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政府委員(
佐分利輝彦君) まず
原爆病院の
助成につきましては、四十八年度から日赤等三
団体に対する
補助金の一部をもちましてすでに
補助金を
交付したところでございまして、本年度はその額も国の負担が両
病院それぞれ二百四十万円、県の負担が二百四十万円となる予定でございます。また、そのほか四十九年度から
原爆後遺症の
研究に対する
補助金を国が
交付いたしておりまして、これは四十九年度はそれぞれ千六十九万円でございましたけれども、本年度は二千二百五十万円にそれぞれ増額する予定でございます。そのほか今後の問題といたしまして、特に
高齢の、あるいは重症の
原爆患者さんに特別な手厚い看護が必要であるというようなことにも注目いたしまして、そのような看護要員の
人件費についても
補助金が出せないであろうかといった努力もしておるところでございます。
次に、家庭
奉仕員の問題でございますが、現在
広島県、
広島市、
長崎県、
長崎市については奉仕貝の制度が本年度からできたわけでございますが、他の都道府県についてまだ実現いたしておりません。で、そのほかの都道府県に対する奉仕
員制度の実現等を待って、ほかの問題ともあわせ考えながらその
法制化等も検討してみたらどうかと考えておるわけでございます。
また、三番目の
認定制度につきましては、先ほども申し上げましたように非常にむずかしい問題がございます。
病気そのものがなかなか
原爆によるものかどうかが判然としないわけでございます。具体的に申しますと、白血病が起こりました場合に、ある人の白血病が
原爆によって起こったかどうかということは現在の医学では言えないのでありまして、いわゆる統計的な観察によりまして、統計的な
障害として
被爆者と
一般の集団と比較した場合にどれだけ白血病の発生率が違うかというようなことをもとにして、なるほど
原爆の
放射線は白血病を多くするのだなというような判断をするわけでございます。したがいまして、なかなかいろんな疾病について
原爆放射線との因果
関係を判断することがむずかしいわけでございます。しかしながら、こういった点につきましてもまた従来の事務手続が非常に煩瑣、であるというような問題もあるようでございますので、そういった事務手続につきましても
簡素化を図りまして、できるだけ
認定制度の合理化、適正化を図ってまいりたいという趣旨のものでございます。
また、
原爆養護ホームにつきましては、現在国が十分の八の
補助率でその
運営費を
補助しておるところでございまして、その内容はすべて社会局が所管しております
一般の
養護ホーム、
特別養護ホームの基準と全く同じでございます。ある面についてはこちらの方が有利な面も少なくないと考えておるわけでございます。この場合も、私どもといたしましては、民間の非営利の法人の
経営いたしますよさというようなものを生かしながら、できるだけ国や県などの
助成を
充実いたしまして皆様方の御
要望に沿えるようにしたいと考えておるわけでございまして、こういった
施設を
国立に移管する考えは持っておりません。
なお、原対協などが設置
経営しております
被爆者の温泉療養
研究所あるいは
被爆者の療養
研究センター、こういったものにつきましては、まだ国の
補助金は出してないのでございますけれども、こういった点につきましても今後
地元の県だとかあるいは市とか、そういったところとよく相談をいたしましてその
対策のあり方について検討してみる必要があろうかと考えております。