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政府委員(
八木哲夫君) 最初の
お尋ねは横井さん、小野田さんのような未帰還兵の問題だというふうに御理解して御答弁申し上げたいと思いますけれ
ども、海外に残留しておると思われます元
日本兵の
調査、救出につきましては、従来からも在外公館を通じましての
調査、あるいは相手国
政府に対します
調査等を御依頼いたしておりますし、さらに最近は民間の商社等が
相当の地域まで活動しておりますので、民間の商社等に対しましても御協力をお願いしているわけでございます。そういうようなことでできるだけ情報がございますればそれの
調査を行う。さらに
遺骨収集がかなり大
規模に行われるということでございますので、
遺骨収集で参りました際には、その現地におきましてのいろいろな住民の情報なりいろいろな角度からの情報を収集いたしまして、情報につきまして確度の高いものにつきましては直接こちらから人を派遣しまして
調査をするというような
措置を講じておるわけでございます。最近中村さんが救出されましたのも昨年インドネシアに
遺骨収集団が参りました際に情報がございまして、私
どもはそれほど確実ではないんじゃないかと思ったわけでございますが、インドネシアの軍当局にお願いしまして
調査いたしましたところ救出に成功したというような次第でございます。
なお、元の
日本兵で現地におきましてその後現地の住民の方を奥さんにされ平穏な生活を送っておられるというような
方々についてはかなりの数を把握しておりますが、いずれにいたしましても今後ともそういうような情報の収集なり
調査につきましては積極的に図ってまいりたいという
考え方でございます。
それから中国孤児の問題でございますが、中国におきましては
終戦の混乱期におきまして、特に元の満州——現在の東北地区でございますが、開拓団等の
方々があの混乱期におきましてやむを得ない
事情で小さい乳飲み子なりあるいは幼児を中国人の
方々の手に託して帰られたというようなことから、自分は
日本人である、しかし親がわからないというようなことで、中国との国交正常化に伴いましていろいろな形で北京の大使館なりあるいは
政府なりに照会が参ってきている次第でございます。私
ども既存の
資料等を活用しましてできるだけこの
方々の肉親探しには協力いたしたいということでございますけれ
ども、なかなか限界もございますので、先般報道機関等の御協力を得ましてある
程度の
方々につきましての公開
調査を実施いたしましたところかなりの反響がございまして、二十人近くの身元がわかったというような
状況でございますが、今後とも中国との国交が回復してまいりましていろんな
意味での情報が入ってきておりますので、この面につきましては一層努力を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
それから第三点の海外の
戦没者の
遺骨収集の問題でございますけれ
ども、
昭和四十八年から従来の
遺骨収集では十分でないというようなことから、三年
計画で大
規模な
計画的な
遺骨収集を実施したわけでございますが、明
昭和五十年におきましては、従来
昭和四十八年度が二億二千万、
昭和四十九年度が二億五千万でございまして約倍に近い四億七千三百万という
予算を計上しまして大
規模計画的な
遺骨収集を実施したいということでございます。
なお、
昭和五十年で打ち切るのではないかということでございますが、私
どもといたしましては、できます地域につきましては
昭和五十年におきましてある
程度のめどは立てたいと思っておりますけれ
ども、いろいろな
関係で行けない地域もございますし、それから行きましても、時期の
関係、天候の
関係、あるいは相手国との
関係等から十分な実施ができない地域も残ろうかと思います。そういうようなことで、
昭和五十年はかなり大
規模な
計画を実施いたしますけれ
ども、これで終わりではないわけでございまして、どうしてもまだまだ補足的な地域あるいは補足的な
遺骨収集等は行わなければならないというふうに考えられるわけでございますので、決して五十年で終了するということではございません。