○青井政美君 厚生
大臣のお
立場から見れば、ただいまのような御
答弁しかないのかもわかりませんが、ただ御承知のように、
昭和四十五年にビフェニルの認可をせられたときの
経過を先輩からいろいろ伺ってみますと、農薬の場合等におきましても、やはり動物実験その他等少なくても二カ年以上の
経過を経なければ、またそういう
意味が——生産者なり消費者なり、メーカーなり、
関係者の
合意を得て認可をしてきたという
経過があるが、ビフェニルの場合には、幾らかその辺の問題点ももう少しスピードアップして御認可になったかのように伺っております。しかしただ、以前のことは別といたしまして、今回やはり諸外国でどのようなデーターがあり、どのような状況でございましても、
日本の食品行政の元締めとしての
考え方としては、十分そのような問題点については、動物実験なり、あるいは消費者の代表なり、生産者の代表なり、いろんな
立場の
関係者からも信頼を得られるような措置をして、やはり次に進んでいただくようなことをお願いをいたしたいと思うのでございます。
ただ、私が心配をいたしております問題におきましては、諸外国による例はいろいろとられると思いますが、青果物に特に考えてみますときには、
世界的にいろいろ青果物の生産の状況、さらに消費の状況、あるいはまた価格の問題、こういった問題との絡み合わせの中で、
日本の
現状の中では、いわゆる農業基本法によりまする選択的拡大という状況の中で——国民がこたえて、
努力をしてきた成果の中に、
現状の中には、生産は少なくとも行政指導にこたえたけれ
ども、その価格というものは、非常にマイナスの状況が多い。具体的に申し上げますならば、農家の所得というものは非常に低くなってきておる。そういった問題が、やはり諸外国のこういった問題、より強力な保存剤の使用によって云々という問題は、生産者にはそのような打撃を与え、また消費者には
一つの不安を与えるという状況であってはならないと思うのでございます。
けさの朝日新聞にも若干出ておったと思うのでございますが、
皆さん方もごらんになったかと思いますが、少々高くついてもよいから、安全性のある食品というものにしなければならないだろうということが新聞に出ておりました。私もそれをちょっと読んで、なるほどなあという感触を持った者でございまして、特にやはり果樹というふうな問題が考えられますときに、無理に防腐剤を入れて長もちをさして食べることが、国民の嗜好に合い、国民の健康の上においてプラスになるかということを考えてみますときには、非常に大きい問題がございます。いままでいろいろこの問題についての
お尋ねの問題なり、あるいは花田博士のいろいろのデータ等も私
どもも若干見せていただいております。また、衆議院の社会労働
委員会で、
局長さんなり、あるいは
大臣なりが御
説明になられておる問題点等も若干読ましていただいておりますが、私は、この問題をただ単に生産者なり一部の者が云々という問題じゃなくて、もう少し次元の高い、
日本の、少なくとも食品衛生行政という
立場からお考えをいただきたい。また、この問題点、いろいろ問題を
検討いたしてみますときに、
現状の試験の陣容、その他等で果たしてやっていけるのかどうか。もっとも化学的な問題については、しろうとの私ですが、常識問題として考えてみましても、現在の空港なり、あるいはそれぞれの港というものに配置されている云々という問題の中には、やはり問題が残されておる。過去におけるデータをいろいろと見ますと、同じ出荷物がある場所では、不合格品になり、ある場所ではOKという状況が生まれておる。無論サンプリングの取り方によって、そういう結果が生まれるということも、ある
意味においてはやむを得ぬかと思いますが、行政措置によってあらわれたものより、国民の消費の場合には、より以上厳しいものがあるんだということが、私はその中に出てくるのじゃなかろうかということでございます。
この四月四日以降各新聞、あるいはその他
皆さん方がおやりになられた問題、あるいは都の衛生局の問題、さらにまた食品衛生協会なり、食品衛生研究所が分析せられました問題点等も、それぞれ出荷の問題、あるいは未出荷の問題、さらにグレープフルーツの問題あるいは柑橘類全体の問題というふうに、それぞれございますが、いずれも共通する問題は、やはりこの物を使うか使わぬかということによって、今後
日本の国民全体が非常に大きい危惧が考えられる問題でございます。また生産者団体という
立場では、やはりどの果物にも何か防腐剤が入っているのではなかろうかという印象が、今後の生産意欲を減退し、そうして、国民のために必ずしもプラスになるということにならないという形のものが、うかがわれるわけでございまして、いわゆるいろいろな
立場から、先ほ
ども大臣からお話がございましたように、このくらいのものは認可して入れたらいいじゃないかという声もあるのだということも伺っております。しかし、これはやはり一億国民という
立場から見るときに、ただいまの程度の御
答弁しか願えないわけでございますが、オルトフェニルフェノールという、OPPというのは、私の見解ではそこまでして青果物を
日本の国民に供給しなければ、国民が果物に飢えて云々というような状況だとは私は考えられないのでございまして、非常に行政上、果物の類が、消費が、国民に迷惑をかけるという
日本の産業
構造の
内容の中ではないということを考えてみますときには、ある国が認可したからわしもやるのだという
考え方だけでは、科学的な根拠において有利なものがあるといたしましても、やはり問題が残ります。私は現在まで入ってがたがたしたという問題点については何も申し上げません。また、そういうことをせられたために、非常に大きな多額の損失をせられたという
立場の方にもまことにお気の毒だと思いますが、今日の環境行政の実態なり、
日本の今日のより安上がりの人命保護という
立場での食品衛生行政であってはならないと思うのでございます。
今後この問題につきましていろいろそれぞれの団体から、皆さんの方へいろいろグレープフルーツを初め、お願いに行っておろうと思うのでございますが、先ほ
どもお話がございましたように、一応はビフェニールの問題はよろしいといたしましても、サイアベンダゾールの問題、オルトフェニルフェノールの問題も、これは農薬では認可されておるといっても、農薬で認可されておりましても、それは
日本で栽培したときに初めてそれが使えるということにしかならないので、木から取れたものに、その薬がぬってあったからといって、それはまかり通るというものではありません。このことはやはり少なくとも厚生省と
農林省とがいろいろ御相談を願わなければ、行政上の問題点としての問題も残っちゃいけないと思うのでございます。いわゆる木にあるときと、しからざるときとの区別というものが法律上の、運用上の
一つの問題点であるということでございますならば、諸外国から入ったものが、木のまま入ってくるという心配はあり得ぬわけでございまして、その点はやはりただ化学的にこの程度の残存量ならばよろしいのだという
考え方だけで律したのでは、やはり問題が残る。行政指導の中にはやはりそういう愛情の細やかな問題も含めて、私はお願いをしたいと思うのでございます。
私は、今後特にこの合成保存剤の使用についての問題点、さらに新聞その他等の論調を伺いますと、まあ自主点検といいますか、自主検査といいますか、そういうものに重点を置いて、適当にサンプリングを取ってやるのだという
考え方では、少しわれわれ不安でいかぬという感じがいたしますが、やはり全体の
現状の
日本に入っているバナナからグレープフルーツ以下すべてのものを考えてみますときには、とうていそういう陣容を擁してやるというようなことは不可能なことだと私は思います。したがいまして、最善の国民の奉仕者としての
考え方の中には、やはりなわ張りという問題もございましょうが、いま
一つの問題は、やはり国民の保健衛生上の
立場からもうちょっと高度の問題として考えていただく、という形のものにならなければならないのじゃないかということでございまして、
日本の技術屋さんがいずれの場所で、いずれのことをやっても、やはり法律上において合理性が認められるという問題の場合はよろしいかとも思いますが、やはりよそがやったからいいとか、悪いとかという問題であってみても、やはり技術屋の権威にもかかわることでございますので、今後のこの問題に対する行政指導のあり方を
お尋ねいたしたいと思います。