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案納勝君 いまの
大臣の言われるところはよくわかります。だから余り答弁しないで、事務当局の方に……。
問題は、
大臣ね、四十八年に
郵政審議会に諮問をしたと聞いています。
郵政省は向こう三年間で
収支均衡を保ちますと、これは
収支相償の原則の上に立ってそうしますと提案をしておられます。そのときは同じように
物価が高騰し、そして必要増だと言われる、いわゆる
郵便、集約度の高い労働者の賃金、給与が上がった、そのために
料金をたとえば一種では二十円を三十円に上げれば、三年後には、大体三年間の間に
収支は均衡を保ちますという結論を得ている。私はそれは一応その
前提を置いているのです。それを認めたということじゃないのですよ、話の筋として。
ところが、きわめて狂乱インフレになり、
物価上昇をしてきた。そこで政治的にも
政策的にも国の責任としてインフレを収拾をする、きわめて
物価に及ぼす影響を考えた場合に、改めて五十年十月から
料金値上げをせざるを得ないという結論になった。その
赤字、そこに積もった
赤字というのは私は
国民の責任じゃないと言うのです。これを
国民の責任にして、その
赤字の分まで今度は五十円に引き上げて、そして法案が提案されているわけですね。要するに、
政府は、引き延ばされた分、その間におけるインフレによって、
物価上昇によってできた
赤字等については全部を
国民の負担にして、五十円にし、二倍から五倍に当たる
料金を今度は提案をしているわけです。
筋から言うと、今後三年間に
収支の均衡を保つということの見通しと展望がなきゃならないはずなんですよ。ところが、出てきているのは、五十二
年度になると——私はここで経理局長にもう一遍聞きたい、五十二
年度はどうなるのか、このまま推移して。答弁をしてもらいたいのですが、四十九
年度、
料金値上げをするときの
赤字が千四百からさらに二千八百に倍増するわけですよ。
料金値上げをして
国民の責任だ——インフレだって田中内閣の責任じゃありませんか、
政府の責任じゃありませんか。経済
政策の失敗、それを
国民の負担に全部転嫁をした上で、なおかつ五十一
年度にはそれに倍する
赤字が出ます。先行き展望は全くありません、そのときになって相談をしますという言い方なのですよ。そして私はいま大蔵省の責任はきわめて重大だと思う。いつもしりぬぐいはそういうふうに
国民がしてきたのが今日までの大蔵省のやり方なんです、
政府のやり方なんです。経済企画庁だってそのくらいの展望を持って
料金を抑えたと思うのです。そうするならばその責任は
政府の責任じゃないですかと言うのです。
だから、いま言ったような筋道で、展望もないような
料金値上げをどのように——
郵便事業は
国民の信書やその他の通信を守り経済活動の神経を担っているという最も公共性の強い
郵便事業の中で、こんな
国民に対するやり方というのは私はあるべきではない。
国民にしっかりした展望を与えて、もうこれだけ大幅に上げるのだからわれわれも
努力をする、
国民の皆さんも
協力をしてくれという出し方は、中身は別にして、私は姿勢としてあってしかるべきじゃないですか。今日のような
物価高の中で、
料金値上げ自体、提案すること自体が問題です。そのかけらすらないというところに実はどうしても私の納得のできないところがあります。そこで、いま申し上げた点について明確にひとつお答えをいただきたい。
あわせて、それじゃ国際的にどうなっているのか、これもお答えいただきたい。私の言っていることは間違いなのかどうか。
イギリスの場合も同じようにインフレに悩み、
収支相償の原則に
郵便事業は立っています。しかし一九六一年以降の
赤字については、一九七二年に、
国民にその
赤字を肩がわりさせるわけにはいかない、
物価の抑制のために一億七千二百二十万ポンド一般会計から繰り入れているわけです。これは本会議でも私は質問しました、そしてさらにインフレ抑制法に基づいて、一九七三年に、五千七百五十万ポンドを、同じように
国民に負担を肩がわりさせないために繰り入れてきているのです。いまこの
郵便法を提案をされてきているそういう中で、私は本会議でも言ったように、この措置がとれないはずがないじゃないですか。
国民の通信手段として、神経として最大の公共
事業、国営
企業として国の責任によってここまできた
赤字についてその措置がとれないはずはないじゃないですか。
また、アメリカにおいては、
政策料金には後ほど触れますが、類する分野については連邦
政府によって補償されてきているのです。これは後ほど触れる
政策料金の分野における連邦
政府の分担であります。
そういう措置が私はいまこそとられて、五十一
年度後の展望についても
国民の前に明らかにできるということがなければ、これは
国民の皆さんがこれだけの
料金値上げを提案をされて黙っているというはずはないです。さっき
石井さんは
国民の多数の方でも、そのくらい
赤字ならば
協力しましょうという話が大分あると、こう言われました。どこを探してもそんなのない。ぼくは与党の先生方の中にもないと思う。一番被害を受けるのじゃないでしょうか。
ともかく、私は、これらの国際的な、特にイギリス、アメリカのこれらの問題についての内容を、私が言っているのは間違いかどうか、あわせてひとつお答えをいただきたい。
そしてはっきりしていただきたいのです、五十一年になったら、
料金は上げない、どうするのか。この辺を私はもう一回大蔵省の主計官に、無責任な回答でなくして、まあ大平
大臣がいないから
大臣のつもりで答弁してもらってもいいけれども、まあそうもいかないかもしれませんが、きわめてこの
郵便の
財政問題については厳しいだけに、私はどうするのかということについて、はっきりひとつ答弁をいただきたい。