○加藤進君 おっしゃるとおりだと思います。その効果はあると思っています。同時に、三十六県で四十七の公演ということになると、まあ各県に割り当ててみましても一県に一年間に一回、こういういわば機会しか保障されていないという点から言うならば、これだけで足れりと当然のことながら甘んずるわけにはまいらないと私
たちは思っておるわけでございますが、その点について、同じ
趣旨のもとで
文部省の企画されておるような方向でお母さん
たちと子供
たちとが協力し合いながら自主的にそのような活動を展開しておるという
一つの運動がございます。これは子供劇場という運動でございまして、この発生地は、すでに十年前に福岡市で初めて行われた。その運動が各地に広がりまして、いまでは全国百三十四カ所において子供劇場が公演されつつある。その会員数は十七万二千名に達しています。子供だけでも十万を超えておるという状態でございまして、昨年七月にはその全国的な連絡会ができた、こういう発展の状況を示しておるわけでございますが、この内容について、もう御存じのことでございますから、あえてお聞きするまでもございませんけれ
ども、演劇、バレー、人形劇、映画、芸能等を子供
たちに見せ、母親が子供
たちと一緒に楽しむ、こういう健全なやっぱり企画になっておるわけであります。
ところが、この劇場の活動を支えていくものは何かといえば、会員からの零細な会費でございます。これは全国的に言うと月平均二百八十円程度だそうでございますけれ
ども、この会費だけではとうてい足らないので、お母さん
たちは各所で献身的にこの子供劇場を支えていくための無料奉仕を続けておられるということは御存じいただいておることだと思います。
これに対して福岡市などでは、ささやかではありますけれ
ども、自治体としての補助をしようということで、この運動を励ますような措置が各地にとられておりまして、今日では全国三十八の子供劇場に対して、ささやかでございますが、三百三十六万円の補助が地方自治体、公共団体からなされている、こういう現状でございます。
ところで、私が
お尋ねしたいのは、
文部省として子供
芸術劇場等々の企画をもって積極的に子供の
教育、
文化のために努力をされておるわけでございますから、こういう子供劇場の運動というのはお母さん
たちの努力と子供
たちとの協力によって、むしろ
文部省の努力しておられる方向に対してこれをバックアップしながら、さらにこれを広げていく、こういう
意味の重要な活動の内容になっておるのではないか、こういう点から見るならば、私は単にこのような運動に対して、お母さん
たちの献身的な努力だけに仕せるということではなしに、国立劇場に対してあれほどの補助をされておられる今日の
文化庁でございますから、私は、地方公共団体がすでに始めておられるような補助をぜひとも国の
段階、
文部省としても十分にしてもらうことが願わしいことではなかろうかと考えるわけでございます。もちろん、この運動は福岡市の選出の先生
たちもよく御存じのことでございまして、これは決して党派にこだわるような運動ではございませんし、広範な父母、子供
たちの参加するという健全な運動でございますから、その点について子供
たちを含めての
文化の育成ということを考慮しながら、私は、
文部省としてこの際、適切な補助の措置をとっていただく必要があるのではなかろうか、こういうことを重ねて申し上げるわけでございまして、この点について
文部大臣の御所見を賜りたいと思います。