○瀬長
委員 いまの問題については
長官もそのとおりだとしか
答えられぬと思うので、次にBDu、核模擬爆弾の投下訓練について
質問いたしますが、今度のBDUの投下訓練は——BDUというのはB43の核爆弾の模擬弾に
アメリカがつけた名前なんですが、B43は広島原爆の四倍から五倍の爆発力を持っておるということを
アメリカの文書ではっきり書いてあります。このBDUというのは模擬弾という英語の頭文字をとったやつで、BDU8B、これが今度伊江島に投下されたものであります。
投下されたのは、事実
関係から先に申し上げますと、十月三十一日、金曜日です、一個以上、というのは、私が言う数字は全部確かめられた個数なんです。これは一個以上ですね。さらに、十一月七日、これも金曜日です、やはり一個。全部確かめてあります。十一月十四日、これも金曜日です、二個。それから、十一月十六日、日曜日、六個。いま申し上げました三十一日から一、一、二、六ですから、ちょうど十個
確認されております。そこで、これは十月三十一日が最初だということではなくて、
確認されたもので、その前にもやっているという事実があります。
いずれにしても、この問題を
長官にお伺いしますが、その前にこのBDU8Bの投下訓練の写真、これは
日本で初めて、いまのF4ファントムなんです。特徴はずっと前の方は水平から飛んできてこうおりて急降下、急上昇しましたが、今度は水平です。二百メートル、三百メートルと、
長官これです。いいですね。
〔瀬長
委員、資料を示す〕
これが十一月十六日午後五時から十五分まで六回、これがF4ファントム、これがただいまの減速用のパラシュートがついています。これは本体。本体のこれが全部突きささりまして、これがしっぽの方ですね。ここへ来てこれがあらわれて、本体の方はここに突きささっておる。これが標的になっています。それがBDUというふうなことでありますので、よく頭に入れておいてほしいと思います。
それで、いま申し上げましたように、さらにはっきりさせるために、現物を持ってくるわけにまいりませんものですから、写真を撮ったわけなんです。これは例の減速用のパラシュート、これについているデータなんです。いわゆるデータカード、これはBDU8Bの身分証明書みたいなものなんです。B43の模擬弾で、しかも11Nという記号はニュークリア、いわゆる原爆の模擬弾であるというふうな、どこで生まれたということも、いつ生まれたということも書いてあります。いわゆる身分証明書ですね、これはデータカード、これが全部パラシュートのデータカードを入れる小さいポケットに入っています。一個ずつ全部これを持っています。
この問題については前にも共産党が現地
調査をして
質問もいたしましたが、今度の場合の特徴は、技術的にはいま申し上げましたように水平なんです。私、ここにF4ファントムの水平飛行して落とす音も録音してありますが、ここでは録音はどうも禁じられておるようでありますので、一応やめますが、いま申し上げましたように現実に飛んでいる写真、このF4ファントムは所属は嘉手納に駐留する第十八戦術戦闘航空団、これがやってきています。日曜日に六個投下したときは三機編隊で、このF4ファントムは一機で二個ずつ積むことができるというので回っていっちゃやり、それから編隊でやってきてぽかぽか落とすというのが現実であります。
いま私
質問したいのは、
向こうへ行きましてすぐ村長さんに会いました。村長さんは知念という村長さんですが、われわれはこういった核模擬弾であろうが、そういった爆弾の投下に反対するだけではなくて、一切の演習を拒否する、基地の撤去をわれわれは
要求する、これは山城安二さんが射撃された事件があって、村民
大会を開いて、
大会でもその決議をし、さらに村議会でも基地撤去、演習をやめろという決議をしておる、今度の場合にも私は議長にも話をして、その点を議会でも決議をするように言うと非常に怒っておりました。こんなにまでやられるのか、というのは、土曜、日曜はやらない。これは農民が牛、馬の草を刈るために入っていくということで、特に日曜日はやらないということを口頭で
約束した。これを本当に踏みにじった。そこで、日曜日に午後五時にやりましたものですから、五時前におじいさんたちが入っていて、そのおじいさんは新城新という七十二歳のおじいさんですが、聞きました。普通語はわからないものですから全部方言で、私も行って聞きましたら、
向こうが演習する場合には、飛行機が来る場合にはサイレンが鳴るそうです。ところが、あれは御承知の音速ですから、見えてからサイレン鳴らす、それでサイレンが鳴ったらもうすぐ来ておるというのです。そこで、おじいさんはもう自分で逃げることができなくなって、その爆撃中、いわゆる投下訓練中ずっと草むらに入っていただけではなくて、おれのところに来たらいかぬといって、かぶっていたくばがさ、それを上に上げて人間がいるぞということを示した。この問題はどうなるかということなんですが、もうやりませんと言って村長に、あるいは前ぶれは区長がやる、そういうことも全然やらずに、突如として日曜日に行っている。そのおじいさんは「マブイヌギタッサー」という方言で言っておりましたが、いわゆる抜けがらになってもう死ぬんだな
あと思っていた。孫が連れに行ったら、監視が入っちゃいかぬということで行くこともできなかった。これはもう人道上も許せない事実が起こっておる。
この問題について、これは引き続きもうずっとやっておるわけなんです、いま申し上げたように。これを
政府はB52と同じように容認し——核爆弾の模擬爆弾、たとえ模擬爆弾であっても核に
関係するので、これは望ましくないということを佐藤内閣時代に答弁しておる。しかし、だんだん
田中内閣に来てから、これはしかしいかなる態様にも応ずることができるように訓練をするわけだから当然ではないかといったようなことまで言っておりますが、大臣にお聞きしたいのは、もう本当にいま住民は危険にさらされているわけなんです。
日本の国民がそういった危険にさらされているこの核模擬爆弾の投下訓練に対して、どういうふうにお
考えになっているか。すでに
新聞でも報じておりましたので、大臣はおわかりだと思いますが、大臣のこれに対する率直な
意見、感想、さらに
アメリカに対してどういうふうにしたいということなどをかいつまんで御返事してもらいたいと思います。