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松永忠二君 もう少し。私はやや見解が違うのですよ。別に
文化庁のあれを疑っているのじゃないのですよ。いわゆる行政訴訟法でそういう
法律が出るということについて、
考えてみると、それをチェックするためにも、またそういうものを出されないためにも、またそれが十分に対抗できるためにもやはりその役所だけでなしに専門家の
意見でそこをチェックする必要がある。それからまたこの理由を公開をしていくと、理由を公開させる、これも何にも悪いことじゃなしに、そんなことはやるつもりですなんておっしゃるでしょうが、しかしそれをやっぱりはっきりさせておくと、だからこれはあなたのおっしゃるように、われわれが
文化庁の
長官を不信しているわけはないのですよ。しかし、起きている問題はそういう問題であり、いままで覚書があってやってきてもまだできない問題を事前
協議の形でしたということについては
一つの毅然たる態度がとれるということも事実なんだ。そして同時に、
文化庁の
長官を支えるものが外にあってですよ、
文化庁がただ
長官が言っているのじゃないのだと、こういう専門家も言っているんですよと、われわれじゃ困りますと、そういうやっぱりものをやっぱりきちっとしておくこと。行政的な判断でなしにやっていくということが必要だ。まあこれは
一つの
考えで、私たちはそういうふうに
考える。
それからその次もう
一つ聞きますが、
遺跡を発見したときの届け出、
停止命令に期限を付したということで、まあ三カ月、それをまあ六カ月、引き続いたときには一回に限って六カ月、それを九カ月という
お話ですがね。これもまあ
長官の
答弁も後ほど聞きますけれ
ども、何か前に伺った
長官の
お話では、いままでのように、前段に指示ないし地方自治体の
努力あるいは
関係者との
協力によって調査が行われ、調査の終了まで工事等は自主的に抑制される、こういうようなことが通常の事態では望ましいと。それから、
停止命令とか
禁止命令はそういうような任意な
協力を得られない場合最終的な
措置で、あるいは俗な
言葉で言う伝家の宝刀だと、こういう説明なんですね。
そこで、私はこれも無理があるのじゃないか。実は
遺跡だって、全く簡単なものもあれば、ずいぶん広いものも出てくるわけだ。それを三カ月と区切りあるいは六カ月と区切るということはおかしいじゃないか。それじゃ無期限にそのことを
停止をさせていいなんて私は理由はない。やっぱり歯どめをしっかりかけて
私権を守らにゃできぬ。したがって私は、
停止命令を出したり
禁止命令、いろんな命令を出すときには、要するに、
期間と区域を決め、その理由を明示しなければできぬと。だから、その現実のものを見て期限と区域と理由を明示をするということをしておけば、時にはもっと早くもでき、もう少し長く置くこともできるのじゃないか。こんなことこそ、
法律の字句の少しの挿入でできる。事実上そういうことだ。それに、
考えてみたって、規模が全然違うものを同じ日数を区切るとか、これも無理だと私は思うし、それからいま
お話がちょっと出ましたけれ
ども、幾ら条件を充実すると言ったって、これいま
日本の国でこういうことをやれるのは大学の
先生だとか高等学校のわずかの
先生ですよ。労働力といえばみんな学生を頼りにして労働力を仰いでいるわけです。休みのときにやるんですよ、夏の休みに。それを、幾らだれでもできたからつて、三一カ月とかなんて言われたって、幾ら条件を整えると言ったって、それは無理ですよ。だから、もっと実情に即して、しかも自由野放しじゃなくて、その実情を見て区域と理由と
期間を明示をしていくということをやっぱすべきだというふうに思いますね。
そうしてまた、私は、何か伝家の宝刀は悪質なやつですからね、これは一番。六ヵ月たてばどうしてもいいという
気持ちを持っているわけでしょう、この人たちはね。金を出してやってるんだからもうおれらが買ったようなもんだというような
考え方なんだね。私は、何も禁止とか
停止だけの面じゃなくて、こういう人にも工事のいわゆる変更を求める権限を
文化庁に与えたらどうかと思うんですよ。何もあなた、ただ、この
法律でいえば、六カ月たてばもう手放しなんですよ。そうじゃなくて、事前段階で、そういうことをやるというけれ
ども、はっきりそれを、悪いやつなんだからやはりその状況によっては工事の一部変更させる。ただ
停止じゃなくてその一部を
保存したらどうだと。私たちが伊場なんかで言っているのはそれなんだ。全部が無理なら一部をとにかく
保存するという
努力はできないかということには何ら具体的なものは出してこないんですよ。だからやっぱり
停止をするとか、あと
期間を置いては破壊されちゃうという
前提なんですよね。発掘をしてしまえばもうこれは
文化財としての
価値は発揮しちゃったという
考え方は間違いでしょう。なお下から掘ったらもっといいものが出てくるかもしれないんです。あるいは学問が進めばもっとそれは別の角度から
検討されるかもしれない。できるなら
保存をしたいところなんだ。しかし、そうかと言ったってそれはできないんだから、やはり工事の一部変更を求めることができるとか、そういうようなことも加える必要があるし、そうしてまた、言うとおり指示するとか、いろいろなことを言っているけれ
ども、指示するというなら、逆に私が聞いたなら、じゃ三カ月、六カ月以上に
協力を求めることも
考えているのかという、まず第一の方は、もっと長く
協力を求めることを
考えているのかということにもなりますよ。まあ、御
答弁を聞いてみても、大体この御
答弁は出ていることだからどうこうはありません。ただ、私がなぜあなたにお聞きするかは、どうせ私たちは議員なんですよ、ね。大体、あなたと議論するなら、私たちは同じようなものなんです。そっちの衆は専門家なんだ。専門家の御
意見はまた聞けばいいんであって、あなたがとにかく議員提案としてまとめて判断をしたんだから、私は議員としてならこういう判断はできるのじゃないかということで、何かあなただけに聞くようでありますけれ
ども、そういう
意味で聞いているので、これはやはりもっと実態に即して
検討を要するのじゃないかということが
一つ。
それと、あともう
一つ。私は、伝統的建造物群
保存地区というのについて、もっと県の責任を明らかにすべきじゃないか。県は何かその指定をするときに
関係して「必要な指導又は助言をすることができる。」と書いてありますが、国が「特に必要と認められる物件の管理、
修理、修景又は復旧について市町村が行う
措置について、その経費の一部を補助することができる。」というのは、「国は」は「国及び県は」と入れたっていいじゃないですか。やりたくなければやらないんだからね。
それから、この町並み保全、これは広範囲な地区の
保存でしょう。これを市町村に責任を持たせるには余りに重過ぎると。やっぱり県もタッチをしていくし、それからまた県ももっと補助できるように、このところへ「国または県」ということを入れられないもんだろうかということがありますが、まあこれはもうほんの軽いことですが、前の問題についてひとつお聞かせ願いたいと思います。