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政府委員(滝沢正君) 大変広範にわたっての御質問でございますので、逐次お答えいたしますが、老人
医療の問題と
ベッドの増と申しますか、
対策でございますが、実は老人
医療無料化に伴います
病院への
影響を統計的に見ますと、比較的大きな総合
病院的なところでは一〇%が一五%、これは七十歳以上の
対策に乗る数字でございまして、市町村立になりますと二〇から三〇というふうに非常に
考え方によっては高率になっております。で、この問題は老人の総合
対策に絡む問題でございまして、ただ
病院側が利用率を高めるために入れているんだということになると、これはまた論外の問題でございますけれ
ども、いずれにいたしましても、
ベッドの増はわが国の
医療従事者の現状から見まして、積極的に増強することはただいまは困難でございますが、われわれ当面国立の施設も、先生の
お話のように、一部老人病棟の
方向に向けますけれ
ども、そのまたモデル病棟もただいま設計中でございますが、このような
対策よりも非常に重要なのはリハビリテーションの問題である。老人といえ
どもやはり自宅に帰って少なくとも自分の用事は足りるぐらいに回復するリハビリテーションに重点を置きたいということで、
国立病院・
療養所にもリハビリテーション機能を増強する。それから公立にも補助金を五十
年度から用意いたしました。したがって、老人
医療対策の一環としてリハビリテーション機能というものを
医療機関に増強し、
ベッドの回転というものをやはり十分
考えませんと、長期療養の老人を受け入れるとなりますことは、これは特養との
関係等も含めて、十分総合的に
考えなければいかぬと思っておるわけでございます。
それから
保健婦の活用の問題ございましたが、まことにごもっともな意見だと思いますが、私は、現状の
保健婦の養成
計画のままでは、なかなか十年ぐらいの日にちを要しませんといまの倍ぐらいにはならないというようなことで、老人
医療にまつわる訪問
看護の問題、要するに
看護婦さんであって訪問
看護制度というものが
考えられないかということも含めて、
地域によってはもちろん
保健婦の活用も必要になりましょう。ただ、都市型のところでは
保健婦は
健康管理等が主体になるであろうし、町村に行きますというと、
保健婦が
かなりこの面で活動していただけると、こういうようなことで総合的に
考えたいと思っておるわけでございます。
それから
看護婦の
確保対策、特に五十二、三年をめどに何とか見込みが立つんじゃないかという、これはさきの
国会でお答えいたしておりますが、実はこれには週休二日制が入っておらないわけでございまして、週休二日制の問題がやがて日程に乗る段階にきておりますので、われわれとしては少なくとも五十三年、四年の
計画を立てるには、週休二日制の問題をやはり加味する必要があるということで、先般お答えしました数字に対してただいま修正をいたしておるわけでございまして、これを見ますというと、概算で私、見ておる段階ですが、やはり相当五十五年になってもまだ不足の
状態が
解消できないというような見込みになるのでございまして、これは成案を得次第、また
機会がございますればお答えする
機会があろうと思います。いずれにいたしましても、そのような量の
確保と、また関連して業務の整理、
補助者の導入という
意味のお尋ねがございました。この点については、わが国の
事情からいきまして非常に若い方の
補助者を得ることは非常に困難であると、したがって、中高年齢の方の
看護補助者の活用ならばこれは
考えられるのでございまして、そうなりますというと、とても
看護力というよりも、全くの
補助者としての業務の整理をするというあたりのところが具体的なわが国の実態に対する問題点であろうと思っておるわけでございまして、
補助者制度というものにまたこの新しい
制度を設けると、また身分
制度をつくれというような行為につながりますので、この
補助者というものの
確保の点につきましては、非常に
地域ごとに
事情も異なりますし、この点は
看護業務の整理ということがどういう
補助者にこれをお願いするかという観点になりますと、非常に具体的にすることが困難な問題でございます。
それから国立の
看護職の
定員、二・八体制の問題でございますが、今回、五十年の
定員増によりまして二・八体制の強化という
項目で
定員の増を認めていただきましたので、
国立病院はこれによってただいま五〇%程度の二人夜勤の
単位が六〇ぐらいに上げられる見込みでございます。で、これのめどというのは、人事院勧告にもございますように、
計画的に逐次進めなさい。といって全部をやれというような形でなく、一人夜勤でいいところもあるであろうと、しかし、そういう場合は夜間の連絡体制その他を十分気をつけなさいというのが判定の内容でございます。われわれも文部省はただいま七五ということで、第一年次の二・八体制が
計画されておりますので、ほぼその辺をめどに高めていきたいというふうに
考えておる次第でございます。
それから
看護教育の
制度と絡んで、国立の
准看養成所をどういうふうに持っていくかというお尋ねでございます。今回五十
年度から国立の
養成所の教務主任等を
教育職に変えていただきました。これはわれわれの念願でございましたし、
一つの姿勢を、
方向を示したものと
考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、
看護教育で一番問題点は、教員の資質の向上ということが一番重要な課題でございますし、
看護教育センターを認められた
方向も、やはりそれを充実する
基本にしたいという
方向であるわけでございます。具体的に准看
制度については、一昨年出ました
制度検討会の御答申にもございますように、逐次准看
制度は廃止の
方向で切りかえなさい、それで切りかえのめどの立ったところで、この
教育制度自体も廃止の
方向で検討しなさいというのが、検討会の御答申の御意見でございます。具体的に国立については、進学コースに進み得るところ、あるいは直接三年コースに切りかえられるところは、国立の整備費をもって積極的に進めたいと。ただ、このめどにつきましては、具体的にただいま申し上げられる数字を持ち合わせませんけれ
ども、
かなり積極的に
療養所・
病院の特に准看を進学コース等に切りかえる方策は実施いたしておるわけでございます。まあ、らい
療養所などに
准看養成所がございまして、このようなところをどう切りかえるかが、一番至難な問題でございますけれ
ども、実習
病院との
関係等を踏まえまして、最終的にはこのような
療養所関係の准看施設は全部三年コースに切りかえあるいは進学コースに切りかえたいという方針で進めております。まあ三年定時制の問題も、このような問題の関連における
看護婦養成の充実策の
一つとして取り上げたわけでございまして、五十
年度からわが国で二ヵ所程度この三年定時制の
看護婦養成が発足できる見込みが立ってまいったわけでございます。
それから大腿四頭筋の問題に対しましてのことでございますが、これは私
基本的には
医師の指示に基づいて
看護婦がやっておるわけでございますが、先生御指摘のように、その指示があって、静脈
注射と違って皮下
注射、
筋肉注射は
看護婦が恒常的にやる場合が多いということはおっしゃるとおりでございますが、やはりこのような
教育内容ということは、実は大腿四頭筋の問題が起こる
かなり前に、東北の赤石教授が、
看護婦の教科書の中の
注射部位については少し見直す必要があるという御提言が
かなり前にあったわけでございます。
医師会
関係の
委員会答申の中で、そのことが頭におありになったものですから、そのことに触れておるわけでございますが、実際は教科書の内容、
参考書類はほとんど新しい御意見に基づいて改訂されておるわけでございます。で、先生おっしゃるような
看護婦の
教育内容に
薬理学あるいは生理学等もっと内容を高める必要があると、これは
教育一般論としては私非常に大事だと思いますが、この
注射ということを
看護婦がすることにまつわって、どこまで薬理なり生理なりの知識を持てばいいかという問題は、
看護婦本来の使命からかんがみまして、一般論として
教育内容を
改善すべしという御意見には全く賛成でございますし、ただいま
制度検討会の延長として、
看護教育内容を検討していただく
委員会を続けておりますので、そのめどが立ち次第、四十二、三年ごろ一回
教育内容を
改善いたしておりますから、五十年をめどにして
教育内容の
改善をいたしたいと思っております。
それから、最後に僻地の
医療対策と
保健婦の問題でございますが、全くおっしゃるとおりでございまして、今回の
僻地医療対策の
保健婦の駐在は身分としては県
職員を
考えております。したがって、県
職員である地元の保健所の婦長などとの
保健婦の主任との結びつきが出てまいりますので、先生御指摘のように非常に孤独な連絡、勉強の
機会のないようなことのないようにこれは
指導いたしたい。したがって、保健所がそのよりどころになり、そこからまた必要によっては自分の仲間としての応援体制をとっていただけると思いますので、市町村
職員でなく県
職員として駐在していただく、それで人事の交流もするようにいたしたい、こういうことを
基本にして
指導いたしたいと思っておる次第でございます。