○藤井恒男君 大分時間が参ったので、議論がなかなかかみ合わないのですが、
大臣、安らかな眠りを覚まして悪いのですけど、よく聞いてくださいよ、
大臣にこれ
質問しますから。
眠っておったからわからぬだろうけれども、いままでずっと繊維の問題について私述べてきたので、要約して
大臣にお伺いしますが、いずれにしても私は、いろいろな角度から見て、工業製品である繊維品というのを上場することは、本来的な
商品取引が持つ
機能の面から見ても、あるいは生産をする側から見ても、適格性を欠いておるというふうに思うわけです。同時に、そこで働いておる労働者の方たちも、額に汗して工業製品として生み出される製品が、過度な
投機によって、その需給に密着した形でない状態の中から相場によって乱高下が激しい、そのために企業の好不況というような、あるいは生産の大きな変動というものを呼び起こす、それが作業環境をまた著しく短
期間に変化せしめる、こういうことについて非常に不満を持っておるわけです。まあ外国の例など、
アメリカの例などを見ると、こういったことはやっていないので、わが国は長い歴史があると言いつつも、一体どうしたことかという素朴な疑問と反対の声を上げておるわけです。
私は、従来、
取引所一般の問題として、過当
投機の防止を図るといった形での解決だけが
商品取引所については見られてきておるわけですが、繊維の定期
取引の問題は、まず、今後のわが国の繊維産業の構造
改善の方向の中でこの問題がいかに位置づけられるかということを、まさにこの構造
改善の一環として解決を図っていく必要があると思うのです。
商品取引所の問題ということよりも、繊維産業の構造
改善の一環としてこの
商品取引所の問題、そうして
商品取引所の問題というからには、現在繊維の上場品目をいかに見詰めるかということを考えなければならないというふうに思います。
新しい構造
改善政策というものが現に打ち出されておるわけでして、時限立法であと四年間でこれはなくなってしまうわけですが、この構造
改善政策というものは、消費者のニーズを的確に把握して、これに基いて素材から最終製品の生産まで縦に、縦系列に有機的な連携を深めて、そして実需に結びついた生産を実現するというところに意義があるわけです。いままでの割横りという繊維品についての構造
改善を縦割りに置きかえた、そして実需に結びつく、消費者ニーズを的確に把握する形での産業構造に変えようというのがこれはねらいであると私は思っておるわけです。その
意味では、繊維の定期
取引所、
取引市場自体をマーケットとする生産、あるいはそのような企業というのは、新しい構造
改善の流れにはそぐわないと私は思います。
これはもう明白な事実であろうと思う。逆に言えば、繊維の
取引所上場がそのような企業を温存せしめることになる。これは新しい構造
改善から見ても非常に問題のあるところであろうと思います。結果として構造
改善の足を引っ張ることになるわけです。したがって、今後は構造
改善政策として綿紡、あるいは毛紡の設備廃棄というものを促進し、そうして従業員、そこで働いておる
人たちの問題など、これに伴う社会的、経済的摩擦を緩和しながら実需に結びついた生産、そして販売というものを行える企業を育てていかなければならない。これは
産業局長だって一言の異論の余地もないところだと私は思う。
そういった中で、くどいようだけど、繊維の
取引所上場を廃止していくという政策が私は必要じゃないだろうか、新しい産業構造という
立場に立ってみるとき。現在の繊維の定期
取引所の諸問題が、現在の繊維産業の構造を反映している、現在のあるがままの構造を反映しているにすぎない。構造
改善と別に解決策をこの繊維定期
取引所問題で考えていくということは、私はそのような
意味において無
意味であろうというふうに思うんです。あくまでも維繊の構造
改善の中から繊維産業のあるべき姿を求めて、そしてその中から定期市場の問題を位置づけていくということに視点を置きかえなければならない。この面について
大臣のお考えをお聞きしたい。私は答えを誘導するわけじゃないけど、産構審でも、現にこの
取引問題については適切な場において再検討すべしという提言がなされておるわけですから、早急に通産省の中に、この問題についての検討に着手する場を設置してもらいたい。上場廃止は省令で今度やれるようになるわけですから、その辺もあわせて
大臣の御所見を承りたいと思います。