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小巻敏雄君 大臣、それだけ聞かれてもかなり異常な問題が進行したということはおわかりになるかと思うのですけれ
ども、実にこの四月二十七日数百人の者に取り囲まれて、しかも大学が承認して貸し与えたこの学生会館ホールでこの解同県連の
委員長がみずから乗り込んで、そうしてこの反帝学評というセクトに所属をする、これはかなり暴力をほしいままにする私らはトロツキストというふうに呼びますけれ
ども、こういう集団の者と共同の司会をやって、その中で教員は自己紹介と称して大学の教官は一人一人立ち上がらされて、たとえば解同の結成の日の日付を言ってみろとか、メンタルテストのようなことをやられてさんざん凌辱され、侮べつをされ、そうしてその中で自己批判を確約させられ、それが多数に及ぶに至って二つの教授会
決定を出さされる、こういうようなものに屈する中で、その後のこの少なくとも同和にかかわってくる問題の学問の自由が保証され得るのかということで憂慮されるような状況にあったわけであります。その中で書かれた、いま紹介されたこの二つの決議文について特にお伺いをするのですけれ
ども、教授会が、
一つはこの問題にかかわって、こういう教科書の注釈があったのを一人の教授が使用したということは全大学教授の責任問題であって、今後部落の完全解放に不可欠な同和
教育への取り組みを急務とするとか、さまざまな解同朝田派流の言い方を決議の中にのまされるというような状況ですね、こういうような状況について一体どうお
考えになるかということ。もう
一つ、それはたしかベンダサンという人のこの書いた注釈自身は私はそれを支持するものでありませんけれ
ども、都市の中にあるゲットーは
日本の特殊部落とちょっと似ておるなんというような表現は自分
たちは、解同の諸君は、平気で使うわけですね。ただし、解同の者が言えばこれは是正するために言うんだからよろしいけれ
ども、解同を支持しない者が言えば差別になるというようなあり方というものが果たして学問を進めていく上で認められるのか。そういうような
考え方の中に教授会が落ち込めばどうなるのか。あわせて教授会としては異様な見解を出しているわけです。いま紹介されたように、確かにこの教授の在外研究出張を延期要望したことも事実でしょうが、この見解と反省文書の中には解同が糾弾を要求したら糾弾を受けるために帰国の
措置をとることを要請するということまで教授会が
決定する。とうてい本心であろうとは思えないんです。強制されて
決定したと思うよりほかないような、こんな非常識な教授なんていないと思うんです。そういう教授会がこういう
決定をするようになる動機は糾弾なんですね。これらの問題について、こういう状況というのは正常なことであるのかどうか、これは大臣にお伺いしておきたいと思います。
一つは、大学当局が学生会館ホールを使用させて大学容認のもとにこういう糾弾集会が行われたということ、そして、この糾弾集会においてかような異様な教授会の
決定が出されるような端緒が開かれたというような問題について、これは法政大学や早稲田大学の問題と違って国立大学でありまして、直接指導助言を何の媒体もなしに
文部省がなさるべき立場にある大学の出来事である、こういうような点で大臣にお伺いしたい。