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上田耕一郎君
委員長に対して公正、平等な運営を心から要望したいと思います。
本論に入ります。
先ほど
運輸大臣は、三光汽船のペーパーカンパニー百二十数社に及ぶ会社は裏に船主がある、ギリシャその他の船主があるんだということを言われました。しかし、私どもの
調査では、裏にあるのはギリシャその他の船を持っている船主ではなくて、裏にいるのがどうも三光汽船であると、そういう疑惑を私ども非常に強くするわけであります。私、昨年の十二月二十三日にこの問題で質問して、その後
運輸省から資料をいただきました。三光汽船の売船した船が三十九隻あって、そのうちリベリア三十三隻、二十八社の買船社があることになっております。三光汽船のリベリアにおける用船状況、これを示すのが八十六隻ありますけれども、これは八十六隻を売った先が、数えてみますと八十二社あります。この八十二社と、売船先の二十八社と用船先の八十二社、四社ダブっておりまして、引き去りますと大体百六社リベリアに
関係する会社があるということになっております。
しかし、ここで大きな問題は、どうも香港での私どもの
調査団が明らかにしたところによりますと、リベリアにあるのは、まさに河本通産大臣がペーパーカンパニーとおっしゃったように、実体は何にもないんです。郵便ポストの私書箱がある。これに一カ月に一度三光汽船の社員が行きまして郵便物を集めてくる。その郵便物に対する返事は、全部三光汽船の本社の
業務部が行っていると、そういうことであります。そうしますと、百二十何社の裏にギリシャの船主が何とかいると言うけれども、どうもこれを設立し、また指揮監督しているのは三光汽船の
業務部ではないかという重大な疑惑が生じます。
それから、私ども、八社については外務省に
調査を依頼しました。この八社について外務省の返事は、リベリアの領事館あるいは大使館でしょうね、調べてもらったけれども、全く所在不明だという返事がありました。そういう点で見ますと、まさにペーパーカンパニーで、実は裏に他国の船主があるのではなくて、どうも三光汽船がこれらの会社を設立し、しかも指揮監督しているという重大な疑惑があります。
先ほど内藤
委員が質問いたしました万友船務、これは問題になっております。パシフィック・バルクキャリアーズという、例の「たじま丸」、これの売船先の会社ですが、これの代行会社が万友シッピング、それがしかも重役も同じ、電話番号も同じ、一月三十一日まで同じフロアにあった。やっぱり三光汽船の事実上の子会社であるという疑いがきわめて強い。しかもまた、香港の
調査によりますと、こういうペーパーカンパニーの設立というのはわずか三日でできるんです。香港ドルで六百五十ドル、日本円に換算して約四万五千五百円払って弁護士に頼みますと、ニューヨークにリベリア本部というのがあります。ここと連絡して、わずか三日間でペーパーカンパニーというのは設立されるんです。三光汽船のこのペーパーカンパニー設立専門弁護士というのは、ジョンソン・ストックマースというソリシターだ、人物の名前までわれわれ明らかにいたしました。こういう点で、私は
運輸大臣に、重大な疑惑があるということについてひとつ
指摘したい。
それからさらに、私が十二月二十三日に質問した際、
木村運輸大臣は議事録によりますとこう答えております。「なお、内容について
運輸省で調べておりますことを申し上げますというと、三光汽船の売船先はすべてリベリア及びパナマ籍の会社でございます。したがって、この売船先の会社と三光汽船との間には、それ以外の
関係はございません。」と、こう
運輸大臣は私に答えられた。その後のわれわれの
調査では、
関係ないどころじゃない、文字どおり三光汽船の
業務部が全部設立し、指揮監督している。百社以上あるのですよ。
田中角榮氏は幽霊会社あれだけつくって土地転がしで大分もうけたのですけれども、どうもこの三光汽船の場合には幽霊会社を百以上もつくって、船転がしで莫大なもうけをしているのではないか。これは脱税その他の
関係の疑惑さえあると、そういう重大な疑惑があります。一体
運輸大臣は、こういう実態を御存じの上で私にこの
関係ございませんと答えたのか。どうも先ほどの
答弁ですと、何も知らないようです。知らないで、どうして
関係ございませんとはっきり答えられたのですか。渡辺
委員は、この問題明らかにするために、先日社長並びに
業務部長その他の証人を要求いたしました。実際ここで証人を出して調べれば、これだけ大きな疑惑の問題、完全に明らかになると思います。私どもその証人要求を重ねて申しますとともに、昨年の
運輸大臣のお答えは、明らかに明白な失言ないしは食言だと思いますが、事実と違うのでひとつ取り消しを要望したいと思います。