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井上吉夫君 最初に申し上げましたように、四十八年の十一月にタチウオにまず高
濃度の
水銀が
検出された。それから、現在では七
魚種の
規制をしておるわけですが、
鹿児島県といたしましても、当面この
関係者が非常に
生活にまず困る。そして
漁法なり
漁場の転換をするにいたしましても、かなりな
技術も身につけなきゃならぬし、あるいは機材なり、船なりいろんなものについて転換のための資金が必要になるというようなことからいたしまして、四十九年度で
生活資金の融資を六千八百八十八万ほどやっております。予算
措置といたしましては、このほかに
湾奥部の七水域あるいは
魚種の七汚染
魚種、検体にいたしまして千百五十八検体買い上げをし、あるいは用船等によりまして三百六十三万円の予算の補償をしている。さらに
漁業転換相談
関係の経費に五百七十六万を組んでいる。五十年度では
漁場や
漁法の転換のための資金を五千万、それから
生活関係の資金を六千八百八十九万、そのほか既往債の償還据え置き等についての利子
助成等含めまして一億二千一百六十九万の
措置をしておる。
鹿児島県内で、
鹿児島湾内に発生した問題でありますから、直接地元が対応することは、ある
意味では当然かとも思いますけれ
ども、大変地方財政の窮屈な中で引き続きこういうような
措置をずっと続けるということは、県にとりましてもかなり大きな負担になってまいる。で、これらの
措置についてほとんど無利子資金としての貸し付けを実施をしておる。いま御
説明のように、現在のこういうことに対する
措置として、個人
漁家に対する
助成という
措置がないということは私も承知をしております。しかし、もしこの被害というのが、
原因者がはっきりわかっているものであるならば、その
原因者に出させる、負担をさせるという手段がありますけれ
ども、自然災害の場合はこういうものが全くない。これはひとりこの問題だけでなくて、風水害その他の災害等を受けた場合も、まだまだ災害を受けた個人に対する対応というものは全体として私は十分でないと思います。義援金的な金の集め方ということで被害者を救済する手段というのが従来からずっと続いているわけですけれ
ども、私はやっぱり次第にこういうものについては、社会全体が公的な仕組みという形の中で見るということをだんだんと
考えていかなきゃならぬものではなかろうかというぐあいに
考えるわけです。いま直ちに
水産庁にそのことを強く求めるというぐあいにいたしましても、そのとおりやろうなんという答えはむずかしいと思いますけれ
ども、いま申し上げましたような事情下にありますから、先ほど
説明のありましたような新しい
漁業構造改善事業等を通じて
関係漁家ができるだけ低利の長期の資金が借り入れができ、それに所要の裏打ちを県で実施をして、そして、できるだけ早く
生活の面でも、あるいは仕事の面でも立ち上がりができるような、そういう対応の仕方をひとつ国と県が一緒になってやっていただくということに、さらに格段の御努力を
お願いを申し上げたいと思います。
最後に、私は
鹿児島湾奥の
水銀に関連をしてずっと質問をいたしてまいりました。で、大臣まだお見えでございませんでしたけれ
ども、
環境庁としても一年そこそこ、一年足らずの
調査だけで、まだまだ学術的にも十分
調査を続けていかなければならぬということを認めていただきました。積極的にそれに対応していこうという御返事をいただきました。一部分で起こったことであるとか、あるいは自然災害であるというようなことのために看過することのないように、ひとつ学術的な
意味でも、あるいは地球全体の問題として取り上げましても、さらに被害を受けた
関係者はその
原因が自然のものであれ、あるいは
企業等によるものであれ、受けた被害というものについては被害に変わりはないわけでございますから、そういうものについては、いま途中で御
意見として申し上げましたように、行く行くは、こういう問題が間々発生するわけですから、公的手段によって個人災害まで
助成するという、そういうような方向にどういうぐあいにして移行できるか、なかなかむずかしい問題だとは思いますけれ
ども、あるいは閣議等通じて、できるだけ災害というものが公的な手段において救済の手が進められるようなことも、ひとつこの機会にあわせ頭の中に入れて、そして、そういう方向に時代が進むように御考慮をいただきたいと
考えるわけです。総まくりで大変恐縮ですけれ
ども、大臣の御見解をお
伺いをいたします。