題ですね。従業員教育訓練目的達成は、所内がどういう状態になったときその目的は達成されたとこう考えますか、局長。
  56. 生田豊朗

    生田政府委員 どうも御質問が大変むずかしくてどういうふうに申し上げたらよろしいのかわからないわけでございますけれども教育訓練が十分に達成されたかどうかということにつきましていろいろの認識があろうかと思います。でき得れば労使双方間でその点につきまして十分な合意ができるのが理想としては望ましいかと考えます。ただし、その点につきましては、いろいろ認識の仕方につきまして、事業団理事者側あるいは労働組合側によりまして見る角度が違ってまいりますので、多少その認識がずれてまいるということはやむを得ないのではなかろうかと考えております。
  57. 瀬崎博義

    瀬崎委員 教育訓練を施している側とそれから教育訓練を受けている側の認識のどちらを局長は重視されますか。
  58. 生田豊朗

    生田政府委員 私どもといたしましては、両方とも重視しまして、総合的に考えるほかはないというふうに思っております。
  59. 瀬崎博義

    瀬崎委員 両方とも重視されているかどうかもあすの主要な議題なので、ひとつ局長よく立ち会って聞いてくださいよね。  それから、先ほどトラブルとして挙げられました例以外に、われわれとしてはやはり重大な事故が起こっているやに聞くわけなんですね。たとえばプルトニウム蒸発かんからウラン溶液が漏れたというふうな事実をわれわれは聞いているのですが、局長御存じですか。
  60. 生田豊朗

    生田政府委員 プルトニウム精製系の溶液の漏れが四件ほど起きたという報告は受けております。
  61. 瀬崎博義

    瀬崎委員 その四件の中に、プルトニウム蒸発かんから相当量のウラン溶液がドリップトレイに漏れた、こういうのは入っておりますか。
  62. 生田豊朗

    生田政府委員 私の手元にございます資料によりますと、プルトニウム蒸発かんの計装配管のフランジから硝酸ウラン溶液が漏れたというのが一つ入っております。
  63. 瀬崎博義

    瀬崎委員 こういうことも、こちらから尋ねたからあなたがお答になっているわけなんです。これも直接現場で作業をしていらっしゃる方々のお話からわれわれが推察するのに、これは一番危険区域なんでしょう。いわゆるレッドゾーンというのですか、内にあるのじゃないですか。そういうところでこのようなことがウランテスト中に起こっているということは、当然このままホットをやられたら大変だということにつながってくるのじゃないですか。
  64. 生田豊朗

    生田政府委員 現在はウラン試験中でございますので、レッドゾーンではございませんでグリーンゾーンでございます。将来ホット試験になりました場合は、レッドゾーンあるいはその中間のアンバーゾーンになると思います。
  65. 瀬崎博義

    瀬崎委員 この漏れの原因は一体どこにあったのですか。
  66. 生田豊朗

    生田政府委員 この調査報告によりますと、フランジの締めが不十分であったということでございますので、フランジの増し締めをいたしまして解決したというように聞いております。
  67. 瀬崎博義

    瀬崎委員 フランジの締めが緩いなんというようなことは、どうなんですか、もし、それが全体の一つの典型だとするならば、方々にその危険があるということになるんじゃないですか。
  68. 生田豊朗

    生田政府委員 フランジの締めが不十分なところがあった場合とない場合とどちらがいいかということでございますれば、それはない方がいいわけでございますけれども、何と申しましても非常に複雑な設備でございますので、まさにこういう問題を発見いたしまして、それを解決していくということにウラン試験目的があるわけでございますので、このウラン試験の間にこういうのが出てまいりまして——もちろん多い方か望ましいということではございませんけれども、出るべきものが出てしまって、その対策が十分講じられるということは、まさにこのウラン試験目的にかなったものかと考えております。
  69. 瀬崎博義

    瀬崎委員 結局、このような事故がどんどん起こってくることが、いわゆるウラン試験目的だというふうにわれわれは受け取れるのですが、そういうこと自身が、実際作業に当たっている者にしてみれば、モルモット扱いを受けているようだという印象にもなるのじゃないかと思うのですね。  まだ、ほかにもこれに類するような事故が私どもの耳には入っておるわけなんです。こういう点も、あすの本題でありますから、ひとつお楽しみと言ってはなんですけれども、残しておいて備えたいと思うのであります。  終わります。
  70. 八木昇

    八木委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後二時四十二分休憩      ————◇—————     午後二時五十六分開議
  71. 八木昇

    八木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
  72. 近江巳記夫

    ○近江委員 きょうは、非常に限られた時間でございますが、数点お伺いしたいと思います。  あしたは動燃問題にしぼりまして質問する予定になっております。詳しいことはあしたさらに質問したいと思いますが、この動燃におきましてプルトニウム測定中に作業員が事故を起こした。こういうことが発生しておるわけですが、科学技術庁の方から報告を聞きたいと思います。
  73. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生の御質問でございますが、昨日、十一月十一日の十一時十分ごろに、動燃のプルトニウム燃料部第二開発室におきまして、品質管理課の課員がプルトニウムの粉末を取り扱いますグローブボックスの中で空き容器のパッキング交換作業をしておりました間に、過って左手の人さし指をグローブを通じましてピンセットで突きまして、血がわずかににじむ程度の傷を受けた次第でございます。直ちに指先を洗浄いたしますとともに、傷口それから血をふきとったろ紙——ろ過する紙でございますが、の放射能の濃度を測定いたしましたところ、バックグラウンド以下でございました。放射能の被曝はなかったと考えられる次第でございます。また、穴があきましたグローブボックスのグローブは直ちに新品と交換いたしまして、修理が完了しております。  以上がただいま御質問の事故の状況でございます。
  74. 近江巳記夫

    ○近江委員 こうした事故につきましては、いわゆるこの作業の内容をよく教え、さらにどれだけそれに対して熟練していくか、こうした非常に基本的なことなんですね。こういうことによって事故が起きておる。これは管理が行き届いていない一つの証拠じゃないかと私は思います。非常にプルトニウムというのは御承知のように有毒じゃない、猛毒であります。こうした試験が始まって、こういうような事故も続出いたしておるわけであります。これは氷山の一角かもしれませんが、こういう問題につきましていま政府当局としてはどういうような反省をしておりますか。まず局長、そうして科学技術庁長官からお伺いしたいと思います。
  75. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたように、何と申しましてもプルトニウムを扱う場所でございますので、その安全の確保につきまして格段の注意が必要なことは申すまでもございません。私どもといたしましても、従来からその点十分念を入れて指導してきたところではございますけれども、残念ながら今回のような軽微な事故が発生いたしましたので、今後の対策といたしまして、たとえばグローブボックスの中でその鋭利な工具の使用をできるだけ制限するというような作業方法の改善を図りますとか、あるいは今回その指を突きましたピンセットのようなものを使用する作業におきましては、専用の治具を用いる、そういうすべって指を突くというようなことのないように治具を使うというようなことも至急検討いたしまして、今後かかる事故が発生しないように十分注意してまいりたいと考えております。
  76. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 近江さんも御承知のように、プルトニウムというのは天然ウラン等と違いまして、これは大変危険な物質でございますので、これの取り扱い等に関しましては注意の上にも注意を重ねて事故等が起こらぬようにするのが当然かと思いまして、そういうことで監督させております。
  77. 近江巳記夫

    ○近江委員 そのように監督をさせておりますと言いながらこういう事故が起きておるわけですよ。私が以前に原研でプルトニウムが飛散したという事故を取り上げたわけでございますが、これも政府報告は隠蔽されておった。二つの問題がありまして、厳しくその点を申し上げたわけでございますが、また今回こういうような事故が起きておるわけであります。長官もそのように厳しく言っておると言いながらもこういう事故が起きておるということ自体が徹底しておらないということでありまして、ただ言っておるということだけでは私としては納得できないわけであります。長官としての反省また今後の対策、決意等につきまして再度お伺いしたいと思うわけであります。
  78. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 今後も厳重に、ひとつ事故等起こさぬように監督していきたいと思います。
  79. 近江巳記夫

    ○近江委員 そのほかいろいろな事故等が動燃で発生しておりますが、その問題はまたあしたいろいろとお聞きしたいと思います。きょうは久しぶりの委員会でございますので、また限られた時間でもありますから、一つの問題にというわけにもまいりませんので、次に進みたいと思います。  次にお伺いしたいのは、原子力白書は毎年出ておるわけでございますが、今回出たのは二年目なんですね。二年度合わせて出た。これ自体原子力行政の立ちおくれということが本当に出ておると思うのです。このおくれたことについてどういうように釈明されるのですか、それをひとつお伺いしたいと思うのです。
  80. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま御指摘がございましたように、残念ながら昨年、昭和四十九年におきましては原子力白書が発表できませんで、したがいまして、昨年の分も合わせまして四十九、五十両年度の原子力白書という形で取りまとめまして先般発表した次第でございます。  なぜ昨年、この重要な時期に原子力白書がまとめられなかったかという御質問でございますけれども、これはもう全く一にかかりまして私ども事務当局の責任でございまして、多少弁解のようになりますのでお許しをいただきたいと思いますけれども、昨年、昭和四十九年という年を振り返ってみますと、二月に分析化研の問題が発生いたしまして、それの対策に相当の時間を費やしたわけでございます。その後いわゆる電源三法の審議その他の問題が出てまいりまして、その後に問題の「むつ」の問題が起こってきたわけでございます。それで、まことに申しわけない次第ではございますけれども、私ども事務当局といたしまして非常に多忙でございます。多忙と言いましてもその例を挙げて申しますと、当時、原子力局の職員で過労で倒れる者が続出いたしまして、全員の健康診断で医者の指示によって強制的に休養させるという者もかなり出てまいるというような時期でございました。当然、そういう時期でもでき得れば白書を取りまとめるべきだったと考えておりますけれども、そういうことに追われまして残念ながら取りまとめができなかった次第でございまして、大変申しわけないというように考えております。
  81. 近江巳記夫

    ○近江委員 担当局長からそうした遺憾の意が表明されたわけでありますが、これは何と言いましてもやはり大臣責任かと思います。白書というものはやはり毎年国会に提出する、こうなっておりますし、これはやはりおくれたということはいろいろな事情があるにしても、大臣はその当時おられないにしても、これはやはり長としての責任があるわけであります。長官はどういう反省をされておりますか。
  82. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 お説のとおりでございまして、私の責任でございます。ただ、いま局長からお話がございましたように、いわば大変険しい環境下に置かれまして、執筆者も気もそぞろであったのではなかろうかと想像するにかたくございませんので、まあ主観的には大変申しわけないのですけれども、客観的にはやむを得なかった事情があったんじゃないかというふうに実は反省しております。
  83. 近江巳記夫

    ○近江委員 今後もこの原子力行政の行方というものは非常に各種の問題が予想されるわけであります。そのたびに白書がおくれるというようなことであれば、これは国民に対する責任の上からいきましても、もう二度と繰り返さないようにしてもらわなければならない。今後はいろいろな事情があったとしてもこういう不始末は二度と起こさないようにしますか。この点をお聞きします。
  84. 生田豊朗

    生田政府委員 もう先生のお説のとおりでございまして、白書の取りまとめすらできないような状態になってしまったということは全く申しわけのないことでございます。今後絶対にそういうことがないように十分注意してまいりたいと考えております。
  85. 近江巳記夫

    ○近江委員 今後十分、ひとつ注意していただきたいと思うのです。これは結局原子力行政のおくれ自体が根本的な原因でありますし、根本的にこの原子力行政というものの立て直しに長官以下全力を挙げていただきたい、このことを強く要望しておきます。  それから原子力行政懇談会の問題でございますが、労働界代表の酒井氏が辞任されたわけですが、その原因はいろいろあろうかと思いますが、政府の姿勢に不満があった。国民のこの原子力行政に対する不信、不満を解消するために、そういう目的で設立されたこの懇談会でございますが、こういうような状態では今月中に出てくる予定である結論も結局は中途半端なものになるんじゃないか、このように心配しておるのですが、この問題について政府としてはどういう見解を持っておりますか。
  86. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 原子力行政懇談会はことしの三月に審議を開始して以来八カ月、この間十八回にわたり原子力行政のあり方について検討を続けてまいっております。この間におきまして、第十五回、十月九日でございますが、その懇談会におきまして座長であります有沢先生の有沢試案というものが提出されまして、現在それを中心にして討議が行われている段階でございますが、原子力委員会を中心とする行政機構のあり方につきましてもまだ論点が煮詰まったという段階には至っておりません。さらに国と地方公共団体との関係など、これまで余り懇談会の座において論議されておりません重要論点もたくさんございますので、現在のところどの時点までに取りまとめられるかという点についての見通しははっきりしておりません。
  87. 近江巳記夫

    ○近江委員 今月中に懇談会結論を出す、こういうことで政府はスタートしたわけですね。ところが、いまの御答弁を聞いておりますと、全然そのめども立っていない。こういうことでは国民は、この懇談会ですばらしい、国民が納得できるそういうものを出してくるだろうと期待しておるのですが、これでは「むつ」の上にさらに二重に国民の期待を裏切ったことになるわけですよ。それはいろいろな経過があったことはわかりますけれども、一人が辞任する、しかも結論はいつ出るかわからない。何年先に出るのですか。いま全然そんなめどはないのですか。もう一度お伺いします。
  88. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 当初はできるだけ来年度、五十一年度の予算から実施をしたいということで、そういうことを勘案しまして十一月一ぱいくらいにはまとめられたらと、そういう考えでございました。いまお話ししましたように、それは現段階ではむずかしいということになっておりますが、まあおくれるといたしましてもそうずっと先にはならないだろう、このように私どもは考えておりますし、懇談会の運営の補佐をするわれわれとしても、できるだけ早い機会に結論が得られるようにいろいろなおぜん立てをしてまいりたい、このように考えております。
  89. 近江巳記夫

    ○近江委員 いろいろな問題が出ましたときに、すべて懇談会でいま検討してもらっていますからと。われわれもこの懇談会結論というのを待ってきたわけですよ。予算編成といいますと十二月にやるのですよ。こんな遅々とした、いつ出るかわからないというようなことではもう困りますよ。これは科学技術特別委員会としても重大問題であります。単なる私一人が申し上げるべき問題じゃないと思うのです。これはひとつ委員長におかれまして、後でまた理事会を開いていただいて、科学技術特別委員会意思として、この懇談会結論を急ぐように申し入れをしていただきたい、このように思うのですが、委員長いかがでございましょう。
  90. 八木昇

    八木委員長 いずれ理事会を開いてお諮りします。
  91. 近江巳記夫

    ○近江委員 こういうようなおくれにつきまして、この懇談会の提言を受けて科学技術庁としてはさらにその改革を進めていく、こういうことにいままで私たちは答弁を聞いておったのです。こういうおくれにつきまして全然懇談会だけの責任かというと、たたき台であるとか、いろいろなそういう作業を進めていく上においては科学技術庁は主力の役目を果たしておるわけであります。そういう点におきまして責任がないかと言えば、そうじゃないわけですね。この問題についてどういう反省をされているか。局長と大臣にお伺いしたいと思うのです。
  92. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 なるべく早期にということで政府全体では望んでおったわけでございますけれども、私自体はいわば批判される立場の人間ですから、内閣の方でお話しのとおりの実情かと存じます。ただその間一つの問題点は、この原子力行政に対する責任の所在は那辺にあるやという問題が大きい問題でございましたけれども、これは予算委員会でも、また先ほどの御質問にも答えたとおり、もう責任の所在は明確でございますので、その点は繰り返して申し上げる必要もないほどかと存じます。  それから内容の充実という面、安全の問題等に関しましては、少なくともいま御審議をいただいております安全局等ができますれば、おのずから審査、検査の充実も図られるんじゃなかろうかというふうに考えておりまして、お話しのように、一切を懇談会結論待ちというわけでなしに、政府としては十分責任を感じていま進めているところでございます。この三月には安全局ももう通って——要するに私は一月ごろ通していただきたかったのでございますけれども、三月にも通らなかった。そしてついいままで延びたというこの行政自体が私どもといたしましては大変残念でございまして、遅まきではございますけれども、何とか早期に安全局を通していただいて、そして責任の所在のみならず審査、検査の充実を側面から図っていきたいということで、せっかく政府としてはただいま努力中でございます。
  93. 近江巳記夫

    ○近江委員 いままで科学技術庁の姿勢は、懇談会からの結論を待って、それによって改革を進めていく、しかし片一方安全局等の設置のそうした改革は進めていく。こういう言うならば懇談会にウエートを置いて、片一方ではさらにやらなければならないことをやっていくという姿勢であったわけですが、懇談会結論がいつ出るかわからない。しかも、予算編成期が迫ってきておる。この姿勢は変わらないのですか。このままで行けば懇談会結論はなかなか出ませんよ。いままでのような懇談会結論待ちというような答弁では通りませんよ。科学技術庁として原子力行政の立て直しについて懇談会は当てにできないということであれば、科学技術庁の独自のそういう明確なる案を早急につくるべきである。このように思うのですが、その点はどうですか。
  94. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 先ほども申しましたように、現在の情勢下で許される最善の方法でただいま充実を図っているところでございます。行政懇談会の方の内容は私つまびらかに存じませんけれども、しかしいまお話ございましたように、根本改革となりますとなかなかいろいろな問題があって、その審議等も慎重に構えれば構えるほど、やはり時間的にはかかるものじゃなかろうか。拙速で出せば根本改革にならぬじゃないかということにもあるいはなるのじゃないか。私も役人を長くやっておりましたからよくわかりますけれども、この種の行政改革という問題になりますと、これは非常に問題が深く広いものでございますから、恐らく委員の皆さんもその面で大変苦労しておられるのじゃなかろうかと実は思っています。したがって、私どもといたしましては、先ほど来申しましたようにもう本当は安全局ができて、そして内容充実を図って、非常に活気に富んだ行政にただいまなっておるはずのところ、これまた私どもの希望に反しまして、私の至らぬところでございますけれども、三月に通るはずのものがまだ実は通らなかった、こういうことで大変申しわけないと思っています。しかし、遅まきながらこれから審議にお入りくださるようでございますので、できるだけ早く通していただきたいと念願する次第でございます。
  95. 近江巳記夫

    ○近江委員 その懇談会の委員の方々の御苦労はわかるわけですが、このままで行ったらいつごろになるのですか。あなたの見通しとしてはどうなんですか、担当事務局として。
  96. 安仁屋政彦

    ○安仁屋説明員 確定的なことは申し上げられませんが、私個人の希望としては、遅くとも年度内には結論をいただきたい、このように考えております。
  97. 近江巳記夫

    ○近江委員 そうすると、年度内ということになりますと、これはとうてい五十一年度予算には盛り込むこともできないわけですし、補正予算あるいはまた来年度予算ということになって、わが国の原子力行政はまた一年おくれるわけですよ。いまほぼ見通しのお話があったのですが、そういう観点の上に立って科学技術庁としてはこのまま進むのですか。もっと改革できることはやっていくべきじゃないですか。その点についてはどのようにお考えですか。
  98. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 行政は継続性を持つものでありまして、ある種のものができなければその行政は進まぬということでは国の行政はございません。したがいまして、より一貫性を持ち、あるいはより明確にという要請はもちろんあるにいたしましても、それじゃただいまおっしゃるように一年間行政はストップかと申しますと、そんなことはございません。この一年間、私自体は眠っているわけではございませんので、できるだけのことは進めたつもりでございます。そして逐次、たとえば「むつ」の修理改善の問題にしても、あるいは核防条約の問題にしても、あるいは安全基準の問題等にいたしましても、いわば原子力行政にとっては基本的な問題に対しましては、少なくとも進めているつもりでございます。したがって、一年おくれているということは何がおくれているのかといいますと、懇談会結論が予定よりは若干おくれているように聞き及んでおりますけれども、しかし行政そのものが全然おくれているというふうに御批判いただくのは、これまたいささかどうかと思います。私自体責められるのは結構でございますけれども、しかし、精いっぱいやっているということは事実かと思っております。
  99. 近江巳記夫

    ○近江委員 私は何も行政がおくれていると言っているのではないのです。時代の進歩、今後解決しなければならない問題、それに対する差がますます拡大してきていると言うのです。改革、前進へのいわゆるステップが非常におくれておると言うのです。やっておられないとは言ってないのですよ。そうなってきますと、懇談会が少なくともこの年度内ぐらいというようなことになってくると、大きな改革ということはできないじゃないですか、それを待ってということであれば。それであれば、科学技術庁がここと思うべき点についてはさらに力を入れてやっていく、こういう姿勢が大事じゃないかということを申し上げているのです。そうでしょう。やってないとは言ってないのです。その点、いままですべて本委員会においても懇談会待ち懇談会待ち、何かといえばそういう話があった。ところが、それが大幅にずれ込むということがはっきりしたわけです。これでは改革できませんよ、前進の改革は。そういう新たな事態が発生したのですから、今後どうしますか。どのように原子力行政は、今後さらに国民の期待に沿って進めていくことをやるのですか。
  100. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 この問題がそもそも発生した一番のもとというのは、私は私だけの考えで間違っているかもしれませんけれども、一体、原子力行政に対する最終責任はだれかというこの点が非常に不分明、私、明瞭だと思いますけれども、しかし経過においては不分明であった過程もあったように考えられますので、その点に関しましては、予算委員会等でも明瞭に私が申しましたとおり、かくかくの次第で、これは最終責任者は自分であります、原子力委員長であり、科学技術庁長官が頭を下げなくちゃならぬということがはっきりしておりまして、あと検査、審査一貫性をどうするかという問題に関しましては、いまの「むつ」の問題が一番いい例でございますけれども、実際の審査、検査等まで、運輸省あるいは科学技術庁等が一体となって、そして事業団だけにお任せするのではなくて、それをレビューもし、また今後実際の修理、総点検の過程におきましても、それに関与をして、そして間違いなく出しましょう、こういういわばいままでの行政に事実上改善を加えた進め方で、一歩でも国民皆様が、そのくらいにやってくださるのであればそれは安心だ、こういう体制でただいま進めておりますので、従来の単に行政懇談会結論が出なければ全然行政は進まぬのじゃなかろうかということになりますと、佐々木長官なる者は一体何をしておったんじゃ、一年間寝ておったのか、こうなりますので、それはやはり少し、せっかくの近江さんの御叱咤ではございますけれども、必ずしもそういうものじゃない。  それから、大変まずいと言っちゃおかしいのですけれども、たとえばアメリカは規制委員会に改組したわけですが、その経過等をいろいろアメリカの人たちに聞いてみますと、必ずしもあの改正が非常に成功だったというふうにアメリカ内部では言わぬ人もたくさんおるようでございまして、それこれ考えましてこの原子力行政というのは非常にむずかしい状況にある。さっき、審議室の方からもお話ありましたように、地方との関係をどうするかということになりますと、いろんなこれは非常にむずかしい問題になりますので、とにもかくにも約束だから早く出せ、出せばいいんでしょうという問題ではこれはなかろうというふうに考えますので、抜本改正ということであればあるほど、むしろ慎重に方々の意見をもとめる方がいいのではなかろうかと——実は行政委員会の中にはせいぜい結論を早くしてもらいたいという一方、なるべくもっと慎重にあらゆる世界の情勢なり日本の国内というものを考えて、この際新しくつくって、一たんつくったらこれは何年間というものは変わらぬ行政になりますから、慎重の上にも慎重というまた希望もございまして、そこら辺はなかなかむずかしいのじゃなかろうかと実は思います。私自体は、いわばその審議会からは改正される方の側でございますので、自分の意見は申し上げる立場でございませんけれども、いまのお話でどうじゃと言われますと、いま持っている私の感じは、以上申しましたような感じでございます。
  101. 近江巳記夫

    ○近江委員 非常に率直に申し上げて、この審議会の結論がめどが立たないということについては残念に思うわけであります。片一方では原発の推進がどんどん行われておる。それに対して国民が非常に不安に思っておりますし、根本的な改革を進めなければならないのに懇談会待ちで、そして科学技術庁がそれに対して改革をしていく、基本的なこれが足踏みをしておるわけです。こういうことであってはならぬと思うんですね。ですから懇談会の方も、拙速主義は何もいいことじゃないわけでありますが、しかし大体この予算編成に間に合わしたいという一つのゴールを決めてあなた方はスタートなさった。それがこういうようにおくれておる、これは非常に遺憾なことである、このように思うわけです。しかし、このようにおくれておりますので、ひとつ早く中身のあるそういうものを出していただきたい、このように思いますし、また科学技術庁改革できるそういう問題については大胆にどんどんと進めていただきたい、このことを申し上げておきます。  それから次に「むつ」の問題でございますが、三木総理がこの十月の二十六日福岡での記者会見で、「むつ」母港につきまして、「今は地元佐世保市)と折衝する段階ではない。政府としては、十一月中旬をメドに安全性審査を終え、その結果を待って確信を持って折衝したい。」こう言っているわけでありますが、この「むつ」の母港また修理港につきまして、長官としてはいまどういう腹を決めておりますか。
  102. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 初めは御承知のように、まず第二母港を決めて、その上で修理、総点検というふうに考えておったのですけれども大山委員会報告等で、修理点検すればそれは非常にりっぱな船になりますという答申を得、それではひとつ受ける方の側に立って考えればやはり修理、総点検を済まして、健全な船になりましたよ、どうぞこれでひとつお引き取り願えませんかというのが政府としても筋じゃなかろうか、責任ある政府のやり方じゃなかろうか、こういうふうに考えを改めまして、それでは修理点検をこの際徹底的に計画をやってみようじゃないかということで、事業団に命じまして民間のその道の大家の人たちもお世話していただいて大体できた。ところが、それだけでいいかといいますと、従来はそれだけで済ましたわけですから、それじゃいけない。そうじゃなくて、その問題に対しては科学技術庁運輸省責任を持って、そしてさらにもっとハイクラスの学者の方あるいは経験者皆さんにお集まりいただいて、そのものを再レビューしようじゃないか、もう一遍点検し直してみようじゃないかということで、いま点検をしている最中でございます。これが済みまして私どもも正式に報告を受け、私自体もよろしい、それでいこうじゃないかということになって、そして要すれば内閣等にも報告し、内閣として責任を持ってこれでいこうじゃないか。私自体も、先ほどから申しましたように、最終責任者でございますから、私は一切この問題について責任を持っていきます。ついては、これこれの安全な検査あるいは修理でございますから、どうぞまず修理あるいは総点検だけでも相当年月がかかりますから、ひとつ受けてくださいませんか、その後の事態が安全でなくちゃまた困りますから、当然安全でございますという説明をよく申し上げ、それであれば私の方もお受けしましょう、こういくのが筋だと私は思って、ただいませっかく最終的な修理、総点検作業に取りかかって、もう間もなく最終的な委員会結論が出ると思います。それを私どももよく検討いたしまして、私自体がまだのみ込まぬとあれでございますから、よく聞かせていただいて、これであればということになれば決心を決めて、しかるべきところに、いろいろまた頼む個所には頼む個所で現地の調整その他もおありでしょうから、事情もおありでしょうから、そういう点も勘案した上、今後の進め方というものを考えていきたいというふうに考えております。
  103. 近江巳記夫

    ○近江委員 そうすると、そのお頼みになる個所はどことどこをお考えになっておられますか。
  104. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 いまのところはせめて修理、総点検はやったらいいじゃないかというわけで、修理、総点検に対しては自分の方でお引き受けしましょうとまだ正式に言ってきていませんけれども新聞その他の報ずるところによりますと佐世保がそういうお話もございますので、大変ありがたいことだとただいま思っている次第でございます。
  105. 近江巳記夫

    ○近江委員 新聞その他が報ずる——まあそうした非常にはっきりしない答弁があったのですが、非常にありがたいという長官のそういう言葉がありまして、佐世保長官の頭がいっぱいであるということは大体わかったわけでありますが、——そうじゃないのですか。
  106. 佐々木義武

    佐々木国務大臣 いま、そういうふうに私の方でと言っているのは、少なくとも日本では長崎佐世保だけでございますので、大変ありがたいことだと思っております。こういうことでございます。
  107. 近江巳記夫

    ○近江委員 佐世保につきましても、非常に現地のそうした反対等もございますし、これはいろいろと問題がありますので、決してひとつ強行なさらないように、その点は強く申し上げておきたいと思います。  きょうは与えられた時間も非常に少ないのでまとめて申し上げます。  一つは、本委員会におきましても二、三度申し上げたことがあるわけでありますが、この柏崎の原発におきます公聴会の問題です。地盤的にも非常に心配な問題がある、こういうようなことで公聴会は従来の形式論から脱皮して本当に実のある公聴会にしてもらいたいということを申し上げておったわけですが、公聴会はいつやられるか。どういう形式でやられるか。これが一つであります。  それから最近英国におきまして非常に問題になっております日本のいわゆる核廃棄物の持ち込みの問題でございますが、向こうでは日本が非常に迷惑をかけるというような言い方も報道されておるわけでございますが、この問題について政府としてはどういう見解をお持ちであるか。  以上二点についてお伺いしたいと思います。
  108. 生田豊朗

    生田政府委員 まず第一の御質問でございますが、柏崎の公聴会につきましては、先般も先生の御質問にお答え申し上げたかと記憶いたしておりますが、原子力委員会といたしましてこれを開催する方向で検討している次第でございます。問題はいつ開催するかということとどういうやり方で開催するか、この二点にかかってくるかと考えております。  かねがね本委員会におきましても御説明申し上げておりますように、この公聴会につきましては、前回の福島公聴会の経験及び福島公聴会に対して寄せられましたいろいろの御批判、御意見をできるだけ尊重し取り入れまして、改善してまいりたいというように考えているわけでございまして、特に福島公聴会におきまして相当御意見が出てまいりまして、その点についてもっと議論と申しますか、あるいは対話と申しますか、それを取り入れた方がいいのではないかというような御意見がございました軽水炉の安全性の問題がございます。これにつきまして、より内容を充実したものにいたしたいというように考えてきた次第でございます。新潟県当局の御意見も伺いまして、原子力委員会の内部におきまして検討を進めている次第でございますが、最近の状況を御説明申し上げますと、特に軽水炉の安全性につきましては、それについて福島公聴会で言いっ放し、聞きっ放しであったではないかというような御批判がかなりございましたことにもかんがみまして、この点はむしろ地元での公聴会と切り離しまして、専門家レベルによる討論会と申しますか、公開シンポジウムのような形で十分議論を詰めた方がよろしいのではないかというように考えまして、これは学術会議の御協力も得まして、現在軽水炉の安全性に関します公開シンポジウムを数回開催するという方向で具体的な日程、内容等を詰めている次第でございます。私どもといたしましてはできるだけ早く開催いたしたいということで考えておりますが、いろいろそれに参加されます方の御都合それから学術会議とのお打ち合わせその他もございまして、なかなか思うように早くできないわけでございますが、でき得れば年内に第一回を開きたいというように考えております。先ほど申しましたように、これは一回だけ、単発ではございませんで、項目別に分けまして数回、もちろん公開で開催いたすということになろうかと思っております。  そのいわば議論の一番の焦点でございます軽水炉の安全性の部分をそういうふうにいたしますと、次はその柏崎の地元の問題につきましていろいろ御意見を伺うという問題が残ってくるわけでございます。これはやはり現地におきまして現地からの御意見を伺うという形で開催したいというように思っておりまして、これも開催の具体的な方法につきまして新潟県当局と打ち合わせをいたしておりますけれども、現在のところまだはっきりしためどが立っておりません。あるいはただいま申し上げました安全性についてのシンポジウムの開催との組み合わせの問題もございます。本来一つの公聴会でやりますものを二つに分ける次第でございますので、その辺の組み合わせの問題あるいは会場の都合その他もございますので、私どもはなるべく早くと考えておりますが、どうも年内に開催するのはその地元の公聴会の方はやや困難になってきたという感じでございますが、なお問題を詰めまして、なるべく早く開催するように取り計らってまいりたい、かように考えております。  それから第二の御質問の英国との関係でございますけれども、これは使用済み燃料の再処理につきまして、これも本委員会におきまして繰り返し御説明申し上げてきたことでございますけれども、その再処理をどこでどういうふうに行うかということにつきまして私どもが従来から申し上げておりますことは、動燃のただいま建設中の再処理工場でその能力の許す限りいたしまして、それからその次のステップとしましては、いわゆる第二再処理工場を国内に建設いたしまして、そこで全部再処理をする、いわば核燃料サイクルをそこで完結させるという考え方でございますけれども、第二再処理工場建設には相当の時間を要する、相当の長年月を要するのでございますので、その間のつなぎとして海外に委託するということを考えまして、従来からその方向で実施してきているわけでございます。  現在、その海外への委託は英国、それからヨーロッパの共同の窓口で主としてフランスで再処理いたしますもの、その二通りございまして、お願いしているわけでございますが、今後の、昭和五十七、八年ごろから後の分につきましては、英国の原子燃料公社、いわゆるBNFLでございますけれども、そことの話し合いが現在進行中でございまして、年間再処理量一千トン程度の規模の再処理工場をその英国の原子燃料公社が建設いたしまして、それによって日本の使用済み燃料の再処理受け入れてもよろしいということで、現在電力業界が英国側と交渉している過程でございます。  先生の御質問は、その過程におきまして英国の新聞に英国を外国の放射性廃棄物のごみ捨て場にするのかというような批判的な記事が載りましたので、そのことに関連する御質問かと考えますが、この点はその新聞報道の後で担当の英国政府のベン・エネルギー大臣もそういうことではないということを釈明しておられますし、私どももそういう国内で処理できないものを外国へ持っていって御迷惑をかけるということは毛頭考えておりません。その再処理後の放射性廃棄物の処理、処分につきましても、合理的な方策が当然それに伴って立てられなければいけないわけでございますので、そういう問題もあわせまして、ただいま英国と交渉中の段階でございます。
  109. 近江巳記夫

    ○近江委員 もう時間が来ましたから終わりますが、いずれにしてもいままで原発等を推進推進ということで、そうしたいわゆる後処理問題等を軽視してきた。安全性の問題、環境問題、これもしかりであります。こういうことが外国からも批判を受けておるということにもなってきておるわけでございますし、いずれにしてもいわゆるトータルしたそういうすべての面を本当に充実をしていかなければならぬ、このように思うわけです。この再処理工場も、安全性において非常に心配な問題が指摘もされながら、一向に改善の実も上がらない。当然そうした処理体制もちゃんとするのだと言いながらも、これでは国民がまた大きな不安を持ち、納得できないわけであります。ですから、非常にこういう深刻な問題を抱えておるわけでありますから、一層ひとつ長官以下、力を入れていただきたい。  もうきょうは時間がありませんからこれで終わりますが、それを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
  110. 八木昇

    八木委員長 内海清君。
  111. 内海清

    ○内海(清)委員 再処理工場の問題につきまして、労使間の問題は明日ということになっておりますから、これは本日は触れませんが、再処理工場の問題でいろいろ読みましたり、その他して、私の理解しにくい点もありますので、それらの二、三についてお尋ねしておきたいと思います。  この再処理工場ですが、これはアメリカでは、原子力関係はアメリカは大体日本の先生ということですが、民間事業としては余り進んでいない。現在、多少稼働しておるものもあるかもしれません、あるいは工場がつくられておることは承知しておりますけれども、民間事業としてはなかなか進んでいない、こういうふうに聞いておるのでありますが、それらの状況について、なぜそういうことなのであるかというふうな問題で、あるいはこれは軽水炉——アメリカは軽水炉か多い、日本も平和利用にはほとんど軽水炉だ、そういうふうな関係もあるかもしれませんが、それらについてひとつお聞かせいただきたいと思います。
  112. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生のお説のとおりでございまして、アメリカでは一九六六年に民間の再処理事業の第一着手といたしまして、ニュークリア・フュエル・サービス、NFS社が一日一トンの処理能力の再処理工場の稼働を開始したわけでございまして、現在一日三トンへ建設の拡張中でございますが、いろいろ問題が出ております。また、アライド・ゼネラル・ニュークリア・サービス、AGNS社、これが一日五トンの処理能力の再処理工場建設中でございますが、「プルトニウムのリサイクルに関する環境報告書」が出るまで原子力規制委員会が再処理工場建設許可を出さないであろうと言われておりまして、その点が一つ問題になっているわけでございます。  そういうことでございまして、確かに民間べースでの再処理工場というのはアメリカで現在のところ必ずしもスムーズに進んでいるわけではございません。この再処理は、先生承知のように、非常にむずかしい処理技術を伴うものでございますので、その点につきまして、経済性の問題もあわせましていろいろ問題が出ておるわけでございます。  ただ、日本の場合は、これは申すまでもございませんけれども、当然平和利用原子力の買い付けを限定しておりますので、諸外国のように軍事利用と平和利用を両方やっております国とは、再処理のあり方も当然異なってまいらなければならないということでございます。いわば、日本型の再処理技術あるいは再処理設備というものを将来考えていくような必要性があろうかと思いますし、そういうことも考えますと、わが国といたしましては、従来の原子力委員会の長期計画にもございますように、民間ベースで再処理工場をつくっていく、ただし、それの監督につきましては政府原子力委員会におきまして十分やってまいるという方向がやはり正しいのではないかと思いますので、この動燃の再処理工場を稼働させますことがまず第一でございますけれども、それに続きまして第二再処理工場建設につきましても科学技術庁及び通産省におきまして電力業界といろいろ話し合っておりますし、電力業界におきましても再処理準備会をつくりまして、やっとその具体的な検討に乗り出した段階でございますので、これから逐次計画が進捗してまいろうかと考えております。
  113. 内海清

    ○内海(清)委員 アメリカで民間事業として余り進んでいないということはいまのお話のとおりですが、これは私は一つは、そのことを裏返すと、つまりアメリカはきわめて軽水炉が多い。だからいま軍事利用と両方の面ということがありますが、アメリカでは軍事利用がこの再処理ということではかなり重視されておるために、軽水炉で使用済みのものについてはまだ再処理工場ができていない、こういうことじゃないかと私は考えるのです。今後アメリカでももちろんそういうものもできていくのじゃないかと思いますが、そういうふうなことから考えて、いわゆる軽水炉の使用済みのものはアメリカにはまだそういう民間のあれも余りできていないというふうなことから考えて、いま日本では平和利用だから何ら心配ないということでありますけれども、この東海の再処理工場、これは未経験のものでありまして、これはもちろん大丈夫だという御確信がなければつくられぬと思いますが、その点についてひとつ重ねてお伺いしたい。
  114. 生田豊朗

    生田政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたとおり、わが国では初めての再処理工場建設でございますし、従来軍事利用の経験も当然ございませんので、平和利用によります再処理工場の第一着手でございます。したがいまして、慎重の上に慎重を重ねまして御承知のようにフランスのサンゴバンの技術を導入したわけでございます。これは国際的にもう成果の確立した技術でございますので、そのサンゴバンの技術の上に立ちまして、さらに動燃事業団自身の研究開発も積み重ねまして、現在慎重な計画のもとに進めている段階でございますので、これを、スケジュールを急ぐということではございませんで、むしろ安全性を第一に考えて、実績を積み重ねながら本格的な稼働に持っていくということで進めてまいりますれば、十分この計画が成功すると信じております。
  115. 内海清

    ○内海(清)委員 これはフランスの技術の導入でありまして、この再処理はあながちアメリカが先生だけでもないと思うんです。しかし、アメリカで軽水炉での使用済みのものがまだ余り進んでいないというような段階で、やはりそのことは十分検討されていかなければならぬと思います。  次にお尋ねしたいと思いますのは、環境放出について、以前の前田長官のときにはゼロリリースということを目標にするのだというようなことが当委員会でも述べられたことがあることは御承知のとおりであります。このゼロという目標と現在の状況、この関係はどうなっておるのかということ。そして目標達成のプロセスとしてはどういうふうなことをお考えになっておるか、それをお伺いいたしたいと思います。
  116. 生田豊朗

    生田政府委員 このいわゆるゼロリリースの問題でございますけれども、これはもう先生は当然御承知のことで改めて申し上げるまでもないことでございますが、完全ゼロというのはこの場合ないわけでございまして、世界的にも完全なゼロリリースというものはないわけでございます。今後ともそれはないかと思います。いわばなるべくゼロに近づけるという方向でございます。これはもう原子力の安全問題に関しまして当然の原則でございますので、私どももなるべくこのゼロに近づけるという方向で進めているわけでございます。  動燃の再処理施設の放出低減化、いわゆるゼロリリースの問題につきましては、三つ問題がございます。  第一は、低レベル廃液を蒸発濃縮処理いたしまして、この排出量を少なくするということでございます。これは現在一日当たり〇・七キュリーでございますけれども、これを蒸発濃縮処理を行いまして十分の一に減らすということを目標にいたしております。これは予算といたしまして十五億七百万円の経費をかけまして、これをいま進めている段階でございます。  第二は、排気中のクリプトンの除去でございます。これも昭和五十年度におきまして一億八千四百万円の予算を組みまして、一日当たり八千キュリーのものを目標といたしまして八十ないし八百キュリー、つまり十分の一ないし百分の一に減らしてまいりたいということで、現在詳細設計中でございます。  それから第三は、トリチウムの除去でございますが、これにつきましては、現在昭和五十年度で一千七百万円の予算によりまして基礎研究を進めている段階でございます。  以上のその三点につきまして放出低減化、いわゆるゼロリリースを進めている過程でございます。
  117. 内海清

    ○内海(清)委員 もちろんゼロリリースは、私が申し上げたこれを目標にしてということでございます。期待の数字だと思います。これは実際問題としては、それがなかなか実現できるものじゃないということは承知しております。できるだけこれに近づけるという努力は当然必要なことであります。  いま三つの事項を示されましたが、これはまだそれぞれこれから開発の段階でありまして、その結果を見てその期待の目標になるべく近づきますように御努力願いたい。そのことがまたこの再処理の地域住民、ひいては国民に安心感を与える一つの大きな要素である。非常に重要なことだと思うのであります。  続きまして、海洋放出については、いまシラスによるフードチェーンによりまする被曝量の評価というようなものについていろいろ議論があるようであります。確たるものはないのだと思いますが、数百ミリになるという話も聞くのであります。あるいはこれは一部の個所が受ける現象かもしれませんけれども、それらの真偽のほどがどうであるか、これがわかっておればひとつお聞かせいただきたいと思います。
  118. 生田豊朗

    生田政府委員 先生の御質問は、海中に放出いたします放射性廃棄物が食物連鎖によりまして体内に摂取されまして、いわゆる内部被曝でございますが、それを起こします場合、その影響の計算についていろいろの説があるのではないかというお話だろうと思いますので、それによりましてお答えさせていただきます。  数年前でございますが、海洋放出特別委員会という専門家会議、これは原子力安全研究協会の中に設けた委員会でございますが、これが調査をいたしまして、その報告書が出ております。それとこの再処理施設の安全審査を行いました場合の結論との間に若干の食い違いがございます。その結論の食い違いによりまして、一部にはこの安全審査前提となったその影響の評価が過小評価ではないかというような批判があるわけでございますが、私どもは必ずしもそう考えておりません。  これは幾つか理由がございまして、一つは、その海洋放出特別委員会、いわゆる海放特と言っておりますが、それが試算をいたしましたときに使ったモデルでございますが、これが安全審査のときのモデルよりも非常に簡単なモデルを使っているわけでございます。逆に申しますと、安全審査の方がはるかに精密なモデルを使っております。これが第一でございます。それから第二は、その放射性廃棄物の放出のやり方でございますが、この先ほど来御説明申し上げました今後放出される放出量、これは先ほどのゼロリリースのときに申し上げましたように、改善いたします前の段階で一日当たり〇・七キュリーでございますが、これをたとえば〇・九五キュリーというように大き目に見ているという問題もございます。したがいまして、前提が違っておりますので、これを現実に合わせますと、当然その計算の結果も違ってくるわけでございます。したがいまして、私どもはむしろそういう点から海放特の数字が正しくて安全審査の数字が間違っているというようには考えないわけでございまして、安全審査の数字の方がより精密なモデルを使って精密な計算のもとにやられた数字だというように考えております。ただ、これは非常に大きな問題でございますし、今後とももうちょっと全体を詰めてまいる必要がございますので、再処理施設安全審査専門部会、これは原子力委員会の中に設けてございますけれども、これが染料拡散実験その他をやりまして、海洋調査に関します新しいデータを現在さらに得つつある段階でございます。それによりましてさらに詳細な審査をいたしまして、この辺も食い違いのないように十分詰めてまいりまして、一般の国民あるいはその付近の住民の方から無用の疑惑を招くようなことのないように努めてまいりたい、かように考えております。
  119. 内海清

    ○内海(清)委員 いまの問題は、私も大変重要な問題だと思うのであります。いろいろな数字が食い違いができてくることがわかりましたけれども、その場合に一般に住民の受け取るのは、大抵一つの大きいものを見て不安を感じるということが多いわけです。その点は私は非常に重要な問題だと思うのです。ですから、今後これらにつきましては、ひとつ十分研究の上で正しいものを出していただく、このことが非常に大事だと思いますので、これを強く要望しておきたいと思います。  質問がとぎれとぎれであれですが、次にお尋ねしたいと思うのは、この再処理工場のある東海村あるいはその他原子力施設がある所もあるわけですが、この東海村とそれから事業団の間には安全協定的なものが結ばれておるのかどうか、これをひとつまずお聞きしたい。
  120. 生田豊朗

    生田政府委員 動燃事業団との地元の安全協定でございますけれども昭和四十九年、昨年でございます、昨年の十二月十六日付をもちまして、長い名前でございますが、俗称安全協定でございますが、それを東海村、日立市、那珂湊市、勝田市と、この三市一村との間に締結をいたしております。  その概要でございますけれども、まず協定の趣旨といたしまして、動燃事業団東海事業所につきまして周辺の安全を確保する責任を有するということが明らかにされております。それから安全確保のために最大限の努力を払う義務があるということも認めております。それから協定の具体的な内容といたしましては、放射性廃棄物の放出管理、同じく放射性廃棄物の保管管理、公害防止及び環境保全、今後の新増設計画に対する茨城県及び東海村の了解、放射性廃棄物の放出状況等について監視体制の強化、その他数項目ございます。大体こういうことにつきまして協定を締結いたしております。
  121. 内海清

    ○内海(清)委員 そうすると、その協定には、たとえば被曝線量の一応の目安とかなんとかというものは入っていませんか。
  122. 生田豊朗

    生田政府委員 この協定の中に入っておりますというよりも、県が別途監視委員会をつくっておりますので、この監視委員会におきまして環境への目安線量は決めております。
  123. 内海清

    ○内海(清)委員 それはどのくらいになっているのですか。
  124. 生田豊朗

    生田政府委員 核種ごとにそれぞれ決まっておりまして、一概に申し上げられないわけでございますけれども、自然放射能の変動幅の中におさめるということを基本的な考え方といたしまして、核種ごとに目安線量を決めております。
  125. 内海清

    ○内海(清)委員 これはもちろん場所によって違うこともあると思います。そうすると、東海村との間のそれは一応わかりますか。目安はいまわかりますか。
  126. 元田謙

    ○元田説明員 お答え申し上げます。  茨城県東海村等々との協定のほかに覚書というのが交換されているわけでございますが、その中にも主要核種の三カ月平均の濃度とか三カ月間の放出量、それから年間放出量等については、一応の約束ごとが別表として定められております。
  127. 内海清

    ○内海(清)委員 別表として定められておるということですね。そうすると、それが常にそれぞれの目安になっておるということですね。だから事業団もその目安の範囲内において十分チェックしておる、こういうことになりますね。それでいいんですね。
  128. 元田謙

    ○元田説明員 さようでございますが、県におきましては放射線監視の委員会がございまして、そこにおいていろいろと検討をしているように聞いております。
  129. 内海清

    ○内海(清)委員 それでは次に移ります。  これは科学技術庁でおわかりになるか、あるいは運輸省おいでいただいておるかとも思いますが、再処理燃料の運送体制といいますか、輸送体制といいますか、これは今後重要な問題になってくると思うのです。それで、これはきょうは突っ込んで何しませんが、その体制はどうなっておるか、一応お聞かせ願いたいと思います。
  130. 生田豊朗

    生田政府委員 先ほど申しましたように、使用済みの燃料は現在まで海外に送っているわけでございますが、今後動燃の再処理工場の本格的な運転によりまして国内での輸送問題が出てまいるわけでございます。先生指摘のように、非常に重要な問題であろうかと考えております。  それで、現在の国内での輸送の体制につきましては、原子炉のサイト内におきまして輸送容器におさめまして、後は輸送業者の手によって行われているわけでございますが、それの規制につきましては、原子炉規制法に基づきます放射性物質車両運搬規則、これは運輸省の省令でございますけれども、それに基づきまして運輸大臣の許可が必要でございますし、海上の輸送につきましては船舶安全法に基づきます危険物船舶運送及び貯蔵規則、これも同じく運輸省の省令でございますが、それによりまして運輸省指示を要するわけでございますので、それを受けて行われております。  次に、使用済み燃料の輸送容器、いわゆるキャスクでございますけれども、これは昭和四十三年に原子力委員会が決定いたしました輸送容器の安全審査基準がございます、及び国際原子力機関、IAEAの放射性物質安全輸送規則がございますので、その両方に適合したものを使用することといたしております。輸送業者といたしましては、輸送に先立ちまして所管官庁、警察、関係地元に対して輸送計画を届け出ておりますし、輸送に際して警察に護衛車の派遣を依頼するような措置も講じている次第でございまして、以上申し上げましたようなことで輸送に伴います安全の確保を図っている次第でございます。
  131. 内海清

    ○内海(清)委員 大体わかりましたが、これはわが国ではむしろ今後の問題だと思うのです。しかも、これは科学技術庁運輸省両方にまたがりますから、「むつ」の例ではありませんけれども、役所が違うので、またそこでいろいろな問題が起きてもこれはきわめてつまらぬことですから、あらかじめ十分な両省の連携のもとに万全な体系をつくっていただきたい、このことをひとつ要望しておきます。  時間の関係で進みます。次は、高レベルの放射性廃棄物の処分についてどのように考えておられるか、これもひとつお伺いしておきたい。
  132. 生田豊朗

    生田政府委員 実は、高レベルの放射性廃棄物の処理、処分が、原子力発電から始まります核燃料サイクルの一番最後の部分で、かつ一番重要な問題であろうかと考えております。現在——現在と申しますよりも、動燃の再処理施設が稼働いたしまして、そこで高レベルの廃棄物が発生いたします場合には、当面この施設の中でタンクに保管してまいるということで、十分注意を払いながらそういう方向で進める計画でございます。ただ、外国におきましても当然同じような問題があるわけでございまして、各国ともその処理、処分、特に処理につきましてその研究開発を進めております。ガラス硬化と申しますガラスのようにして固めてしまうのが現在のところ中心的な方向でございまして、わが国でも動燃事業団におきましてその点の安全研究を進めておりますし、外国におきましても研究が進みまして、かなり実用化に近づいているわけでございます。それで、そういうガラス硬化いたしまして、その処理をいたしました後どうやって処分をするかということでございますが、これは低レベルの廃棄物と違いますので、たとえば海洋投棄をするというようなことは全く考えられないものでございますので、しかるべきところに永久的に保管する以外にはないということでございまして、たとえばヨーロッパ諸国あるいはアメリカでもそうでございますが、岩塩を掘りましたその跡に埋めるというようなことも検討されておりますし、その他の方法も検討されております。わが国の場合は岩塩層というようなものが、外国と違いまして存在いたしませんので、そういうことではなく、別途しかるべき特別な施設をつくりまして、これを永久に保管しなければならぬというふうに考えておりますし、永久に保管するということに相なってまいりますと、果たして民間の企業ででき得るものかどうかという問題が出てまいります。この点も現在検討を進めている段階でございますが、おおよその方向といたしましては、何らかの形におきまして、国の責任においてこの高レベルの廃棄物は永久保管せざるを得ないのではないかということを考えておりまして、いま具体策について検討を進めている段階でございます。
  133. 内海清

    ○内海(清)委員 この問題はいまたちまちどうということはないので、今後の問題でございますけれども、いま局長のお話のように、将来これは非常にめんどうな重要な問題だと思うのですね。ですから、これはいまお話しのように国の責任においてこれを保管していくという方向が最も重要なことじゃないかというふうに私は考えておるわけです。これもひとつできるだけ早くはっきりした方向を見出していただきたいと要望しておきます。  それから最後ですが、プルトニウムの問題。われわれは全く素人ですが、これについてはタンプリンなどもいろいろ警告的なことを言っておるようであります。これに対してはどうお考えになっておるか。  それからいま一つ、ついでにお尋ねしておきたいのですが、核ジャックの問題。これはアメリカあたりではかなり問題にされておるようであります。非常に関心を持っておるようでありますが、核ジャックに対して日本としてはどの程度にお考えになっておるか。この二つをお伺いします。
  134. 生田豊朗

    生田政府委員 先生のただいまの御指摘はまことにごもっともでございまして、プルトニウムをどういうふうに扱うか、あるいはその影響をどう考えるかと申しますか、この点が核分裂をエネルギーとして利用いたします場合の非常に大きなあるいは最も大きな問題ではなかろうかと考えております。  まず御質問の第一のタンブリン博士の学説、いわゆるホットパーティクルという説でございます。これは非常に微量のプルトニウムを吸い込みましても肺ガンの発生率が非常に高いという仮説でございますけれども、これはわが国及びわが国以外の外国の専門家意見によりましても非常に少数意見でございまして、非常に疑問の多い仮定に基づいた考え方であろうというふうに言われております。むしろ生物学上の証拠を持った新しい事実はほとんど含まれていない、非常に実証性に欠ける説であるというような批判が大方でございますので、私どもは科学的な学説として尊重すべきものではない、かように考えております。  それから、核ジャックの問題でございますけれども、これはプルトニウムが発生しましてそれが貯蔵されました場合に、それが盗難に遭いました場合には非常に危険な状況になりますので、特にその点に重点を置きまして、いわゆるフィジカルプロテクションというものの整備を現在図っておるわけでございます。当面、再処理工場が稼働いたしますと、その再処理の過程でプルトニウムが当然発生してまいります。これの安全な保管を考えなければいけないわけでございますが、動燃の再処理工場におきましては、治安当局との連絡通報システムの確立、それから二十四時間警備システムの確立、それから出入管理の徹底、施設の周辺の防護さく、かぎの整備というようなことにつきまして現在でもフィジカルプロテクションの措置を講じておるわけでございますが、これはもう十分な上にも十分なことをしなければいけないものでございますので、今後ともさらにその充実を図ってまいりたいと思いまして、国際的にも、ただいま米国におきましてもこの関係の国際会議が開かれておりまして、それに原子力局の職員も出席いたしております。さらにIAEAを中心にいたします動きもございますので、諸外国との国際協力も含めまして、今後とも十分慎重に計画を練ってまいりたい、かように考えております。
  135. 内海清

    ○内海(清)委員 これで終わりますが、タンブリン博士の意見あたりは余りそれほど一般的にはなっておらぬかもしれませんが、素人がこういうものを見ますと、いろいろな考えが出るわけで非常に影響されると思うのです。ですから、こういうものに対しては、国民原子力に対する教育の意味においても、役所あたりで十分これを指導して、そういうものに迷わされないようにやられる一つの責任があると思います。  それから核ジャックの問題、これはもちろんIAEAでもやられておるようでありますけれども、国際的な一つのあれができることはもちろんでありますが、国においてもそれぞれの特異性があると思う。日本には最近相当そういうことに対する心配なあれがあるのじゃないかという気もいたしますので、一つでもこういうことが出てくると、これは大変なことなんです。だから、それに対しても国民が安心できるような万全の措置がとられておる、こういうことが最も重要なことだと思います。  きょうは断片的に、私のわかりにくいようなことをお尋ねしてあれでございましたけれども、そういうふうな問題についても、今後はわれわれがお尋ね申し上げるよりも、皆さん専門家ですからひとつ積極的にお教えいただきたい。このことを要望して終わります。      ————◇—————
  136. 八木昇

    八木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  使用済み核燃料の再処理に関する問題調査のため、明十三日午前十時十五分から参考人の出頭を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  137. 八木昇

    八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次回は、明十三日木曜日、午前十時理事会、午前十時十五分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時十七分散会