○沓脱タケ子君 恐らく
事業主にしても、
労働者知っておったか知らないかは別としまして、これは私、仮に計算したのでなくて、全部該当者がおるのです。名前言うてもいいんですけれ
ども、そんなこと言うても大勢に影響ないから言わないだけで、該当者がおるわけです。ですから五年近く掛けているんだから、三十六カ月掛けておればもらえるのだということで胸算用していたところが、五年近く掛けているんだから、まあこの
程度はもらえるんだなあという胸算用をしていたところが、すとんと外れるわけですね。半分近くに、あるいは半分以下になるというふうなケースというのは、これはきつ過ぎますよ、実際には。これはやはりこういうケースはなくしていくような方途というのはぜひ早急に検討なさらなければ、これはPRをいろいろ工夫しておられるとは言いながらも、中身が、こういう問題が出てくるということになりますと、そうメリットがないのだったらということになりかねない。その点は、これはぜひ
——確かに原資はかかると思いますよ、一年限りで十二億かかるというのがら、これ全部やったらどのくらいかかるのか、これは一遍計算して聞かしてもらわなければいかぬですけれ
ども、かかると思いますけれ
ども、せっかくの
制度をつくって、結果としてこういうことになるというのは、これは見逃すわけにはいかない欠陥だと思う。
それからもう一つ、これと関連をいたしますが、ぜひこれも
考えなければならない一つの問題点は、いま申し上げた、改正された
通算制度ですね。九十四条によりますと、
制度間の
通算というのがありますね。この法の九十四条によりますと、
制度間の
通算、
制度間の
通算の算定方法というのは、新しい契約の
掛金月額、これも大分問題があるわけです。なかなかむずかしい計算方法で、これは専門家でないと私
どもなかなかわからないわけですが、これも実例なんですがね。大変なことだなあと、ちょっと実例を申し上げたいと思いますがね、建設
退職金共済におった人ですね。この人が今度の中退金の
事業団の
退職でするという場合、これはむずかしい計算方法で
金額を決める
制度になっておりますが、具体的にはこういうことになるんですね。建設
退職金共済に四十カ月ですから、三年四カ月ですね、四十カ月入っておった。
掛金総額が二万七千百八十円、だからこれを均等に、建設の場合は均等に割る必要ないわけですがね、とにかく
掛金総額が二万七千百八十円、そうしたらそれを
事業団の
退職金制度に引き継ぐときにはこれは計算をしたら二万六千四百円になるんだそうですね。むずかしい計算だけれ
ども、表によると。そうして、そこの
事業団での一カ月の
掛金を四千円として六カ月という計算になる。そうしますと、この人、四、五カ月して仕事がかわってとても勤まらないということでやめますと、六カ月の計算にしかならないんですから、五カ月してやめたら、何と四十五カ月
掛金を掛けておきながら掛け捨てになる、こういう実例というのは大変なことだと思うんです。
同じようなことが幾つかありますが、やっぱり建設
退職金共済を十八カ月掛けおった、そうしたら、八十八カ月言うたら七年四カ月かになるでしょう。それが今度
事業団に入ったときには四千円で十二カ月の計算になって、
掛金総額が五万四千四百円のランクヘ行くわけですね。十二カ月、この人新しい職場にかわってしばらくして続かないということで、たとえば六カ月してやめたとします。そうすると、八十八カ月も掛けておって、さらに六カ月掛けるんですから九十四カ月ですか、総計九十四カ月掛けておりながら掛け損になるわけです。こういう
制度になってしまっているわけです。これはいろいろ組み合わせていきますと、こういう例はたくさんあります。それから逆に、
事業団からたとえば建設
退職金共済に行きましても、こういう問題が起こります。で、私はこれはもう大変
制度上の矛盾じゃないかというふうに思うわけです。で、
制度間の
通算の算定方法というのはこういうややこしいやり方をするわけなんですが、
退職金というのはそもそも勤務の実績に応じて
退職金を支給しようとするというのが大体この
制度の本旨でもあるわけでしょう。特に
制度内の
通算の方法と比較しても、これも大概悪いというのをさきに言うたんだけれ
ども、それと比べてももっと均衡を失していると思うわけです、この
制度間の
通算制度は。この点についてはこれは
改善の方途を講ずるべきではないかというふうに思いますが、どうでしょう。