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政府委員(
澤邊守君) 四十六年の三月二十三日参議院の
農林水産委員会におきます
家畜伝染病予防法の一部を
改正する
法律案に対する附帯決議をいただいておるわけでございますが、七つあるわけでございます。それにつきまして申し上げてみますと、まず第一の「自衛
防疫の推進を図るため、その体制の育成
強化について必要な財政援助を行なうこと。」という項目につきましては、四十七年度からそれまで市町村あるいは農協等の単位に組織されておりました自衛
防疫団体、まあ協議会というような名前で呼んでおったのが多いと思いますが、それを都道府県を単位とした
家畜畜産物衛生
指導協会というものに統合いたしまして、国はその協会の財政的な基礎を
確立をするために、事業団から、畜産振興事業団から協会に対して出資をすることにいたしております。これは四十八年度よりやっておりまして、一協会当たり平均一千万円、約三分の一の出資をすることにいたしまして、一部の協会につきましては、出資が五十年に延びるものもございますが、大部分の協会に対しましては、四十九年度までに出資を終わっておるわけでございます。現在出資、非出資を含めまして、四十五の県に協会ができておるわけでございます。その協会の行います
家畜衛生知識技術の普及及び豚、鶏、牛の特定
疾病に対します予防事業
——予防注射でございますか、それに対しまして
予防液あるいは技術料等について助成をすることによって協会のこれらの事業の推進を図っているところでございます。その結果、協会の実施しました事業は、四十八年度には、四十五都道府県で豚コレラの
予防注射九百六十六万頭、鶏のニューカッスル病の予防接種延べ一億八千八百五万羽について
予防注射の事業をやっておるわけでございます。これらの自衛
防疫事業というのは、今後の畜産を伸ばしていくために非常な重要な事業でございますので、今後ともその育成
強化には努力をしてまいりたいと思っております。
それから二番目に、「海外からの悪性
伝染病の
わが国への
侵入の危険性の増大に対処して、検疫施設を整備充実し、動物検疫に万全を期すること。」というふうになっております項目につきましては、現在の動物検疫所によりまして
輸入検疫をやっておるわけでございますが、これは一本所、五支所、十一出張所、三分室というのが主要な海港あるいは空港に設置されておるわけでございます。その検疫施設等の整備につきましては、この附帯決議いただく前の四十五年度から三カ年計画で主要な
輸入港、横浜と神戸でございますが、そこの検疫所の施設整備を進めましたし、さらに四十六年度に成畜の
輸入が自由化されました、それに伴いまして
輸入頭数がふえるという見込みがございましたので、博多の出張所を四十六年から二カ年計画で整備をいたしました。さらに成田空港の開港に備えまして、四十六年度から三カ年計画で係留施設の設置をいたしております。これらによりまして、現在全国主要海・空港十二カ所の係留施設で同時期に、牛馬換算で約一千五百頭の係留
検査を実施する能力を有するに至っております。さらにこれらの係留施設のほかに、
検査機器の充実とかあるいは
防疫官の増員とかというようなことを図って海外からの悪性
伝染病の
侵入に備えるようにしておるわけでございます。
それから、殺
処分手当につきましては、先ほどお答えいたしましたように、実勢価格の推移を見て牛・馬・豚につきましてはその
検討を進めておるところでございます。
それから四番目は、
試験研究関係の拡充
強化でございますが、これは
家畜衛生試験場を
中心にいたしまして
試験研究費の充実と施設の拡充を毎年図っておりますが、特に口蹄疫等
侵入のおそれがあります悪性
伝染病につきまして、五十年度から
研究室を一
研究室ふやすというようなことも五十年度予算において計上しておるところでございます。
豚及び鶏の共済制度につきましては、これは現在実験的な実施を、制度を
検討いたしておるところでございます。
次に、六番目の獣医師の農村定着化と待遇改善を行うということにつきましては、今年度から無獣医村の獣医師の定着化を図るために、四カ所についてモデル的に施設の設置、宿舎を含めまして診療施設、診療所、宿舎の設置に対しまして助成をする、新しい事業を五十年度から開始をすることで予算を計上して現在御審議をいただいておるところでございます。
保健所の充実につきましては、先ほどの助成規定にも基づきまして施設、機械、機具の充実につきまして毎年計画的に予算を計上いたしまして助成をいたしておるところでございます。