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工藤良平君 これであまり時間をとっても本題がありますから、私は、もうちょっとでこれ終わりたいと思いますけれ
ども、これの資料を、私、提供してもいいと思うんですが、この菌の非常に諸元的な問題については、私は、さっきから再三言っておりますように、
研究の
分野はまだずいぶん残されている。したがって、それを徹底的に追究をしていかないと、たとえば菌の培養が弱いとか、あるいは古いとか、
管理が悪いとか、そういうものではないもっと諸元的なものがあるわけですから、その点についてはぜひ徹底した
研究をし、
対策を講じていただきたい。それと同時に、これは諸元的な問題であるだけに、徹底した追究が行われれば、その
原因というものは
究明をされる。その証拠には、現に、目の前に
病原菌というものがあるわけですから、それを分離をする、さらにその実験を繰り返しながら普及実験を行う、あるいは
抵抗性の菌いわゆる
シイタケ菌よりも強いものが出てきていくわけですから、それに対して
抵抗性の強い菌の培養をやる、いわゆる耐病性の
菌類の育成というものが非常に重要になってまいります。さらに、現在
開発されている
一つの方法としては、完全殺菌方式という方式を採用して、すでに量産体制に入ろうという具体的な事実もあるわけでありますから、このような完全殺菌方式というのは一度
雑菌に侵されたといたしましても、それを完全に一〇〇%完全殺菌することによって、もう一遍
植菌をしていけば、
シイタケの栽培を一年ぐらいたっておりましても、
シイタケ栽培ができるというようなところまで実は技術
開発が行われているわけですね。これはいま言ったように、従来からありましたそういうものを私
どもが摘出をして
種こまをつくり、
植菌をして培養していくというやり方と違って、諸元的な問題として
開発されたものになってくるわけですね。それと、そういう具体的な技術というもの、学問的な
研究というものが進められている事実があるわけなんでありますから、こういうものを実はぜひ引き出して大事にしていかなきゃならぬ。こういうふうに思うわけで、この点についてはこの前、大臣にも私はバガスの
研究の問題で、民間にそういう非常に進んだ
研究があるということを申し上げてまいりましたが、そういうものをどう引き出してやるのかということです。
私が知っている、これは柴立政務次官も御存じだと思いますが、昔の鹿児島農高を出た方で、まだ五十三、四歳ですが、高校の
先生をしながらも三十年間、菌の
研究をやって、正直、ある高校の、女子高校生の便所を菌の
研究室にして
研究をしたという、非常に苦労して積み上げてきた
研究家なんです。しかし、こういう人
たちは、財力があるわけじゃなし、自分の努力の積み重ねによって今日のこのような諸元的な
研究をさらに追究する中で、
病原菌の原体をつかもうという努力をなさっているわけです。しかし、これにはもちろん電子顕微鏡があるわけじゃありませんし、
資金もないというふうなことから、
開発しようとしてもその目の前に手が届きそうになっているけれ
ども、それが容易にあらゆる面からできないという実は
状態にあるわけで、私は、やっぱりそういう
意味から、この問題を
契機にして
予算委員会で申し上げたわけですが、そういう民間の
研究家を何らかの形で手助けをしてやろう、それがいま具体化される寸前にあるということになりますと、私はメンツとかなんとかということじゃなくて、
日本の、特に
シイタケ産業にとりましては非常に重重な、私は課題だと実は思っておるわけですね。さらにヘドロとかあるいはバガス、私、この前申し上げましたバガスあるいは稲わら、こういうものを
シイタケの
原木がわりに使っていくというようなことが
開発されているわけですね。バガスやあるいはヘドロにつきましても、
シイタケ菌に食わせることによって
シイタケができなくなりましたら、後は家畜の飼料に向けられるというところまで実はいっているわけです。
そういうことを私
ども考えてみますと、これを
契機にいたしまして、八年前に私が
指摘をいたしました諸元的な
研究、これはもちろん、まだ
未知のものもありますけれ
ども、具体的にいま目の前でそれをつかみ得るというような
状態まであるということを考えあわせてみますと、ぜひ、この点については何らかの私
どもの技術の改善政策としても必要ではないだろうか、こういうように考えておるわけで、この点についてはぜひ
長官、それから大臣も積極的な私は
対策というものを講じていただく必要があろうと思うし、あるいはまた、これは極端に言いますけれ
ども、
研究家なんというのは私が見てもそうなんですが、周囲の人
たちから見れば何か気違いじみたような
感じを与えております。それが気違い扱いされ、
日本の国内でそのりっぱな技術か生かされずに、よその国
——台湾やあるいはカナダ、そういうところに行って、
シイタケの大量生産ということを考えざるを得ないという
状態が生まれているということを私は非常に残念に思うわけです。そういう
意味から、ぜひこの問題については、後ほど私、資料を差し上げてもよろしゅうございますけれ
ども、何とか救って有効に生かせるようなものはないのか、そういう方法をぜひ考えていただきたい、こういうように実は思っておるわけで、その点を最後に申し上げまして、この問題については終わりたいと思います。ぜひひとつ
長官、大臣の御見解をいただきたいと思います。