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政府委員(石見隆三君) お答え申し上げます。いまお示しのございました数点の中で税務局に
関係いたしておりますものを、三つ余りございましたが、お答え申し上げたいと存じます。
一つは、現在法人事業税におきまして、二以上の都道府県にまたがって事業いたしております法人の事業税額につきましては、その課税標準額を
関係都道府県で案分をいたしております。その案文をいたします際の基礎といたしまして、当該企業に従事しております従業者の数を使っておるわけでございます。いま
お話のございましたように、地方
交付税の不交付
団体につきましては、本店所在の人数を二分の一という
措置をいたしておるわけであります。この点につきましては、御案内のとおり、最近の都市化あるいは情報化の進展に伴いまして、本社の
管理部門が非常に強化をされてくるという傾向があるわけでありまして、本社にはどうしても人が集ってくるという情勢が最近顕著でございます。一方、工場所在におきましては、
合理化あるいはオートメーション化によりまして人が相対的には少なくなってきておるという傾向はあるわけであります。こういう情勢の中で、本店所在も、あるいは工場部門につきましても、同じ一人当たりということで分割いたしました場合には、どうしても本店所在に集中することが予想されるわけでありまして、御案内のとおり、事業規模あるいは活動量に見合って配分するというたてまえをとりました場合には、いま申しましたように、本店部門を若干薄くして、地方部門に厚くするという
措置をとる方がより適切ではないかというふうな
考え方に立っておるわけであります。この点につきましては、確かに東京都あるいはその他若干の不交付
団体から、先生いまお示しのございましたような
意見もあるわけでございますが、何分にも
一定の法人事業税額を
関係都道府県で案分をいたしておるわけでございますから、お示しのような方法をもし仮にとりました場合には、確かに東京都の事業税額はふえるわけでございますけれ
ども、その他の
地方団体の事業税額は食い込まれるということに相なりまして、
関係地方団体では非常にこれに対しまして神経をとがらしておるわけでございまして、非常に強い反対あるいは反発というものが十分予想されるわけでございます。
このような形で、結局は
一定の
財源を
地方団体間でどう分けるかということを
考えました場合に、いま申しましたような情勢を踏まえまして、本店所在につきまして若干薄く、あるいは工場所在地に相対的にはその分が回るという
措置をとるのがより妥当ではないかということで
措置をとっておるわけでございます。私
ども、先生お示しの点につきましても十分問題意識は持っております。なお今後引き続き
検討はいたしたいと思っておりますけれ
ども、いま申しましたように、何分にも
地方団体間の配分の問題でございますので、この辺も十分にらみながら慎重にしなければならぬではないかというふうに存じておる次第でございます。
なお、たばこ消費税につきましても、問題の所在は同じようなことになっておるわけでございます。御案内のとおりに、たばこ消費税は、すべての
地方団体の自主
財源を増強するという
意味で
昭和二十九年度に創設をしていただいたものでございますが、従来のいわゆる従価方式では税収入がどうしても大都市に集中をしてまいりまして、田舎の県あるいは田舎の市町村ではどうしても安いたばこを吸われる方が多いということで、従価方式をとりました場合には、田舎の市町村、県には相対的に税収入が薄くなるということになるわけであります。こういうことで、
昭和三十七年度に、その税率を二%引き上げました機会に、現行のようないわば従量制に近い
制度に切りかえたわけでございます。これも三十七年以前のような従価方式に切りかえました場合には、どうしても東京その他大府県に集中いたしまして、田舎の市町村の
財源を食い込むことになりますので、この点も
関係地方団体の間ではいろいろ問題があるところでございます。私
どもこの辺もにらみながら今後とも慎重に
検討しなければいかぬだろうと思います。いま直ちにお示しのような
措置をとることには大きな問題があるのではないかというふうに
考えておる次第でございます。