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説明員(宇佐美毅君) 一般的に申し上げまして、皇太子殿下、同妃殿下、あるいは各皇族様方は、やはりいろいろな
意味で御活動になって、折々報道もされるわけでございます。しかし、中には相当間違った報道もたくさんございまして、われわれの職務といたしましては、そういう点をできるだけいろいろな機会に直すようにしたいと思います。皇太子殿下はもうすでに御年四十二に達せられました。しかし、いま仰せのとおりに、
日本の
皇室典範においても、位をお譲りになるということはできないというたてまえになっておりますし、それから、臨時代理、委任事項、国事行為を委任されるというようなことも、いわゆる
憲法上の国事行為だけに関する
規定でございますし、それから、それにはやっぱり陛下の身体あるいは
精神に御異常があるという前提がございます。ただいま陛下はすでに御年七十四歳にお達しになりましたけれ
ども、きわめて御壮健で、痼疾というものは何もございません。あくまでもその義務を果たそうというお覚悟でなさっているように私は拝見をいたします。皇太子殿下はやはり皇太子殿下としてのお立場で、それにふさわしい御活動を願うのがいいと思いますし、殿下御自体も
国民のためなら何でもやるといつも仰せになるわけでございます。災害が起こりますと、すぐそういうことをおっしゃいまして、自分でよければすぐ行くよということをよく仰せになる方でございます。将来、
日本の象徴としての御地位を継承されるお立場におられますので、われわれとしても、そういう点からりっぱなそういう御修養をいただきたいし、御活動もしていただきたいと、常に
考えるところでございます。殿下も
国民とともにありたい、何でもしようということで、
外国においでになりましても、ずいぶん厳しい日程でありますけれ
ども、たとえば、ブラジルで
日本人の部落が遠いところにあると言いますと、朝五時ぐらいから起きて、ごく少数の者とそこまで飛んで行って会ってこられるというような、非常な
努力をしていらっしゃいます。そういうわけでございますが、日常いろいろな御修養も、それから行事もやっておりまして、たとえば国体にもよくお出かけになりますし、全国の
高等学校の体育大会、これなんかもいつでも真夏でございますが、毎回出ておられます。それから、全国の身障者に対しましては特別の御配慮でございまして、このスポーツ大会には必ずおいでになります。ボーイスカウト、あるいは献血運動、海外にいる日系人の大会でございますとか、自然保護憲章の宣誓式とか、自然保護のことについては特別いろいろ心を使っていらっしゃいますし、まあ数えれば非常にたくさんそういう御活動もございます。それから御視察その他、いろいろな展覧会で激励をなさるとか、社会福祉事業なんか、必ず地方へお出ましになると寄って激励をなさっておるわけで、いろいろな点から
国民と深く触れ合う、農村に行きましても、日中御視察で、夜になりまして二時間も農村青年と御懇談なさるようなのが例になっております。いろいろ農業問題も非常にお詳しいので、農村の人たちもびっくりするくらいであるように伺っているわけでございます。その他、
日本青年の海外協力隊とか、数々の
外国関係についても
努力をなさっておるわけでございます。ずいぶんお忙しい日夜を送っておられるわけでございます。御勉強の方も
憲法、経済、国際事情、内外の
歴史、こういうものを定期的に御勉強になっておりますし、間にエネルギーの資源の問題とか、食糧問題とか、現下の
日本の重要な問題についてもそれぞれの識者を呼んで非常な研究をしておられる。
そういうわけで、あらゆる機会を通じて
国民との接触を図る、あるいは諸
外国との親善協調の進展のために御
努力なさるということでございます。御結婚後を数えましても十二回、十九カ国に陛下の御名代等としてお出ましになって御
努力をなさっておられるわけでございます。こういうことが
国民の皆さんにもわかっていただいて、りっぱな皇太子として御成長になるように
国民の方からもひとつ御接触をなさっていただきたいとわれわれは思うわけでございます。