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長田裕二君 先ほどから
赤桐委員の御質問並びにそれに対する省の方の
答弁を聞いて、まあまことに何といいますか、胸が痛み骨が削れるような感じがする次第で、貴重な時間を少しいただいて省の方に
お尋ねし、また、こちらの考え方を申し上げたいと思うわけですけれども、先ほどからの
質疑応答の過程に見られますように、確かに
千葉県の
局舎というものを例に挙げて、省の
全国地方自治体あるいは各地の
状況把握等への取り組み方が問われているんだろうというふうに思うわけでですけれども、その
地方自治体が
郵便事業あるいは
貯金、
保険の
事業に対して十分関心を持ってない。先ほど冒頭に空気のようだと、人家ができれば
郵便は配達されるものだと、
市内地なら二度、そうでないところは一度、必ず配達されるものだという意味の関心の薄さということも確かにあると思いますし、また
建設勘定全体のゆとりが十分ない。いつも追っかけ追っかけていかざるを得ないという
一つの財政事情というものも私ども体験したところでもあるという感じがします。
同時に、確かにそれぞれの
状況の把握というものがいまの
郵政省の構えでは十分でない。郵政局や
本省の担当官は相当努力しているにもかかわらず、そういうことが十分できにくいような構えだということも
一つ大きな原因じゃないかという感じがいたします。そのために、先ほどの
赤桐委員の御質問のように、いま同じ場所を買うのに何十億の金額の違いが出てきてしまって、それがまたある意味では財政圧迫にもなっているというようなことだと思うわけです。そこで、こういう現象は
局舎の
建設だけかどうかということになりますと、さっきの
郵便の滞留の問題にも関連しての行き違い、食い違いが見られましたように、現状把握というものは、
局舎建設ばかりでなしに、業務の
運営にも相当響いているという感じがします。
御承知のように、去年でしたか、松江
郵便局の次長が、
郵便が非常におくれるということについての
市民の怒りのために刺されて重傷を負ったということがありますけれども、あれなども定員が足りたのか、十分あったのかどうか、あるいは能率がほかの局と比べて普通だったのか、あるいはどうだったのかとか、いろんな事情があるわけでしょうが、少なくとも
郵便の遅配に対する怒りから
郵便局の次長、県庁所在地の局の次長が刺されてしまうような
実態、それはもう突然のことじゃなくて、相当期間続いた後のことですから、そういうことについての
状況というものも、これはまあ報告もあったのかもしれませんが、打てば響くような心構えと同時に、やっぱり全体の構えも影響してくるという感じがします。
そして先ほどからのお話しの中の大きな鉄道なり
電電なりと郵政なりの違いは、県単位の組織を持っていない、県庁所在地の
郵便局長といえども自分の局限りしかほとんど権限を持っていないということだろうと思うわけです。これはまあ逓信省から
郵政省と電気通信省が分かれたとき以来の因縁もあるわけですが、なかなかいまそういう県単位のものをつくろう、あるいは構えを変えて取っかかろうとしても
予算の問題等でやりにくいことも実によくわかるわけですが、しかし、私は、ある意味ではいまはいい時期じゃないか。
竹田委員長は先ほど十年前に問題を提起して今日まで解決していないという意味の怒りを漏らしておられたわけですけれども、ある意味じゃいい時期じゃないかと思いますのは、一方では、
地方貯金局の近代化、合理化というものが進んでいるわけです。たとえば新しく県単位の組織をつくろうというようなことになりますと、そのために人をふやそうということになりますと、これは財政、大蔵省を初めとする、あるいは行管等の抵抗もかなりあるわけです。一方で
地方貯金局の合理化というものに伴う減員が相当見られているわけですし、私どもは、
郵政省で認める県単位、特に大きな郵政局での先ほど挙げられたような
地域での掌握の仕方、そういうものについて、一方でどんどん減員されているその者を回すとか、そういうようなことによって、またあるいは計算センターというようなものを計算
関係の事務を近代化することと関連して再編をして、新しい将来の事態に対応するような組織を考えて、これを進んで積極的に財政当局や行管等に提示していく、そういう構えが非常に必要ではないかと思われます。
郵務局だけの問題じゃなくて、省全体で——ともすると
郵政事業は
郵便、
貯金、
保険という縦割りに上から下まで流れてしまいがちですし、電気通信の方は電信電話という業務を
中心にして、
計画だとか営業だとかその他、ちょうど丸いケーキを方々からナイフを入れてやるような形で、
郵政省の場合は
郵便、
貯金、
保険という離れ離れになったケーキが並んでいるというみたいに、総合性の欠如ということもうっかりするとありがちですけれども、そういうような点も込めまして、これから先恐らく職員の採用についても非常にこちらが望ましい職員を採用することはなかなかむずかしゅうございますし、あるいは訓練をする、あるいは職場でどういうふうな気持ちを持ち、どういうふうな働きをしてもらうかということ、あるいは施設、環境をどう整えていくか、
一つ一つが非常にむずかしい
時代に、芸の細かい、しかも先取りをしたことができるような構えというものをやっぱりつくっていく必要があるんじゃないか。
本省なり郵政局なりで、いまよその隣接の
地域について何も権限を持たないばらばらの、たとえば関東郵政局で言えば二千数百カ所の個々のものの
状況を把握しろと言っても、熱意はあっても能力はあってもできかねるような構えというものを直していく、新しくつくり上げていく、そういうことが必要なような感じがいたしますが、これらにつきましても、私は、大臣や
関係部
局長の御意見を伺いたいと存じます。