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衆議院議員(
坂村吉正君) ただいま議題となりました私外十二名の提出にかかる
山村振興法の一部を改正する
法律案につきまして、提出者を代表して、提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
昭和四十年に衆議院
農林水産委員長の提案により、
山村振興法が制定されて以来、四十七年度までに国土のおよそ二分の一に
相当する
地域が山村振興
地域に指定され、山村振興
計画の策定をはじめこれに基づく各種の山村振興事業が推進されてまいったのでありますが、山村住民の所得水準、
生活環境
施設整備の水準などの
地域格差は必ずしも解消されず、山村の現状はなお厳しいものがあるのであります。
山村
地域は、これまで農林産物の供給、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全などの諸機能に関して大きな役割りを果たしてきましたが、近年これらの役割り等を維持する必要性が高まるなど山村
地域の振興の重要性は一段と高まっているのであります。
このような実情にかんがみまして、本年三月三十一日をもって期限切れとなる本法の有効期限をさらに十カ年間延長いたしますとともに、山村の当面する新らたなる情勢に対処して、その内容及び関連諸施策等の
整備充実を図ることとして、ここにこの
法律案を提出いたした次第であります。
以下、改正の主要な内容について御説明申し上げます。
第一に、山村
地域が国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全等に重要な役割りを担っていることを
法律の上で明らかにするため、目的についての規定を改正することといたしました。
第二に、山村
地域の振興の根幹的
施設であり、また
地域住民の要望のきわめて強い道路交通網の
整備について、振興山村
関係市町村の財政負担の軽減等を図って、その
整備を促進するため、基幹的な市町村道、農道、林道等の新設及び改築は都道府県も行うことができることとし、この場合には、その
経費について後進
地域の国の負担割合の特例の適用を受けることといたしました。
第三に、振興山村における集落の
整備のための住宅の建設等及び農林漁業経営の改善のための資金の融通の円滑化を図るため、住宅金融公庫資金融通の特例及び農林漁業金融公庫資金の融資の特例を認めることといたしました。
また、国及び地方公共団体は、振興山村における住民の基本的問題である医療の確保を図るため、診療所の
設置等の事業が実施されるよう努めなければならないこととするとともに、山村において伝承されてきた
地域文化を保存するため適切な措置が講ぜられるよう努めるべきことを明らかにしました。
以上のほか、所要の規定の
整備を行うことといたしました。
以上が
山村振興法の一部を改正する
法律案の提案理由及びその主要な内容であります。
なお、衆議院
農林水産委員会におきまして、
委員長より指定市町村から強い要望のありましたいわゆる山村債及び本法第四条の解釈につきまして
政府の見解をただしましたところ、
佐藤自治政務次官から、山村債につきましては、辺地債の条件を緩和すること等で対処したい旨、また本法第四条の解釈につきましては、森大蔵政務次官から、「国の負担又は補助に係る事業に対する負担又は補助についての条件の改善、」とは、当該事業にかかる採択基準の緩和、国の負担割合または補助率の引き上げ等を含むものと
政府も
考えている旨の
答弁がありました。
何とぞ御審議の上、速かに御可決くださいますよう、お願い申し上げます。