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神谷信之助君 現在統一地方選挙、すでに知事選挙が始まっています。そして次には府県
会議員その他地方議会の統一選挙が始まるわけですが、そういう
段階で
企業ぐるみ選挙が激しく行われております。
具体的にひとつ実例を示して見解を聞いていきたいと思うんですが、
一つは、新日本製鐵の広畑製鉄所であります。概要はすでに政府側の方にお知らせをしてありますから、かいつまんでその特徴を挙げていきたいと思うんですが、姫路の市
会議員選挙ですが、これに向けて、
一つは
企業内候補の四名に対して――広畑製鉄所が推薦をしている四名の候補者に対してのみ構内事務所を貸与する、こういうことが行われております。広畑製鉄所における現在のまだ働いている労働者及び
関係者を含めまして八名の立候補
予定者があります。わが党も、また公明党からも立候補を
予定をしておりますし、そういう方々がおるんですが、その中の四名に対しては
企業が推薦をして、そしてその選挙事務所といいますか、選挙の選対事務所、これを認める、そして作業長やあるいは組合の支部長を各選対ごとに勤務を変更させて昼、常に勤務ができるような常昼――常に昼勤と、この勤務に変更する。そして
通常業務はやらさないで、その選対本部につききりでやっているという状況です。給料を
会社で持って、そして選挙準備運動に専念をさせる、こういうことを行っています。それからさらに、従業員の家庭を次々と訪問をさせるという、そういうことを行っています。いろんな
資料ありますが、そこでは家庭訪問の手引きをつくっています。
どういう形でやられるかと言いますと、何時間、〇〇時間無災害達成記念品というものを持っていくわけですね。それは工場ごとに、大体作業長と組合の役員がペアで家庭訪問をする。持っていく記念品は大体二千五百円相当のすき焼きなべとか、あるいはてんぷらなべ、くつ下、石けん、こういったものを持っていって、そして日ごろの安全活動に対する労をねぎらう。そしてその記念品を渡しながら
企業の推薦をする候補者について協力を依頼をする。そして親戚や知人その他の名簿を出さす、そして一緒に行ってもらう。具体的に選挙運動に協力を作業長と組合の役員が行ってやるわけです。こういう状況が起こっています。あるいはまた、非常にひどいのは昇格試験があるわけです。昇格ですね。労働者が職長になる、あるいは作業長になっていくというようになりますが、その昇格試験の際に面接をやる。面接の際に、あなたは議会制民主主義を守るところのこの広畑の
企業が推薦をしている、そういう組織内候補についてどう思いますか、という質問をするんです。こうなりますと、昇格試験に合格しようとすると、いやでもおうでも自分の思想、信条は抜きにして、当然支持をします、と言わなきゃ、これは昇格をしない。事実そう答えた者だけが昇格しているわけです。こういう状況も起こっているんです。
片一方では、そういう労働安全運動の協力をしてもらった記念品だといって、二千五百円相当のものを持っていく買収選挙。それから片一方では、こういう昇格をえさにして、そして選挙運動に協力をさせる、支持を強要する、こういうことがやられている。あるいは、社内報がありますが、社内報でも、それを通じて、これは冷延工場のニュースですが、それでも、特に
企業の推薦をしている候補、これの宣伝ですね、これを繰り返す。まさに
企業の総力を挙げて選挙活動が行われているんですが、私は、これらすべては、利益誘導やあるいは選挙の自由を妨害をする、そういう選挙違反の疑いがきわめて濃厚だと思うんですが、この点についてはどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。